北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

日韓「慰安婦問題合意」は終結じゃなくてスタートです

2015-12-30 16:56:27 | 北朝鮮の虚像

 

12月28日、帰り道にラジオニュースで

慰安婦問題合意」の便りをお聞きしました。

 

日韓の建設的な関係発展において

長い間足かせとなっている懸案だったし、

北朝鮮人権のために活動をする者として

これも女性の人権に関わる問題なので、常に関心はあったんですが

ニュースを聞いて心の中は

安堵半分、不安半分でした。

 

政府同士では「合意」という望ましい結果にたどり着きましたが

長い間お互い反感が固く蓄積されてきた両国国民の目には

これが素直に受け入れられるのかということでした。

 

 

私は、北朝鮮の問題で活動をしている者なので

日韓の歴史問題について意見を言うほどの知識も何もありませんが、

一人の女性として、一人の韓国国民として言わせていただくのなら

両国が良い方向で、本当に「未来志向」に進むためには

国民の理解と協力が必要と思います。

マスコミの表現を借りて言えば、

政府は「政治的決断」を下し、解決への意志を表明したので、

国民は良心的で成熟した「フォローシップ」を発揮するときではないかと思ったのです。

 

 

私が直観的に心配した通り、

合意のニュースが流れた28日の夕方から

韓国のネット上は火がついたように過熱してました。

韓国が負けた、日本が負けた、なんでそれを譲ったのか…

しかし、私みたいな一般市民の頭で考えると、

一国の外相というすごく頭がよくて色んな専門家からバックアップされている人たちが

完全に自国に不利なことばかり言って、

「はい、それで合意しましょう~」としたとは思えません。

合意の内容的には得るものがあれば譲るものもあるはずです。

私は、両国がずっと駆け引きを続ける状態から

手を繋いで一歩進む状態に変わろうとした意志そのものに拍手を送りたいと思いました。

 

実際に真っ先に米国政府は公式に歓迎の意を表明しましたし、

世界のメディアや日韓問題専門家らも

この合意への意志自体は評価しており、

今後の慎重で誠実な実行で健全な未来を作っていく礎にすべきと言っていました。

 

 

欧米メディア「歴史的合意」…慰安婦妥結を評価

 

「両国が歴史的な合意に達した」―英BBC


「両国は数十年に及ぶ論争に突破口を開いた―米紙ワシントン・ポスト


「最も打開が難しい感情的な問題が画期的な合意によって解消されるだろう」―米紙ニューヨーク・タイムズ


「日韓関係の雪解けは、中国と北朝鮮に対抗する上で、日韓を重要なパートナーと見る米政府にも歓迎されるだろう」―米紙ウォール・ストリート・ジャーナル

 

 

 

また、朝鮮半島専門家の慶応大名誉教授「小此木」教授は、

「合意内容は細部まで詰められ、プロの外交だと感じた」

「11月初めの首脳会談で日韓が同じボートに乗り、「外交漂流」を防ごうと強い政治決断をした結果だ。だが、年内決着を目指した、そのスピード感には驚かされた

「安倍晋三首相、朴大統領の相互不信は官僚機構を縛り、メディアはナショナリズムを強め、国民感情を刺激してきた。下から関係を積み直すのは難しく、その意味でトップ同士の意向による今回の妥結には、重要な意味がある」

と評価し、

「日韓関係が新時代に入ることを確信している」と意気込みを語った。合意を土台にして、未来志向の新時代にふさわしい両国関係をいかに築いていくのか。政府だけでなく、国民レベルでも新たな対話が必要だ」

と述べています。

 

 

タイトルにも書いたように、

今回の合意は「解決」「終結」ではなく

完全解決に向けた枠組みを作ったにすぎません。

今後、この合意を両国が誠実に履行し、

元慰安婦たちの名誉を回復し、これまでの心の傷を癒やすために取り組み、

それから派生する世論を説得するために努力し、

国民間の根本的な和解に至るまで

引き続き頑張らないといけないのです。

 

