Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

宗入・光悦以外?

2015年03月29日 13時43分44秒 | 美術館・博物館etc.
★楽美術館 サイト
 琳派400年記念 本阿弥家・尾形家の血脈を受け継ぐ「樂歴代 装飾への荷担・抑制と解放」展
  ※8月2日(日)まで

会期が約5ヶ月。長いなぁ。途中で展示替えするみたい。
だけど、そのタイミングの記載がない。まぁ、6月後半以降に再訪すれば間違いなさそ。

さて、前回と前々回が宗入特集だったから、
今回は宗入以外?

いやいや、第二展示室に宗入さんが2つだけ出ていた。

と、細かいことはよいとして。

第一展示室。

まずは長次郎の黒楽筒茶碗「村雨」。
長次郎新撰七種の一つらしいけど、他の長次郎茶碗とちょっと違う気がした。

常慶の菊之絵赤楽茶碗。
一入の桐文黒楽茶碗、桐文赤楽茶碗が並んでいて、対になっているみたい。
どちらも初見かなぁ。 利休形の茶碗に白釉で桐が描かれているのは新鮮に感じた。

左入は「芸達者だなぁ」と最近気がついた。
赤楽に将棋の駒が描かれた茶碗、おもしろい。

長入の竹之絵黒楽茶碗は見覚えがある。

了入の黒楽筒茶碗「霜柱」は中央の模様?がすごい。
赤楽筒茶碗「梅枝」も本当に老いた梅の幹のよう。削りが大胆。

旦入の梅鉢文黒楽茶碗は織部風?
竹之絵白楽茶碗は柔らかい印象。

慶入・旦入合作の赤楽茶碗「宝尽」。
慶入が造って、旦入が絵を描いている。
赤楽に灰色の筆。内側にも描かれていた。

義理の親子の合作ということで、何か伝わってくるものがある。

慶入の白楽茶碗「潮干」。
斜めに傾けて、内側の貝貼浮文がよく見えるようになっている。

展示ケースの前に台も置いてくださって、内側がちゃんと見えた! 嬉しい。

覚入の赤楽茶碗「連山」。
日本画家の上村松篁筆の赤楽茶碗「白孔雀」。
白い孔雀がとてもきれい。さすが松篁。

覚入さんの長女が松篁さんの三男に嫁いだ縁で造られた茶碗。
(そういう姻戚関係があったとは知らなかったなぁ)

もう一つ覚入の赤楽茶碗「東風」。正面のへら目がいかにも風が吹いているようだ。

第二展示室。

第一展示室から続くように覚入のお茶碗が続く。

色絵流水光文茶碗「光」。緑釉にうすい赤がきれい。「光」は1960年(昭和35年)の勅題だそうだ。

赤楽色紙絵茶碗は昭和39年(1964年)の勅題「紙」に因む。
全面の色紙を重ねた絵が京都らしい。

何度がみた色釉流水文赤楽平茶碗「綵衣」。友禅の流しのような感じして涼しげできれい。

砂釉赤楽茶碗「瀬音」も正面の流れるような模様が印象的。

続いて御当代。

昭和62年(1987年)の卯之絵赤楽茶碗。(うさぎ年の干支茶碗) デカい。暗い赤。
昭和61年(1986年)の寅之絵赤楽茶碗。四方茶碗で虎がリアル。
昭和59年(1984年)の子之絵赤楽茶碗。ねずみが小さい。

ご当代の干支の赤楽茶碗をまとめて見るの、珍しい。

他には第二展示室の特徴でもある茶碗以外の茶道具が並ぶ。
(てか、第二に茶碗があったのが珍しいコトだなとチラッと思った)

覚入の三角薄赤掛分水指。形といい大きさといい、烏帽子のような。

左入の赤楽梔子水指(クチナシの実みたい)、飴釉不識水指(袋というか壺みたい)

左入の梅鉢文六角菓子鉢はいつもながら豪華な印象。

弘入の鶴亀彫緑釉松食籠も、いかにも正月の「めでたいっ」


長入の赤楽扇面食籠は蓋の「扇面」たるところが技ありなんだけど、
中身の仕切りは現代のプレートみたい。

中央の香合のケース。
宗入造で娘の妙修の筆による香合はやはりカワイイ。

第三展示室。

道入の黒楽茶碗「荒磯」は前の白釉が本当に荒々しい。
黒楽「山の端」もチラシにあるように、ノンコウさんらしい茶碗。


後半は御当代の前衛的な茶碗だった。


季節柄、階段の横に雛飾りが展示してあった。

注目すべきは茶道具の台子。

フツー、真台子(のような)棚なんだけど、
そうじゃない。

三角の中棚があって、そこに茶器が荘ってあった。

そして棚前の茶碗がなぜか織部。

皆具もおおぶりで妙に凝っていて目立つ。

「もしかして楽家で茶碗とかミニサイズを焼いた?」とか
妙な勘ぐりをしつつ、踊り場から身を乗り出して見ていた。

地下お手洗いの花瓶にはチューリップ。

洋花だけど、和風っぽい?




★楽美術館バックナンバーリスト
 2014年12月 特別展・宗入生誕350年 パート2『初源への視線 樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衞門』
 2014年9月 『元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」』
 2014年7月 『親子で見る展覧会「シリーズ 樂ってなんだろう」―手捏ねと轆轤制作―』
 2014年5月 『定本 樂歴代』
 2014年2月 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
 2013年3月 『楽歴代名品展 楽家歴代が手本としてきた伝来の茶碗』
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
 2012年2月 『京の粋 樂家初春のよそおい』
 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 ※2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)

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