義母がゴミ屋敷化させた”汚し部屋”の片付け作業は、その膨大なゴミの量に圧倒され途中
心が折れそうになりながらも延べ40日も掛けてほぼ一通り終わった。
だが、ゴミを撤去した後の”汚し部屋”は長年換気を行っていないので痛みが酷い。
3部屋のうち、特に和室二間は畳が完全に使い物にならない状態になっていた。
黴は勿論のこと、鼠による被害(糞尿、齧り痕など)、上に置いた家具などによる窪み跡
(なかにはキャスター付きの家具を直置きしたためキャスターが畳に喰い込んでいるところ
もあった)等々である。
和室は落ち着いて良いが費用対効果を考えて二間とも洋室に変えることにした。洋間なら
DIYでできそうだ。だが一間は雨漏りを長年放置したままにしていたため床が一部朽ちて
おりDIYでは無理と判断して専門業者に改造を依頼した。
残りの一間は床はしっかりしている。床板を留めた釘の頭が錆びずに金属光沢を残している
ものもありフローリングだけならDIYでやれそうな気がしてやってみることにした。
まずは畳の処理。これをやらないことには部屋のかび臭さが抜けない。市の可燃物処理場に
自分で持ち込めば50kgまでは無料で処理してくれるという。畳1枚は30kg。1.5畳で45kg。畳6枚なら4回に分けて運び込めばタダで処理できる。軽トラを借りる
手もあるが畳を裁断すれば乗用車のトランクに乗る。畳を裁断するのも、4回に分けて運び込む
のも面倒ではあるがケチ精神が先にたつ。畳床はもともと藁なのでカッターナイフで切れる
だろう、畳中央部を架台に乗せると両側が自重で下がるので中央にカッターを当てると切り口が
次第に割れて開いてゆき切りやすくなるだろうと読んでいた。
だが思いのほか手こずっってしまった。カッターナイフの刃の切れがすぐに鈍くなる。多分
藁にはシリカのような無機成分が含まれているのだろう。そういえば昔、裁ちバサミで紙を切る
と切れ味が鈍るのでやってはいけないと聞かされたことがあった。
結局、5枚の一畳を3分割、2枚の半畳を2分割、合計12カットするのに2時間を要し、
カッターナイフの刃は2回取り替えた。
だが、可燃物処理場で係員から聞いた話によると電動鋸で比較的簡単に切れるらしい。
電動鋸は
持っているのに残念なことをしたと思ったが”後の祭り”である。そこまで思いが至らなかった。
ともあれ、手間は掛かったが畳の処理は無事終った。先の業者の見積りによれば畳の処理は
畳一枚につき2500円。畳6枚なので15,000円が浮いたことになる。因みに4回往復
しても通算10km程度なのでガソリン代は僅かということになる。
次は資材選び。
通常、フローリングは根太という角材を30cm間隔で渡し、その上に捨て板と呼ばれる合板を
敷いてその上にフローリング材を張っていくという手順らしい。
だがここで根太の太さに問題がでた。フローリング材と捨て板の厚みはそれぞれ12mmで
合計24mm。元の畳の厚み55mmに合せるには角材の太さは30mmが必要だ。だが
ホームセンターを数店廻ってみても25と45mmのものしかない。
畳床の敷板を外すことも考えたが、しっかりしていて外すのはかなり手間が掛かりそうである。
また敷板の下にはガラスウールの断熱材が入っている。これを利用する手はない。そこで45mmの
根太に直接12mmのフローリング材を張ることにした。これなら合計57mm。捨て板が
ない分フローリング材に負荷が直接かかるので根太の間隔を300mmから200mmにする
ことで補強することにした。
次の問題はフローリング材の枚数である。フローリング材は四方がオス・メスの入れ子
になって
いて左右上下の組み合わせがある。おまけに部屋は中央の一畳分が掘り炬燵、隅の半畳分が棚間
になっているという畳6枚の変形部屋。フローリング材は1枚でも入手できるが通常6枚、つまり
2畳分(一坪)がセットで販売されていて割安となっている。面積的にいえば3セットで済むはず
だが簡単な設計図を書いて確認してみると合計で23枚、つまり4セットの8畳分必要であること
がわかった。部屋が長方形でない変形の場合はその分余分に必要ということになる。
次に資材を購入して工事に入ってみると今度も中央の掘り炬燵がネックになる。まず根太が均等に
渡せない。そこで改めて根太を追加することにしてホームセンターに車を走らせた。そして
フローリングを張る段になっても掘り炬燵がやはり障害となった。片端から埋めていくと掘り炬燵の
