北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

【コラム】北朝鮮住民の命を脅かす金正恩の武力挑発 2月29日より国連人権理事会

2016-02-28 14:23:20 | 北朝鮮の虚像

 

明日2月29日からジュネーブにて

第31回国連人権理事会が開催されます(3月24日まで)

 

今年も「北朝鮮政権の人権侵害」の件が重要な議題になっています。

国連安保理でも北朝鮮の核実験とミサイル発射に対応して

史上最強の経済制裁に関する決議案を採択する中、

別の軸で北朝鮮政権を揺さぶる重大な武器は「人権」だと思います。

 

広い範囲で見たら

北朝鮮のむちゃな武力挑発は、

世界の人類の安全を危険にするので「人権侵害」と言えます。

 

なお、核実験とミサイル開発に入る費用を考えますと、

北朝鮮政権は、貧困で苦しんでいる北朝鮮住民をないがしろにして放置したまま

国内のほとんどの資源を核・ミサイル開発に費やしているため、

北朝鮮住民の命を脅かす行為になります。

 

つまり、私は

核・ミサイルの問題と人権問題は切り離して考えられないと思うので、

核を抑止するためには人権問題の解決が、

人権問題を解決するためには北朝鮮の非核化が必要と考えています。

 

 

国連安保理での核・ミサイル制裁決議案に続き

人権理事会でも

金正恩をはじめとし、北朝鮮政権の指導部

ICC(国際刑事裁判所)に付託するくらいの

史上最強の対応が決議されたらいいですね。

 

3月1日には、北朝鮮の外相「リ・スヨン」の演説が予定されているんですが、

聞かなくても、「北朝鮮は人権侵害をしていないし、韓国や米国の捏造だ」と主張するでしょう。

しかし、最近のような雰囲気なら

その主張はさらに空しく聞こえると想像してみます。

 

 

以下は、北朝鮮がミサイル「光明星4号」を打ち上げた2月7日の朝、

知人の依頼で書いたコラムです。

ここにも掲載させていただきます。

 

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北朝鮮住民の命を脅かす金正恩の武力挑

 

 歴史上最悪の食糧難であった「苦難の行軍」により300万人の餓死者を出した1996年から20年が経った。過去20年間、北朝鮮の配給制度は完全に崩壊し、北朝鮮で主な生計手段は商売に変わっており、今や脱北者3万人時代となった。2016年を迎え、金正恩(キム・ジョンウン)の最大の業績はよく知られているように4回目の核実験に成功して、光明星4号と言うミサイル発射に成功したと自慢し、全世界と大韓民国の国民に衝撃と恐怖感を与えたことである。

 

 「米のご飯に肉のスープ、絹の服に瓦の家に住めるようにする」と聞こえの良い嘘をついていた金日成(キム・イルソン)政権を世襲した金正日(キム・ジョンイル)はさらに300万人の餓死者を出しても金日成の偉業継勝を云々としながら核開発に明け暮れ、ミサイル発射と武力挑発を事として数百万人が栄養失調になり、回復不能の地獄を作りそれを息子に世襲した。

 

 「雀百まで踊りは忘れず」ということわざもあるように、餓死する国と貧乏人だらけのシステムを受け継いで学んだことは、残虐な処刑と脅迫、そして武力挑発のようなことばかりであるため、核開発とミサイル発射、集団的テロと殺傷、武力挑発は金正恩(キム・ジョンウン)のJobとなった。

 

 金正恩には父の金正日があきらめていた第7回党大会を36年ぶりに開催し、北朝鮮住民を納得させて感動させる業績が必要である。その業績は金正日、金日成の誕生日をきっかけに作るのが最も重要であり、総選挙を控えている大韓民国を揺さぶり韓国国内の対立を誘発させ、その対立の結果として金正恩政権を追従する勢力が国会に大挙進出して金正恩政権の延長と維持のための金づるが用意されるのである。現在、北朝鮮社会に起きている脱北ブームと韓流ブーム、深刻な経済難を乗り越えてかつての朝鮮労動党の威厳を取り戻すためには配給制度を復活させ、人民生活を向上させるのが最も重要な課題であるが、金正恩にできることは核開発とミサイル発射以外にあまりない。

 

