8月15日は終戦記念日である。
この日は日本の敗戦を振り返ってしんみりするのが常道なのだが、周囲の国が竹島や尖閣諸島に上陸したりして今年はそれどころではない。いったい彼らは日本を軍事国家に邁進させたいのか、よく分からん。このまま挑発行為が続くと、いよいよもって日本の外交は弱腰。きちんとした軍隊を持って武力行使するべきだの論調が大手をふるうだろう。憲法9条を廃止して再軍備の道へ進むのは時代の流れなのか・・・。
なんてことを考えながらも粛々と8月15日は過ぎてゆく。
この日は休みをもらっていたので朝から大忙し。
まずは新宿バルト9へ映画を見に行く。
椎名誠原作の「ぱいかじ南海作戦」。
阿部サダヲが主演。職と妻を同時になくした男が、住まいも荷物も整理して南の島へ出かけるところから始まる。ヤマネコも棲む西表島のどんづまりに美しい浜があった。そこで4人のホームレスと出会い意気投合。一緒にサバイバル的キャンプ生活に入る主人公。が、焚き火の宴会で最高に酔っ払った翌朝、四人のホームレスは持ち物ごと姿を消していた。主人公の全財産も一緒に・・・。
無一文・無一物となった彼は途方にくれる。本来なら島の警察に届け出るべきところだが、信じていた四人に裏切られ、かつ南から吹く風「ぱいかじ」に打たれた彼は、なんかもうどうでもよくなって、網にくるまり、寝てしまっていた。
そこに突然現れる旅の若者、オッコチくん。主人公はサバイバルの達人を装って彼の信頼を勝ち得ると、当面の食料を彼から調達することに成功する。二人の奇妙な共同生活が始まる。やがて浜にはうら若い二人の女の子キャンパーもやってきて……というストーリー。
この映画は何と言っても西表島の美しい海と空に尽きる。そしてホームレスや主人公たちの、ビールの飲み方、カップヌードルの食い方。都会に住むわしらは、あんなうまそうに酒を飲んでいるか、メシを食べているか? 生きるとは、喜びを感じるとは?
まあなかなかに上質の、いい映画だった。
取りあえずその後朝飯兼夕飯を食べる。時間つぶしに1円パチンコを打ってから、再びバルト9へ。
映画「トータルリコール」を見る。ポール・バーホーベン監督、シュワちゃん主演の名作映画のリメイクだ。
しかし、館についたのが遅かったおかげで、開いてる席が1席しかない! 最前列のど真ん中。おかげで目が疲れた。平日なのにお盆休みだからこんなに混んでるのか?
面白かったが、旧作の出来には一歩も二歩も及ばない感じだ。
夕方高円寺に移動して、「川柳川柳の大ガーコン祭り」を見る。このためにわざわざ休みにしていたのだ。
川柳川柳は自分の大好きな落語家。大学生の時に知って好きになったからもう30年はたつか。
現在81歳! 今も池袋や浅草の演芸場でガーコンをやっては軍歌を歌いまくるという、ステキなお爺さんである。
今年の春に車にひかれたとかで足を怪我しているそうだが大丈夫なのか。
弟子である女性落語家、川柳つくしの新作落語に始まり、三遊亭白鳥(円丈の弟子らしい)の川柳師を主人公にした新作落語「天使がバスで降りた寄席」で爆笑。続く柳家小さん(この人は鈴々舎馬風一門)の「ガーコン 上」で中入りとなる。
客の入りは8割以上。ほぼ皆が川柳のファンなので温かい雰囲気が流れている。
で、待ちに待った師匠の出番。約50分。前半が小せんに取られたので、唱歌や「紀元二六〇〇年奉祝歌」が歌えずちょっとやりにくそうだ。マクラが喋れず、いきなり噺に入ったのもファン的には残念。聞きなれたガーコンそのものの噺より、マクラのほうに興味がある。尖閣や竹島の噺、オリンピックや高校野球に触れるかと思ったが、流石に8月15日だからか、すぐに続きに入ってしまう。
声量自体も前に比べると小さくなってるようだ。NHK「日本の話芸」の収録は2年前だったか。あの時の方が声も見た目も若かった。が、仕方ない。