また、韓国と日本は今後これから協力すべき懸案がたくさんありますが、

ある意味、慰安婦問題を円満に解決していく経験は

将来の両国関係に貴重な財産になると信じています。

 

 

 

【社説】慰安婦問題 日韓の合意を歓迎する

毎日新聞2015年12月29日

 

日本にとって韓国は最も重要な隣国である。外交はそもそも互いに譲り合わなければ成り立たない。今回の合意内容について、どちらが多く譲ったかの「勝ち負け論」に陥ることなく、日韓の新時代を切り開く基礎にすべきである。



日韓新時代、育むのは市民 慰安婦問題合意

朝日新聞  2015年12月29日


戦後70年のいま、両国が過去ばかりに縛られているわけにはいかないことははっきりしている。先行きが見通せない北朝鮮情勢、環境や資源など地球規模の課題、国内の少子化や高齢化、広がる格差――。共通する課題に取り組む隣国同士が手を取り合う必要性は増している。

産声を上げたばかりの合意はこれから、多くの試練にさらされるだろう。それらを乗り越え、中身を充実させていくのは政治家だけの役割ではない。今後、どんな隣国関係を作っていくのか。それを考え、育んでいくのは市民である。






金正恩氏側近、交通事故で死去…残虐無茶振りな金正恩への歯止めがなくなった

2015-12-30 13:56:30 | 北朝鮮の虚像

 

今朝、朝のニュースに

速報 金養建 交通事故で死去」という字幕が

ずっと映っていました。

 

金正恩氏側近、交通事故で死去…南北関係責任者

読売新聞 12月30日(水)10時24分配信

 
 
 

常に北朝鮮問題に関心を注いでいる私としては

少なからずショックでした。

なぜなら、金養建は

金正恩の側近中の側近だからです。

金日成時代から
外交において、特に対南政策において、
統一戦線部長としてまさに重鎮でした。


思想の違いは別にして、実力だけをみるとしたら
認めざるを得ないほど
頭もよく、外交分野の知識も豊富でしかも真面目。

閉鎖的な世界観を持っている北朝鮮の他の幹部たちと違って
洗練された国際感覚やマナーももっていると知られ、
実際に実績も多い手腕家でした。


 

▲「北朝鮮“忠直な革命戦士…金正恩と最も近い戦友”」(出処:MBNニュース)



北朝鮮も「朝鮮中央通信」が

「金養建同志を失ったことは、我が党と人民たちにおいて大きな損失である」と報じ、

彼の死去をとても惜しんでいる模様です。

 

 

特に金養建は、

暴力や無茶振りより、

会話重視、合理的な判断重視の人だったため、

対南政策においても

南北対話を率いるなど穏健・平和的な方策を取ってきました。

言ってみれば、

残虐で無鉄砲な金正恩に

歯止めをかけられる理性と能力と権威を持っている人と言えます。


 

現在、韓国の殆どのマスコミでは

金養建の不在によって、

せっかく8月25日の南北合意から再開した対話ムードが

再び冷え込んでしまうのではないかと懸念しています。

私もそう思います。


南北対話をきっかけに

北朝鮮が少しでも変化することを望んでいましたが、

こうなると、

北朝鮮がまた対話の枠から身を引いてしまうだけじゃなく、

武力挑発など理不尽な選択で突っ走る可能性だってあると思います。


経済的に切羽詰まった北朝鮮が

今頼れる存在があまりいないため、

韓国との会談という機会を捨てがたい

つまり、対南戦略に大きな変化はないだろうとの見込みもありますが、

何をするか分からない集団なので

最悪の場合は頭の片隅には常においておくべきです。



しばらく、北朝鮮の中は混沌とした状態が続くでしょう。

既に、権力暗闘、クーデターの可能性の話が漂っています。

もしくは、金正恩は

また高級幹部の大量処刑する恐怖政治で

この混乱を無理やり鎮めるかもしれません。



大物をなくした北朝鮮が

今後どう対応するかを世界中が注目しています。。。




 


