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Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

今年のマイブームは13代!?

2014年02月18日 00時20分15秒 | 美術館・博物館etc.
◎楽美術館 サイト
 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 ※3月2日(日)まで

 たしか6年前の春(2008年3月)も動物の意匠の展覧会を観に来たっけ。

 さて、、、っと。

第一展示室は今回のポスター&チラシにも採用になっている長入の馬香炉。
赤楽~。大きい

そして、今回の展示の中では今年の干支である馬(午)が少なかった。
この香炉とあと1、2点くらい。

それが意外だった。(茶道具的には結構、馬の意匠ってある気がしたので)

道入の黒楽茶碗「撫牛」、宗入「亀毛」あたりは動物ものの定番。

珍しいところでは8代得入の亀之絵黒楽茶碗。

了入の黒楽茶碗の立鶴写。本歌はもちろん有名な高麗象嵌の立鶴だろうと思うけど、
鶴さんの足がセクシーだなぁと思ってしまった。

ご当代は皪釉(れきゆう)楽茶碗。
たぶん初期の作品かなー。透明感があってよかった。

そして、今回“ツボ”にハマッったのが惺入(せいにゅう)さん。
真砂釉午之絵茶碗。
うすーい白釉薬の上から金砂子をちらして仕上げてある。

めっちゃ綺麗
(今、目録見て「午」だったのかと気がついたけど、馬はまったくわからず。
 ただただキレイだなーと見とれていた)

こうなってくると、もう惺入さんばっかり気になる。

第二展示室(中2階)へ。
惺入(せいにゅう)さんの雀向付がとっても可愛い。
なんで、こんなに凝った雀の向付を造る必要があったのかと思うほど
フツーにはないデザイン。

子ども向けの茶事でもあったのだろうか。
でも、とにかくよかった。

おかげで、近くに珍しく(?)ご当代の干支茶碗が並んでいたにもかかわらず、
しばらくそちらに反応できなかった。

当代の干支香合は全部で4つ。いずれも千家の初釜用。
1984年(昭和59年)の子之絵赤楽茶碗。
1986年(昭和61年)の寅之絵赤楽茶碗。しっかり、こわーい虎さん。
1988年(総和63年)の辰之絵赤楽茶碗
1995年(平成7年)の亥之絵赤楽茶碗。

惺入さんの未香合もかわいかった。

惺入さんに関しては中2階だけでも他に大物あり。

新収蔵品として翁面。
フツーは木彫りだろうに、陶器で見事な仕上がり。
飛来家や土田家、中川家といった他の千家十職とのコラボ作品でもある。

以前も見た八景絵象耳花入は中国っぽいテイスト。
細かいところが繊細で、やっぱりいい。

そして、鶏雌雄置物。
これは何回か見たことある。
以前はただ「大きいなぁ」くらいしか思わなかったけど、
改めて惺入さんだぁと思ってみると、
「大正から昭和初期の華やかな時代を反映しているのねぇ」とか別のことを思う。

3階は長次郎の黒楽茶碗「万代屋黒」。
映画『利休にたずねよ』で使われたことを記念した特別出品。

思わず「ご苦労様でした~」と声をかけてしまった。

他は弘入さんの鶴食籠がすごかった。

しめは御当代、楽吉左衛門さんの焼貫黒楽茶碗「吹馬」。
お馬さんの猛々しさが伝わるような、、、感じ?

長次郎から数えて15代。

それぞれの歴代によさがある。

10年前、「私は長入が好き」「僕は了入!」「俺は断然、慶入がいい」
と、それぞれが好みの歴代を挙げている会話を聞いて
「茶道を真剣(?)にやっているヒトって、偉いなぁ」と感心していた。

私は歴代について、誰一人、名前すら挙げることができなかったからだ。

10年経ってみると、
年ごとに気になる歴代が代わる。

3年前は一入(4代)が気になって仕方なかった。
去年は左入(6代)の茶碗がやたら目に入ってきた。

今年は惺入(せいにゅう)(13代)のようだ。

明治維新で茶道が廃れかけ、先代の弘入などは需要が減って大変な苦労をしたという。

惺入の時代はどうだったのかなぁ。
関東あたりじゃ、近代数寄者たちが茶道をまた盛んにしていたけれど。

ただ、晩年になって、日本は第二次世界大戦に突入してしまう。
息子(覚入)が出征して、それを気にかけながら昭和19年に亡くってしまう惺入さん。

万が一のことがあれば楽家の血筋は途絶えてしまう不安もあっただろうに。

ちょうど、母親に買ってもらった日傘を落とした直後に鑑賞したこともあり、
親子の情愛が心にしみて、他に見学者もいなかったことから、
涙を流しそうになりながら、今回の展示を見ていた。

日傘、、、もったいなかったなぁ。気に入っていたのに。

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 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
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 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
 2012年2月 『京の粋 樂家初春のよそおい』
 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 ※2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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積み重ね (クラリス)
2014-02-26 06:58:45
はじめまして。私も2/22に行ってきました。

>10年前、「私は長入が好き」「僕は了入!」「俺は断然、慶入がいい」
と、それぞれが好みの歴代を挙げている会話を聞いて
「茶道を真剣(?)にやっているヒトって、偉いなぁ」と感心していた。

>私は歴代について、誰一人、名前すら挙げることができなかったからだ。

私もようやく昨年、歴代の名前がやっと頭に入ったところです。共感を覚えます。Akatuki庵さんもかつては---と親近感も。

こつこつ積み重ねていらっしゃるご様子、そして仕事も誠実にこなされながら、惹かれています。

私は3年前に退職し、やっと本気で取り組み始めました。

共感を覚えながら、そして情報もいただきつつ訪問しています。

私は先日は象太郎と立鶴写しに惹かれました。(お借りしたトイレのツバキにも感動を覚えました。)


返信する
Re:積み重ね (akatsukian)
2014-02-28 08:03:58
クラリスさん

はじめまして。

仕事を終えられた後の時間を
有意義に過ごされていて
とても羨ましいです。
返信する

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