この日一番大きな声は日本兵の話。敗戦でいろんなデマが流れた。男はみんなキン○マを抜かれて奴隷にされる。女はブスは皆殺し。無論そんなことはなく、アメリカの兵隊は優しくてチョコをくれた。川柳師、終戦時は14歳だ。日本の兵隊の方がよっぽど怖かった。何か変なことを言おうものなら「何だと、貴様!」(この一喝の声が一番でかく感じた)
昔、チェ・ゲバラだかが広島の原爆資料館を見学した際に、日本人は何故アメリカに復讐しようとしないのかと聞いたらしい。あれだけの酷い目を受けながら、日本人は何故アメリカ人を憎まないか。何故、感謝し、親しみを覚えるのか、その精神構造が分からないと。もっともな話だ。だが、理由は多分これだ。アメリカ人はやさしかったのだ。日本人以上に。
鬼畜米英だと思ったら、確かに鬼みたいにでかくて強かったが優しかった、だからたちまち懐柔された。洗脳や教育も思いのほかうまくいったのだろう。ダグラス・マッカーサーさえ、昭和天皇と並べるときわめてでかかった。
だが私は抵抗する。原爆を落としたのは間違いなく彼奴等なので。東京大空襲の悲惨さを見たか。ナガサキ・ヒロシマだけでなく、沖縄戦の悲惨さを。非戦闘員を片っ端から虐殺する彼らをどうしてゆるすことができるのか。
だから自分はディズニーランドへは行かない。
川柳川柳が何故ガーコンばかりやり続けるのか。何故軍歌ばかり歌うのか。一年中、夏だけでなく、ガーコンを………。
日本は再軍備の道を突き進んでるようだと冒頭に書いた。多分アメリカも、諸外国もそれを望んでいるのだ。石原や橋下なんかの動きは、その表層の現象の一部に過ぎない。
特攻で死んでいった兵士、玉砕した兵士、マラリアで死んだ兵士、魚雷を受けて沈没した輸送船や商船。
本土で爆撃を受けた人々。家を焼かれ、親兄弟を殺され、すべてを奪われた日本人……。
だから私も軍歌を歌おう。あの、愚かな戦争を忘れない、忘れさせないために。
この日は日本の敗戦を振り返ってしんみりするのが常道なのだが、周囲の国が竹島や尖閣諸島に上陸したりして今年はそれどころではない。いったい彼らは日本を軍事国家に邁進させたいのか、よく分からん。このまま挑発行為が続くと、いよいよもって日本の外交は弱腰。きちんとした軍隊を持って武力行使するべきだの論調が大手をふるうだろう。憲法9条を廃止して再軍備の道へ進むのは時代の流れなのか・・・。
なんてことを考えながらも粛々と8月15日は過ぎてゆく。
この日は休みをもらっていたので朝から大忙し。
まずは新宿バルト9へ映画を見に行く。
椎名誠原作の「ぱいかじ南海作戦」。
阿部サダヲが主演。職と妻を同時になくした男が、住まいも荷物も整理して南の島へ出かけるところから始まる。ヤマネコも棲む西表島のどんづまりに美しい浜があった。そこで4人のホームレスと出会い意気投合。一緒にサバイバル的キャンプ生活に入る主人公。が、焚き火の宴会で最高に酔っ払った翌朝、四人のホームレスは持ち物ごと姿を消していた。主人公の全財産も一緒に・・・。
無一文・無一物となった彼は途方にくれる。本来なら島の警察に届け出るべきところだが、信じていた四人に裏切られ、かつ南から吹く風「ぱいかじ」に打たれた彼は、なんかもうどうでもよくなって、網にくるまり、寝てしまっていた。
そこに突然現れる旅の若者、オッコチくん。主人公はサバイバルの達人を装って彼の信頼を勝ち得ると、当面の食料を彼から調達することに成功する。二人の奇妙な共同生活が始まる。やがて浜にはうら若い二人の女の子キャンパーもやってきて……というストーリー。
この映画は何と言っても西表島の美しい海と空に尽きる。そしてホームレスや主人公たちの、ビールの飲み方、カップヌードルの食い方。都会に住むわしらは、あんなうまそうに酒を飲んでいるか、メシを食べているか? 生きるとは、喜びを感じるとは?
