五、「教会とわたしたち」(313)
4.近代の教会の夜明け―宗教改革―スコットランド
また「あなたのみ心によって、あなたの教会を守る教職者を起こしてください」という祈りであった。そして側にいる人々に対しては「死は恐ろしいものではありません。神の独り子は死の力の限界をご存知です。死はむしろ祝福であり神聖である」と語ることを欠かさなかったといわれる。 (ここまで前回)
彼は棺を用意させたのを先に記したが、それから三日目、11月23日主の日を迎えた。教会の礼拝説教がすんだ午後を見計らって、教会に人を遣わして、神の業としての自分の最後を見届けるように呼び寄せてほしいと頼んだ。すぐ集まって来た者たちに、「教会の改革派信仰の困難な状態と戦うこれからの教会のために涙ながら祈った。」といわれている。彼の容態は最悪のまま、その夜を過ごした。翌日、月曜日、いよいよ死の時が来たと知ったのか、彼はコリント一、15章を読んでもらい、「わたしの霊と心と身体とをあなたの御手におゆだねます」と、彼の言葉はもつれながらいったという。このとき彼の目は見えなくなったようで、続く言葉が、「ヨハネによる福音書17章を読んでください。そこにわたしの最後の錨をおろします。」と言い切ったとき、呼吸が乱れ重いうめき声になり、ノックス夫人らが入って来て最後を見守った。11月24日深夜11時ころ発作もなく息を引き取った。歳は(つづく)