とことん青春!

愛は憎しみより高く、理解は怒りより高く、平和は戦争より気高い。

地獄少女を総括してみる

2006-08-31 21:08:53 | 地獄少女

いよいよ今秋に続編が放送される『地獄少女』ですが、ここで若干、作品のおさらいをしておこうと思う。
この作品自体、当初は必殺仕事人風の勧善懲悪のノリかと思っていたが、実は単なるヒーローものではなかった。

その事が端的に分かったのが第12話『零れたカケラ達』における閻魔あいとターゲットの会話です。

この回では孤独を抱える教師(ターゲット♂)と生徒(依頼人♀)が他者との一体感を得る為にバーチャルなネット世界にのめりこむ様を描いているのですが、実は2人がメル友だった事が明らかになり、最終的には教師(♂)が生徒(♀)に地獄流しを依頼するといったオチになります。

この2人は生きている世界とは別の世界に行く事によって孤独と絶望にあえぐ自身の心に一筋の希望の光を灯したかったのではないかと思う次第。
そして、その理想郷である別世界が地獄だったのでしょう。
ここではない別世界に行けば希望が見つかるはずだ、と。 

この回の最大のポイントはターゲットを地獄に流す時のあいの台詞です。                 

先生…自分が何をやったか分かってるの…?                   

復讐の赤い糸を解いてしまえば解いた側も死の恐怖に怯える一生を送らなければならなくなる。
その事は(私的にこのシリーズ最高の出来だと思う)第13話『煉獄少女』でも丹念に描かれる事になるのですが。

決して感情を表に出さず淡々と語るあいですが、その心の奥底は己の行為に対する疑念で溢れ返っているのでしょう。           
その証拠にターゲットを地獄に流した後、あいは『本当にこれで良いの?地獄が極楽になって良いの?』と呟いているのです。
正に彼女が自身の行為に疑問を感じながらも地獄流しを続けている状態である事が端的に分かりましたね。

しかし、このあいの独り言を聞いたあいの祖母は『良いんだよ、あい。本人達がそれで良ければ何の問題も無いんだよ』と、あいを慰めているかの様に思えて、実はあいの行動を規制してもいるのです。

あいが自身の行為に疑問を抱きながらも地獄流しをせざるを得ない背景には彼女への何らかの強制力が働いているからだと思うのですが…。
やっぱりあいのお婆さんが怪し過ぎるぞw           

とにもかくにも、単純なヒーローものではなくミステリアスかつ独特の雰囲気も織り混ざっているのがこの作品の最大の魅力である事は間違い無いと思う次第です。


地獄少女第23話『病棟の光』を見たのだが

2006-08-29 22:59:44 | 地獄少女

この回は秀逸だと思う。
と言うのも、恨みとは恣意的なものであり客観的に善か悪か判別できないという事が描写されたからです。

今回のターゲットは善良な看護婦であり何の罪も無い人です。
依頼人はターゲットと全く面識の無い恐らく薬物中毒であろう男でした。
そして、この男の気まぐれによって善良な看護婦は地獄に流されるはめになった、と。 

この仕事を終えた後、あいの仲間達は                         

骨女『後味の悪い仕事だったねぇ』       
一目連『けど、この何百年の間、こういった事はよくあったじゃないか』             
輪入道『だが、俺には聞こえる…お嬢の心がきしむ音が…』

と語っています。   

つまり、閻魔あいを含む地獄流し組には地獄流しを止める自己決定権が皆無であるという事なのでしょう。
彼らは自らの望みに反していたとしても舞い込んできた仕事を黙々とこなす必要があるみたいです。
何か裏であい達の糸を引いている黒幕が居そうな感がありますね(←あいの婆さんが何気に怪しいぞw)。       

一方で準主役である柴田つぐみと柴田一にも心境の変化がアリ。 
一は以前から復讐からは何も生まれないとして地獄少女に対抗する立場でした。
その理由は自身の辛い過去の教訓があったからなのですが…。
逆につぐみは閻魔あいと通じ合っている事もあってか、あいに共感する立場でした。

しかし、今回の件でつぐみの中にあいの行動に対する疑念が生まれ、復讐とは必ずしも復讐する側とされる側にとって幸せをもたらすとは限らないのではないか?とする考えが生じたのではないかと思う次第。
この彼女の心境の変化が物語をどの様に揺さぶってくるかが見物ですね。             

