忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

イプシロンロケット打ち上げ失敗 ~ 再チャレンジに期待

2013-08-27 | 随想
 今日13時45分にイプシロンロケットの打ち上げがあるというので
自分の中では午前中からカウントダウンしていた。
あと3時間、あと2時間、そして1時間というふうに。

打ち上げ30秒ほど前に、それまで見ていたTV番組が現場中継に切り替わり、
本当にカウントダウンが始まった。現地の見学場所でも皆が一斉にカウント
ダウンを唱和する。10、9、8、・・・・3、2、1、0。

だがカウントが0になっても動きがない。おもわずのけ反る。
古い話だが昔、クレイジーキャッツの植木等が”お呼びでない”といって皆
がずっこけたような感覚に。

失敗でない、延期なのだという人がいるかもしれない。しかし、予定通りに
打ち上げられなかったという意味ではやはり失敗といえる。
失敗には取り返しのつかない重度の失敗とそうでない軽度の失敗がある。
今回の失敗は、機材に損傷がなかったので軽度の失敗ということだろう。

液体燃料なら打ち上げ延期の場合は燃料を抜き出さなければならないが
幸いにして今回の場合は個体燃料であり抜き出す必要がない。
個体燃料のロケットは一旦点火すれば燃え尽きるのを待つしかないが
液体燃料より取り扱い易くまたエンジンの構造がシンプルにできるらしい。

打ち上げ再チャレンジは最低3日はかかるというが、次回はぜひ打ち上げに
成功して欲しい。そして皆で喝采したい。


ところで今回のイプシロンとは別に液体燃料のH型ロケットもある。
こちらの方は大型人工衛星や宇宙ステーションへの物資輸送を行う
「コウノトリ」の打ち上げに使われている。

でも、「コウノトリ」を始め、日本が参画している宇宙ステーション建設
計画は個人的にはどうも賛成しかねる。人口膨張のため他惑星への移住、
あるいは天然資源枯渇のため他惑星から調達、といった壮大な最終目的
があると思われるが、まだそれほどこれらの問題は切迫していない。

中には、宇宙開発によってシャトルの耐熱タイルや複合材料などの開発が
促進されたという人もいるだろう。しかし殆どとってつけた言い訳くらい
にしか思われない。そして日本は自前の実験棟まで打ち上げている。

もともと宇宙開発は米ソ冷戦に始まっている。最初の人工衛星打ち上げは
旧ソ連。人工衛星は確か「スプートニク」といった。旧ソ連は第二次世界
大戦終了時にドイツからV2ロケットの技術者を多数連行しその開発に
あたらせたので当然である。
この冷戦時代に、大陸間弾道弾に繋がる大型ロケットの開発は国として
安全保障上大きな脅威である。

米国はあわててロケット開発を急いだが、その後動物の打ち上げや
有人での宇宙空間飛行、月面のサンプル採取(ただし無人)とことごとく
旧ソ連に遅れをとった。

そこでケネディーによって壮大なプランとして立てられたのが「アポロ
計画」である。人を月に直接送り込むということ。これならソ連には決して
マネできないだろうと。
ここまで来ると完全に意地になっていて無意味な競争である。
アポロ計画はずっと以前に、そしてシャトル計画は最近終了している。
費用対効果が低いとして議会の承認が得られなかった。

そしてまた宇宙開発が国威高揚につながるだろうか。
現在中国が有人での宇宙飛行を盛んに行っていて、彼らの自信は深まって
くるばかりだが、全て国外の技術の模倣でできておりオリジナリティはない。
これは明らかに過信である。


またまた天邪鬼な性格が出てしまった。これ以上言うのはやめにしよう。