まあなかなかに上質の、いい映画だった。
取りあえずその後朝飯兼夕飯を食べる。時間つぶしに1円パチンコを打ってから、再びバルト9へ。
映画「トータルリコール」を見る。ポール・バーホーベン監督、シュワちゃん主演の名作映画のリメイクだ。
しかし、館についたのが遅かったおかげで、開いてる席が1席しかない! 最前列のど真ん中。おかげで目が疲れた。平日なのにお盆休みだからこんなに混んでるのか?
面白かったが、旧作の出来には一歩も二歩も及ばない感じだ。
夕方高円寺に移動して、「川柳川柳の大ガーコン祭り」を見る。このためにわざわざ休みにしていたのだ。
川柳川柳は自分の大好きな落語家。大学生の時に知って好きになったからもう30年はたつか。
現在81歳! 今も池袋や浅草の演芸場でガーコンをやっては軍歌を歌いまくるという、ステキなお爺さんである。
今年の春に車にひかれたとかで足を怪我しているそうだが大丈夫なのか。
弟子である女性落語家、川柳つくしの新作落語に始まり、三遊亭白鳥(円丈の弟子らしい)の川柳師を主人公にした新作落語「天使がバスで降りた寄席」で爆笑。続く柳家小さん(この人は鈴々舎馬風一門)の「ガーコン 上」で中入りとなる。
客の入りは8割以上。ほぼ皆が川柳のファンなので温かい雰囲気が流れている。
で、待ちに待った師匠の出番。約50分。前半が小せんに取られたので、唱歌や「紀元二六〇〇年奉祝歌」が歌えずちょっとやりにくそうだ。マクラが喋れず、いきなり噺に入ったのもファン的には残念。聞きなれたガーコンそのものの噺より、マクラのほうに興味がある。尖閣や竹島の噺、オリンピックや高校野球に触れるかと思ったが、流石に8月15日だからか、すぐに続きに入ってしまう。
声量自体も前に比べると小さくなってるようだ。NHK「日本の話芸」の収録は2年前だったか。あの時の方が声も見た目も若かった。が、仕方ない。
この日一番大きな声は日本兵の話。敗戦でいろんなデマが流れた。男はみんなキン○マを抜かれて奴隷にされる。女はブスは皆殺し。無論そんなことはなく、アメリカの兵隊は優しくてチョコをくれた。川柳師、終戦時は14歳だ。日本の兵隊の方がよっぽど怖かった。何か変なことを言おうものなら「何だと、貴様!」(この一喝の声が一番でかく感じた)
昔、チェ・ゲバラだかが広島の原爆資料館を見学した際に、日本人は何故アメリカに復讐しようとしないのかと聞いたらしい。あれだけの酷い目を受けながら、日本人は何故アメリカ人を憎まないか。何故、感謝し、親しみを覚えるのか、その精神構造が分からないと。もっともな話だ。だが、理由は多分これだ。アメリカ人はやさしかったのだ。日本人以上に。
鬼畜米英だと思ったら、確かに鬼みたいにでかくて強かったが優しかった、だからたちまち懐柔された。洗脳や教育も思いのほかうまくいったのだろう。ダグラス・マッカーサーさえ、昭和天皇と並べるときわめてでかかった。
だが私は抵抗する。原爆を落としたのは間違いなく彼奴等なので。東京大空襲の悲惨さを見たか。ナガサキ・ヒロシマだけでなく、沖縄戦の悲惨さを。非戦闘員を片っ端から虐殺する彼らをどうしてゆるすことができるのか。
だから自分はディズニーランドへは行かない。
川柳川柳が何故ガーコンばかりやり続けるのか。何故軍歌ばかり歌うのか。一年中、夏だけでなく、ガーコンを………。
日本は再軍備の道を突き進んでるようだと冒頭に書いた。多分アメリカも、諸外国もそれを望んでいるのだ。石原や橋下なんかの動きは、その表層の現象の一部に過ぎない。
特攻で死んでいった兵士、玉砕した兵士、マラリアで死んだ兵士、魚雷を受けて沈没した輸送船や商船。
本土で爆撃を受けた人々。家を焼かれ、親兄弟を殺され、すべてを奪われた日本人……。
だから私も軍歌を歌おう。あの、愚かな戦争を忘れない、忘れさせないために。
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