北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

「北朝鮮レボリューション」コンテストのご紹介

2016-09-29 16:53:36 | 北朝鮮の虚像

先週の米国務省主催の

「対北朝鮮情報流入」のためのアイデア募集についてご紹介しましたが、

今日もまたアイデアコンテストのご紹介です。

 

実はこのコンテストについてはツイッター友のツイートを見て

結構前から知っていましたが、

内容を翻訳さんを通じて確認しなきゃいけないせいで

ご紹介が遅くなってしまいました。

 

北朝鮮レボリューション」。(ツイッターはhttps://twitter.com/nkrevolution_)

つまり、北朝鮮を革命するためのアイデアを募集しています。

 

ホームページもアニメ大国らしくかわいい感じですね。

「北朝鮮問題」といえば、私もつい深刻になりがちですが、

こういうアプローチも大衆を対象に訴求するには悪くないと思いました。

 

 

大きく3つのテーマに分けてアイデアを募集しています。

 

アイデア募集の締切が10月10日らしいですが、

もう少し延長してほしいですね。

 

 

私も北朝鮮問題について色んなところで発信させていただいていますが、

聞き手がみんな「ふむー北朝鮮ね…やっぱり難しいですね」という反応ですが、

割りと

「同じ人間として」

「常識の線で」

「軽い気持ちで」

「何でも」言っていただくと

本当に嬉しいし、かなり役に立ちます。

みんな軽くでも思い付くまま言ってくだされば、その一つ一つが貴重な意見であり

それを「形」にしていくのは我々のような者ですから。

 

 

いいアイデアには商品もあるらしいから

関心のある方は、奮ってご応募ください!

 

 


【聯合ニュース】「北人権問題の国際刑事裁判所付託求める国連総会決議案」3年連続推進

2016-09-29 16:14:33 | 北朝鮮の虚像

ツイッターのフォロワーさんをリツイートしながら

関連記事を一緒にご紹介しようと思って

日本語版を探してもらったら「見つからない」とのことで、

至急翻訳までしてもらっちゃいました。

 

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「北人権問題の国際刑事裁判所付託求める国連総会決議案」3年連続推進
'北인권 국제형사재판소 회부 유엔총회 결의안' 3년연속 추진

聯合ニュース 2016/09/27 00:31

 

キング米国務省北朝鮮人権特使「10月末推進」


北朝鮮の人権問題を国際刑事裁判所(ICC)に付託するよう勧告する内容の国連総会北朝鮮人権決議案が今年も進められると見られる。今年で3年連続である。
ロバート・キング米国務省北朝鮮人権特使は、26日ワシントンDCで、北朝鮮専門メディア「38ノース」が開催した北朝鮮人権セミナーに出席し、「北朝鮮人権のICC付託」の内容を盛り込んだ決議案が今年も提出されるかという質問に「北朝鮮人権決議は通常10月末頃をメドに進められてきた」「今年もそうだろうと見ている」と答えた。
キング特使は「今年8月に就任したトマス・キンタナ国連北朝鮮人権特別報告者が国連委員会に報告書を提出したら、1週間ほど後に決議案草案が国連第3委員会に報告される」と説明した。
北朝鮮の人権実態をICCに付託するよう勧告する内容の決議案は2014年と2015年、連続で推進され、国連総会で採択された。
人権問題を担当する第3委員会で決議案が採択されると、国連総会の表決に付けられる。

ここ1年の間北朝鮮の人権状況にはこれといった改善が見られず、既に2回も採択されているだけに今年も国連総会の決議は確実と言える。
決議案は2014年・2015年と同様、北朝鮮における残酷な人権状況を糾弾しICCで裁くことを求める内容が盛り込まれるものと見られる。
ただ、決議案が法的拘束力を持つためには国連安保理の決議が必要となるが、常任理事国の中国の反対で実現可能性は高くないとされている。

過去の2回の決議案も、国連安保理のアジェンダとして採択されたが、決議に届かず議論されるだけにとどまった。
しかし、国連総会の決議案採択は、北朝鮮人権問題を国連安保理が取り扱う必要があるという国際社会の意見を明らかにするものであるだけに、この問題に対する国際社会の関心が集まると期待される。

 

 

 


中国を行き来するトラック運転手さんがパンを箱ごと買う理由

2016-09-27 18:41:30 | 北朝鮮の虚像

 

