北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

[未来韓国]金正恩の「眠れぬ夜」(2015.08.25)

2016-12-29 17:18:49 | 【コラム】未来韓国・平壌別曲-韓国語

金正恩の「眠れぬ夜」

김정은의 ‘잠 못 이루는 밤’

2015.08.25

 


「金正恩の首に懸賞金」報道後、北当局急きょ金正恩暗殺備え訓練


7月31日、韓国江原道の鉄原(チョロン)一帯で韓国青年たちが北朝鮮に向けてビラの入った風船を送ったという。今回のビラの内容はとても特別だった。最近北朝鮮で出回っている「統一後に処断すべき北朝鮮高官リスト」なのだ。
このビラに対して北朝鮮の祖国平和統一委員会の報道官が「わが民族同士」という媒体を通じて強い非難の声を上げたが、どうやら普段のビラに比べてゾッとした模様である。

元々「処断者」という言葉は韓国ではあまり使われないが、北朝鮮ではとてもよく使われる言葉である。特に、北朝鮮政権の今日が存在するまで、この「処断者」という言葉が一番大きな活躍をしたのではないかと思うほどである。

 

北朝鮮住民を苦しめた者を必ず見つけだして処罰すべき


北朝鮮は政権初期から人民をいくつかの階級に分けて、階級ごとに処断すべき対象を指定して無慈悲に殺してきた。北朝鮮で最も過酷な処罰といえば、「処断者リスト」にあがることで、処断者リストに入ったら一族3代が死絶えてしまう。たとえ生き残ったとしても集団管理所と呼ばれる政治犯収容所に家族みなが強制収監され、獣のように扱われ、死んだ方がマシとこぼすようになる苦痛を経験する。

北朝鮮で処断者に指定される人は主に政治犯になるが、金氏王朝を批判したか金氏王朝に反旗を翻そうとした人、脱北者、宗教人などで、ようするに金氏王朝に邪魔になる人たちだった。家族の中で処断者が出たら、その事実を知らない家族までみな収容所に連れて行かれて奴隷のような生活を強いられるため、「処断者家族」という言葉は北朝鮮住民にとって恐怖と苦痛の代名詞となっている。

 

ところが、今現在北朝鮮住民たちが倒れかけている北朝鮮政権を目の前にして、統一したら一身の享楽と安慰のために金氏王朝に忠誠しながら北朝鮮住民を苦痛と恐怖に追い込んだ者を処断するために、自分たちがやられたように、リストを作っているとは。北朝鮮の雰囲気もかなり変わったなと思う。

特に、北朝鮮を地獄中の地獄にしてきた権力者・指導部に向けて住民たちが自らの声を出しはじめたという点で、画期的で革新的であると評価したい。

 

▲北朝鮮内に「統一後に処断すべき北朝鮮高官リスト」が出回っているという。これは北朝鮮住民たちが北朝鮮を地獄の地にした権力者・指導部に圧力をかけているというサインで、北朝鮮の独裁政権の崩壊が近づいてきたことを意味する。写真は金正恩が農機械展示会を訪問している場面

 


全ての物事にはブーメランのような性質がある。北朝鮮住民たちが作成して拡散させている統一後処断者のリストは、金氏王朝集団の専売特許を住民たちが真似をしたものといえる。金氏王朝が住民に向けて無慈悲に振り回した死の刀が、統一したら金氏王朝を追従した者に向けられるから、これから気をつけろという警告のメッセージなのだ。

処断者リストの話を聞いた脱北者たちは、口をそろえて積極的に支持を表し、今後北朝鮮の権力層内で内輪もめと混乱が起きると見込んだ。中でも住民たちの怒りが怖い金正恩は夜にも寝付けられないだろうと、奇抜なアイデアに拍手を送った。

 

金正恩の首に懸賞金かかる


今回のビラでは、金正恩とその一族、崔竜海(チェ・リョンヘ)、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)、金元(キム・ウォンホン)など金正恩の最側近に対する懸賞金も提案し、北朝鮮政権の滅亡を促すための大きな一歩を踏み出したと評価される。

北朝鮮の消息筋によれば、去年2月1日に韓国のTV朝鮮より金正恩の首に懸賞金がかけられたというニュースが報道されてから、北朝鮮地域では2月中旬頃から金正恩が暗殺されたという噂も駆け回ったようだ。