 金正恩は人民生活問題を第一の国事としていると強調しているが、これまで金正恩は核開発や核実験、武器の生産やミサイル発射など武力挑発には桁外れの予算を投入しても住民の生活問題には全く予算を投入しなかった。韓国国防部が2013年11月に公開した「北朝鮮核開発費用」に関する資料によると金正恩が核開発や核実験に投入した予算は計11~15億ドルと核施設の建設に6~7億ドル、核兵器製造及び実験に1.6~2.3億ドル、核融合基礎研究に1~2億ドルであった。これを穀物価格に換算すると「中国産とうもろこし基準で約450万トン」と「北朝鮮住民2,300万人の1年10ケ月分の食糧に当たる莫大な予算であった。

 

 北朝鮮で経済発展を成し遂げるためにはまず核開発を中止しなければならず、ミサイル発射や武器生産を減らして、去年の閲兵式(軍事パレード)のような人民生活の向上や経済発展に全く役に立たない非生産的な予算の浪費を絶対的に減らさなければならないというのはすでに一般住民にも常識となっている。しかし、金正恩も金正日と同じく執権初期から核開発を強行し、2016年の新年早々から4回目の核実験とミサイル発射で全世界の平和と安定を脅かしている。

 

 金正恩が国際社会と北朝鮮住民に心から尊敬されるリーダーとして認められたければ36年ぶりに開かれる第7回朝鮮労動党大会で核開発と経済発展の並進路線を放棄、大韓民国に対する武力挑発の中断を宣言し、北朝鮮住民に私的所有権と経済活動の自由を保障するとともに、住民 の命と私的所有権などを含めた住民の人権を尊重するという路線を闡明し、人類の平和と安定に貢献する新しいJobを選ばなければならない。

 

 金正恩が世襲した核開発及びミサイル発射など武力挑発と大量殺傷を専門にするJobでは金正恩の権力は決して維持できないということを一日も早く悟らせるため国際社会と韓国政府は一日も早く決断しなければならない。

 

 

 

 


北朝鮮の新たな資金源ー万寿台創作社の美術品輸出

2016-02-27 12:09:22 | 北朝鮮の虚像

 

昨日、観光事業や労働者の海外派遣以外に、

北朝鮮が外貨獲得のために

制裁の目をかいくぐって展開している新しい分野について記事を書くと予告しましたね。

 

そうです。の輸出です。

 

 

ナミビアに労働者 北朝鮮の外貨獲得の実態、FNN入手映像で判明

フジテレビ系(FNN) 2月22日(月)21時32分配信

【ナミビアの銅像(左)と平壌の金日成像(右)が似ている】

 

 

この放送の中で上げているのは、

銅像絵画の輸出でした。

 

大銅像は、まさに北朝鮮の独裁世襲政治と首領偶像化の象徴です。

他にも、ポスターなど色々な芸術品を使った偶像化があり、

この方面の技術は、北朝鮮もかなり発達しています。。。

北朝鮮で体制宣伝や首領偶像化に必要な美術品制作を担当するのが

万寿台創作社」ですが、

この頃、銅像・絵画の輸出も万寿台創作者が主導しています。

 

 

主な発注国はアフリカ諸国です。

 

BBCの報道によれば、

 

万寿台創作社は、格安な製作費と巨大なサイズの作品スタイルで、アフリカの独裁国家の権力者の記念碑などの象徴物を建設するなど多くの作品を主にアフリカから受注してきたということです。


参考:「北韓の最大の輸出品は巨大銅像」 BBC

 

 

アフリカの権威主義政権は、

政権の正当性を国民に宣伝する必要があるんですが、

万寿台創作社は、宣伝用銅像製作の経験を活かして、しかも安い値段で提供するので

お互いの要望が相まって、

アフリカが北朝鮮の「意外な外貨収入源」となっているのです。

 

アフリカの中で、セネガルの記念碑は、

国民の宗教観や情緒に反し、デモが起きたことで有名です。

【セネガルの「アフリカ・ルネサンス記念像」/制作費2700万ドル】

出所:ニコニコ動画

 

【セネガル銅像建設に派遣された北朝鮮労働者の姿】

出所:ニコニコ動画

 

【国民の生命と健康より政権宣伝が優先なセネガル】

出所:ニコニコ動画

 

 

他にもFNNの放送にも取り上げられたナミビア

ジンバブエ、アンゴラ、エチオピア・ベニンなどからも発注がありました。

 

 

北朝鮮自らの独裁政権も非難されているのに、

他の国の独裁政権の宣伝に助力し、外貨を稼ぐことに

言葉をなくしてしまいますが、

このような資金源を封印し、

より強力な北朝鮮圧迫ができるように頑張るべきだと思います。

 

 

