明日2月29日からジュネーブにて
第31回国連人権理事会が開催されます(3月24日まで)
今年も「北朝鮮政権の人権侵害」の件が重要な議題になっています。
国連安保理でも北朝鮮の核実験とミサイル発射に対応して
史上最強の経済制裁に関する決議案を採択する中、
別の軸で北朝鮮政権を揺さぶる重大な武器は「人権」だと思います。
広い範囲で見たら
北朝鮮のむちゃな武力挑発は、
世界の人類の安全を危険にするので「人権侵害」と言えます。
なお、核実験とミサイル開発に入る費用を考えますと、
北朝鮮政権は、貧困で苦しんでいる北朝鮮住民をないがしろにして放置したまま
国内のほとんどの資源を核・ミサイル開発に費やしているため、
北朝鮮住民の命を脅かす行為になります。
つまり、私は
核・ミサイルの問題と人権問題は切り離して考えられないと思うので、
核を抑止するためには人権問題の解決が、
人権問題を解決するためには北朝鮮の非核化が必要と考えています。
国連安保理での核・ミサイル制裁決議案に続き
人権理事会でも
金正恩をはじめとし、北朝鮮政権の指導部を
ICC(国際刑事裁判所)に付託するくらいの
史上最強の対応が決議されたらいいですね。
3月1日には、北朝鮮の外相「リ・スヨン」の演説が予定されているんですが、
聞かなくても、「北朝鮮は人権侵害をしていないし、韓国や米国の捏造だ」と主張するでしょう。
しかし、最近のような雰囲気なら
その主張はさらに空しく聞こえると想像してみます。
以下は、北朝鮮がミサイル「光明星4号」を打ち上げた2月7日の朝、
知人の依頼で書いたコラムです。
ここにも掲載させていただきます。
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北朝鮮住民の命を脅かす金正恩の武力挑発
歴史上最悪の食糧難であった「苦難の行軍」により300万人の餓死者を出した1996年から20年が経った。過去20年間、北朝鮮の配給制度は完全に崩壊し、北朝鮮で主な生計手段は商売に変わっており、今や脱北者3万人時代となった。2016年を迎え、金正恩(キム・ジョンウン)の最大の業績はよく知られているように4回目の核実験に成功して、光明星4号と言うミサイル発射に成功したと自慢し、全世界と大韓民国の国民に衝撃と恐怖感を与えたことである。
「米のご飯に肉のスープ、絹の服に瓦の家に住めるようにする」と聞こえの良い嘘をついていた金日成(キム・イルソン)政権を世襲した金正日(キム・ジョンイル)はさらに300万人の餓死者を出しても金日成の偉業継勝を云々としながら核開発に明け暮れ、ミサイル発射と武力挑発を事として数百万人が栄養失調になり、回復不能の地獄を作りそれを息子に世襲した。
「雀百まで踊りは忘れず」ということわざもあるように、餓死する国と貧乏人だらけのシステムを受け継いで学んだことは、残虐な処刑と脅迫、そして武力挑発のようなことばかりであるため、核開発とミサイル発射、集団的テロと殺傷、武力挑発は金正恩(キム・ジョンウン)のJobとなった。
金正恩には父の金正日があきらめていた第7回党大会を36年ぶりに開催し、北朝鮮住民を納得させて感動させる業績が必要である。その業績は金正日、金日成の誕生日をきっかけに作るのが最も重要であり、総選挙を控えている大韓民国を揺さぶり韓国国内の対立を誘発させ、その対立の結果として金正恩政権を追従する勢力が国会に大挙進出して金正恩政権の延長と維持のための金づるが用意されるのである。現在、北朝鮮社会に起きている脱北ブームと韓流ブーム、深刻な経済難を乗り越えてかつての朝鮮労動党の威厳を取り戻すためには配給制度を復活させ、人民生活を向上させるのが最も重要な課題であるが、金正恩にできることは核開発とミサイル発射以外にあまりない。
金正恩は人民生活問題を第一の国事としていると強調しているが、これまで金正恩は核開発や核実験、武器の生産やミサイル発射など武力挑発には桁外れの予算を投入しても住民の生活問題には全く予算を投入しなかった。韓国国防部が2013年11月に公開した「北朝鮮核開発費用」に関する資料によると金正恩が核開発や核実験に投入した予算は計11~15億ドルと核施設の建設に6~7億ドル、核兵器製造及び実験に1.6~2.3億ドル、核融合基礎研究に1~2億ドルであった。これを穀物価格に換算すると「中国産とうもろこし基準で約450万トン」と「北朝鮮住民2,300万人の1年10ケ月分の食糧に当たる莫大な予算であった。
北朝鮮で経済発展を成し遂げるためにはまず核開発を中止しなければならず、ミサイル発射や武器生産を減らして、去年の閲兵式(軍事パレード)のような人民生活の向上や経済発展に全く役に立たない非生産的な予算の浪費を絶対的に減らさなければならないというのはすでに一般住民にも常識となっている。しかし、金正恩も金正日と同じく執権初期から核開発を強行し、2016年の新年早々から4回目の核実験とミサイル発射で全世界の平和と安定を脅かしている。
金正恩が国際社会と北朝鮮住民に心から尊敬されるリーダーとして認められたければ36年ぶりに開かれる第7回朝鮮労動党大会で核開発と経済発展の並進路線を放棄、大韓民国に対する武力挑発の中断を宣言し、北朝鮮住民に私的所有権と経済活動の自由を保障するとともに、住民 の命と私的所有権などを含めた住民の人権を尊重するという路線を闡明し、人類の平和と安定に貢献する新しいJobを選ばなければならない。
金正恩が世襲した核開発及びミサイル発射など武力挑発と大量殺傷を専門にするJobでは金正恩の権力は決して維持できないということを一日も早く悟らせるため国際社会と韓国政府は一日も早く決断しなければならない。