一部の脱北者が韓国人に「金正恩の首を打ち落としてきたら韓国で一千万ドルをくれるらしいが本当か」と確認をするハプニングもあって、本当に金正恩の首をとってくると意気込む人も現れたそうだ。その影響か、金正恩は北朝鮮史上はじめて、暗殺に備えた訓練を急きょ行った。

 

今回の「統一後処断者リスト」が巻き起こした波紋を見つめながら、今後の民間による統一運動はこのような心理戦の形で行われたら効率が良いと考えた。これからは、北朝鮮住民たちに金正恩政権の崩壊をより強く確信させるような戦略が繰り広げられることを期待したい。

 

[未来韓国]

 

 

 


北朝鮮水産物担当810軍部隊、実は北朝鮮制裁の回避手段

2016-12-27 18:18:39 | 北朝鮮の虚像

今日は、先日「TV朝鮮」で単独報道された、

北朝鮮の水産物担当の軍部隊に関するニュースです。

 

北朝鮮制裁に関する議論で

いつもイッシュになるのが、「民生目的」の取り引きを制限するか、です。

考えてみれば、制裁の目的は北朝鮮当局による核・ミサイルの開発を阻止することですが、

制裁をすれば必然的に北朝鮮住民たちの生活も打撃を受けるんですが、

住民たちは北朝鮮で生まれたこと以外、何の罪もないからです。

 

しかし、この国際社会の「人道的」な考えを逆用して、

北朝鮮は外貨稼ぎのための偽装部隊を運営していました。

 

 

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北朝鮮水産物担当810軍部隊、実は北朝鮮制裁の回避手段

[TV조선 단독] 北 수산물 담당 810군부대, 알고보니 대북제재 회피 수단

2016.12.25 20:53

 

北朝鮮の金正恩は、慢性的な食糧問題を解決するとしてこれまで魚の養殖事業を集中的に育成してきました。しかし、魚類の事業と普及を担当する目的で去年創設した810軍部隊が、実は北朝鮮制裁を回避して密輸貿易をするための偽装部隊でした。北朝鮮の内部文書によって明らかになりました。

 


[TV朝鮮放送場面、金正恩の現場視察]

 

[リポート]
北朝鮮の810軍部隊は養魚場などを運営し、軍と民間に水産物を供給する事業を専担しているものとされていました。
金正恩は810部隊傘下の養魚場を幾度も視察するほど格別に管理しました。

 

 

[朝鮮中央TV(11月20日)]

敬愛なる金正恩同士は、事業所区内に鼻を突くほど魚の匂いがして気分が爽快になるとおっしゃいながら…

 

 

金正恩は9月22日、この810軍部隊と労働党の全組織に指示書を出しました。
北朝鮮産ムール貝を輸出するのは人民軍第810軍部隊の単独事業だが、ほかの組織が割り込んで参加して密輸をしているとし、強力な対策を立てるよう求めています。
だが、この指示書には水産物の密輸だけでなく、銀、銅、貴金属の密輸への割り込み参加を全て制限するよう書いてあります。


810部隊が表では国内向けの魚類の養殖と普及を担当する民生事業企業のように見せかけているが、実は各種の水産物の輸出と北朝鮮制裁で制限された品目の密輸まで担当しているとのことを自認した模様になりました。

 

[キム・ソンミン、自由北朝鮮放送代表]

810軍部隊が実は北朝鮮制裁の監視を避けて外貨を稼ぐための秘密部隊だ



民生目的を装った北朝鮮軍の密輸組織に対する効果的な国際制裁が必要です。

 




[未来韓国]金日成大学の教授はどうして伐木作業者になったか(2014.10.02)

2016-12-26 16:40:28 | 【コラム】未来韓国・平壌別曲-韓国語
 
2014.10.02


国連人権理事会が、2013年5月に行われた北朝鮮に関する普遍的定例検討(UPR)の結果をまとめた最終報告書を全会一致で採択した。この報告書は北朝鮮に対して、連座制の廃止と国連北朝鮮人権調査委員会(COI)の勧告案の履行、国連北朝鮮人権特別報告者の訪問の許容、政治犯収容所の閉鎖、出身成分による差別の撤廃などを求めている。

北朝鮮専門家らは北朝鮮の3代世襲体制を支えている要素は主体思想と思想教育であると力説するが、実は北朝鮮の家庭革命家とその土台と言える連座制が核心要素である。連座制による一家の没落は、あまりにも悲しい結果をもたらすため、家族同士でもお互い統制して監視するしかなくなる。