余談ですが、

最近、韓国では、「花より青春」という番組が人気で、

若い芸能人4~5人が旅をする姿をリアル・バラエティ方式で見せるものですが、

今やっているのが、「アフリカ」編です。

最初のスタートがナミビアでしたが、

自然と動物が調和する平和な国に写っていました。

【出所:「花より青春-アフリカ」ホームページ】

 

【出所:「花より青春-アフリカ」ホームページ】

 

 

アフリカというのは意外と情報が知られていないため、

テレビ番組で見せてくれる一部のイメージで

幻想をいだくこともあると思いますが、

話題になるほど、一面だけじゃなく、

その裏面にも目を向けることができればと思います。

 

 

 #ナミビア #セネガル #銅像 #絵画 #北朝鮮

 


中国も同じ船に:対北制裁で米中合意、安保理決議採択へ

2016-02-26 16:30:17 | 北朝鮮の虚像

 

対北制裁で米中合意、安保理決議採択へ

日本テレビ系(NNN) 2月25日(木)12時25分配信

 

 

おととい、アメリカの国務長官と中国の外相が会談をし、

今後の国連安保理での北朝鮮制裁決議案について

両国とも「採択」という方向性を示しました。

 

今後採択される制裁決議案は、

これまでの制裁に比べてもっとも強力な内容となっており、

北朝鮮の資金源をあらゆる方向から完全封鎖すると評価されています。

 

北朝鮮に対する制裁ムードが一気に高まったのは、

やはり中国の決心が大きかったでしょう。

 

これまで中国は、

太平洋・アジアにおける影響力を拡大している米国をけん制できるという

北朝鮮の戦略的な価値を活用するために

北朝鮮の肩を持ってあげてきました。

 

しかし、そういった戦略も

北朝鮮が中国の言うことを聞く時に通じる戦略です。

既に北朝鮮は「Out of Control」ですし、

北朝鮮が挑発を繰り返す間に、

日本と韓国は安保・軍事の面で米国との連携をさらに強め、

米・韓はTHAAD(高高度ミサイル防衛)システムの朝鮮半島配備の議論を深めるなど

かえって域内のアメリカの影響力は増大している状況です。

 

さらに、先日には

北朝鮮が中国を排除して、

単独で米国に「平和協定」交渉を持ちかけていたことが明らかになりました。

 

北朝鮮、米に平和協定交渉提案 核実験前、非核化で決裂

ワシントン=奥寺淳  2016年2月22日12時50分

 

 

北朝鮮は、統一戦線部の名義でもなく、国防委員会の名義でもない、

「外務部」の傘下機関に属するある研究員の名義で、

「E-メール」を送って交渉を提案したらしいですね。

外交の形やマナーということを全く無視する行為だと思われますが、

こういった北朝鮮の突発的な行為は

中国からすれば

北朝鮮が「われわれは中国抜きで米国と対等に交渉できるほど大きくなった」と考えていると 

解釈できるでしょう。

 
 

韓国の中央日報の記事によれば、

韓国の政府関係者は、米中が制裁決議案の採択に一致した背景に関して

(中国は)「北は捨てないが、癖は直さなければいけないと考えている」

と発言したそうですが、

中国の現在の意中を的確に表していると思いました。

 

中国がこの基調をいつまで維持してくれるかがかかっていますし、

安保理の制裁決議案が全てじゃないんですが、

決議案が採択されれば、

国際社会が公式な方式でできることはしたと言えます。

 

その次は、非公式な方式でのけん制が重要になります。

過去を振り返ってみれば、

これまで数々の制裁措置がありましたが、

北朝鮮は国際社会の監視の目を避けて

違法で、または巧妙に規制に引っかからない方法で

やりたいことをやりたい放題してきました。

なので、公式な制裁と同時に

非公式なルートでも制裁をしないと、制裁の実効性は低下してしまします。

 

非公式なルートというのは、

武器や麻薬の輸出・贅沢品輸入・資金の 送金など違法な行為はもちろん、

制裁には反しないが、

巧妙な形で外貨を獲得し、

その外貨を金正恩政権が全部取っていくようなことがあります。

 

代表的には、観光事業労働者の海外派遣などがありましたが、

最近、変わった形の外貨稼ぎが盛んです。

 

それは、美術品輸出です。

これに関する記事は、もう少し整理して明日頃アップします。

 

【北朝鮮がセネガルに輸出した巨大銅像】

 

 


【愛媛新聞】北朝鮮の拉致調査中止 一方的な合意破棄は許されない

2016-02-22 16:34:04 | 北朝鮮の虚像

翻訳の知人が見つけて翻訳したので

拝読いたしました。

 

北朝鮮の拉致調査中止 一方的な合意破棄は許されない

 