部分の一枚は僅かに50mmしか空かないことになる。図面上はOKでもこれでは入れ子の出っ張りが
邪魔になりとても入らない。これは端から入れ子を嵌め込んでいく段階で気付いた。やはりやって
みないとわからないものだ。そこで最初の端の板を模様に合せて1/4巾でカットすることにした。
長さ1.8mの板を縦に切っていくのは電動鋸でもかなりしんどいがやはり手を抜いてはいけないようだ。
そして次に気付かされたのは間口の微妙な歪形である。長手方向に約4.5mあるが中央部分が
5mmほど外に出て膨らんでいるいるようだ。わずか5mmではあるが板の間ではこの隙間が目立つ。
この微調整も必要だった。また角も直角ではなくわずかに開いている。畳の場合圧縮が効くので、
ある程度のずれなら収まるのだろう。
またフロア用釘打ちにも苦労した。フロア材一段ずつに根太に木工用ボンドを塗ってフローリング材
嵌めこんだ後隅をフロア用の釘を打って留めて行くのだが、始めのうち、この釘が打ち終える最後の
段階で頭が曲がってしまうことが数回あった。この段階で曲がってしまうとので釘抜きは使えず
お手上げ状態になる。無理に抜こうとするとフローリング材を傷める虞があるからだが釘にらせん状の
ミゾが切ってあって抜けにくい構造になっているため少々のことでは抜けない構想になっていて
始末が悪い。抜けないので曲がったまま打ち込んで次の板がひっかかる出っ張った部分をヤスリで
落とすことにした。これも結構時間を食う結果となった。
どうも釘を打つ前にドリルで開けた下穴の穴径と深さに問題があるようだ。2.1mm径x38mm長の釘に対してドリルは1.5mmx30mm。ということでドリルを1.8mmの
太さで深さ40mmとすることにした。以降、釘の頭が曲がることはなくなった。
ともあれ昨日やっとの思いで張替えが済んだ。当初、3,4日あれば張替えが済むだろうと
読んでいたが結局10日余りもかかってしまった。業者にやってもらった別の部屋を見てあまり
腕がいい方ではないなと思っていたが、やはりそう簡単ではないことが自分でやってみて
初めて気付かされた。
もう二度とやる機会はないだろうが、次ぎにやるとしたらもう少しうまく、そして手早くやれそうな気はする。
心が折れそうになりながらも延べ40日も掛けてほぼ一通り終わった。
だが、ゴミを撤去した後の”汚し部屋”は長年換気を行っていないので痛みが酷い。
3部屋のうち、特に和室二間は畳が完全に使い物にならない状態になっていた。
黴は勿論のこと、鼠による被害(糞尿、齧り痕など)、上に置いた家具などによる窪み跡
(なかにはキャスター付きの家具を直置きしたためキャスターが畳に喰い込んでいるところ
もあった)等々である。
和室は落ち着いて良いが費用対効果を考えて二間とも洋室に変えることにした。洋間なら
DIYでできそうだ。だが一間は雨漏りを長年放置したままにしていたため床が一部朽ちて
おりDIYでは無理と判断して専門業者に改造を依頼した。
残りの一間は床はしっかりしている。床板を留めた釘の頭が錆びずに金属光沢を残している
ものもありフローリングだけならDIYでやれそうな気がしてやってみることにした。
まずは畳の処理。これをやらないことには部屋のかび臭さが抜けない。市の可燃物処理場に
自分で持ち込めば50kgまでは無料で処理してくれるという。畳1枚は30kg。1.5畳で45kg。畳6枚なら4回に分けて運び込めばタダで処理できる。軽トラを借りる
手もあるが畳を裁断すれば乗用車のトランクに乗る。畳を裁断するのも、4回に分けて運び込む
のも面倒ではあるがケチ精神が先にたつ。畳床はもともと藁なのでカッターナイフで切れる
だろう、畳中央部を架台に乗せると両側が自重で下がるので中央にカッターを当てると切り口が
次第に割れて開いてゆき切りやすくなるだろうと読んでいた。
だが思いのほか手こずっってしまった。カッターナイフの刃の切れがすぐに鈍くなる。多分
藁にはシリカのような無機成分が含まれているのだろう。そういえば昔、裁ちバサミで紙を切る
と切れ味が鈍るのでやってはいけないと聞かされたことがあった。
結局、5枚の一畳を3分割、2枚の半畳を2分割、合計12カットするのに2時間を要し、
カッターナイフの刃は2回取り替えた。
だが、可燃物処理場で係員から聞いた話によると電動鋸で比較的簡単に切れるらしい。
電動鋸は