北朝鮮、カナダ人牧師に終身刑…

2015-12-23 19:32:56 | 北朝鮮の虚像


先週、北朝鮮の最高裁判所が
10ヶ月間抑留していた韓国系カナダ人のイム・ヒョンス牧師に対して
無期労働教化刑」という判決を言い渡しました。


罪は、「国家転覆陰謀罪」らしいです。

 

北「国家転覆企て」韓国系カナダ人に無期刑

 


北朝鮮は、イム牧師が自らが身分の罪を認めたとしています。
実際、イム牧師は7月にあった記者会見で


「私の最も重大な犯罪は、韓国と米国の北朝鮮敵視政策に従って、共和国の最高尊厳と体制を中傷冒涜して国家転覆行為を敢行したことだった。北朝鮮を往来しながら、宗教国家を建設しようとした」


と話しましたが、


果たして本当に本人が認めたのか、強要されたのか
北朝鮮を経験した私としては釈然としません。

 


しかも、イム牧師を知る人々の証言を聞けば、
彼は純粋に、苦しんでいる北朝鮮住民と脱北者を助けたいという思いで
献身的に活動をしてきたらしいですが、


問題は、他の国ならなんの罪にもならない、
むしろ称賛されるべき活動が
北朝鮮では罪になってしまうということですかね。。。


宗教の自由がない北朝鮮で「キリスト教」牧師は
一旦敵視されますし、
それに北朝鮮住民と脱北者を助ける彼の活動が
北朝鮮には常に気に入らなかったでしょう。


北朝鮮政権のせいで苦痛を強いられている人たちを救うことは
金正恩政権にとっては「国家転覆」に見えるのです。


しかし、カナダ政府をはじめ、
各国の専門家や市民が批判をしています。


判決の不適切さはさておき、
カナダ当局関係者のイム牧師面会要求も拒絶しており、
領事機関が自国民を訪問する権利について規定した
ウィーン条約に違反するとの指摘もあります。

 

特に、カナダは自国民のことなので
批判の声はより熱いです。


トロントのメディアに掲載された記事に出る
ある外交専門家の発言がインパクトがありました。


This sentence is a reflection of a cruel and unjust dictatorship that inflicts horrendous human rights abuses upon its own people, and threatens the world with its reckless nuclear ambitions.” -外交問題批評家 Tony Clement-


今回の宣告は、残酷で不当な独裁政権の表れだ。


【全文】Friends pray for release of Mississauga pastor jailed for life in North Korea

 

 

私は、今回の宣告は
国連の北朝鮮人権批判決議の直後なので
さらに目立ち、反抗的にさえ感じられます。


これまで北朝鮮は、人権問題を非難する国際社会の声を気にし、
「北朝鮮は住民の人権を侵害していない」
「外国人の拉致など他国民に対する人権侵害もない」
「国連の報告書や決議はすべてウソで、謀略だ」
と主張してきました。


なので、今回は誰が見ても外国人に対する「人権弾圧」的なことを
しかも公開的に敢行するという真逆の行動を取りました。


叱られるとさらに悪行をする子供みたいですが、
本当に今の北朝鮮は何を考えているのか、、、


一角では、
イム牧師を引き換えに
カナダ政府から何かを求めるといった
駆け引きをするとの予想もありますが、
これは、国際人身売買と何が違うのでしょうか。





1959年12月14日新潟港で、第一次帰国船が出発

2015-12-15 18:02:51 | 北朝鮮の虚像

 

北朝鮮と朝鮮総連は、

北朝鮮を「地上の楽園」と宣伝し、

戦後、日本に滞留している朝鮮人と彼らと縁を結んだ日本人らを北朝鮮へ送りました。

いわゆる「帰国事業」。

25年間で10万に近い人々が北朝鮮へ渡りましたが、

彼らを待っていたのは、楽園ではなく、

困窮な暮らしと差別でした。

 

