今回はマリナと沙慈の成長を描いた話でしたね。
8話感想。
◆◆刹那の心情◆◆
あんたを殺しても何も変わらない
世界も変わらない
「あんたは何も分かっていない」
刹那の言いたかった事はこれでしょうね。
親を殺し、多くの人を自らの手で殺めてきた刹那にとっては、人が死ぬ瞬間を知らないマリナがあまりにも現実を分かっていない机上の空論を語る存在に思えたのでしょう。
そんな何も分かっていないあんたを殺したところで何も変わらないし、世界も変わらない、殺す価値も無い人間なのだ、と。
つまり、刹那にとって現状のマリナは生きていようが死んでいようがどうでもいい存在なのです。
だから、自らのコードネームを名乗ったんですね。
最初、彼が「カマル」という偽名を名乗ったのは、マリナを警戒しての事だと思います。
しかし、いざ話をしてみたら、彼女が世界の状況を全く分かっていないお嬢様だと悟ったのでしょう。
この程度のお嬢様にならば、真実を話したところで全く害も無い、むしろ、真実を突きつけた自分に危害でも加えてみろ、といったノリかと。
以前、沙慈に対してコードネームを名乗ったのも、沙慈が平和ボケしていて、世界の事を何も分かっていないと思ったからなのでしょう。
明らかにマリナは見下されていますね。
同時に刹那が挑発的な面も持ち合わせている事が分かりました。
しかし、マリナはラストシーンでわずかながら成長した面を見せる事になるのです。
◆◆沙慈の成長◆◆
バスが爆破されて大勢の人が巻き込まれて
それを見た時 関係無くないんだって
分かってなかっただけで
何も知らなかっただけで
世界の事も何も知らなかった沙慈ですが、無差別テロの影響で世界の事を真剣に考え出した模様。
今回の話では、我関せずの状態から抜け出した彼の成長が描写されていましたね。
◆◆ソレスタルビーイングの真の目的(妄想アリ)◆◆
さて、今回の話で絹江も考えていたソレスタルビーイングの真の目的ですが、以下のスメラギの会話にヒントがあったように思います。
まさか各国の諜報機関が協力してくれるとは…
良いように使われただけです
だが 大きな一歩でもある
ですね
スメラギ達が今回の件を「大きな一歩」と捉えたのも、彼らの真の目的遂行のプロセスの中に「各国の協力」という事項が入っているからではないかと思う次第。
つまり、【世界中の一般民衆の憎悪の対象となりながらも、各国首脳にとっては利用価値のある協力対象となる】というのが彼らの理想の状態なのではないかと。
この事から考えられるソレスタルビーイングの真の目的は、彼らを利用しようとする者の粛清ですな。
以前の感想でもこの物語における「悪意」とは物事を知っていながら知らないフリをする事なのではないか、と書いたのですが、武力介入を繰り返す事で「悪意」を持った者達を炙り出し協力関係に抱え込み、最終的に彼らを切り捨てる事で一般民衆の憎悪の矛先を彼らに向けさせるという狙いがあるのかな、と。
切り捨てる手段としては、ソレスタルビーイングと各国の協力関係の情報をマスコミへリークする, ソレスタルビーイングという組織の自発的消滅により彼らによって支えられていた既得権益を喪失させるといった手段があります。
悪意の炙り出しによる善意ある世界の構築といった狙いがあるのかな、と妄想しているのですが、的外れの可能性も大ですw
世界を一度、全て潰すくらいの意気込みが無いと成し遂げられない施策ですしね。
ただ、彼らの目的遂行のためには各国との協力関係が必要となる事は今回のスメラギの会話からもほぼ間違い無いかと思う次第です。
◆◆マリナの成長◆◆
おい見ろ!モビルスーツだ!
あの白いのはどこの国のだ?
ガンダムじゃないのか?
かっこ良いー!!
ガンダム…
マリナの成長が端的に表現された場面であり、今回の話の最大のポイントでしたね。
マリナ以外の民衆はガンダムに対してどこか憧れに似た感情を抱いていたのに対してマリナの表情はどこか恐怖を感じているように見えました。
ここのところで、戦争の現実を知らない民衆と、刹那とのやり取りで戦争の現実を知りつつあるマリナとを痛烈に対比させる事によって、マリナのわずかながらの成長を上手く描いていましたね。
また、以前はこれら民衆と同じポジションにいた沙慈も、今回の話で戦争の現実を知った事を明かしており、これら民衆より一歩成長したポジションに位置している事が描かれていました。
そんな彼らを上空から見下ろす刹那。
お前らみたいな世界を知らない人間は殺す価値も無い
そう言わんばかりの形相で睨み付けていたのが印象的でした。
世界を知らない民衆と世界を知りつつあるマリナ&沙慈を対比させる事で彼らの成長を上手く表現していたのが今回の話の最大のポイントだったと思う次第です。
以上、8話感想でした。