Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

“楽歴代”を振り返る

2010年07月14日 00時25分14秒 | つれづれ
この春の茶の湯フリークは、振り返ってみれば楽家の歴代のお茶碗によく出会った。
(展覧会、茶会、blogへの問い合わせで)
で、なんか楽焼が妙に気になる今日このごろ。
楽家から(裏千家の)歴代家元の年譜をみたりとかね。

で、そんなワタシのカンが当たった(?)のか。
この前の土曜日に稽古に折り、控え室のテーブルの上に講演会チケットが。
来週、年に1度の地区講演会があって、テーマは「楽歴代」だ

毎年行くわけじゃあないけど、まぁそこそこ行く。
その日は研究会に行く予定はないけど(てゆーか、午前中は朝茶事だし)、
でも、午後からなら大丈夫
で、社中の若手さんに「キミもこれからは楽家のことくらいは知っておいた方がいいよ」
とかなんとか言っちゃって、誘って、行くことにした。

まぁ、ヒトにエラそうに言っちゃった分、ワタシも予習しなくっちゃ
で、mixiにアクセスして過去の日記を読み返す。

2006年9月23日(土)に書いた「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)訪問記。
もう随分経ったけど、今でもよく復習がてら読み返す。
(こんなに読み返す日記は他には、ない。まさに“運命の日”
あまりにも読み返すので、面倒くさいから転載しちゃいます
↓↓↓
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気がつけば今日は秋分の日。つまり彼岸の中日。
シンプルな花束を持った中高年の人々と随分すれ違った。
「暑さ寒さも~」ともいう。
本当に今日は涼しいけれど、上着を羽織るほどでもなく、すごしやすい一日だった。
歩いていると、金木犀の香りが漂ってきて、いい感じ!

さて、今日は三井記念美術館へ。
開館一周年記念特別展「赤と黒の芸術 楽茶碗」を観賞。

三井記念美術館!
去年のこけら落とし展に始まり、1年間で来館は4回目。
(わぁ、珍しくリピーターになっちゃってる~)
そして、楽茶碗。

本当は、楽って、全然わかっていなかったのよ。(^^;)
去年の2月、「茶道の研修で京都へ来ているんだから」という理由で楽美術館を見学した。
でも、「どの楽みても~♪ きれいだな~♪」
という程度しか理解できなかった。

長次郎の茶碗はさすがにわかる。
ご当代の楽吉左衛門の作品は全然違うから、これもわかる。
(しかし、「違う」と理解したのは今年始めに個展にいったから)
だけど、2代~14代については、真っ白!

去年6月の青年講習会で、業躰先生から「では、この○入は何代目?」とふられた方がいて、
こっちは(へ? そんなの知らないよ)と思っているのに、
その方は指折り数えながらブツブツ唱え始めて、「△代目です」。

え~っ!
歴代の楽さんを知っているコトって、お茶人としては基本的な常識なの~!(@_@)
と、これはかなりショックだった。
(で、すぐ覚えればいいのに、覚えてるヒマなかった)

という経緯があったので、
20日の講演会のチケットが当たった時に、
「これは、ちゃんと勉強せねば、、、マズい」と思って、本を借りて予習した。

マイミクさんの日記を閲覧していて、
「ボクは○入や△入が好き」なんていうコメントみつけると、
「ギョッ! 代ごとの特徴も見分けなければならないのかぁ」
と、ガクーンと落ち込み。

だって、代ごとの違いって、言われてもわからない。
(何分、「どの楽みても~♪」だから)

本当にこういうことは、今までなかったんだけど、展覧会前に図録を購入してまで「予習」。
(フツーは展覧会を観賞して、「いいなぁ」と思ったら購入だもんねぇ)

ここ2、3日、寝る前にパラパラ~と眺めてはいたけれど、
講演会に出てきたところは頭に入るんだけど、名前は頭に入らない。
わからない。。。

「こんなんで、理解できるのかなぁ」と不安に思いつつ、美術館へ。
意外と人が少なくて、ゆっくりじっくり観賞できた。

長次郎茶碗は四方360度から観賞できた。
うーんと、背伸びして、上から内側(みこみ)を頑張って眺めた。
(ムキ栗の「みこみが深い」って意味が、すごーくよくわかった。
これは写真ではわかりません!)