北朝鮮が、日本政府の独自制裁を受け、

拉致被害者を調査するために構成した

特別委員会を解体し、

拉致問題再調査の中止を宣言した件に関する社説でした。

 

人権問題で戦っている者として、
日本の拉致問題も大変重要な問題なので
いろんな資料などから勉強をしていますが、
こちらの社説もとても勉強になりました。
特に、制裁の正当性に関する部分は、
まるで私が書いたように感じるほど、全く同感

 


ただ、「再調査合意の確実な履行を求める」の部分は
今の私を多少悩ませます。


もちろんこれまでは、再調査がしっかり行われて
拉致被害者を含め、北朝鮮にいらっしゃる日本人や韓国人の
安否が確認されることが、
彼らの帰還を実現させる第一歩だと思い、
再調査を支持していましたし、
それを訳の分からない理由で遅らせている北朝鮮に
憤慨もしていましたが、

2月6日のミサイル発射→日本政府の独自制裁発表→北朝鮮の再調査中止宣言
という一連の流れから、
北朝鮮は再調査の意思が全然なかったと思ったんです。

 

再調査の人道的な目的、
つまり、不当に拉致された人々と日本で彼らを待っている家族の人権を考えて
当たり前に再調査すべきだという認識じゃなく、
日本が制裁を緩めてくれて北朝鮮に得だからやっていただけで、

制裁をまた強めるなら何の利益も出ないからやめる…という考え方だったんだというのが
今回、赤裸々に見えました。

 

再調査を始める当初からそういった懸念もありましたし、
再調査の結果が約束の時期からだんだん遅れるにつれて
その懸念はだんだん現実かのように見えましたが、
今回の特別調査委の解体で明らかになったと思います。

 

全く意思のない北朝鮮に、
「ストックホルム合意」の履行を求めて
再調査に動かせることは、、、今になってみると
あまり意味のないことではないかと思います。

 

むしろ、独自制裁のような圧力を強くかけて
北朝鮮をお手上げ状態にして
拉致被害者を救出することが現実性があって早いと考えます。

 

私たちの目標は、再調査そのものではなく、

拉致被害者たちの帰国ですから。

 

 

#北朝鮮 #人権 #拉致 


【活動】開城工業団地閉鎖に関する脱北者団体の声明発表(2月15日)

2016-02-20 11:45:41 | 日記

2月15日、

「脱北者同志会」、「脱北人団体連合会」、「自由統一文化院」など

脱北者団体の代表が国会議員会館に集まり、

開城工業団地の資金と関連して緊急記者会見を開き、声明を発表しました。

 

私も「自由統一文化院」の代表として参加させていただき、

発言をいたしました。

 

【脱北民団体緊急記者会見およびセミナー】

横断幕には、

開城工団資金、北朝鮮に小銭にすぎないか、大金か

脱北者が証言する開城工団の総体的な真実と対応戦略

と書いてあります。

 

 

この日、セミナーも開き、われわれの対応策についても議論しましたが、

記者会見では

北朝鮮が核・ミサイル挑発を中断しない限り、

韓国政府が開城工団操業の全面的な中止

最後まで貫いてほしいという旨を伝えました。

 

 

この日、一番衝撃的な証言は、

北朝鮮官僚出身の脱北者の証言。

 

開城工団で韓国企業が北朝鮮労働者に支給する賃金は月80ドルですが、

ほとんどを労働党が持っていって、

労働者には北朝鮮ウォンでたった6千ウォンしかあげないといいます。

北朝鮮のチャンマダンで取引されている為替レートを基準に換算すれば

0.8ドル

つまり、韓国企業が支払った賃金の100分の1しかもらえない。

しかも、そのお金では米1キロしか買えないという事実…

 

 

だから、開城工団で働く北朝鮮労働者たちは、

昼食に配られる韓国のチョコパイ

あれほど執着していましたね。

チョコパイは、労働党が持っていかないから、

自分が食べるか、家に持って帰って家族に食べさせることができるからです。

 

 

 


朝鮮総連、日本から一日も早く退去すべき

2016-02-19 17:54:58 | 北朝鮮の虚像

朝鮮総連が日本政府の独自制裁に反発して

抗議声明を出しました。

 

北朝鮮への独自制裁強化に、朝鮮総連が反発

 

朝鮮総連のこんな対応に

日本のみなさんがかなり怒っていらっしゃるとお聞きしました。

中でも、「朝鮮総連、日本から出ていけ!」という反応が多いらしいですね。

 