また、あいの口から仙太郎という人物の名前が出てきた事は注目すべき点ですな。
この人物が閻魔あいと柴田つぐみの接点の謎を解くキーパーソンになりそうです。
DVDも残り3話となった『地獄少女』の結末が非常に楽しみですよ☆


BLOOD+ 46話感想 『あした天気になあれ』

2006-08-27 14:21:47 | BLOOD+

小夜の健気さにちょっと泣けた。                             

◆ちょいと苦言     
この作品はテーマ性に関しては高いレベルなのだが設定が薄すぎる。
サンクフレシュの薬品を第三世界にばらまきディーヴァの歌声で人間を翼手化させた所でコープスコーズを送り込むなんて素人でも考えられる様な単純な発想でありプロの為政者の政策ではないだろ(笑)。
こんな事に感心しているルイス達が分からん。

こんな事、普通のジャーナリストがちょっと動けば真相を解明できる様な事なんじゃないのか。
事実、空軍基地の感謝祭ではディーヴァの歌声で翼手化する人間も居たのだから。
それとも、この時代のジャーナリズムは地に落ちたのですか?
こういう事を追求するのが岡村記者の役回りなんちゃうんか?                 

だから、世界観がぼやけてきて個人レベルの悲劇演出に注力するしかなくなるんですよ。
それはそれで悪くは無いのですが、これでは壮大な世界観を描けるはずがありません。 
それならば、最初から世界を駆け巡る冒険活劇にするべきではなかったと思う次第。
まぁ、今更言っても始まりませんけどw     
   

◆自己嫌悪と自己犠牲の果てに      
ハジ…
約束して欲しい事があるの         
私が全てを終らせたら…
あなたの手で私を殺して…
                 

長々と引っ張ってきた約束の内容がようやく明かされましたね。 
予想通りだったので驚きも全く無いのですが、これでこの物語の大団円が鮮明になってきたと思う次第。

落とし所としては、下の記事でも書いた様に、自分の存在に疑問を抱いていた小夜が、己の居場所を見つけて「生」を貫くか、自分は生きるに足らない人間だと悟り「死」を選ぶかのどちらかなのです。                 
ってか、この約束が為されるENDの方が意外性があるぞw

◆ハジとカイの想い 
誓います
最期の日が来るまで私はあなたを守ります
そして あなたが死を望むのであれば私はこの手であなたの明日を奪いましょう
 

ハジも本当は約束を果たしたくないと思っているのでしょうが、主人の望みを受け入れるしかないので苦しい立場ですな。
唯一の希望はカイの力で小夜が「生」を貫く方向に感化される可能性があるという事。
また、OP&ENDでも描かれている様にディーヴァと小夜が歩み寄る可能性もある。

小夜がディーヴァの存在を認める事は翼手である自分を認める事にもつながる訳ですからね。
自身の存在を認める事ができれば小夜の中に「生きる力」が構築され、彼女が「生」を貫く方向に転換する可能性も十分にあると思う次第です。       

以上、いよいよクライマックスに突入してきたと感じ得た46話感想でした。


BLOOD+ 45話感想 『手のひらを太陽に』

2006-08-22 11:57:16 | BLOOD+

ちょいと時間が無いので簡易感想で。     

今回のシフの行動は個人的にはまっとうだった様に思う。
今回の話の最重要ポイントはジェイムズの言動です。
彼はシフに対して   

絶望だ
君達の存在が私に絶望をもたらし
君達の不完全であるがゆえの醜さが愛する者から私を遠ざけたのだ
 

と、シフを苦しめる理由を明かしたのですが、彼はシフを共損関係に陥れたいだけであり、彼の現状は絶望でも何でも無く喪失感に起因する一時の失望に過ぎないんですね。
彼は肉体を入れ換える事で永遠の命を手にしている訳であり自分が自分であるという事を捨てているのです。
逆にシフ達は肉体も魂も一つであると主張し【自分が自分である為】に「死」を選んだ。 
つまり、ジェームズの様に自分が自分でなくなったとしても生き続ける事とは逆の生き方をシフは望んだだけの話なのです。