1959年12月14日は、彼らを送るための帰国船が

はじめて北朝鮮に向かって出発をした日。

 

北朝鮮へ行ってから脱出して日本へ戻った「川崎」さんが

昨日、第一次帰国船の出発から56年となる日を迎え、

この帰国事業をあおった朝鮮総連に対して抗議をしました。

 

彼女の声はこちらから聞けます↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

在日脱北者「川崎栄子氏」朝鮮総連本部前の記者会見


人間なら謝罪せよ」と叫び、

帰国事業により北朝鮮に送られた同胞の実態を調査せよとして

「人権救済申請書」を差し出しました。



最近、日本政府も

北朝鮮の日本人拉致を「テロ」行為、または「人権侵害」とみなし、

国連などの国際社会で北朝鮮を批判し、早急な解決を求めていますが、

 

北朝鮮を脱北した人々はかなり前からこの問題を「人権」の観点から見ていました。

なぜなら、彼らは自ら北朝鮮を経験した人で、

自分の人権が侵される惨めな感情が分かるからです。

まだ北朝鮮に残っている家族の安全が心配だからです。

外交や政治・経済論理で解決しようとする政治家とは全く違うのです。

 

脱北者らが日弁連に救済申し立て 帰還者の人権保障求め

2015年1月16日00時52分

 

これも川崎が前に立って進めたことですね。

 

人権週間もそろそろ終わろうとしていますが、

北朝鮮に家族を残してきた人からすれば、

常に心に魚の骨が刺さっているような気持ちでしょう。

 

多くの人々を騙して北朝鮮へ連れて行ったこと自体が非人道的ですが、

自由往来もできず、自分が暮らしたい場所を選ぶ権利を奪われたこと、

北朝鮮で敵対視され、過酷な差別を受けることなど、

全部が人権侵害だと思います。

 

 

 

 


モランボン楽団、敗着に転ずる

2015-12-14 19:23:05 | 北朝鮮の虚像

 

中国でのコンサートを予定して、

金正恩が作ったと言われる「モランボン楽団」が中国入りしましたが、

リハーサルだけをして急遽コンサートをキャンセル、帰国しました。

 

北朝鮮楽団の北京公演中止 中国専門家も分析できず

 

記事のタイトルからも読めますが、

一体なぜ、急に公演を中止して、モランボン楽団メンバーを撤収させたのか

いまだに理由が分からないのです。

専門家さえ理由がわからないなんて、

この事件で、金正恩は外交においても簡単なルールも守らない気まぐれだということが

さらに明らかになったと思います。

 

色々な説の中で私が個人的にありえると思うのは

金正恩の「水素爆弾保有」発言の話ですかね。。。

 

 

10月10日の、北朝鮮労働党設立70周年の行事に

中国序列5位の劉雲山・共産党政治局常務委員が訪朝したことがきっかけで、

冷え込んでいた中国と北朝鮮との関係が改善されるという期待感が膨れ上がりました。

その延長線上で、今度は中国が「モランボン楽団」と招待し、

コンサートの開催が決まりましたが、

金正恩はこの関係改善のムードを後ろ盾にして

水爆の話を切り出したのです。

北朝鮮のこのような行動は、

自分たちにやっと心を開いて、関係改善の機会をもう一度与えた

相手を簡単に裏切って利用したにすぎません。

 

しかし、これまで国際社会に向けて「核不容」方針を公言してきた中国が、

バカじゃない限り、この方針を投げて北朝鮮の軽率な発言を黙認するわけがありません。

案の定、中国政府は直ちに、金正恩の水爆発言を批判しました。

 

中国政府の反応に北朝鮮は機嫌を損ねたのか、

それとも恥ずかしかったのか、

「文化使節」と言われていたモランボン楽団をそのまま撤収させたんじゃないでしょうか。

 

まさに、外交の基本を無視した、マナーのない行動だったと思います。

 

北朝鮮のこのような無茶振りに対して、

中国も不満を示しています。

 