 


連座制こそが世襲体制の土台


私の親戚のおじさんも連座制の犠牲者だった。彼はわが家族の脱北事実を全く知らなかった。おじさんは人民軍の高位将校で、韓国戦争当時は洛東江戦線まで南下して心臓に破片が刺さったにもかかわらず戦った軍人中の軍人だった。そんな彼も本人は何の罪もないけど、ある日急に消えた妹のせいで「北倉(ブクチャン)18号管理所」に連れて行かれ、ろくな寝場所もないまま獣のような扱いをされる苦労をし、結局凍死してしまった。


北朝鮮に住んでいた時、隣の家には金日成大学の語文学部の講座長を務めている博士が住んでいたが、その夫婦も兄が罪の連座で、高齢にもかかわらず、林産事業所に追放されて伐木作業員になってしまった。この夫婦は北朝鮮でもまれに見る博士夫婦だった。妻はモスクワ総合大学で留学した微生物博士で、夫は金日成大学を卒業した語学博士だった。

悲劇は夫の兄が飲み会で体制に反する発言をこぼしたことから始まった。兄は結局政治犯収容所に収監された。そして、金日成大学の教授で北朝鮮の権威のある語学博士だった弟も奥山に追放され伐木を強要され、ロシアに留学中だった息子も強制召喚され、妻も山間僻地の労働者に転落した。

 


追放されて初めて知らされる「笑えない親戚関係」


北朝鮮「主体思想」の創始者である思想家「黃長燁(ファン・ジャンヨプ)」先生が亡命した後にも、ファン先生と関連のある全ての親戚らが強制追放された事実はよく知られている。自分がファン先生と親戚関係であることも一生知らないまま生きてきたが、粛清されることになってはじめてその関係を知ったという笑えないケースもあったそうだ。


北朝鮮で「6軍団事件」という大型政治スキャンダルが起きた時にも、連座にまつわる色々なエピソードがあった。特に私の印象に残っているのは、ある日6軍団政治委員の遠い親戚がやってきたが、6軍団政治委員はその親戚が僻地の労働者出身だったので「そんな親戚はいない」とし、そのまま追い出したそうだ。その労働者は親戚だと思って挨拶に行ったのに門前払いされたことを悔しがっていたが、そんな中6軍団事件が起きたのだ。当時6軍団政治員の家族は遠い親戚まで全員粛清するよう指示が出され、その労働者も家族と一緒に政治犯を収容する集団管理所に連れて行かれた。そこで、自分は6軍団政治委員と会ったこともなく門前払いまでされたと必死に主張したが、何も変わらなかったという。

 

 

   

 ▲韓国に亡命した北朝鮮伐木作業員の合同記者会見

 

もう一つのエピソードは、北朝鮮の金貞淑郡の行政委員長だったある女性は、その仕事ぶりで兩江道地域内で有名だった。三水郡の行政委員会委員長、最高人民会議大議員、金貞淑郡の行政委員会委員長などを務めて活躍をし、当局からの信任が厚く、その助成の兄弟もみんな国家安全保衛部と党機関、安全部などで幹部を務めていた。

この女性は、子供ができなくて男の孤児を養子に迎えて育てていたが、その子は権力のある養母のおかげで金日成大学に入学をした。しかし、この養子が反政府陰謀に関わったことが発覚し、養母の女性は直ちにすべての職位を剥奪されて、党からも追放され、農場員に転落してしまった。それにとどまらず、彼女の兄弟もみんな保衛部と党機関、安全部から追放され、鉱山の労働者になってしまった。

 


国のためにどれほど献身をしたかも問わないで、普段お付き合いがあったかどうかも問わないで、集団的に処罰をする連座制。この連座制で北朝鮮住民たちに強要される苦痛は尋常ではない。2014年現在、この瞬間も北朝鮮ではそんなことが続いている。

 

  [未来韓国]

 


北朝鮮、海外の北朝鮮収監者に領事支援せず

2016-12-23 18:15:59 | 北朝鮮の虚像

今日、お伝えしたい話は

VOA(Voice of America)ハングル版に載った記事ですが、

内容は、タイトルでご覧になっているそのままです。

 

凶悪犯罪者でも、基本的な権利として

人権侵害に当たる待遇を受けない権利が保障され、

自分を弁護する権利があるとされています。

 