これは、単に北朝鮮が嫌いで、

もしくは今回の朝鮮総連の発表に呆れて

深く考えずに言い捨てるかのようにした発言かもしれませんが、

朝鮮総連の追放、少なくとも解体の問題は

真剣に考えてみる必要があると思います。

 

海外に在駐する同じ国籍の人同士に
お互い助けあって交流して自分の国の文化を守っていくことの価値を

高く評価している方の中には
朝鮮総連から北朝鮮の色を抜いたら
純粋な民族コミュニティーとしていいんじゃないかと思う方がいるかもしれません。


私も文化の尊重、平等という観点から

そうなれるならとてもいいと思います。


しかし、問題は、
「朝鮮総連=北朝鮮」のような状態で、
完全に北朝鮮色を抜くことが可能かという点です。

 

しかも、長い間朝鮮総連で権力を握ってきた指導部の場合、
いつまでも過去の光栄を蘇らせたがるでしょうだろうから
こういう幹部たちが組織に残留する限り
朝鮮総連から北朝鮮色を抜くことは難しいと思います。


そういう幹部たちを含め、北朝鮮を追従する人を
組織から切り捨てること、
つまり朝鮮総連という組織を完全解体することだけが、
純粋な民族コミュニティーづくりの一歩になると感じるんです。

 

言い加えれば、

「北朝鮮の色を抜く」ことは、

今、朝鮮総連の中で北朝鮮と深くつながっていて

北朝鮮に心酔している人、「人間」を排除することになるので、

色抜きの作業は、結局、組織の解体・再編になります。

 

 

まだ時代錯誤的な判断で

北朝鮮を擁護、核実験・ミサイル開発を支援して国際社会の脅威を高め、

堅実な在日同胞たちまで余計な誤解と差別に遭わせる

朝鮮総連を、一日も早くなくせることを願います。

 

 

 

 


COI「人権報告書」発表2周年を迎えて

2016-02-16 18:01:17 | 北朝鮮の虚像

 

2月17日は、国連COI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)が
世界中のあらゆる資料と脱北者などのインタビュー内容に基づいて
最終報告書を発表した日です。

 

日本でも「ころから」という出版社が

英語の原本を北朝鮮の状況をよく理解した上でしっかり翻訳した

日本語版を出版予定です。

すばらしいのは、出版に必要な費用をクラウドファンディングで、

つまり、関心のある一般市民からの募金で集めたというところですね。

本当に、この人権報告書がいろんな方々に身近に感じてもらうために

努力をしてくださったと思います。

 

恥ずかしいながら、私もこの本をお勧めするメッセージを書かせていただき、

日本語版に載せていただく予定だそうです。

とても光栄です。

 

 

 

報告書の発表後、北朝鮮は
「北朝鮮に対する謀略だ」「報告書の内容は全てウソで捏造された」と主張する一方で、
北朝鮮住民たちの人権を
少しでも国際社会の基準に合せて改善させる努力はありません。
むしろ、北朝鮮への国際社会の圧力でだんだん窮地に追い込まれると
ほしいものを得るためにさらに住民たちを苦しめていますし、
核実験とミサイル発射まで強行、
もはや、北朝鮮における人権を越え、
世界人類の人権まで脅かしています。

韓国をはじめとした国際社会は、
北朝鮮政権の変化または崩壊を目指して圧力をかける一方で、
住民たちの人権保護や内からの民主化のために
「人道的目的」を持つ支援や事業は続けてきました。
つまり、指導部と民間への対応をそれぞれ分離してきたということです。

しかし、民間支援のための食糧提供や金銭支援も
ほとんどが住民たちに行き届かず、
北朝鮮政権に入って、
首領の贅沢品購入や核・ミサイル実験に費やされるってことは
よく知られています。

最近話題になっている「開城工団」に関してもそうです。
当初、「開城工団」は、南北交流の象徴として
いかなる情勢変化にも影響されずに操業を続ける方針でした。
しかし、先日韓国の統一部が明かしたように、
「開城工団」の効果は、北朝鮮住民たちじゃなく、
金正恩と核・ミサイル開発分野が受けていました。

 

人道的目的のため、数々の挑発と脅威にも
「南北交流」「平和」の象徴として維持をしてきたが、
結局、北朝鮮住民と世界の平和とはかけ離れた
核・ミサイル開発にその収益が飲み込まれています。
「人道的目的」を意識していたのは、韓国側だけで、
北朝鮮にとっては核・ミサイル開発の「資金源」でしかなかったようです。

