まさに「ついに!!」という感じです。
これまで出版を応援していた「国連北朝鮮人権報告書」、
いわゆる「COI報告書」の日本語版が出版されたというお便りが
出版社の「ころから」からありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/48/bd89df14506352c2fb3db4742ba9b404.jpg)
このような表紙となっているそうです。
大変お恥ずかしいですが、
出版資金のためのクラウドファンディングの段階で
この企画の話をお聞きし、
応援する気持ちでお送りしたおススメの文章を
本にも載せていただきまして
この上ない光栄と思っております。
この場を借りて再度、「ころから」の皆様に感謝の意を表します。
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北朝鮮の最大の問題は人権問題だ。
年明けすぐに金正恩(キム・ジョンウン)は4度目の核実験を強行して世界を驚かせ、その驚きがまだ収まる前に長距離弾道ミサイルを発射して世界を不安に追い込んだ。
北朝鮮政権は数百万人が餓死する惨事の中でも目もくれず、核兵器を開発した独裁政権だ。このような独裁政権が続き、3代世襲まで強行できたのは、北朝鮮住民に人権がなく、彼らが徹底的に金氏一家の奴隷に転落したためであり、北朝鮮住民が経験している非人間的かつ反人倫的な人権侵害の真実が徹底して隠蔽されたためだ。
このような脈絡から国連COI報告書は北朝鮮住民が経験したり、直面している深刻で残虐な人権侵害の実態について赤裸々に細かく報告した最初の報告書であり、国際社会や世界の良心に北朝鮮の人権問題解決の必要性や北朝鮮の人権問題解決に向けた強力な対策作りに対する必要性及び方向性を提示する適切な資料とみられる。
同報告書は北朝鮮の金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正恩(キム・ジョンウン)へと続く世襲王朝が北朝鮮住民をどのように弾圧、抑圧しており、特に北朝鮮に向った在日朝鮮人や日本人を拉致し苦しませた資料も盛り込まれ、北朝鮮政権の人権侵害は北朝鮮内の住民はもちろん、海外に居住している外国人や海外同胞までも人権弾圧の対象ということをよく認知させている。
数百万人の人が餓死し、人口全体の30%以上が深刻な栄養失調で苦しまれている中でも経済発展や住民の生存権には関心を持たず、もっぱら権力を維持するための核兵器やミサイル開発及び実験だけに没頭できるのは北朝鮮住民には人権がないからであり、北朝鮮の3代世襲政権が無慈悲な処刑や処罰で北朝鮮住民の命を脅かした結果だ。
今、全世界は金正恩の核実験や核開発などによって平和を脅かされているが、事実上、金正恩の核実験や核開発は北朝鮮の人権侵害や反人道的な犯罪の結果だ。それは、北朝鮮で核開発や核施設の工事に動員される労働者は政治犯収容所に監禁された政治犯であり、北朝鮮の政治犯は裁判も受けずに監禁され刑が確定していない無期懲役囚であり、面会などの外部との接触を徹底的に禁じられた人であるため、秘密維持が容易で核施設の工事が終わった後は集団的に死刑させてもその秘密が明るみに出されることはないため、核開発や核施設の工事には非常に適した集団だからだ。
従って、北朝鮮の核問題を解決するためには必ず北朝鮮の政治犯問題を解決しなければならず、北朝鮮の人権問題を徹底的に扱わなければならない。また、北朝鮮の人権問題を解決するための最も確実な方法は反人道的な犯罪集団である金正恩政権を崩壊させることだ。
日本政府が数十年間に渡り進めている日本人拉致被害者問題の解決も金正恩政権が存在する限りは絶対に解決できない問題だ。拉致された日本人が北朝鮮政権に協力して重要な仕事を遂行していても絶対に会うことはできず、もし北朝鮮政権に協力していない場合には政治犯として刑務所に収監されて大きな人権侵害を受けたため、北朝鮮の金正恩としては絶対に日本人拉致被害者の問題を認めることも、解決することもできないからだ。
今回、日本で発表される国連COI報告書が日本人や国際社会で広く知られ、北朝鮮住民や北朝鮮に拉致されて苦しまれている全ての人々を救うことができる重要な役割を果たすことを切に願っている。
北朝鮮の人権侵害や反人道的な犯罪を終わらせることこそが、世界の平和のための最も確実な方法だと確信している。
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今日または明日ごろには日本の本屋さんでこの本をお会いできるらしいです。
今の私は韓国にいるのでできませんが、
もし、この本が本屋に並んでいる姿を実際に見たら
きっと感激すると思います。
自分の目でその姿を確かめることができず、とても残念です。笑
この「COI報告書」を再び日本語に訳して出版をする意義、または目的は
(そして、私がこの本の出版を切に願い、応援をする理由も)
言うまでもなく、北朝鮮の人権侵害の実態を
「一人でも多くの人に知ってもらうため」です。
この本の無事発売を迎えると、
なおさら、実態を知らせることの大切さについて考えるようになりますね。
ちょうど、一昨日に、
アメリカで「優れた取材・報道」に与えるピュリツァー賞の発表がありました。
今回で100回目となる伝統と権威のある賞ですが、
私は今年の公益部門の受賞が特に印象に残ります。
受賞者は、
東南アジアの水産業界で行われている過酷な強制労働の実態を
1年以上追跡取材し、世の中に暴いた「AP」の取材チームでした。
東南アジアの強制労働の実態を暴いたAPの報道は、2000人の労働者解放につながった
2016年4月19日(火)18時47分、ニュースウィーク
【写真:東亜日報、受賞者のAP通信の取材チーム。みんな女性だった!すごい!】
東南アジアの労働者の状況に
海外に派遣されて劣悪な労働環境下で奴隷のようにこき使われ、
賃金のほとんどは北朝鮮当局に取られている北朝鮮労働者の姿が重なって見えたせいもありますが、
この報道の影響力に感銘を受けました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/8f/18bd19f039e8febc5550dea39d59824c.jpg)
【写真:東亜日報、監禁されている東南アジア人の漁師】
韓国のマスコミでは、この受賞を伝えながら
「ペンの力」という表現を使っていました。
記事によれば、AP報道チームは
1年以上をかけて現場を追跡、
その結果、奴隷労働によってたくさんの乗組員・漁師が死亡または
負傷し体が不自由になった事実を明らかにした。
また、去年3月に「あなたがスーパーで買った魚は奴隷が採った」という題の記事をスタートに、
奴隷労働によって収穫された海産物が
米国内のスーパーチェーン店などの市場に流通するプロセスを告発しました。
APは、「この報道の影響で、結果的に2000人を超える奴隷漁師らが解放されて自由になった。
彼らを監禁していた業者10人あまりが逮捕され、
このような形の奴隷ビジネスは完全になくなった」と説明しました。
さらに、この報道の後、
多くの読者、つまりアメリカの消費者たちが「奴隷えび」は絶対に食べないと、不買運動をするほか、
国連とEUも事実調査に乗り出したそうです。
実に「ペンの力」でたくさんの人々を動かして、
弊害を撲滅するといったすばらしい成果をあげました。
「北朝鮮人権報告書」の日本語訳が発売された今日、
そのような社会への影響と、人々の動きが
北朝鮮人権問題分野にも広がることを願っています。
事実をありのまま、正確につたえること、
その実態の深刻性について根拠をもって訴えることの価値について
勉強させていただきました。