中国共産党が不満示す? 北朝鮮楽団引率者の写真削除

 

それもそうでしょう。。。十分理解できます。

北朝鮮としては、モランボン楽団の公園で中国との友好関係を誇示したいと思っていたでしょうが、

今回の件は、真逆の「敗着」となったようです。

 

 

ところで、モランボン楽団は今回「文化使節」と言われましたが、

Youtubeなどでモランボン楽団の曲を聞いてみると、

歌の歌詞が完全に社会主義・金正恩に対する称賛一色

これは文化使節じゃなくて体制宣伝使節じゃないかと思いました。

 

Youtubeで視聴するためにはクリック

 

実は、金正恩が自分の時代を「洗練され、開放された北朝鮮」と見せるために

このような楽団を作ったらしいですので、

本当なら体制宣伝用と言って正しいと思います。

 

公演ドタキャン 北朝鮮「モランボン楽団」美女たちの正体

 

皮肉にも、北朝鮮が敵視している韓国の「少女時代」を真似て作ったらしいですね。

上の動画も少女時代のコスチュームとそっくりと思いますが、、、、、

おばちゃん感性で見てみても。。。。

どうでしょう。。。全然違う気がしますが。

 

 

 

余談ですが、少女時代も厳しいトレーニングで有名なんですが、

北朝鮮のモランボン楽団と、どちらがもっと大変でしょうか。

私は何倍辛くてきついとしても

自由民主国家・韓国の歌手として、

世界中で愛されたいと思います。

 

 

 

 


北朝鮮の女性、「5大鼻柱・8大美人」じゃなければ出世できない?

2015-12-09 17:02:21 | 北朝鮮の虚像

 

韓国の朝鮮日報が運営する「プレミアム朝鮮」に

定期的にコラムを掲載しています。

 

今日は、その中で

北朝鮮の女性たちの権力というものについて書いたコラムを

紹介させていただきます。

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北朝鮮の女性、「5大鼻柱・8大美人」じゃなければ出世できない? 

 

 

韓国の女性政治家たちが北朝鮮について最もにポジティブに評価している点があるとしたら、それは多分、女性の政治参加であろう。多くの論文では北朝鮮の男女平等権と女性の政治参加率が韓国より高いと評価している。しかし、北朝鮮の女性らが実際感じる女性の政治参加や社会的地位向上は、韓国の女性政治家らが考えていることと大きな隔たりがある。


今年5月、平壌(ピョンヤン)を訪ねてきた「ウィメンクロスDMZ」参加者らも「平壌に行って北朝鮮の女性指導者らと平和について議論した」と自慢した。彼女たちは自分たちがDMZを行き来しながら北朝鮮の女性たちと数回会うだけで、北朝鮮と韓国が統一できて平和が維持されると勘違いしているようだ。


北朝鮮には実際、韓国や国際社会の女性指導者らと平和や南北分断など政治・社会的諸問題について議論できるような女性指導者はいないと見てよいだろう。

 

韓国と海外のフェミニストたちは、いつも北朝鮮の操り人形のような女性指導者たちとの会合を「民間交流」と意味をつけ、それを通じて北朝鮮問題が解決できると勘違いしている。勿論、北朝鮮政権が自分たちの政策を貫くために様々な分野の権力をわざと女性陣に分担したり、実際に政治以外の、社会や経済の面である程度の女性権力は存在する。が、今韓国のフェミニストらが接する北朝鮮女性たちは分断と平和の問題に関しては何もできないのが事実。


北朝鮮において女性権力というのは出身成分によって決められるが、その次に影響力を持つのが女性の美貌である。例えば、コ・ヨンヒ、イ・ソルジュのように、白頭血統や万景台血統などの家柄の背景がなくても、最高指導者の目について権力を手に入れたケースがある。しかし、このようなケースも地方権力者の間でまれに見られる程度だ。