VOA(Voice of America、米国の声)放送は、

貿易などで中国国境を往来する北朝鮮トラック運転手さんたちが

みんな帰りにパンを買う不思議な様子について取材・報道しました。

 

理由は、水害地域へ送るパンを買ってこいという

北朝鮮当局の指示があったからだそうです。

しかし、パンを買う費用は支払われない、いわゆる「課題」で、

そのパンは被害住民には供給されないらしい。。。

 

 

自由アジア放送(RFA)と同様、

VOA放送も主にまだ自由化が進んでいない国々を対象にし、

世界各国のニュースを伝える放送で、

北朝鮮でも短波ラジオで聞けるので北朝鮮住民たちにとっては

北朝鮮当局の実態を知るにあたって重要な情報源になっています。

 

日本語での放送は提供していないため、

日本語訳をここに載せます。

 

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北朝鮮トラック運転手、競ってパンを購入

 (북 트럭 운전사들 너도 나도 빵 구입)

 

【中国丹東から鴨綠江鉄橋を渡って北朝鮮に入る貨物トラックの行列。写真=RFA、聯合ニュース提供】

 

最近、中国を往来する北朝鮮の貨物トラックの運転手たちが競っているかのようにパンを一箱ずつ買って北朝鮮に戻るらしいですが、その理由は何でしょうか。

最近、丹東の中-朝海関周辺の食品売り場では、パン類が飛ぶように売れています。午前中に中国の方へ出て午後遅い時間に北朝鮮に戻る貨物車運転手のほとんどがパンを一箱ずつ買って帰るためであると丹東現地の消息筋は伝えました。

丹東のある住民は「この頃海関近くの食料品店やパン屋に行くと、個別包装されているパンを箱いっぱい入れて包んでいる光景をよく目にする」「このパンの箱は北朝鮮のトラック運転手に頼まれたお店の人が事前に用意をしているもの」と話しています。

この住民は「トラック運転手がパンを買って帰ることがおかしいことではないが、最近運転手たちの様子は一般的に北朝鮮の人がパンを買うパターンとはかなり違う」と強調しました。

ほとんどの運転手が例外なくパンのみを買う上に、パンの種類を問わず100元分だけ箱いっぱい包んでくれと頼むということです。

通常、北朝鮮トラック運転手たちは中国で品物を買う時、値段が高いなどあれこれ文句を言いますが、最近パンを買う時には箱の中身も確認せずに渡されたまま持って去ると消息筋は言いました。

 

これと関連し、丹東の他の消息筋は「運転手らが買うパンは個人用じゃなくて北朝鮮当局が中国を行き来する運転手に指示した課題」であると説明しました。「だから彼らが買うパンは1~2元程度の、100元出せば一箱をいっぱいにすることができる安いパンだ。このパンは全て咸鏡北道の水害地域へ送られると聞いた」ということです。

この消息筋は「このパンは水害地域の住民に支給されてはいないようで、水害復旧作業に動員された突撃隊員に供給されているものとみられる。しかし、運転手たちが買っていくパンはせいぜい一日100箱余りなので、突撃隊に供給するとしても相当足りない」と伝えました。

 

運転手らがパンを一箱しか買わない理由は、パンの購入代金を当局からもらうのではなく、当局が運転手らに強制的に課する課題であるためだと、消息筋は指摘しました。

 

 

 


北朝鮮住民に外の世界を知らせる機会、米国主催のアイデア応募に参加しよう

2016-09-23 19:03:27 | 北朝鮮の虚像

 

昨日、北朝鮮当局は、

米国のB-1Bなどの韓国派遣を受けて

官営の朝鮮中央テレビを通じて

「もしアメリカが、B-1Bなどを引き続き韓国上空に送りこみ、軍事的挑発の危険の度合いを高めるなら、挑発の本拠地グアム島を地球上から消し去るだろう」

と警告しました。

 

北朝鮮軍総参謀部報道官が警告「グアムを地球上から消し去る」

フジテレビ系(FNN) 9月23日(金)5時2分配信

【韓国空軍基地に待機中の米B-1爆撃機、写真=聯合ニュース】

 

日本にはグアム島の話のみ報道されたようですが、

北朝鮮は、これと合わせて

ソウルを灰の山にしてやる」とも言いました。

 

 

普段から「火の海にする」と口癖のように言う北朝鮮ですが、

何事でも理性的な判断と対応より

好戦的な言動で威嚇を繰り返す北朝鮮に、

今度の国際社会は、文明人類らしく「情報戦」で対抗します。

 

