ダンテの「神曲 地獄」編 第8歌(カッコ内は筆子、その5)(原 光訳 2000年、沖積舎)
◯すると両手を小舟へ突き出したので、機敏な師はそれを突き退(の)けて言つた、「去つて他の犬どもと一緒にゐろ!」 それからわたしの頸(くび)を両腕で抱きしめ、わたしの顔にキスして言つた、「正しい侮蔑に満ちた魂よ、そなたに孕(はら)んだものこそ幸いなるかな! あれは現世で傲慢な人間だつた、あれの思い出を飾る善行はない、それであのやうにあの亡霊はここで怒り狂つてゐる。(ここまで前回)
◯あの上でいま大王らしくふるまひながら、自身に対する恐ろしい軽蔑だけしか残さずに、泥濘(ぬかるみ)の豚のやうにここにとどまるものが、どんなに多くゐることか!」 わたしは言つた、「師よ、わたしらがこの沼から出る前に、奴がこの泥水にもぐるのを、わたしは見たくてたまらないのですが。」 師は言つた、「岸が見える前に、そなたは満足するだらう。その願ひどほりになるのはふさはしいことだから。」(つづく)
◯11月30日は2014年の第四十八週、日本聖書協会の「聖書愛読こよみ」は詩編90編1~17節、この詩人は9節で「人生はため息のように消えうせます」と詠っている。それにもかかわらず、神こそは永遠の住処であるとして16節で、「あなたのみ業を仰ぎます」と詠う。神こそが信仰の民を救うという確信と希望を歌い上げる。クリスマスにそれが実現した。
◯写真は、さる24日、佐賀めぐみ教会で九州中会長老執事委員研修会が開催され「ディアコニア(執事)の務め」という主題で研修。辛島光一、秦博記、鈴木俊也の三長老と牧師が出席した。