持っているのに残念なことをしたと思ったが”後の祭り”である。そこまで思いが至らなかった。
ともあれ、手間は掛かったが畳の処理は無事終った。先の業者の見積りによれば畳の処理は
畳一枚につき2500円。畳6枚なので15,000円が浮いたことになる。因みに4回往復
しても通算10km程度なのでガソリン代は僅かということになる。
次は資材選び。
通常、フローリングは根太という角材を30cm間隔で渡し、その上に捨て板と呼ばれる合板を
敷いてその上にフローリング材を張っていくという手順らしい。
だがここで根太の太さに問題がでた。フローリング材と捨て板の厚みはそれぞれ12mmで
合計24mm。元の畳の厚み55mmに合せるには角材の太さは30mmが必要だ。だが
ホームセンターを数店廻ってみても25と45mmのものしかない。
畳床の敷板を外すことも考えたが、しっかりしていて外すのはかなり手間が掛かりそうである。
また敷板の下にはガラスウールの断熱材が入っている。これを利用する手はない。そこで45mmの
根太に直接12mmのフローリング材を張ることにした。これなら合計57mm。捨て板が
ない分フローリング材に負荷が直接かかるので根太の間隔を300mmから200mmにする
ことで補強することにした。
次の問題はフローリング材の枚数である。フローリング材は四方がオス・メスの入れ子
になって
いて左右上下の組み合わせがある。おまけに部屋は中央の一畳分が掘り炬燵、隅の半畳分が棚間
になっているという畳6枚の変形部屋。フローリング材は1枚でも入手できるが通常6枚、つまり
2畳分(一坪)がセットで販売されていて割安となっている。面積的にいえば3セットで済むはず
だが簡単な設計図を書いて確認してみると合計で23枚、つまり4セットの8畳分必要であること
がわかった。部屋が長方形でない変形の場合はその分余分に必要ということになる。
次に資材を購入して工事に入ってみると今度も中央の掘り炬燵がネックになる。まず根太が均等に
渡せない。そこで改めて根太を追加することにしてホームセンターに車を走らせた。そして
フローリングを張る段になっても掘り炬燵がやはり障害となった。片端から埋めていくと掘り炬燵の
部分の一枚は僅かに50mmしか空かないことになる。図面上はOKでもこれでは入れ子の出っ張りが
邪魔になりとても入らない。これは端から入れ子を嵌め込んでいく段階で気付いた。やはりやって
みないとわからないものだ。そこで最初の端の板を模様に合せて1/4巾でカットすることにした。
長さ1.8mの板を縦に切っていくのは電動鋸でもかなりしんどいがやはり手を抜いてはいけないようだ。
そして次に気付かされたのは間口の微妙な歪形である。長手方向に約4.5mあるが中央部分が
5mmほど外に出て膨らんでいるいるようだ。わずか5mmではあるが板の間ではこの隙間が目立つ。
この微調整も必要だった。また角も直角ではなくわずかに開いている。畳の場合圧縮が効くので、
ある程度のずれなら収まるのだろう。
またフロア用釘打ちにも苦労した。フロア材一段ずつに根太に木工用ボンドを塗ってフローリング材
嵌めこんだ後隅をフロア用の釘を打って留めて行くのだが、始めのうち、この釘が打ち終える最後の
段階で頭が曲がってしまうことが数回あった。この段階で曲がってしまうとので釘抜きは使えず
お手上げ状態になる。無理に抜こうとするとフローリング材を傷める虞があるからだが釘にらせん状の
ミゾが切ってあって抜けにくい構造になっているため少々のことでは抜けない構想になっていて
始末が悪い。抜けないので曲がったまま打ち込んで次の板がひっかかる出っ張った部分をヤスリで
落とすことにした。これも結構時間を食う結果となった。
どうも釘を打つ前にドリルで開けた下穴の穴径と深さに問題があるようだ。2.1mm径x38mm長の釘に対してドリルは1.5mmx30mm。ということでドリルを1.8mmの
太さで深さ40mmとすることにした。以降、釘の頭が曲がることはなくなった。
ともあれ昨日やっとの思いで張替えが済んだ。当初、3,4日あれば張替えが済むだろうと
読んでいたが結局10日余りもかかってしまった。業者にやってもらった別の部屋を見てあまり
腕がいい方ではないなと思っていたが、やはりそう簡単ではないことが自分でやってみて
初めて気付かされた。
もう二度とやる機会はないだろうが、次ぎにやるとしたらもう少しうまく、そして手早くやれそうな気はする。