個人的にはディーヴァを討つ事によって小夜が絶望感を感じるENDが良いな。
それでこそ作中で描こうとしている【今を生きる】路線肯定へとつながるんですがね。
43話感想。
◆真の絶望とは
真の絶望とは思い描いていた夢や希望が叶った場合においても自分自身が不幸だと感じている状態の事を指します。
小夜は正にその典型。
彼女の希望はディーヴァを殺す事だが、ディーヴァを殺す事を「生きる目的」としている彼女にとってはディーヴァを殺す事は自身の「生きる目的」を喪失させる事にもつながる訳なのです。
つまり、自身の希望が叶った瞬間、それが絶望に変わる、と。
彼女がその事に気付いて「生きる意味」の追求の離脱を果たすのはいつになる事か、と思っています。
今回の話を見る限りでは当分無さそうですがね。
◆ソロモンとハジ
ソロモンとハジは小夜の幸せを願っている点では同じ。
決定的に違うのはソロモンは小夜を幸せへと導こうとしているが、ハジは小夜が今この瞬間に望んでいる事に対するフォローを為す事が小夜の幸せにつながると考えている点にある。
ハジがソロモンに対して『今この瞬間を 一瞬一瞬を私は小夜に捧げてきた』と主張した事からも彼は【今を生きる事】の大切さを理解している模様。
対して、ソロモンはディーヴァと戦う事が小夜の本当の望みでは無いのではないか?と疑問符を呈してもいるんですよね。
つまり、ソロモンとハジは共に小夜に対して【今を生きて欲しい】と思っている事に違いは無いのです。
ただ、ソロモンは小夜を導こうとしているので強引な印象を受けてもしまいますが。
どちらかと言うと、ハジよりソロモンの方が小夜の深層心理を理解しているように思いますね。
物語の流れ的にも(OPを見る限りでも)小夜とディーヴァは和解の方向に進みそうですし。
その予定調和を覆してディーヴァを討っても何も残りませんでしたよ、的な落とし方も目新しくて良いのですが。
◆ディーヴァの憎悪
先週、感想を書きそびれたのでちと書いておくが、ディーヴァの目的はやはり小夜を貶める事以外に無いと思う。
カイを小夜から奪おうとしていた事も然り、腹の中の子なんて小夜を貶める為の究極の道具ですからね。
『あなたは愛しいリクの子どもを殺す事ができるの?』と。
個人的には小夜はディーヴァの事をもっと理解するべきなのでは、と思う次第。
そして、自分自身に対してなぜ【ディーヴァ=悪】と位置付けているのかを問い正していって欲しいな、と。
小夜のディーヴァに対する見方が変わる日が来る事を願うばかりです。
以上、感想終わり。