このように、
周りでいくら「人道的目的」を持って、いろんな事業の形で頑張っても
その間で金正恩が全てを横取りしてしまうので、
努力が無駄になってしまいます。
むしろ、北朝鮮政権の延命と核・ミサイル開発を助けるだけでした。

私は、北朝鮮の経済や政治基盤自体が乏しすぎるので、
北朝鮮住民への支援はあっていいと思いますが、
その支援の実が住民の手に、しっかり届けられるためには、
横取りをする指導部遮断が先行するべきと思います。
その方法は色々あるでしょうが、
巧妙な北朝鮮を相手に一番的確で強力な方法は、
今、推進されている「北朝鮮指導部のICCでの裁判」だと考えています。
国連の中でもICC回付を求める声が既に上がっていますし、
国際法上の根拠だってあふれるほどあります。

そして、2年前に集結され発表された
「COI報告書」もICC裁判において
北朝鮮の「人道に反する罪」を裏付ける貴重な資料になるでしょう。

 

 

 


ビーフステーキとじゃがいもが食べられなかった訳

2016-02-04 18:24:32 | 北朝鮮の虚像

韓国は、今週末からお正月連休に入ります。

1月1日もお休みではありますが、

韓国では旧暦でお正月を過ごしますね。

旧正月の連休が土日とつながっていて今回は5日間休めます。

 

こういう時期になると

デパートやスーパーにも食材や食べ物のセットがずらりと並びます。

お金持ちも、そうでない人も、

お正月だけは、いつもより豊かに

おなかいっぱい食べたいと思うわけです。

 

しかし、今日はなんとなく、

目の前に食べ物がいっぱいあっても食べられなかった、

脱北したばかりの私を思い出します。

 

私は料理をする人間なので

食べ物に関する記憶と思い出が特に強く残っています。

そんな思いを綴り、本を一冊出したことがあります。

「北朝鮮食客」というタイトルですが、

その中で、今日の記憶について書いたところを紹介したいと思います。

 

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ビーフステーキとじゃがいもが食べられなかった訳

 

 ソウルへ来て初めて行った所がどこだったのかは今はよく覚えていない。初めてのソウルはあまりにも複雑で不慣れなものばかりで、何から何まで全部覚えるのにストレスを受けすぎて髪の毛まで抜けるほどだった。見ることや聞くこと、覚えておかなければならないことが非常に多かった。そのため自分の目や耳が2つしかないこと、いくら覚えてもまた忘れてしまうのが悔しくて堪らなかった。

 ある日、ソウルの竜山(ヨンサン)にある米8軍内の食堂に招待をいただいた。朝から歩き回り昼食も食べてない上で、すでに夕食の時間だったため非常に空腹感を感じていた。当時は警察官に保護されていたので私を担当していた警察官も一緒に招待された。食堂に行く途中、警察官は米8軍内の食堂は韓国人でも誰もが行ける所ではないとし、とても喜んでいた。当時は韓国に来てまだ8ヶ月しか経っていなかったため道も分からず、看板に書いてある名前も理解できなく、食堂で注文することさえ難しい時期であった。メニューは初めて見るものばかりで食堂に一人で行くと注文するのに苦労していた。さらに食堂に行って何回か注文をミスして落ち込んでいたため、注文が怖くて昼食を食べないことも多かった。

 食堂に入ると米軍でいっぱいだった。私たちはテーブルに着きメニューを選び始めたが、メニューはすべて英語で書いてあった。私は北朝鮮でロシア語を学んだ経験がある。北朝鮮でも1976年頃から英語を第1外国語に決めていたが、それは金日成(キム・イルソン)の革命思想を世界に広げるためには世界公用語である英語を学ばなければならないということが理由であった。ところが、問題は英語の教師が少ないということだった。それで都市にある学校で優先的に英語教育を実施して私が通っていた田舎の学校では英語の教師がいなかったためロシア語教育のみ行われた。そのため英語が全く分からない状態ですべて英語で書かれたメニューを出され、言葉を失ってしまった。

【今は勉強をして読めるけど、当時は全く読めなかった英語のメニュー】

―写真は駐韓米軍レストランを訪問したあるブロガーのブログより

 

 たとえ英語を読むことができるとしても食べたことのないものを注文するのは簡単ではない。私はそのメニューについて分からないということを気づかれるのが恥ずかしかったが、それでも分かっている振りをするのも気がすまなかったので人が注文するのを見て真似して注文した。