 

金正恩が本当に怖がっているのは、

アメリカのB-1Bよりも、

北朝鮮住民たちが外の世界に目覚めることです。

 

これまでは極力外部からの情報を遮断して、

住民に対しては絶えずにプロパガンダを繰り返すことで

住民たちは今の状態について「仕方ない」としか思えず

外の世界で自分らの状況を「理不尽」「非人道的」「直すべき」と批判していることには

気付きもできません。

 

 

有名な心理学の実験について聞いたことを思い出しますが、

 

ネズミを出口のない箱の中に入れて

箱の底には電気刺激を与える装置を仕掛け、

持続的に刺激を与えます。

最初数回は、当然、ネズミは苦痛でもがいて箱の中から脱出しようとします。

しかし、出口がありません。

これを何回も繰り返されたネズミは

これは「仕方ない」ということを学習し、

もはや脱出をあきらめて、電気衝撃が再び発生してもぐーーっと我慢するだけです。

 

 

これ現象を心理学では

「学習された無気力感」(Learned Helplessness)というそうですが、

もし、

このネズミに

いや、この世界が全てじゃない

箱の外では無意味に電気刺激を与えるなんて非常識だ」ということと共に

「脱出の希望」と「脱出の方法」を教えれば

このネズミは脱出をあきらめず、

電気装置を探して壊すか、

箱をふっ飛ばしてしまうか、

とにかくよりよくて楽な環境のために頑張るようになるでしょう。

 

 

アメリカの国務部は、

先日「対北朝鮮情報流入拡大計画」を議会に提出したことに続き、

もう一つの実行案として

北朝鮮住民に外部世界に関する情報を効果的に投入する方法などのアイデアを募集し、

いいアイデアに対しては執行資金も支援する予定だそうです。

 

 

私は、そんなアイデアを政府当局が考えて実行していくこともいいですが、

世界の人々にアイデア応募を呼びかけることは、

多くの人に昨今の北朝鮮の状況を一回考える機会を与えて

情報投入の重要性を換気するという意味でさらに価値が高いと思いました。

 

私も色々考えが整ったら応募してみようかと思っております。

応募資格として「北朝鮮関連団体」となっており、

個人での応募を制限しているかまではもっと調べなきゃいけないのですが、

みなさんもぜひ、このアイデア募集にご関心を!

 

 

北朝鮮がソウルを「灰の山」にするなら

我々は北朝鮮を「情報の山」にしてやりましょう。

 

 

【関連記事和訳】

 

北住民に外の世界知らせるアイデア公募…美、北揺さぶりに拍車

 

国務省、通信手段の投入方法・コンテンツなどに265万ドル支援

 


米政府が、北朝鮮民心を活用した「北朝鮮体制揺さぶり」に本格的にスピードを出しはじめた。
米国務省は、北朝鮮住民に外の世界を効果的に知らせることに関するアイデアを公募すると22日に発表した。
国務省が今月はじめに上・下院の外交委員会に提出した非公開報告書に対北朝鮮情報流入拡大計画を盛り込んだに続き、これを本格的に実行する意志を明らかにしたのである。
国務省の報告書には、対北制裁法301条が定めている「制限がなく検閲を受けない、安価で大量な電子通信手段」を北朝鮮住民に供給する具体案が盛り込まれたと伝えられた。つまり、海外映画や韓国ドラマなど外部世界のコンテンツと接することができるラジオや携帯電話、タブレット端末、DVD、MP3、USBなどを北朝鮮に大量配布するという意味である。
国務省がこのように足速くアイデア公募に乗り出したのは、報告書提出の直後の今月9日に、北朝鮮が5回目の核実験を敢行したことと関係があるものと見られる。
今回のアイデア公募は、デジタル機器を北朝鮮住民の手まで安全に届けられる方法、外部世界への憧れを強化して北朝鮮体制に対する反感を引き起こすようなコンテンツ発掘などに注目している。
国務省は、北朝鮮住民に外部の消息を伝えて内部の情報を外部へ流出する事業、北朝鮮内で情報流通を促進する事業などに対し、160万ドルを支援すると発表した。
また、北朝鮮人権改善事業と北朝鮮開放プログラムに対してもそれぞれ50万ドルと55万ドルを支援するなど、3大「北朝鮮揺さぶり」事業に合計265万ドルを編成した。
国内外の北朝鮮関連の団体ならば誰でも公募することができ、締切は10月31日である。

