Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

手捏ねと轆轤~樂美術館

2014年08月09日 09時24分57秒 | 美術館・博物館etc.
★楽美術館 サイト
 『親子で見る展覧会「シリーズ 樂ってなんだろう」―手捏ねと轆轤制作―』
   ※9月7日(日)まで

今回はサイトに展示リストがない。
なので、真っ白い紙を1枚持参し、記録しながら鑑賞した。

子ども向けの解説文なので、読んでいても面白いし、
「なるほど。こういう解釈もあったか!」と感心したり。

第1展示室(1階)
中央は了入の白楽筒茶碗。 とてもモダンな感覚。

長次郎の黒楽茶碗「勾当」 何度も見たので、とくに感動なし。

道入の黒楽茶碗「笹の絵」 丸四方というのか、ゆるーくカーブした四角形。
土見せがポイント。

慶入の白楽茶碗「潮干」。 展示台が高くて、内側の貝の細工が見えなかったのが残念。
(以前、見たことあるし、解説書にも出ているので、どういうのかは把握してるけど)

覚入の赤樂平茶碗「綵衣」 七夕をイメージしたような、カラフルな模様が楽しい。

了入の赤楽茶碗 古希70の内 模様が楽しそう?

長入の黒楽土師鰭写茶碗 轆轤を使ってないのに轆轤っぽく作っている。
 「長入には(宗入、左入に比べて)個性があまりない」と書いてあったけど、
  私には「ん?」という気がした。

了入の三島写茶碗  三島を楽焼の手法で作った。手ひねりでなんという均等さ!

了入の赤絵写茶碗 これも轆轤で作ったように見えて、じつは手捏ねで作られている。均等の厚さがすごい。

旦入の伊羅保写茶碗 朝鮮半島の土で造られている。これも手捏ねなんだろうなぁ。

了入の古清水写茶碗 唐和7種の一つ

惺入(せいにゅう)の織部釉薬茶碗 とても優美な織部

慶入の露山焼茶碗 露山焼とは西本願寺のお坊さんのお庭焼

慶入の粟田焼 編笠手 口造りの大胆なカーブがかっこいい。

慶入の萩焼 表千家の碌々斎と萩を訪れたらしい。轆轤を使っての制作。轆轤も器用に使えたのね。


第2展示室(中2階)
了入の緑釉四方小皿、慶入の蛤向付。
一入のマンボウ向付が超いいっ!

弘入の喜勢和多写鮑皿

慶入の徳利がすごい。

慶入の露山焼の水指。

左入の香炉釉立鼓花入、了入の香炉釉立鼓花入。
どちらかが「ひろい子」の写だったかと。
本歌に比べると、ふっくらしていた。

一入の赤楽平水指「蝸牛」。 立派。

覚入の緑釉さざえ水指。何度も見たことある逸品。内側が金一色で豪華。


さらに、興味深い展示物も。

黒楽茶碗を焼く際の内窯。しかも、使用前と使用後。
炎の凄さが使用後の内窯からは感じられた。

歴代が集めた石。

弘入、惺入、覚入がそれぞれ遺した石。

触ってみた。ちょっと軟らかい?
これが黒楽の釉薬になる。


第3展示室(2階)

井戸茶碗「山里」。隣には常慶の香炉釉の井戸形茶碗。
並べて観ると、両者はまったくの“別物”だけど、
どちらにも魅力あり。

さらに比較もの。
織部茶碗と常慶の黒楽茶碗「黒木」。

以前、同じ時代の作品だと解説で読んだ。
かなり、織部の歪みを意識して創作した感ありあり。

特別出品あり。
表千家から借り出した萩茶碗「武蔵野」。
並んで、了入の武蔵野写。(赤楽っぽい。でも、萩焼なのかなぁ)


「楽」の掛け物。惺入と覚入の合筆。
太平洋戦争時、覚入さんは出征して、その帰りを待つことなく惺入さんは昭和19年にこの世を去った。

楽家の危機だった時代の重さが感じられた。

左入と赤楽獅子香炉と宗入の黒楽獅子香炉が並んでいるの、いつ見ても微笑ましい。
その隣に了入の猿置物。

最後に御当代の萩焼茶碗。昨年(2013年)の作。

かつての慶入さんと同じように萩を訪れての制作?だったみたい。

楽焼って、特別なようでいて、
実はいろいろな挑戦ができる幅の広い焼き物?

という懐の広さがすごいなーと思った。



★次回は
 秋期特別展 宗入生誕350年『元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」』
   ※会期:9月12日(金)~12月7日(日)

 楽しみ


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★樂美術館バックナンバーリスト
 2014年5月 『定本 樂歴代』
 2014年2月 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
 2013年3月 『楽歴代名品展 楽家歴代が手本としてきた伝来の茶碗』
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
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 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 ※2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)

『定本 樂歴代: 宗慶・尼焼・光悦・道樂・一元を含む』
樂吉左衞門 (著), 樂篤人 (著), 樂美術館 (監修)
淡交社


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