シフの最期の会話である…   

モーゼスやったな   
やった…?         
俺達は凄い事をやったじゃないか      

という会話もどういう意味かと言うと『あぁよくやった』,『あぁよく生きたな』という意味なんですね。     
自分が自分である事を捨てて生きるより自分が自分である為に「死」を選んだ彼らの考えには共感できるものがあります。
ただ(共感はできるものの)物語として見ると、個人レベル程度の悲劇で視聴者のカタルシスを満たそうとする所に演出の安っぽさを感じてもしまいます(笑)。     

私としては、自分が自分である為には【自殺=悪】とはならないという見解です。     

ちなみに、シフで唯一生き残ったルルゥが可哀想であるという考えはこの作品においては全くのナンセンス。 
なぜなら、BLOOD+では【存在そのものが憎悪の対象になる】という事を描写しているのですから。
小夜とディーヴァの関係は正にその事を端的に表していますね。


BLOOD+の展望

2006-08-18 20:12:32 | BLOOD+
プロダクションIGの社長の話によると、BLOOD+は放送当初、「戦争」を真正面から捉える作品にしようとしていたらしい。
「BLOOD」=「金」という意味であり、戦争を動かしているのは金であるという現実を描写しようとしていたらしいのだが…。

確かに、序盤では米軍が絡んだりしていたのでその趣はあったが、現状ではその描写はかなり薄れてきているように思えます。

ただ、作中テーマであるとする「生」,「死」,「愛」の描写は為されているかと。
特に「生」,「死」の描写は秀逸ですな。
何せ、主人公が自殺願望(=『殺してね』約束)を口に出すくらいですからね。
殺伐とした現代社会で生きる現代人には共感できる内容ではあると思う次第。

また、社長曰く、

最終回にもっていくまでの、5、6話くらいが、これが最終回じゃないかと思えるくらいものすごい展開です。これは視聴者にとってはたまらないというか。本当にこれは、言えるんだったら言いたいですね。見ないと損しますよ。常に度肝を抜かれます。

らしいので、残りの話に期待ですね。

この物語自体、【個人の謎(=自分は何者なのか?,自分はなぜ生きているのか?という謎)】を入口にしているので必然的に出口も【個人の謎の解決】で締められるべきです。

自分の存在に疑問を持ち自分探しの旅に出た主人公が、自分の居場所を見つけ「生」を貫くか、自分は生きるに足らない人間だと悟り「死」を選ぶかのどちらかが物語の出口になるのが普通なんですけどね。

社長の言うように予測できない「ものすごい展開」が繰り広げられるならば、私のような凡人の予想を覆してくれる事を期待したいところです。
ただ、話の筋の通らない展開を「ものすごい展開」であると位置付けるのであれば、種の時のように激しい愛のツッコミを入れますけど(笑)。

艦橋

2006-08-17 18:35:21 | ガンダムSEED DESTINY
以前から疑問だったのですが、ガンダムシリーズの戦艦にはなぜ艦橋があるのだろうか?
艦橋は司令室であり言わば艦の心臓部のようなものなので本来なら艦の内部に設けるべきではないかと思う次第。
現にガンダムシリーズにおいては艦橋を狙われて沈没する艦が殆ど。

MSにコクピットの様な全天視界モニターを備える技術力があるならば、戦艦にも同様の技術を使って艦橋を無くした方が戦いやすいと思うのですが。

まぁ、見栄えが良いと言えばそうかもしれませんが、科学技術の発展した未来においては合理的では無いように思えますね。

地獄少女 二籠(ふたこもり) 放送決定☆

2006-08-16 14:27:06 | 地獄少女
平成版必殺仕事人、『地獄少女』の続編放送が決定しました。
その名も『地獄少女 二籠』です。
タイトルからして地獄少女こと閻魔あいの双子の姉か妹でも登場するんじゃないかな。
それとも、依頼人とターゲットの両方が地獄に流される事を暗に表現しているのかもしれませんが。

とりあえず新キャラが登場するのは間違い無いでしょうな。
ちなみに、声優陣&ENDテーマは御馴染みの方達です。

放送が待ち遠しいよ~!
早くあいの決め台詞が聞きたいですわ。
まだ、前作を最後まで見ていないのですが、新作をリアルタイムで見れるとなると本当に嬉しいです。
前作同様ミステリアスな演出で押して欲しいですね。