しかし、北朝鮮当局は、

海外で犯罪行為をした北朝鮮人に対して

「北朝鮮のイメージを悪くする」として

「北朝鮮の人でない」と見捨てて

何の調査も支援もしてあげないそうです。

 

そこでお聞きしたい。

 

① その人たちがどうして中国まで流れていって

  犯罪に手を染めてしまったでしょうか。

  (※もちろん、犯罪そのものは悪いですが)

 

② 北朝鮮のイメージを悪くするのは、本当に海外で犯罪を犯した住民だけでしょうか。

  核・ミサイル開発、人権侵害、拉致、独裁…これらはどうでしょうか。

 

 

この件は、私たちがこれまでよく聞いてきた

北朝鮮の人権侵害実態とまた違うパターンの人権侵害ですね。

ある意味、積極的な人権保護活動ですが、

基本的な生存権などの人権も守ってくれない北朝鮮当局ですから、

このような積極的な人権保護は期待してはいけないのでしょうか。

 

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北朝鮮、海外の北朝鮮収監者に領事支援せず

"북한, 해외 자국민 수감자들에 영사 지원 없어"

 

2016.12.16 20:35(Voice of America)

▲2012年2月、中国北京駐在北朝鮮大使館の入り口で大使館関係者が警備に立っている中国公安員と話している(資料写真)

 

北朝鮮政府は、海外で犯罪に関わった自国民に対していかなる支援も提供していないことが明らかになりました。領事支援どころか国籍確認も拒否するせいで北朝鮮人が不利益を受けるということです。

最近韓国に亡命した脱北者A氏は、2004年から2014年まで中国吉林省長春市にある刑務所に収監されていました。
2003年、長白県のある朝鮮人参の畑で朝鮮人参を盗もうとしたことで逮捕されましたが、本人も知らない犯罪まで付けられて強盗と傷害罪で11年間も服役したのです。
A氏は「VOA」に送ったE-メールで、逮捕以降、裁判に至るまで北朝鮮当局からいかなる支援も受けられなかったと綴っています。「調査を受ける時や法廷で領事面談を要請しても北朝鮮公館は全て無視した」ということです。

それに、中国公安も実績を上げる目的で脱北者を未決事件の犯人に仕立てて不当に量刑を重くしても北朝鮮領事は何一つ助けてくれないそうです。
A氏は「中国で犯罪を犯した北朝鮮人は金日成・金正日などの対外権威を損なったという理由で北朝鮮公館が自国民だという事実そのものを否認する」と主張しました。
結局、裁判所の判決後、国籍欄には「無国籍者」と記され、控訴をしようとしても無国籍のため困難にぶつかるということです。

 


韓国の民間団体「統一未来連帯」の代表である、北朝鮮保安当局幹部出身のチェ・ヒョンジュン氏は15日「VOA」に、北朝鮮当局は犯罪につながった北朝鮮住民を自国民として認めないと伝えました。


【録音:チェ・ヒョンジュン代表】ほとんど否認します。なぜなら中国との関係上の問題もあるし、北朝鮮という国が世界中に麻薬を広めていると世論化することを恐れて、北朝鮮のイメージを守るために、その人がどうなっても我々はその人を知らない、のような対応でほとんど否認してしまうんです。

 

これと関連し、複数の韓国政府の消息筋は先週「VOA」に、2009年「北・中犯罪人身元確認協定」が締結されてからは、刑務所に行く時には北朝鮮国籍として収容される話しました。しかし、北朝鮮当局の領事支援は保護活動は全くないと認識しているとのことです。

 


脱北したA氏は自分が収監されていた刑務所に北朝鮮人は123人収監されていたと述べました。そのうち生活苦に脱北してから麻薬取引や窃盗で収監された人が7割に達し、他は殺人や詐欺などだったそうです。

中国で脱北者を助けていた韓国系アメリカ人宣教師スティーブ金氏も、2003年逮捕されて4年間刑務所で服役した後、「VOA」とのインタビューで北朝鮮人100人余と一緒にいたと話していました。

また、A氏も服役当時、金宣教師と一緒にいたと話しながら、アメリカ領事がよく面会にきて特別待遇を受けることに北朝鮮人のみんなが羨ましがっていたとしました。
韓国人など他の国の収監者らも定期的に領事支援を受けるのを見て、祖国に対して「ものすごく裏切られた気持ちになったし、「井の中の蛙」のように世の中の変化に無知で当局の嘘に洗脳されてきたということに気づいた」と語りました。

