Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

楽家歴代の魂を感じた?かも。

2019年09月19日 06時02分00秒 | 美術館・博物館etc.

★楽美術館 サイト
 秋期特別展『樂歴代 魂を映じて Mirrors into the Soul-Raku Tea Bowls through the Ages-』
 ※8月24日(土)~12月24日(火)

前回の展覧会の会期途中で代替わりがあり、16代としては初めての展覧会。(個展じゃないヨ)

開幕前の案内を送付していていただいているのだけど、←申請して、切手を前納します
チラシの他に同封されている「こぼれ話」によれば、
代替わりするとご自宅の暖簾も新調するのだとか。

光悦が書いた「ちゃわん屋」の暖簾のこと。

じゃあ、新しくなった暖簾を是非見よう!と
着いてすぐに門のところに張り付いて覗き込んでいた。

 木が邪魔して写真がうまく撮れないよー。

そしたら、間が悪いことに後ろに黒い車が停車した。
てっきり来客かと思ったら、なんと先代の奥様。(テレビでお見かけした~)

パニクって、モノも言えずにバーッと早足で立ち去って、美術館の門の中へ。
チラッと振り返ったら、当代らしき方もいて。。。

いや、そうじゃない。きっと。。。と思って、入館料を払い、気持ちを落ち着けようと休憩スペースに腰掛けた。
そしたらさー、座った前のテーブルに新聞の切り抜きが置いてあって、さっき睨まれた人と同じ顔の人物がっ

あちゃー。やっちゃった。16代さんだった~ わー、恥ずかしい

一言、「失礼しました」を謝ればよかった~ びっくりしすぎて、恥ずかしくて気が動転してしまった~

と、鑑賞中も後悔ばかりが頭の中をぐるぐる~ 集中できないっ!

結局、帰る時に受付の方に事情を話して、謝罪の気持ちをお伝えいただくようお願いした次第。
受付のおじさまとはもう顔見知り←私が毎回訪れるから~で、笑って「そんなこと、気にしていらっしゃらないと思いますよ~」

というわけで、ドキドキしながらの作品鑑賞となった。

◆1階(第一展示室)、メインというかセンターはやはり16代の黒楽茶碗。

照明の加減もあって、ピカ~と輝く感じ。形は正統派。
これから2年かけて作品を製作されるとのこと。
なので、個展は再来年かぁ。やっぱ、三越日本橋本店かしら~

続いて、左手から時計の逆回りで歴代の作品が続く。

最初は二代常慶の黒楽平茶碗。あんまり見かけない作品だなぁ。
三代道入は筆洗形黒楽茶碗「花橘」。光沢があって、好きな形。モダンな作品が多いのんこうさんならではの作。

四代一入は黒楽茶碗「嘉辰」。黒釉薬の中に朱釉があるのが特徴的。
五代宗入は黒楽茶碗「梅衣」。腰がくいっとしたの(←亀毛のこと)と並ぶ代表作。
 ワタシ、梅衣とは相性が悪くて、なかなか拝見できないので会えてウレシイ。

六代左入は赤楽茶碗「毘沙門」 透明感があり、貫入がちゃんと見えるのがいい。
 左入といったら、どうしても黒楽より赤楽の方が印象に残る。

    と、こんな感じで一つ一つ感想を書いていたらキリがないので、残りは割愛して次に進む。

◆中2階(第二展示室)は変化球ぞろいで、いつも楽しい。
まずは一入の赤楽の魴ぼう(ホウボウ)皿。丸くてカワイイ。
楽焼きは手びねりだけど、これは型にはめて作ったのでは?

十一代慶入の二彩鶯皿もカワイイし、弘入の鶴食籠も品がいい。
十四代覚入の四方織部釉竹手付鉢は黒田正玄とのコラボ。

後ろのセンターは十二代弘入の三彩獅子香炉。田中宗慶の写しらしい。
あれ? 前回か前々回か、同じ場所で本歌を見たような?

中央の小さい作品。同じ一閑人の蓋置でも、作り手による個性が見えて面白い。
一入と左入の茶入がそれぞれ出ていた。茶入が展示されているのは珍しいので、「へぇ」と思った。

面白かったのは七代長入による長次郎の写し茶碗。
大黒写(黒楽)、早船写(赤楽)、木守写(赤楽)、東陽坊写(黒楽)

あれ? あれあれ~?

どれも本歌を見たことあるし、自宅にも図録があるので写真で何度も見たことある。
全然、似てない~。

現代だから、本物を一堂に見ることができるけど、長入さんの時代は難しかったんじゃあ?
ほとんど、想像や文献?からの印象で作っているのではないかという気がした。

そういえば、「検品」写の赤楽茶碗も展示されていたけど、これだけ見たことないなぁ。

◆2階(第三展示室)
クラシックな、レジェンド?な方々の作品。
長次郎の黒楽茶碗「面影」に二彩獅子。
 獅子がいい。角度によって表情が違う。どこから見ても勢いのある、いい獅子だ。

常慶の黒楽茶碗「黒木」の道入の黒楽茶碗「青山」と私の好きな茶碗が続く。

本阿弥光悦は白楽茶碗「冠雪」。そうそう、光悦はこう!だよねぇ。

田中宗慶の黒楽茶碗「いさらい」。なんか、威厳がある。

ラストは十五代直入の焼貫黒楽茶碗「吹馬」 1993年制作。

 400年以上にわたって、脈々と受け継がれていく系譜ぬ楽家の魂をじーんと感じた。

★楽美術館バックナンバーリスト
 2019年7月樂焼って何だろう? 茶碗 肌 ぬくもり
 2019年3月『富士をみる』
 2019年1月 『変わる−時代・元号・歳・代−』
 2018年10月 開館40周年 秋季特別展『光悦考』
 2018年5月 『開館40周年記念特別展 能と樂茶碗 幽玄と侘び ? 形の奥にある美意識』
 2018年1月 『開館40周年 樂美術館 新春セレクション』
 2017年11月 『名碗 ロシアを旅した樂 樂美術館版 エルミタージュ、プーシキン美術館帰国展』 
 2017年7月 『楽って何だろう』
 2017年4月 『茶碗の結ぶ「縁」』
 2017年1月 『茶のために生まれた「樂」という、うつわ展。』
 2016年10月 『三代 樂道入・ノンカウ展』
 2016年6月 『樂歴代~長次郎と14人の吉左衞門~』
 2016年1月 『樂歴代 優しいすがた』
 2015年10月 『本阿弥光悦 光悦ふり・様式と展開』 
 2015年3月 『樂歴代 装飾への荷担・抑制と解放』
 2014年12月 特別展・宗入生誕350年 パート2『初源への視線 樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衞門』
 2014年9月 『元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」』
 2014年7月 『親子で見る展覧会「シリーズ 樂ってなんだろう」―手捏ねと轆轤制作―』
 2014年5月 『定本 樂歴代』
 2014年2月 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
 2013年3月 『楽歴代名品展 楽家歴代が手本としてきた伝来の茶碗』
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
 2012年2月 『京の粋 樂家初春のよそおい』
 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」

 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 2017年4月 『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』 東京国立近代美術館
 2017年1月 『茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術』 京都国立近代美術館
 2016年7月 『吉左衞門X 樂吉左衞門 樂篤人 樂雅臣  ― 初めての、そして最後の親子展 ―』 佐川美術館
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)


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