現在、北朝鮮住民の殆どが商売をして生計を立てているので、権力も財力によって動くようになった。しかし、まだまだ北朝鮮で女性の権力を決定する最も重要なのは美貌と出身成分だった。


筆者が暮らしていた地域では、「5大鼻柱・8大美人」という言葉があったが、「5大鼻柱」とは良い家柄のおかげで立派な職業と職位につき権力を振り回す女性のことを指す。また、「8大美人」は、美貌で高官に気に入られてよい職について出世した女性のことを指す。このような女性らはいつも不倫など色々なスキャンダルを巻き起こし、人のうわさにのぼる。たまに性的不祥事で「革命化」と呼ばれる思想教育を受けることもある。ところが、性スキャンダルの場合、北朝鮮では男性の方より女性を処罰することが多く、世論も男性よりは女性に冷たいのだ。


5大鼻柱の女性たちは、主に飲食業や商業・流通分野の職を持ち、食品をはじめ生活必需品を取り扱う企業の責任者だ。また、物が不足している北朝鮮社会で商品供給権を濫用して権力を振り回すという特徴もある。一般の人々は、彼女らの機嫌をとればタバコや酒などの嗜好品はもちろん洋服、靴、石鹸、洗剤などの生活必需品まで横流しにして暴利を取ることができるため、いつも彼女らにごまをする。


だから、彼女たちは鼻が天を衝くほど天狗になり、その傲慢さを喩えて「5大鼻柱」と呼んでいるだ。この女性たちは、出身成分がよくて親、夫または息子が権力のある地位にいる。言い換えれば、政経癒着がとても強い。北朝鮮で平壌の大きな飲食店、外貨商店、百貨店といった商業・流通分野は、大抵が白頭血統、万景台血統、智異山血統などの高位層の妻や娘、嫁らが占めていることからも明らかだ。


最近、北朝鮮の基幹産業が崩壊し、国家の流通体系が麻痺したため、住民たちが多く利用する流通空間としては市場(チャンマダン)が定着したが、そこでも高位層の妻、嫁、娘らが市場管理員として活動しているようだ。
いつか聞いた韓国のある統一専門家の話によると、北朝鮮の高位層の子供が通う幼稚園を訪問したら園児の中に母親の職業が市場管理員という子がいたそうだ。その専門家はそれを見て、もう北朝鮮では従来の特権概念が消えて市場で働いている庶民の子供も党高位幹部の子供が通う特殊幼稚園に行けるように変わったと評価していた。しかし、これは北朝鮮の実情を全く知らないから言える話だと思う。


現在、北朝鮮で物とお金が集まるところは市場だが、市場の商人を取り締まったり賃貸料を徴収したりする市場管理員の席はほとんど高位層の妻、嫁、娘らが占めているのだ。


北朝鮮で商売が盛んになるにつれ、市場が生存に一番重要な空間となり、今や権力より財力の方が力を持つようになった。自然に、権力者の夫や息子に頼って威勢を振るう女性よりは、財力を元に影響力を持つ女性が増えている。そんな意味で、最近の北朝鮮で人気のある嫁は、権力を象徴するチャンジョン街の嫁ではなく、稼ぎがいい社長の妻や嫁だそうだ。

 

 


北朝鮮制裁を主張する米国政治家たちーCory Gardner & Marco Rubio

2015-12-08 18:06:43 | 北朝鮮の虚像


先日、12月1日に米国の上院議員「コリー・ガードナー」氏が
米紙「ウォールストリート・ジャーナル」に
忘れられている北朝鮮の気狂いへの制裁」という題目のコラムを掲載しました。

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑英語原文記事はこちらをクリック↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

 