 


中国の韓国総領事館で長く勤めていた韓国政府関係者は、韓国領事の場合、中国刑務所にいる韓国収監者の面会を1年に2回ほど行くと説明しました。生活必需品を収監者たちに渡すほか、拷問や不当行為はなかったか点検するということです。

これと関連し、韓国国家情報院の前1次長によれば、北朝鮮によるビルマ・アウンサン爆弾テロ事件の犯人のうち唯一生存した北朝鮮軍偵察局所属のカン・ミンチョルは、獄死するまでの25年間北朝鮮当局から支援を一切受けられず裏着られた気持ちを吐露していたそうです。

 

【録音:国家情報院前次長】裏切られた気持ちも感じたでしょう。また北朝鮮は自分たちの存在を否認し、当時支援など全くありませんでした。

 

ワシントンの民間団体の「北朝鮮人権委員会」のグレグ・スカーラチュ(Greg Scarlatoiu)事務総長は、15日「VOA」に、自国民が海外で犯罪を侵しても最小限の権利を保護するのが、正常な政府の義務と指摘しました。また、これは北朝鮮も加入している「領事関係に関するウィーン条約」にも明示されていると強調しました。

1963年に採択された領事関係に関するウィーン条約は、自国民保護のために領事接見権を保障するよう明示しています。この条約に乗って当事者は領事面談を要請することができ、当事者の祖国も派遣国に対して自国民との接見を要求し保護活動を行います。

北朝鮮も1984年にこの条約に加入しましたが、海外の自国民に対する保護はもちろん、北朝鮮が抑留している外国人に対する領事接見要請もなかなか受け入れず、批判を受けていました。

カナダ外務部は、去年「VOA」にE-メールを送り、実際に北朝鮮に抑留されている韓国系カナダ人牧師イム・ヒョンス氏に対する領事接見がろくに行われていないとし、「これはウィーン条約と自国民に対する領事の接見権利を深刻に違反すること」と指摘しました。


国連総会が北朝鮮人権決議案を採択ー12年連続、ICC付託は3年連続

2016-12-20 18:05:37 | 北朝鮮の虚像

 

先月の国連3委員会(人権担当)での採択に引き続き、

総会でも、北朝鮮の人権状況を批難し、改善を求める

いわば、人権決議案が採択されました。

 

国連総会が北朝鮮人権決議案を採択

 

 

前に国連総会での人権決議案採択が確実視されるとのニュースもお伝えしましたが、

【聯合ニュース】「北人権問題の国際刑事裁判所付託求める国連総会決議案」3年連続推進

国連で人権関連の議題は「3委員会」で担当していますが、

3委員会である案件が採択されたら、

国連総会で議論→表決決議案、の流れになりますので

先月の3委員会での採決で総会でも決議案が採択されるだろうという見込みが強かったんですね。

 

 

なんと12年連続で北朝鮮人権決議案が採択されていますが、

それは、12年間世界の代表の多くが

北朝鮮の人権状況が深刻だと判断し、対策を求めていることを意味します。

逆に言えば、12年間も北朝鮮はずっと言われっぱなしで、変わっていないことも意味します。。。。。

 

今年の決議案の意義として、3年連続で「北朝鮮人権問題のICC付託」を勧告しているという点です。

総会の決議案で勧告されたら、次は安保理に議題が移って

決議するかどうかを議論しますが、

安保理常任理事国の全会一致でないとICC付託はできません。

過去2回は、中国の反対で不発となりましたが、今年も簡単ではなさそうです。。。

 

 

でも、今年の北朝鮮人権決議案の進歩したところをまとめてみますと、

 

①過去の「ICC付託」勧告に加えて、「北朝鮮指導部」を付託すべき対象として触れている。

 :北朝鮮内の人権侵害が「北朝鮮のリーダーシップ」の統制の下で行われていると明らかにし、

  その「リーダーシップ」による人道に反する犯罪を中止および処罰すべきだとしています。

 

②海外の北朝鮮労働者問題に言及

 :海外に送られて過酷の労働環境で働き、給料もほとんど当局に取られている北朝鮮労働者の人権問題について非難しました。

 :これまでの北朝鮮核実験に対する国連制裁には抜けていた内容で、制裁の「穴」と指摘されてきた点ですが、

  今回の決議案採択を機に、「人権」の観点から攻めていく動力を得たと言えます。

 

