***220817
説明不足につき画像追加しました。
百聞不如一見。一目瞭然。***
大正の終わり頃、
寺田寅彦、松根東洋城、小宮豊隆らが変則的な歌仙を
試みていた。
たとえば、
短句から始めて短句で終わる六、七韻。
長句から始めて長句で終わる六、七韻。
切れ切れのそれらを“Torso”と名づけた。
「TORSO」(『寺田寅彦全集』第十一巻)
そのほか、
前句だけでなく発句にも旨く付いている、つまり
後戻りOKの一連を“Rondo”と名づけた。
「RONDO」(『寺田寅彦全集』第十一巻)
五七五と七七の連なりという以外にどの程度歌仙の規範に
則ったものだったかは知らない。
横紙破りの傍若無人なこれらの試みは
「俳諧の形式を、西洋音楽の形式とパラレルなものに考へよう
とする」(小宮豊隆『漱石 寅彦 三重吉』より)
考え方の萌芽だったという。
ところで、
短句ばっかりで六韻続けるとどんな感じだろう。
すでに誰かが試みていると思うが、自分では初めての試み。
・BACH独吟・
バッハつくづく切なかりけり
パシオの藻塩胸にきりきり
パティオ人影フーガ始まる
ぬけ道のないカノン迫り来
手をたづさへてロンド・ア・ロンド
暮れゆくほどにエヴァンジェリスト
†
ちょうど聞いていた西洋音楽がバッハだったから、
バッハを発句に。
ゆるくバッハシバリで、ついでにロンドっぽく。
・七七の短句のみ
・歳時記なし
・バッハ関連のカタカナ語が季語代わり
しかし、このままだとただの独り言に見える。
後付けのシバリとして、韻文の証拠、
・脚韻