題目がかなり過激ですが、
ガードナー議員はこのコラムで


西側諸国が中東の混沌状態で関心を移してしまったが、北朝鮮における金正恩の恐怖政治は続いている

とし、

米国がこの忘れられている気狂い(forgotten maniac)に対応すべき

と主張しました。


その対応とは、他ならぬ北朝鮮への制裁強化でした。
彼はその根拠として、北朝鮮政権の大量破壊兵器の開発人権侵害を上げました。


ガードナー議員は、

米上院外交委員会で「東アジア・太平洋・国際サイバーセキュリティ政策小委員会」という

長い名称の委員会の委員長でもあるそうです。

【米ワシントンDC Johns Hopkins大学国際大学院で演説しているガードナー上院議員】

(写真はhttp://www.chogabje.comより)

 


彼は既に米国会で
経済制裁の強化に関する法案提出はもちろん
北朝鮮のテロ支援国再指定北朝鮮人権に関する制裁も主張するなど
米国をはじめとする国際社会に向けて
対北朝鮮圧力を呼びかけています。


「気狂い」というかなり激しい言葉遣いで
驚く方も多いと思われますが、
米国の有識者の間では、「金正恩=厄介者」という認識が広がっており、
公の場で金正恩を表現するときに
公然と「気狂い」という言葉を口にするのを見るのは、難しくありません。

 


ガードナー議員と足を揃えて
北朝鮮への制裁強化を主張しているもう一人、
現在、アメリカ共和党の大統領選候補として浮上している若手政治家、
Marco Rubio」議員もそうでした。

 


韓国の朝鮮日報によれば、
ルビオ議員は、9月16日にあった
共和党の大統領選候補らのTV討論にて
同じく共和党で候補指名争いをしているトランプ氏が
北朝鮮の核問題を含めて国際関係懸案に無知であるとアピールする過程で、

数十の核兵器とまさに今我々が立っているここ(キャリフォルニア)を打撃できる長距離ロケットを手にしている気狂い(lunatic)が北朝鮮にいる
と話したそうです。


余談ですが、
てっきり「気狂い」は英語で「Crazy」なんとかかなーと思ってましたが、
ManiacとかLunaticとかを使いますね。


ルビオ氏は、
有能で40代という若さを武器に
共和党候補として注目を浴び、
変わった発言で有名なトランプ氏(現在支持率1位)を
追いかけているらしいですね。

 

(写真はマルコ・ルビオ議員のTwitterより)


彼も米上院外交委員会の東アジア太平洋小委員会の幹事を歴任しただけに、
共和党の大統領選候補の中の誰よりも
韓国と韓半島事情に詳しく
韓国にも関心が大きい候補と思われます。


そんな彼は、つい最近も
北朝鮮とイランが米国安保最大の脅威」と話しました。

 

 


アメリカは今、
イスラム国や国内のテロ事件に関心が集中している状況で、
以前に比べて
北朝鮮や韓半島問題への関心は相対的に弱まったと感じています。


そんな中でも、
北朝鮮問題に対する米国と国際社会の役割について
熟考している方々がいて良かったと思いました。

 


専門家の分析では
最終的に次のアメリカの大統領は、
経験豊富な民主党のヒラリー・クリントンさんになるだろうとのことですが、
私は、若い政治家の信念と勢いに感動し、
昨日、彼に応援のメッセージを送りました。

 

北朝鮮制裁の強化に同意すると。
しかし、一方的に制裁をしても
金正恩政権は、制裁で損した分を
北朝鮮住民を絞り出すことで穴埋めしようとする。

そのため、
まず、住民たちを「人権」という面で保護する装置を用意しておいたら

住民の自由はもちろん

金正恩政権が住民たちから搾取して制裁をくぐり抜けることが阻止でき、
制裁の効果も増大するでしょうと。


そういったメッセージを送りました。

 

たまには、
北朝鮮の民主化や政権崩壊、北朝鮮住民の人権保護のために
私が社会運動をするのが、
なんの役に立つのかと思う時がありますが、
こういう方々の話で勇気づけられます。

 




観光客を呼んでおいて、核実験

2015-12-04 18:32:58 | 北朝鮮の虚像

 

今朝、

北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)で

今現在核実験をしているわけではないが、

核実験のための何らかの動きが見られるとのニュースがありました。

豊渓里は、前にも核実験を行った実験場です。

 