 その日、皆に米8軍内の食堂ではステーキが名物だと言われたのでステーキを注文した。私はステーキというのはいったいどういうものなのか分からなかったが、名物だというので一応食べてみようと思ってステーキを注文した。ところがこれはいったいどういうことなのか。注文して出されたステーキは牛肉の固まりを少し焼いて血がにじみ出ているものと大人の拳くらいのじゃがいも一つを丸ごと蒸しあげたものであった。私以外の人たちが幸せな表情で見ていたその食べ物、牛肉とじゃがいも!私はその日、夕食を食べなかった。私としては到底食べることができない食べ物であった。


【当時出されたステーキとじゃがいももこんな感じだったと覚えている】

―写真は駐韓米軍レストランを訪問したあるブロガーのブログより



 まず、牛肉とじゃがいもに関する私の幼少期の話をしてみようと思う。食べ物は人にとって思い出そのものである。そのため食べ物を通じて故郷や母親を思い出す人が多い。母親が作ってくれた真心がたっぷり入ってる食べ物の味を大人になっても覚えて、その味を通じて母親に対する懐かしさ、故郷に対するノスタルジアを感じたりもする。そして貧しかった時代に食べたものは人にとって辛い過去を思い出せるものでもあるため、その食べ物を拒否することもある。私の母親は戦争時代に食べ物がなくて主にナムルで作ったおかゆやおからで作ったおかゆを食べていたため、その後おかゆを見れば戦争の時を思い出してしまうので今でもおかゆを嫌がっている。

 北朝鮮でお母さん世代は戦争を経験し、たくさん苦労をしたのでおかゆを嫌やがる人が多かった。さらに苦難の行軍時期には戦争の時よりもっと惨めな食生活をして、ナムルやおからで作ったおかゆはお金持ちしか食べられないほどで、ほとんどの北朝鮮住民は苦労していた。

 私が10歳の時、家族皆が平壌から追放されて都市とは遠く離れている深い山里で主にじゃがいもを食べて8年間とても苦しい生活をしていた。その地域はじゃがいも栽培しかできなかったので、その地域のすべての食べ物はじゃがいもで作られたものしかなかった。じゃがいもを茹でて潰したのは飯として、じゃがいもを切って少し塩を入れて沸かしたのはおかずとして食べていた。そして子供達がおやつをくれとおねだりすると蒸したじゃがいもを1つあげていた。現在の韓国の子供には想像のできないことであろう。

 どれほどじゃがいもをたくさん食べたのか、じゃがいもの栽培がどれほど大変であったのか経験したことのない人は想像すらできないだろう。じゃがいも畑を素手で掘り、そのじゃがいもを全部運ばなければ空腹を満たすことはできなかった。そのような経験があったがゆえに1つのじゃがいもがどれほど大切なのかが分かる。

 1990年代に入り北朝鮮は深刻な食糧難に苦しみ、人口の12%に達する300万人が平和な時代に飢え死する悲惨な出来事が起きた。大洪水や干ばつという自然災害のせいもあるだろうが北朝鮮の「苦難の行軍」の根本的な原因は金日成と金正日(キム・ジョンイル)の独裁政治がもたらした人災である。それなのに金正日は自然災害を言い訳に北朝鮮全国にじゃがいも革命を起こせという方針を出し、全国的にじゃがいもの生産に拍車を掛けるとともにじゃがいもで作る食べ物の開発を命じた。現在、北朝鮮ではこの時期に発行した料理本ではじゃがいもで作る食べ物に対するほめ言葉とともにじゃがいもでおよそ200種類の食べ物を作ることができるとレシピを宣伝している。じゃがいもは腐っても凍っても捨てずに食べられるため非常に効率的な食材料であるということは事実だ。しかし、これを主食として食べることは非常に難しいということを私は体験を通じてよく分かっている。

 私が住んでいた山里は農業といってもじゃがいもしか栽培できない非常に不毛の地であったため、その地域での主食はじゃがいもであった。じゃがいもは収穫量も多くて栄養も豊富と言われるがその頃はじゃがいも栽培がとても大変であった他、子供の頃苦労してじゃがいもばかり食べていたせいで今も蒸したじゃがいもは匂いさえも嫌である。

 北朝鮮住民の中には牛肉を食べることができない人々が多い。北朝鮮では牛を畜力として利用するため人間ほどの待遇を受けている。そのため田舍で牛を食べた人は下手をすれば殺人犯として処罰される。韓国では牛肉を取り囲んだキャンドルデモもあったが、北朝鮮では牛肉を食べれば死刑になることもある。一般人が牛肉を食べるためには畑を耕すうちに牛が倒れるか、それとも病んで死ぬか、または老いて死んだ場合のみ牛肉を食べることができるが、普段一般住民は牛肉の匂いを嗅ぐこともできない。