③大量破壊兵器と人権侵害との関連性を明確に

 :私はいつも北朝鮮当局による住民の人権侵害を解決しない限り、核開発も止められないと主張してきましたが、

 :今回の決議案では、その関連性を明らかにし、

 :世界の安全を脅かす「北核」を解決するためにも「人権」問題の解決が必要としています。

 :住民生活に当てるべき資金を核・ミサイル開発に費やし、資金が不足したら住民を搾取して資金や労働力を埋めていくためです。

 

 

 


外交的な窮地に追い込まれた北朝鮮、キューバにしがみつくが…

2016-12-08 16:54:36 | 北朝鮮の虚像

11月30日に採択された、

北朝鮮による5回目の核実験に対する国連制裁決議第2321号には、

史上初で「現職の大使」を制裁対象に指定する内容もありました。

 

その主人公は、駐エジプト北朝鮮大使「パク・チュンイル」。

パク氏は外交官の身分を悪用し、

北朝鮮の不法な武器取り引きにおいて重要なルートである

「朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)」の活動をエジプト内で支援していると疑われてきました。

 

今回の制裁決議で、現職の大使とは初めて制裁対象となりましたが、

彼が決議の直前に急遽平壌に戻ったことが明らかになりました。

どうやら、エジプト政府側の意向が働いたようです。

 

 

北朝鮮、駐エジプト大使を急きょ帰国させた理由は

(東亜日報、December. 07, 2016 08:31)



これまでエジプトは北朝鮮と親交を維持している国の一つでしたが、

最近アメリカとの関係改善を狙っているため、

エジプト内に国連制裁対象となった大使が存在することが負担になったからだということです。

 

 

徐々に外交の側面で手足が切られていく中、

北朝鮮当局は、キューバの社会主義革命家と知られるフィデル・カストロの死去を受け、

非常にハイレベルのマナーで弔意を表し、

キューバとの友好関係を強調しようとしました。

 

 

北韓高官 キューバのラウル・カストロ氏と面会

(KBS World、2016-12-06 13:55:29)

 

 

しかし、キューバも

2015年7月にアメリカとキューバの首都にそれぞれ大使館を再開設することで

アメリカとの国交を正常化させていて、

現在は西側の諸国との協力を進める、

いわば「実用主義路線」を取っています。

 

果たして、キューバは「実利」と「昔ながらの戦友」のうち

どちらを選ぶでしょうか。

エジプトみたいに、北朝鮮との深い関係を負担に思えるのではないでしょうか。

 

 

 

北朝鮮を制裁することも、結局北朝鮮が国際社会で活動をしにくい環境を作る、

つまり、「孤立させる」ということなんですが、

いちいち制裁項目として定めるには限界もあって、

それを各国がきちんと守るかどうかもその国の意志にかかっています。

 

そういう意味で、北朝鮮と親交を持つ国を見方にして、

自発的に北朝鮮を捨ててもらうという戦略が重要です。

政治外交学的な知恵が必要なところです。

 

 

 

 

 

 


安保理の北朝鮮追加制裁にモニュメント輸出禁止が盛り込まれた背景

2016-12-05 18:44:24 | 北朝鮮の虚像

 

銅像の輸出を主な任務としている「萬壽臺創作社」については、
結構前にこのブログでお伝えしたことがあると覚えています。
 

北朝鮮の新たな資金源ー万寿台創作社の美術品輸出

 
11月30日に採択された、北朝鮮の9月の核実験に対する国連追加制裁決議には、
北朝鮮の「銅像」の輸出を禁じる項目が含まれました。
 
関連の記事があって、和訳を載せます。
 
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안보리, 북한의 기념동상 수출 금지…왜?

