世界への帰還者第一号はアレルヤだったみたいですね。
正直、展開の早さに驚かされました。
今回の話は今後の展開を占うという意味合いからしても前半最大のヤマだったのではないかと思う次第です。
7話感想。
◆他者からの承認による存在の確立
居てくれるだけで嬉しいの
だって あなたに出会えたのよ
五感が無く脳量試波で叫ぶしかない私に反応してくれたのはあなただけ
あなたのおかげで私は生きている事に感謝できたの!
死んでいるも同然の状態だった自分の存在を認め受け入れてくれたのはアレルヤだけであり、そのアレルヤの承認によって自らの存在を確立する事ができたとするソーマ。
そんなあなたをこの目で見つめる事ができる
話す事も 触れる事だって
神よ 感謝します アレルヤ
アレルヤとソーマの絆の構築を描写すると共に他者からの承認による存在の確立を肯定的に描写したシーンでもありましたね。
◆弾き出された世界の外で
もはやアザディスタン王国は存在しません
中東再編を進める連邦軍によって解体されたアザディスタン。
マリナにとっての生きがいがアザディスタン復興だっただけに、今回の件で彼女の心は大きく揺れ動いた事でしょう。
彼女自身も戦う理由(生きる理由)を求めて立ち上がる契機を見出して欲しいところではあります。
◆ 二人だけの世界の構築による世界への帰還
ありがとう 生きていてくれて
ありがとう こんな僕に生きがいをくれて
アレルヤ…
アレルヤとマリーは正に二人だけの世界にはまりこんだ形になった。
ラストのキスシーンで彼らは互いに互いの存在を認め合う事で、争いの絶えない現状の不完全な世界に自分達の居場所を作り、現状世界を受け入れた格好になりました。
これでアレルヤの戦う理由が、マリーを守る事に切り替わった事になる。
もっと言うと、マリーとの絆を保つために戦う事になった、と。
今までの話の流れが、世界から弾き出された主人公達が世界に帰還するためには、世界の変革(刹那の考え)か他者からの承認(マリナの考え)のいずれかで達成できるという流れだったのですが、今回の話ではマリナの考えである他者からの承認による世界への帰還が肯定的に描写されました。
恐らく今後の展開では、刹那達の考えが世界の変革による世界への帰還から他者からの承認による世界への帰還に変わっていくものと思われます。
自分達は「ここ(世界)」にいても良いんだ、と。
であれば、刹那、ライル、ティエリアが守るべき他者を持つ事になるという展開になりそう。
刹那はマリナ、ライルはフェルト、ティエリアは現状では不明ですけどね。
次回、ティエリア絡みで一悶着ありそうですし、ティエリアの守るべきものが明確化されていく事を期待したいところです。
だが、この二人だけの世界は「世界に存在する」という観点から考えると作中では非常に脆くもあるのです。
なぜなら、ガンダムダブルオーは脱セカイ系の作品だからです。
◆二人だけの世界の弊害
予想以上に早いタイミングで「他者からの承認」による世界への帰還が肯定的に描写されてしまったので驚いております。
とりあえずの形で世界への帰還は果たしたもののこれからが試練の連続という事になりそう。
セカイ系の話であれば、二人だけの世界を構築する事で世界と同調する事ができるのですが、ダブルオーではそれは不可能。
なぜなら、二人という「個人」と現状世界の間に「社会」が存在するからです。
二人が独善的な世界を作り上げたところで「社会」から認められなければ、本当の意味で「世界」で生きていくという事にはならない。
個人の絆の構築のみで作り上げた世界でもってして、この世界の中に居場所を作る事が果たして可能かどうかという事も今後の展開では描写されそうな予感。
よって、次なる段階は二人の関係を「社会」に認めさせるという段階かな、と。
このアプローチをどのように描写していくのか製作者側の手腕に期待したいところです。
◆絆
君でも 笑うんだ…
嬉しい事があれば誰だって笑うさ
この刹那の台詞もアレルヤとの絆が構築された事を端的に表現している。
ラストにこの描写を挿入する事で、今回の話が絆の構築(他者からの承認)による世界への帰還を肯定的に描写した内容だった事を表現しておりとても上手い演出だと思った次第です。
周回遅れになりましたが、アンケート結果№1のご愛顧を承りましての感想投下でした。
今後はなるたけ早めに感想を上げるように努力致しますw