以下、詳細。

毎日放送  10月7日(土) 25時55分~
TOKYO MX  10月7日(土) 22時00分~ 
 再放送:翌週土曜日17時00分~ 
アニマックス  10月7日(土) 19時30分~ 
 再放送:金曜日22時~・27時~/月曜日14時~ 
キッズステーション  10月10日(火)24時00分~
 再放送:火曜日28時30分~/日曜日25時~


関東圏はTOKYO MXで放送されるとの事ですが、受信する為には別途ケーブルを立てる必要アリみたいです(ちなみに、私は西東京圏在住)。 
土曜の夜10時放送なので感想は余裕でアップできるかと。

来期は他にもコードギアス 反逆のルルーシュも見ようかと思っているのですが、感想を書くか否かは時間帯次第でしょうね(平日の深夜放送だとちときつい)。

BLOOD+ 44話感想 『光の中に』

2006-08-15 17:51:30 | BLOOD+
絆と生きる意味の関係が絶妙に描かれていましたね。
44話感想。

◆絆と生きる力の関係
他者との絆は自身の生きる力の源泉となる。
かつて、カイとイレーヌはその事を証明した。

カイとの絆を構築したイレーヌは28話で

カイは私を道具ではなく人として認めてくれた
だから私も もっと生きていたいって…

と述べた。
自身の存在意義を見失っていたイレーヌが生を強く望んだのです。
つまり、イレーヌにとってはカイとの絆の構築が生きる力を芽生えさせる要因になったという事なのでしょう。

人は他者から承認を得る時、生きていると実感する事ができる、と。
誰かの思い出になるという事も他者から自分が認められたという証なのです。
自分が生きてきた証を「思い出」という形で他者の中に残すという事は、他者との絆を構築するという事に他ならない。

カルマンはその事を悟り、モーゼスは受け入れられなかったというだけの話なのです。

◆誰かの思い出になるという事
だけど気付いたんだよ
自分の中に仲間がみんな生きている事を
みんな 俺の思い出の中に生きていたんだ


カルマンは死しても他者の中で「思い出」という形で生きる事ができるから死の恐怖から免れ、死を選ぼうとした。
彼は死しても絆を絶たれる事は無いという考えを持っているんですね。
ゆえに、自分が限りある命を持っているという変えられない事実を直視する事ができるようになったのではないかと。
自分の死から目を逸らさず直視する事で輝かしい生きた証を残す事ができる、と。
個人的に彼の考えには共感できるものがあります。

その彼の考えに猛反発したのがモーゼス。

◆孤独を恐れるモーゼス
馬鹿…!
君は僕が助ける!
僕と生きるんだ!
思い出なんかにさせてたまるか!!


モーゼスはカルマンとは逆の考え。
死ぬ事で絆が構築される事など有り得ない。
生きていなければ意味が無い、と。

ルルゥがそうだったように彼も「もしかしたら自分達はソーンが表れずに死なないかもしれない」と“死”から目を逸らせていた感があったのかもしれません。

しかし、今回のカルマンの行動で彼は自分達が呪われた身体を持つ生物であると実感してしまった。
現状の彼の考えは「自分達は不幸な生物」といった風に己の存在を受け入れる事ができないでいると思う次第。
だから、最大の恩人であるはずのカイにも【自分達とは違う】として牙を向ける事ができるのではないかと。

モーゼスも一時は限りある命を持つ己の宿命を受け入れていましたが、実際に同じ種族の仲間との絆が不可抗力で断ち切られる瞬間を目の当たりにしたくはないとする気持ちが強くなったのでしょう。
その心境の裏には己の宿命を呪い孤独を恐れる感情があるのでしょうけど。

◆カイは命を差し出すか?
この流れでいくとカイがあっさりモーゼスに命を差し出しそうなのですが(汗)。
『良いよ。お前の好きにしろよ』みたいな。
生きる力を持つカイにとっては死を直視する事は恐怖ではないように思える次第。