 もちろん金正日はよく牛肉を食べるだろうが一般人において牛肉はあまり食べられない食材である。 一部では牛肉の脂くさい匂いを嫌がる人もいる。私も子供の頃、平壌に住んでいた時、牛肉を醤油に漬けたものを食べて以来牛肉は見たこともない。ある日、農村動員に行った時、牛一匹が畑を耕すうちに倒れて死ぬと農村志願者同士で牛肉を食べたことがある。働きすぎて栄養失調で死んだ牛はあまりにも痩せていて肉がほとんどなく、その肉は硬すぎて6時間を調理してもやわらかくなれなかった。雨の日、牛肉汁でも一杯貰うつもりで皆で集まっていた職場の仲間が浮び上がってくる。しかし、実際に調理した牛肉汁は大変まずかったのを覚えている。このような理由で私は牛肉をあまり好きではなかった。

 ところが、米8軍の食堂で出された食べ物がまさに私の一番嫌いなじゃがいもと牛肉であったのだ。その日、私は夕食を食べずに家に帰ってキムチスープかけご飯を食べた。お腹がすっきりしてどても美味しかった。もちろん今はステーキがおいしいということはよく知っている。しかし、ステーキに添えられている蒸したじゃがいもはいまだに拒否感がある。


 


「地球も持ち上げられる」荒唐無稽な金正恩の偶像化

2016-02-01 19:45:26 | 北朝鮮の虚像

何を恐れてここまでするのか。

核実験のツケが回ってくるのが怖いんでしょうか。

暗殺クーデターが怖いんでしょうか。

これまでさんざん過酷な暮らしを強いてきた人民の暴挙が怖いんでしょうか。

今、北朝鮮では首領の金正恩を美化する宣伝が

嵐のように行われているそうです。

 

韓国KBSニュースで報道された内容ですが、

ニュースの一部をアンカーは、

北朝鮮に生まれなくてよかったと思うくらい」とまで言います。

 

韓国語が分からない方が多いでしょうが、

画像や音声の感じだけでも激しい宣伝ぶりが伝わると思って

ビデオをつけておきます。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓画像をクリック↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

【アンカー】


国際社会の圧迫と制裁の動きに対抗して
北朝鮮は、体制結束と偶像化を最高潮に引き上げようとしています。
金正恩がその気になればみんなで地球も持ち上げられるという
荒唐無稽な宣伝文言まで登場しました。
北朝鮮向けの制裁により、「第2の苦難の行軍」が始まるかもしれないという
不安がその背景にあるとの分析があります。

【KBSニュース中:「元首様がその気になればわれわれは地球も持ち上げられる」と書かれたポスター】

 

【リポーター】


氷を割って、安全装備も着用せずに川に入って橋を取り付けている青年「突撃隊」。
また、「ハンマー隊伍」と呼ばれる女性突撃隊は、
石を砕くハンマー打ちに余念がありません。


【北朝鮮朝鮮中央TV】


「水ぶくれが破れてお箸もろくに持てないほど辛かったが、また頼もしくハンマーをつかみとり…」
「喜んでください!お父様!将軍様!」
「発電所が完成すると数千人もの突撃隊が雲集し、嘆くように賛美歌を歌います」

 

【リポーター】


金正恩がその気になればみんなで地球も持ち上げられるという宣伝に、
金正恩称賛の新曲まで。。。
体制結束と偶像化の作業が最高潮に達しています。


【インタビュー】ナム・ソンウク(高麗大学・統一外交学部教授)


「国際社会の制裁が迫ってくることにより、
事前に偶像化をしておいてどんな苦難も乗り越えられるという…」


【リポーター】


北朝鮮が連日「自強力第一主義」を強調していることも
北朝鮮向けの制裁が具体化する場合
「第2の苦難の行軍」が始まるとの意識から生じた対策だと分析されています。

 

 

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普通なら「地球も持ち上げられる」という表現は

あくまで比喩だと理解できますが、

このような比喩を使って大々的に宣伝をし

北朝鮮人民たちの精神を麻痺させようとする意図がとても不純です。

 

核実験をしないという国際社会との約束をやぶり、

それに相当する罰として色々な制裁を受けることになりますが、

結局その重荷を背負うことになる住民たちには

ただただ元首を信じろ、黙ってついて来いと、強要し、

国際社会に向けてはまた新しいミサイル挑発をにおわせながら

恫喝を続けています。

 

その先には破局しか見えませんが、

これを無理やり続けることは誰の幸せのためでしょうか。

私は到底理解できず苦しんでいます。