あまりにも近づきすぎて、何度ガラスに顔をぶつけたことか!(^^;)

例の獅子ちゃんとも御対面!
かわいーい。
じっくり拝見。

で、田中宗慶、二代常慶へ。
フムフムよくわかる。

ノンコウさんこと三代道入さん、ちょっとモダンになってる。

四代一入さん、あれ?長次郎に近い。へぇ~。利休忌100年に向けて回帰傾向かぁ。
でも、高台の土みせが木の葉っぽくて、オリジナリティがある。

五代宗入さん。ふーん、養子さんで尾形光琳の従兄弟かぁ。
バロックというか、くいぃと腰が曲がった黒楽、土っぽいのに光る釉薬の赤楽が印象的。

六代左入さん。釉薬が少し固い。(ざらっぽい?)

七代長入さん。器用な人だったようですね。作歴が長いので、いろんな趣の茶碗がいっぱい。

八代得入さん。「お得用かぁ」って、30歳までしか生きていないじゃないかぁ。
だから作品少ないのねー。

九代了入さん。得入さんの弟さん。若くして継いだから、作歴長い。あ、削りのお茶碗!
 ふーん「了」は表千家の家元からもらったのかぁ。
(表千家との関わりが強いこと、初めて知った)
へぇ~。大火で窯が燃えちゃって、苦労したのねぇ。

十代旦入さん。黒と白(←土が見えてる?)の二色茶碗と、松が彫り込んでいる茶碗、好き。

十一代慶入さん。この人も婿養子かぁ。
へぇ~、茶碗以外にも茶道具をいろいろ作ってるねぇ。
幕末から明治維新の激動の時代の生きたんだぁ。(慶応の「慶」と覚えてよう)
禁裏炎上のとばっちりでまた焼けちゃったのねぇ。

十二代弘入さん。明治になって都が東京に移り、日本文化か衰退したころ。
裏千家では十一代玄々斎精中さんが頑張っていた頃だ。
たいへんすぎて、作品が余り残っていないのねぇ。
でも、釉薬はフクザツで綺麗です。

十三代惺入さん。この方もたいへんだったんだ。晩年はかわいそう。
でも、釉薬には詳しかったんだって。
息子さん(=覚入さん)が出征中に当代のままお亡くなりになったのねぇ。

十四代覚入さん。あれ?解説ない。作品3点だけ。
カラフルできれいな平茶碗!
でも、楽美術館を作った人だし、この方のお茶碗は今もお茶会で“現役”でお見かけするから、身近。

十五代吉左衛門さん
焼貫ですねぇ!
1月に智美術館でじっくり観賞したし、先月も智美術館で観たからわかりま~す。
でも、楽っぽくないのが、残念な気がする。
この方が長次郎っぽいお茶碗を焼いたら、どんな感じになるのかなぁ。
もう少しお歳を召したら、先祖回帰のオーソドックスな楽茶碗も焼いていただきたいもんです。

と、代ごとにじっくり観賞した。

なんか、タイムトンネルで旅をしている気分で、とても面白かった。
気がつけば、歴代の楽さんの名前、完全に覚えたぁ!
(本当に、今日は何も見ないでコレ書いてるんだよん)

やったぁ。
にわか仕込みとはいえ、1週間がんばった甲斐あり。(^_^)

11月の最後の方で、もう1回観賞したいなぁ。

今後の課題は、楽家以外の楽茶碗のよさを見分けることかなぁ。
楽さんですらわかってなかったのに、吉向窯とか、阿加比古窯とかみても、
「ふーん。楽茶碗かぁ」と特徴がまったくわかっていなかったのだぁ。(^^;)

まだまだ、道は長い。

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この日記は当時でも反響がたくさんあって、
読んだマイミクさんが「行きたくなった」とか「図録ほしい~」とかコメントしてくれた。
(実際の友だちにはホントに図録を買って、月末の全国大会で渡したっけ)
この展覧会のおかげで、楽家歴代を覚えることができ、モチロン今でもバッチリ言える
覚えておくと、お茶会で出会っても“わかる”しね、
何よりも楽美術館に行った時、目録なくてもちゃんと覚えて帰ってこれるし、
たぶん普通の人の倍は堪能できてるんじゃないかなと思う。
ある意味、“無形の財産”ですワ。

図書館でも「楽ってなんだろう」と再度借りて、知識の強化も図ることにしよ
★ポイントが落ち気味なので、一層のブログランキングへの協力をシマス。
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