 

大型記念銅像の輸出が北朝鮮の主要外貨源…平壌で4千人労働者らが製作

(Money Today 2016.12.04 )
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세네갈의 수도 다카르에 위치한 48미터 높이의 '아프리카 르네상스 기념동상'(African Renaissance Monument)은 북한이 건설했다./사진=유투브 캡처

セネガルの首都ダカールにある48メートルの「アフリカ・ルネサンス記念銅像(African Renaissance Monument)は北朝鮮が建設した(写真、YouTubeより)

 
「北朝鮮の記念銅像輸出を禁止せよ」


 
国連安全保障理事会は、11月30日、北朝鮮の5回目の核実験への対応として、追加の対北朝鮮制裁を決議した。安保理の北朝鮮制裁決議案の目的は、北朝鮮の資金源を圧迫して核開発を阻止することにある。
 
今回の決議案で注目すべきところは、北朝鮮の記念銅像輸出を禁止するという条項は入っていることだ。これまで北朝鮮制裁決議案は、北朝鮮の最大輸出項目である石炭の輸出を禁じることにフォーカスしてきた。しかし、今回は突然「北朝鮮の記念銅像輸出」を狙ったということである。
 
多くの人々が、安保理が記念銅像の輸出まで制裁することに疑問を抱え、首を傾げる模様。
 
すると、サマンサ・パワー(Samantha Power)国連駐在アメリカ大使は「北朝鮮は記念銅像を輸出して数千万ドルを稼ぎ、核開発に費やしてきた」とし、安保理の北朝鮮記念銅像輸出を禁じた背景を説明する。
 
実際に北朝鮮は1980年はじめからセネガル・ジンバブエ・ボツワナ・ナミビアなどアフリカ10カ国に記念銅像や記念碑を輸出してきた。
 
セネガルの首都ダカールには、北朝鮮が造った48メートルの「アフリカ・ルネサンス記念銅像(African Renaissance Monument)がある。セネガルはこの銅像の制作費としてなんと2700万ドルを北朝鮮に支払った。
 
セネガルの記念銅像は、アフリカ大陸全体で最も高い銅像で有名である。この銅像の高さはフランスの凱旋門(50m)よりは少々低く、アメリカの象徴と言える「自由の女神像」(46m)より高い。通常10回ビルの高さが30メートルであることを考えれば、その規模が想像つくだろう。
 
 
この銅像の起工式の日、数千人の人々が記念銅像に反対し街中に繰り出すことがあった。反対デモ参加者たちは「銅像の顔がアフリカ人っぽくなく、製作費用がとんでもないほど高い」と不満を吐き出した。また、半裸状態の女性像がムスリム国家であるセネガルの文化に合わないと非難した。銅像の主人公のアブドゥライ・ワッド(Abdoulaye Wade) セネガル大統領本人も銅像の顔立ちがアジア人っぽいとし、北朝鮮側に再作業を求めるハプニングまであった。

 
 
もう一つのアフリカ国家のジンバブウェは、5百万ドルを支払ってロバート・ムガベ(Robert Mugabe) 抱いた横領の銅像2台の製作を北朝鮮に以来した。この銅像はムガベ大統領の死後に公開される予定である。
 
アフリカ大陸の中央にあるコンゴ民主共和国の首都・キンシャサの広場には、北朝鮮が造ったローラン・カビラ(Laurent Kabila)大統領の巨大銅像が立っている。この銅像は北朝鮮の人民服みたいな服装をしていると批難を受けている。
 

(中略)
 
 
 
 
歴史学者のアドリアン・ディニウッド(Adrian Tinniswood)氏は「北朝鮮で作られたアフリカ国家の銅像は、みなアフリカ人ではなく北朝鮮人に似ている」とし、これら銅像のデザインに問題があると今年2月のBBCインタビューで話した。

 
北朝鮮がアフリカ国家に輸出した巨大な記念銅像は、平壌にある「万寿台創作社」で製作する。この工場には4千に至る労働者が働いているが、平壌の街を飾るための宣伝物の製作作業も行っている。
 
北朝鮮の記念銅像輸出は、1980年代に社会主義国家や非同盟国に対する外交的な贈り物として始まったが、北朝鮮政権は最近、芸術家や技術者らをアンゴラ・ベニン・チャド・コンゴ共和国・エチオピアなどに送り、現地で働かせるといった外貨稼ぎに乗り出した。
 
 
これまで北朝鮮が記念銅像輸出で獲得した外貨は数千億ドルと推算される。北朝鮮にとっては、銅像の輸出が核開発に必要な財源を確保する重要な資金源だったのである。しかし、今回の国連安保理による制裁で財源調達に大きな打撃を受けるものとみられる。
 
AFP通信は「安保理の対北朝鮮制裁案によって北朝鮮の記念銅像輸出が禁止されれば、外貨収入は年間約1億ドルほど減る」と見込んだ。