 


6回目核実験の可能性…不測の金正恩のせいで不安が高まる

2016-09-22 18:42:56 | 北朝鮮の虚像


北朝鮮 3番坑道に幕設置=また核実験準備か

聯合ニュース 9月21日(水)8時1分配信

 

 

先日、北朝鮮当局が

大陸間弾道ミサイル(ICBM)のロケットエンジン試験に成功したと発表し、

近いうちにICBM発射の挑発をするとの見通しが出ている中、

北朝鮮が大規模な軍事パレードをするなど

大きな祝日としている朝鮮労働党創建日、

すなわち10月10日が挑発の日として予想されています。

 

それに、9月9日の5回目の核実験から

一ヶ月も経っていないのに

次の核実験を準備をしている様子が確認されました。

 

專門家らは、朝鮮労働党創建日をメドに

核実験とICBM挑発を連続でする可能性もあると見ています。

 

 

しかし、昨日韓国の新聞記事を読んでいて、

我々は、なぜ

「北朝鮮がいつ挑発をするか」をずっと気にして

不安と恐怖の中で過ごさなきゃいけないのかと、

腹がたちました。

 

 

以下は、昨日付けの「ヘラルド経済」記事の一部です。

 

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米国狙う長距離ミサイル能力を誇示した北、いつ発射するか

(‘美 겨냥’ 장거리미사일 능력 과시한 북한, 언제 쏠까)

2016-09-21 10:18

 

 

-10月1日(国軍の日)・10月10日(労働党創建日)・11月8日(米大統領選)・1月8日(金正恩の誕生日)など予想され

 

北朝鮮が20日公開したロケットエンジンが大陸間弾道ミサイル(ICBM)用として遜色ないものと評価され、北朝鮮の米本土への打撃の可能性が現実化しつつある。北朝鮮がいつICBM試験発射を行うのかにも関心が集まっている。

若くて好戦的な金正恩の気性から見れば、準備さえ完了したら待機時間を最短にし、すぐにでも挑発する可能性も大きいと見られる。

韓国軍が今年繰り返し挑発をする北朝鮮への対応として国軍の日(10月1日を機に強力な対北警告メッセージを発表する予定であるだけに、それに対抗して10月1日に奇襲的に挑発をすることも予想できる。

【写真=北朝鮮が20日公開したロケットエンジン実験の様子】

 

ミサイル発射や核実験の日にちを重要政治イベントや歴史的な事件と連携して決める北朝鮮の特性上、10月10日の北朝鮮労働党創建日を機に実施するとの見込みの有力である。北朝鮮は5回目の核実験も北朝鮮政権の設立記念日である9月9日に合せて敢行した。

また、米国の朝鮮半島専門家らは、北朝鮮が武力誇示の国際的波及力を極大化するために、米国の大統領選が行われる11月8日に挑発をする可能性も高いと見込んでいる。遅くなるとすれば、来年の金正恩の誕生日(1月8日)、金正日の誕生日(2月16日)を前後に北朝鮮が挑発する可能性も排除できない状態である。(後略)

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こうなると、ほぼ毎月、挑発の可能性があると見なきゃいけませんが、

北朝鮮の挑発の不安を忘れてほっとできる日がないのです。

 

北朝鮮が実際に挑発をしなくても

こういったいつになるかしれないという不安を毎日経験するだけでも

人類の大きな不幸です。

 

 

今進行中の国連総会

北朝鮮への新たな制裁の追加が示唆されました。

 

一部では、これまでの制裁にもかかわらず

北朝鮮は挑発を続けていると、

制裁の効果について懐疑的にいう声もありますが、

これはネズミ一匹の首を締めるようなこととは違う問題です。

制裁をかけてすぐに北朝鮮が倒れると考えていたなら

大きな勘違い。

 

忍耐して、くじけずに、持続的に、

全ての国が力を合せてこそ可能なことです。

 

 

次の制裁は、

前回の決議第2270号で弱みと指摘されていた、

北朝鮮労働者の海外派遣に対する制裁になりそうです。

私もそこは必ず必要だと考えています。

 

アメリカは既に取り組んでいるところですが、

中国など実際に北朝鮮労働者が多く雇用される第3国が壁となっています。

国際社会でのコンセンサスに向けて持続的に問題提起し、

この問題が議論され、その結果、

全世界で労働者制裁の網が細かく作られることを願っています。

 