仮にそうなった時、モーゼスの中には激しい疑念が生まれそうです。
『彼は自分達が最も恐れているはずの“死”が怖くないのか?』と。
そして、カイの潔さに感化されたモーゼスは一時の激情に駆られ短絡的な行動を取った己の過ちに気付く事になるとか。

まぁ、これは妄想ですのであんまし気にしないで下さいw

◆モーゼスは絶望を知る事ができるか?
君がイレーヌを通じて僕達を理解しようとしてくれなければ今の僕達は無かった

そう言いながらもカイを殺めようとするモーゼス。
彼に足りないのは絶望でしょうね。
一時は今を生きる路線を走っていたのですが、再び生きる為の血を求める方向に転向した訳ですから。

キルベドから逃げ出そうが、ジェームズの言いなりになってカイを殺そうが、結局、何も変わりはしない。
どこに居ようとも自分は自分である、と。
その事(=変わらない自分)を受け入れられなければ輝かしい生も輝かしい死も彼に訪れる事は無いでしょう。

そして、カイを殺す事は彼の思い出の中で生きるイレーヌを殺す事でもあるんですよね。
カイを殺す事は自分とカイとの絆を断ち切る事でもあり、カイと分かり合えたイレーヌとの絆を断ち切る事でもあるのです。
その事を理解できないモーゼスがカルマンの行動を理解できる訳が無かろうて。

いずれにしろ、次回の話が楽しみではあります。

以上、血+の十八番である死生観が語られて満足の44話感想でした。

BLOOD+ 43話感想 『こころ乱れて』

2006-08-06 17:40:04 | BLOOD+

個人的にはディーヴァを討つ事によって小夜が絶望感を感じるENDが良いな。
それでこそ作中で描こうとしている【今を生きる】路線肯定へとつながるんですがね。
43話感想。     

◆真の絶望とは     
真の絶望とは思い描いていた夢や希望が叶った場合においても自分自身が不幸だと感じている状態の事を指します。

小夜は正にその典型。
彼女の希望はディーヴァを殺す事だが、ディーヴァを殺す事を「生きる目的」としている彼女にとってはディーヴァを殺す事は自身の「生きる目的」を喪失させる事にもつながる訳なのです。
つまり、自身の希望が叶った瞬間、それが絶望に変わる、と。

彼女がその事に気付いて「生きる意味」の追求の離脱を果たすのはいつになる事か、と思っています。
今回の話を見る限りでは当分無さそうですがね。             

◆ソロモンとハジ   
ソロモンとハジは小夜の幸せを願っている点では同じ。

決定的に違うのはソロモンは小夜を幸せへと導こうとしているが、ハジは小夜が今この瞬間に望んでいる事に対するフォローを為す事が小夜の幸せにつながると考えている点にある。

ハジがソロモンに対して『今この瞬間を 一瞬一瞬を私は小夜に捧げてきた』と主張した事からも彼は【今を生きる事】の大切さを理解している模様。
対して、ソロモンはディーヴァと戦う事が小夜の本当の望みでは無いのではないか?と疑問符を呈してもいるんですよね。

つまり、ソロモンとハジは共に小夜に対して【今を生きて欲しい】と思っている事に違いは無いのです。

ただ、ソロモンは小夜を導こうとしているので強引な印象を受けてもしまいますが。

どちらかと言うと、ハジよりソロモンの方が小夜の深層心理を理解しているように思いますね。
物語の流れ的にも(OPを見る限りでも)小夜とディーヴァは和解の方向に進みそうですし。

その予定調和を覆してディーヴァを討っても何も残りませんでしたよ、的な落とし方も目新しくて良いのですが。

◆ディーヴァの憎悪 
先週、感想を書きそびれたのでちと書いておくが、ディーヴァの目的はやはり小夜を貶める事以外に無いと思う。

カイを小夜から奪おうとしていた事も然り、腹の中の子なんて小夜を貶める為の究極の道具ですからね。
『あなたは愛しいリクの子どもを殺す事ができるの?』と。

個人的には小夜はディーヴァの事をもっと理解するべきなのでは、と思う次第。
そして、自分自身に対してなぜ【ディーヴァ=悪】と位置付けているのかを問い正していって欲しいな、と。
小夜のディーヴァに対する見方が変わる日が来る事を願うばかりです。     

以上、感想終わり。