北朝鮮、過去の核実験場で新たなトンネル建設か=米シンクタンク

ロイター 12月3日(木)8時25分配信

 

米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)は2日、10月から11月初めにかけて撮影された衛星写真に基づき、北朝鮮が核実験のための新たなトンネルを掘っている兆候があることを明らかにした。

 

 

 

SAISは、「38ノース」という北朝鮮専門ウェブサイトを運営しており、

衛星写真などの分析でいつもかなり精度の高い情報を提供していますが、

今回も「38ノース」がトンネルの件を明らかにしました。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓38ノースが公開した衛星写真↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

この写真を見ると、中央上の部分の

New Portal」とか「Now building」と書いてあるところですかね。

 

 

今日、韓国の朝鮮日報が核実験ニュースと同時に報道した

北朝鮮の観光地域工事のニュースは

皮肉を感じさせます。

 

これもまた「38ノース」に公開された情報らしいですが、

北朝鮮と中国の国境地域の新義州(シンイジュ)で

中国人観光客向けのリゾート施設や列車駅のリモデリングの工事が盛んだということです。

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓6ヶ月前にはなかったものができた↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

上の写真が2015年9月3日のGoogle earth映像、

下の写真が2015年3月13日のGoogle earth映像。

たった6ヶ月で敷地に新しい建物らしきものができています。

 

 

この2件の記事を並べて見ると、

北朝鮮は外国人には「観光においでー」と呼んでおいて、

隣では核実験を行うということになります。

 

 

国際社会との約束をやぶって核実験をした北朝鮮に対して、

国連安保理は、2回にわたって対北朝鮮制裁決議案を採択しました。

その結果、北朝鮮政権は資金、特に外貨が不足となる。

資金が足りなくなると、核実験もできなくなる

 

その、資金難を解消するために、

金正恩政権は、あらゆる方法を駆使しますが、

最近目立つ手法が観光業でした。

 

偶然にも、今日、カンボジアでは

アンコールワットの近くに北朝鮮が立てる博物館がオープンするらしいですが、

海外で観光業をするのはまだよいとしても

(いや、結局そのお金がどこに流れていくかを考えれば、よくありませんが)

わざわざ海外の人々が来るように誘致をする側が

平気に隣で核実験をするなんて。

 

 

ちょっと前の記事ではありますが、

北朝鮮の観光産業の問題点について批判する記事もありました。

 

北朝鮮が観光客100万人を誘致…誰が行くのか!?

デイリーNKジャパン/2015年10月27日 12時19分配信


目標もデカイ。2017年は現状の10倍以上となる年間100万人。そして20年までには200万人だそうだ

(中略)

人権団体から「北朝鮮でスキーをすることは、アウシュビッツ強制収容所の隣でスキーをするのと同じ」との批判が起きた。

 

 

これまで私は、この記事も指摘しているように

北朝鮮の観光の推しすすめが

北朝鮮住民に与える弊害だけを考えていました。

しかし、こうなると、

現在の北朝鮮の観光業は、

他国の国民の健康と命を脅かすことであり、

他国の国民の人権を侵害することだと考えられます。



ちなみに、北朝鮮の放射能汚染、、こうだそうです。


北朝鮮産キノコから基準9倍のセシウム 韓国で回収命令

朝日新聞デジタル  2015年11月27日20時19分



 



『生きるための選択』脱北女性の体験談が本に

2015-12-02 16:18:12 | 北朝鮮の虚像

 

韓国だけでなく

アメリカなど世界で有名な脱北女性がいます。

パク・ヨンミさん。

私と同じく「恵山(ヘサン)」出身の脱北者です。

 

彼女はまだ20代というのに、

世界中を巡りながら

北朝鮮の実態について知らせる人権運動をしています。

 

そんな彼女が最近、本を出しました。

日本語版も出版されたらしいので、ここに紹介させていただきます。

 

生きるための選択 ―少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った