 

 

 

 


北朝鮮水害は自然災害じゃなく「人災」です。

2016-09-20 17:28:55 | 北朝鮮の虚像

 

先週、韓国は「秋夕」(チュソク)でした。

秋の収穫を感謝して祝う日で、

旧正月とともに韓国の2大祝日です。

今年は土日までくっついて大型連休になりましたが、

毎日帰省する行列のニュースが流れました。

 

私は、故郷には行けない身なので

逆に寂しくなる時期ですが、

今年は私が脱北するまで住んでいた恵山(ヘサン)市のとなりの

咸鏡(ハムギョン)北道は、洪水で被害が大きく、

秋夕ところじゃなさそうで、心がもっと重くなります。

家も流されてしまうなど、生活がさらに辛くなったそうです。

 

 

北朝鮮で大規模水害 数万人が住居失う

BBC News 9月13日(火)17時20分配信

 

 

  

強気の北朝鮮も「史上最大の水害」と放送し、

現在進行中の200戦闘の労力を水害地域に投入、

軍も急きょ派遣するなど

全力を上げて復旧に取り込む様子見せました。

なお、国際社会に対しても復旧支援を求めましたね。

 

 

一瞬、「急にどうしたの」と思いました。

こんなに被害が大きいから

我がまま坊っちゃんの金正恩も、

さすがに今回は常識的に判断したのかと思いました。

 

しかし、

 

「デイリーNKジャパン」の高英起氏も、

北朝鮮当局の一連の対応を「セコイ手口」と表現しているように

その裏には「やっぱり!」がありました。

 

 

金正恩氏のセコい手口に被災地からブーイング

高英起  | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

2016年9月17日 6時36分配信

 

会寧市や茂山郡など、革命戦跡地が集中している地域、とくに金正日氏の生母である金正淑(キム・ジョンスク)氏の故郷の復旧が、優先的に行われている。

 

しかし、大半の作業員がショベルやツルハシも供給されずほぼ手作業での復旧作業を強いられている。

 

また、北朝鮮当局は、水害復旧資金に充てるため、「衷情の復旧戦闘」と命名して住民たちから支援金を要求。さらに、市内の中学生たちに「米1kgずつ出せ!」という指示を出した。

 

 

 

 

被害住民を思って緊急対応しているふりをして、

本当は、資金も労力も住民たちに丸投げする…

それに、復旧名目で国際社会に支援を求める

そもそも、なぜ自国民の保護を他の国に頼む事態に至ったのか。

 

 

 

特に注目したいのは、北朝鮮で洪水などの水害問題は、

慢性化した問題でした。

この問題をずっと放置してきたせいで、

梅雨や台風の季節になると、ほぼ毎年住民たちが被害を被ってしまいました。

 

 

「水害大国」北朝鮮 洪水被害が恒例、慢性化

辺真一  | ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

2016年9月19日 12時55分配信

 

 

 

最初から洪水に備えて

排水・水路の整備や建物のメンテナンスなど

予防作業に少しでも投資をしていたら

こんなに毎年のように水害が繰り返されることはなかったかもしれません。

 

 

今回水害がひどかった咸鏡北道地域には、

住民たちがほぼ着の身着のままで復旧作業にあたっている

工事に必要な資材が足りなくて作業が滞っているそうです。

 

 

こうなるまでお金は全部どこに使ったか。

思い出すのは、

洪水の直後、北朝鮮が行った

ミサイル発射と核実験

 

 

 

実は、金正恩は、水害については興味がなく、

知りたくないかもしれない。

 

 

最悪の水害も…レンジローバーに乗って農場へ行った金正恩委員長

中央日報日本語版 9月19日(月)10時7分配信

 

 

 

住民の安全より、核実験・ミサイル開発にばかり財源を投入し、

予防どころかいざ災害が起きたら復旧する財源もない。

これは、自然災害というより、

無責任な国家政策による「人災」です。

 

 

 

咸鏡北道は、中国国境地域で、

豆滿江(ドゥマンガン)を渡っての脱北が盛んな地域です。

脱北したくても川の水位が高くなってしまい、

渡るのが難しいかもしれません。

しかし、ニュースによれば、

今回の洪水で

豆滿江に沿って設置されてあった監視用哨所鉄条網

かなり流されたし、

中国側にあった鉄条網とCCTV(防犯カメラ)も被害が大きいようです。

 

