とことん青春!
愛は憎しみより高く、理解は怒りより高く、平和は戦争より気高い。
 



名前は?
須崎真帆

憎んでるのはモデルの兄貴か?
お兄ちゃんは綺麗 私なんかよりずっと
でも だからって 私の恋人を奪うなんて…

全然分からねぇ 
お願い…お兄ちゃんを地獄に流して

怨み聞き届けたり                              

【依頼人】須崎真帆 
【ターゲット】須崎幹夫
                 

これはかなりの問題作になってきたぞ(笑)。
こういった演出が可能なのも深夜放送の醍醐味(特権)ですな。
常人には感情移入しづらい話ながらも、内容自体は前作屈指の傑作第12話『零れたカケラ達』を踏襲する作風に仕上がっていますからね。

「愛」と「憎」は表裏一体。
【愛の限界】を越えると「愛」は「憎」に引っくり返る、と。
「ではなぜこの悲劇が生み出されるのか?」について言及したのが今回の話。
9話感想。

◆◆愛と憎◆◆                 
大好きで大嫌い     
優しくて残酷       
愛しくて憎い       
お兄ちゃん
         

矛盾している様にも思える真帆の言葉ですが、愛と憎は常に背中合わせですからね。
前作から丹念に描かれているのが、この愛と憎の関係であり、第10話『トモダチ』はその典型的な例。
「愛」はささいなすれ違いで一瞬にして「憎」に変わり得るものであり、そのすれ違いの原因を理解する事ができれば、「憎」は「愛」に変わりますよ、と。         
これが人の縁(えにし)なんじゃないかな。                   

大好きなものだから壊したくなる         

閻魔あいはその事を理解しているみたいですね。               

◆◆なぜ愛は壊れるのか?◆◆           
今回の話では今までの話の中で淡々と描かれていた【愛の崩壊】から【なぜ愛は壊れるのか?】という具体的な部分にまで落とし込んだと思う。   

結論を言えば、愛が壊れる最大の理由は勘違い・誤解から生じる「すれ違い」なのではないかと思われます。
ここの所は、前作の柴田親子の勘違い・誤解から生じる「すれ違い」に起因する【絆の崩壊】の描写にもつながってくる訳なのです。
流石は「合わせ鏡の二籠」だな、とw       

今回の話で真帆の中に「愛しているけど憎い」という複雑な感情が芽生えたのも、幹夫との勘違い・誤解から生じる「すれ違い」が原因になっているのではないかと思う次第。 
もっと具体的に言うと

真帆が愛している幹夫=自分の事を心配して優しく慰めてくれる幹夫,両親や恋人が居なくともいつも側に居てくれるかけがえのない存在である幹夫  

真帆が憎んでいる幹夫=劣った容姿を持つ自分に恋人ができる事を許さない幹夫,幸せになる自分から恋人を奪い共損関係に陥れようとする幹夫
       

といった所かと。   

しかし、実は「真帆が憎んでいる幹夫」は全て真帆の誤解によって作り出された「偽りの幹夫」なんですよね。
結局、彼女は己の誤解を理解できないまま、糸を解き幹夫を地獄に送る選択をする訳なのです。
「憎」が「愛」を越えてしまった、と。

◆◆一目連だが◆◆ 
興味あるんだよ あにいもうとって奴にな 

やはり、2話で回想していた女性は一目連の妹のようですな。                       

いずれ地獄で妹と会える時が来るかもな   

この台詞は一目連自身の事を指しているんじゃないかな。
一目連は妹共々、地獄に流された、と。
そうなると、一目連の妹も地獄に流される程の「罪」を犯している可能性が極めて高いと考えられますな…。

◆◆誤解が生み出す悲劇の連鎖◆◆
これで真帆を傷付けなくて済む           

地獄に流される舟の上で呟く幹夫。
つまり、彼は自分の存在が真帆を傷付けていると悟ったのでしょう。
真帆が傷付かない為には自分が真帆の下から消えるのが一番である、と。
ここの所は第3話の多恵や第6話の颯太の考えとリンクしますね。
神聖な存在である相手を傷付けず自分も傷付かない為には、最初から深い人間関係を構築しないのが最良の手段である、と。

しかし、この幹夫の考えは全くの誤解だったのです。
その事を端的に表現していたのが、真帆の

お兄ちゃん…お兄ちゃん…すぐに側に行くからね               

という台詞。       
幹夫が居なくなって気付いた幹夫への「愛」。
残された真帆の悲哀は前作第12話『零れたカケラ達』の依頼人の心情と通じるものがありますね。

互いの誤解に起因するすれ違いによって生み出された悲劇を描いた今回の話。
次のステップではこの誤解を生じさせない為にはどうするべきかが描かれるんだろうな、きっと。

◆◆どうすれば愛は壊れずに済むか?◆◆ 
ブレイクダウンしていくと、最終的に描かれるべきオチはこれだと思うのですが、今までの話の流れから考えるに、愛が壊れる程の誤解を生じさせない為の「対話」が重要になってくるんじゃないかな。

自分の胸の中に“秘密”として閉まっておくのではなくて、相手を理解させる為に敢えて“秘密”を明かすくらいの「対話」が必要である、と。

前作の柴田一は妻の死をつぐみに明かさなかった為につぐみの誤解を生みすれ違いを起こしてしまったのですが、最終的には自分の妻に対する素直な気持ちを打ち明け、つぐみとの絆を再構築させましたからね。

人間関係に深入りすると傷付いてしまう可能性があるという理由で「対話」を拒んだ多恵や颯太。
そして、“秘密”を打ち明かすだけの「対話」が無かった為に誤解を生じさせたあにいもうと。

これらの崩壊した絆の前例を考えても、今作では「対話」による誤解創出の防止と「壊れない愛の形」の提示が描写されるのではないかと妄想する次第。           
制作者側はかなり深いテーマに挑もうとしているな、と思いますね。

以上、9話感想でした。



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