 

むしろこのタイミングが脱北のチャンスかもしれません。

 

 

 

 

 


女性たちが金正恩を嫌う5つの理由

2016-09-06 18:50:34 | 北朝鮮の虚像

 

女性の差別が容認されて、

政権当局が女性の人権を軽んじて悪用する国は、

子供の人権も、貧乏な人の人権も、お年老いの人権も、

全ての「弱者」の人権を軽んじると思います。

その根底に流れている意識は全部同じものですから。

 

 

先日の「自由アジア放送」(RFA)は、

女性が金正恩を嫌う5つの理由」というタイトルの海外の報道を伝えました。

一見、興味本位の雑誌のカジュアルなゴシップのようなタイトルですが、

その内容は相当重いです。

 

性的暴力、人身売買、女性虐待、「喜び組」など

私も北朝鮮にいる時によく聞いていた話だし、

身震いするほどいやな話でしたが、

今振り返ってみれば、

その当時には、「これは不当だ」「直さなきゃ」などとは思わなかった気がします。

ただただ、「怖い」「いやだと思ったり、

自分が女性として生まれたことを悲痛に思ったりすることはありましたが、

女性だからといって差別されることは間違っているという、

「男女平等」の概念

脱北をしてからできたと思います。

 

 

北朝鮮で、唯一「男女平等」的なことを強調するときは

皮肉なことに、労働に動員されるときくらいでしたから。

女性も我が祖国の素晴らしい一員だ。社会主義国家建設に向けて精一杯働こう」などなど。。。

 今考えると、「平等」のいいとこ取りですね。

 

 

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「女性が金正恩を嫌う5つの理由」(韓国語版)

自由アジア放送(RFA)2016年8月16日

 


 数々の人権侵害行為を繰り返している金正恩北朝鮮労働党委員長。彼に対する女性たちの認識が特に厳しいそうです。
 北朝鮮の金正恩労働党委員長は、女性に人気があるか、ないか。

 アジア分析を専門とする米国のネットメディア「ボーダーレス(Borderless)」は、15日「女性たちが金正恩を嫌う5つの理由」というタイトルの分析記事を出しました。
 同メディアは、北朝鮮の女性たちがされている非人道的な待遇は、世界の女性の怒りを買うほどすさまじいとし、その根拠を一目瞭然にあげました。


 第一に、北朝鮮の政府機関で勤務する男性らが、非力な女性たちに振るう性的暴力をあげています。
資本主義式の市場経済が北朝鮮社会に広がっていく中、生計のために商売をする女性が増えていますが、彼女たちの不法行為に目をつぶってあげる条件で、ひどい場合は公共の場でも性的暴行が起きるということです。
 第二に、北朝鮮当局が主導して幼い少女たちを選抜し、幹部らの遊戯のための「喜び組」を組織することです。
14才前後の幼い少女を選抜し、2年ほど教育をした後、高位幹部を相手に公然と性的接待をやらせるらしいです。
 「ボーダーレス」は、混血児を母親の前で殺す行為を平気にするとし、食べ物を求めて中国に渡って現地人の子を妊娠して戻ってきた女性の場合、お腹を蹴飛ばして流産させるか、子供を産んでも純粋な血統を守るという理由で無慈悲に殺す事実も明らかにしました。
 第四に、北朝鮮には「成分」という身分制度が存在し、この制度できつい生活を強いられる下位階層の女性は、売春をして食糧などをやりくりしなければならない労しい状況であると指摘しています。
 最後に、家計において女性たちが男性より経済面でより大きな役割をしていますが、依然として保守的な社会雰囲気のせいで女性は差別を受ける立場であると報じました。
 

 「ボーダーレス」は、北朝鮮女性が受けている全ての人権侵害は、金正恩委員長の間違った政治の結果だとし、北朝鮮で苦しんでいる女性たちが幸せになるためには変化が切実だと強調しました。
 一方、米国の「北朝鮮人権委員会」も15日に報告書を発表し、金正恩政権がスタートしてからの北朝鮮における人権状況の特徴として、高級階層の粛清と脱北を試みた人に対する弾圧と共に、女性に対する弾圧がさらに深刻になったと指摘しました。

 

 


世界一の理不尽な国、北朝鮮に子どもの未来はない

2016-09-02 17:17:59 | 北朝鮮の虚像

 

2011年12月金正恩が政権トップになってから、
金正恩は政府・軍幹部を100人以上処刑してきました。

 

幹部の処刑が100人以上だから、
処刑以外の処罰はどれほどだろうか、
幹部じゃない一般の住民ならどれほどだろうか、
様々な考えが頭の中を飛び交いますが、

 


で、今回は、内閣副首相を処刑
副首相って、日本で言うと麻生太郎さんの地位に当たりますよね。

 

 

「姿勢が悪いから」副首相を処刑 北朝鮮
日本テレビ系(NNN) 8月31日(水)15時46分配信

【写真:処刑された北朝鮮高官、罪名と処刑方法。朝鮮日報日本語版 9月1日(木)10時20分配信】



北朝鮮は朝鮮労働党という「党」を中心にしていて
内閣は相対的に弱い構造ですが、
それにしても、内閣のナンバー2なわけです。
そんな人を「姿勢不良」というあっけない理由で処刑だなんて。
(もちろん、表では「反逆」などの重罪を着せていますが…)

 

金正恩が最近頻繁な処刑など恐怖政治に走る背景について、
色々な分析が出ています。
若い指導者が経験豊富な高官にコンプレックスを感じるからだとか、
あまりにも処刑しまくるから、幹部たちが生き残るために他の幹部を密告しているんだとか、
相次ぐ脱北で動揺する社会雰囲気を抑えるだめだとか。。。

 

 

(朝鮮日報日本語版) 金正恩氏を恐怖政治に駆り立てる「年齢コンプレックス」
朝鮮日報日本語版 9月1日(木)10時20分配信

 

幹部が忠誠心競争、密告増加か 北朝鮮で副首相処刑
朝日新聞デジタル 9月1日(木)8時0分配信

北朝鮮、金勇進副首相を公開処刑 体制の引き締め目的か
フジテレビ系(FNN) 8月31日(水)18時47分配信

 


むろん、一つの理由では説明できないでしょうし、
指摘された全ての要素が複合的に働いての結果だと言えます。


しかし、処罰というものは、
罪の重さとある程度相応しないとその意味や効果はありません。
無差別で感情的な処罰で一時的に自分の権威を高めるかもしれませんが、
最終的には反感や不満を買うようになります。

 

 

 

それだけじゃない。
何がなんであれ、人を高射機関銃で殺すとは、
人間としての最後の最後の尊厳も踏みにじる残酷すぎる行為です。


ちょうど、高射機関銃とは何かについて書いたブロガーさんがいて
引用します。

 


高射機関銃とは何なの? それは飛行機に向けて使うもの


高射機関銃は対人兵器ではない


飛行機ヘリコプターなど、空の敵を撃ち落とすために開発されたものです。

英語で言うとAnti-aircraft machine gunとなるんですね。対航空機機関銃です。
航空機に向けて使われる機関銃と人に向けて使われる機関銃では、その威力は段違い。そこそこ防弾性能のある兵器に向けて使うのですから、当然そうなりますね。

 

 


処刑が横行する自体もそうですし、
処刑の理由から手段まで理不尽なことばかりの北朝鮮。
身分の高低を問わずそんなところから脱出したいと思うのは当然

 


北朝鮮から脱出して
現在、韓国の大手新聞社「東亜日報」で勤務している「チュ・ソンハ」記者は
昨日の記事にこう書いています。


「金正恩はプライベートで、信用して仕事を任せる忠臣がいない、とよく愚痴をこぼすらしい。しかし、気に入らないからといって側近を殺すボスの下にいたら…たぶん金正恩は真っ先に逃げていただろう」

 

 

この前の、イギリスの公使「テ・ヨンホ」氏一家の亡命に関して、
二人の息子の将来への心配が大きな原因だったとする見解が数多くありました。
未来もなく、理不尽な待遇が待っている北朝鮮に息子たちを戻らせることができず
亡命を決心したということです。

 

理由は色々あったでしょうが、
私はその気持ちも十分理解します。
私も、北朝鮮で政治犯収容所に行く危機に直面して、
何よりも、まだ赤ん坊の息子をそんな地獄で育てまいという気持ちが一番強かったから。
親ってそうなんですね。。。

 

大人も耐え難い北朝鮮には
子供もたくさんいます。
そこに生まれたことがその子たちの罪なんでしょうか。