今日で約一週間に渡って行われた「南北離散家族再開」が終わりました。
ニュースで現場の様子が伺えましたが
泣き崩れる人々、涙も出ないほど無念さを語りきれない顔をしている人々…
胸が痛ましいですが、
私に目には北朝鮮の素性を知っている分、他のことも見えました。
プロパガンダ。。。体制宣伝。。。
再開が行われる金剛山(グムガンサン)ホテルの隅々まで
体制の優越性を訴える宣伝が仕掛けられていました。
北側は酒類・南側は衣類が中心のプレゼント交換…南北離散家族再会2日目
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151021-00000030-wow-kr
北側の家族はほとんどが「テボン」という文字が印刷された空色のショッピングバッグを抱えホテルに到着した。そのショッピングバッグの中には白頭山(ペクトゥサン)のクロマメノキ酒、平壌(ピョンヤン)酒などの酒類と簡単なプレゼントが入れられていた
日本語の記事はこれしか見つけられませんでしたが、
北側の家族はみんな北朝鮮当局から支給された同じプレゼントを持たされていました。
洋服も制服みたいにお揃いで支給されていました。
【出処】YTNニュース
これは、北朝鮮当局が北朝鮮住民が裕福に暮らしていると見せかけるためにすぎません。
みんな同じ服に同じバッグ、お土産って
こっちから見ればあまりにも変で違和感を感じますが、
でも、こう対応しないで、北側住民たちがありのままの姿で現れたら
もっとショックですからね。
北朝鮮はそれを隠すためにこんなやり方を選んだのです。
しかし、韓国側は北朝鮮の家族がみんな貧乏で苦労をしていることを知っているから
南側家族のプレゼントは、食糧、現金、生活必需品でした。
でも、こういった家族の思いが込められたプレゼントも
家族本人の手に入るわけがありません。
彼らは、家族再開の前にも思想教育を受けますが、
行事の後にも必ず教育と検閲を受けるはずです。
その時に、家族からもらったものも全て返却。
ごく限られた物だけをもらうことができます。
他にも、離散家族当事者についてきた親戚や当事者さえも
会話の途中に急に北朝鮮の裕福さについて語ったり、
金正恩の偉大さについて言い出したりする場面もありました。
離れ離れだった家族を何十年ぶりに会う場で、
話したいことは山程あるはずなのに、
そういった宣伝をせざるを得ないという状況が
私には切なく思えました。
思い出の歌を歌いたい時にも
テーブルの隣で監視する保衛部の人の許可を得なきゃいけない。
こみ上げてくる感情が抑えられず泣きすぎても
保衛部の人に注意される。
何が人道なんでしょうか。
家族に会いたいというたった一つの願い。。。
それを利用して
彼らを体制宣伝の工作員として使うと思う
北朝鮮の心境が到底理解できません。
離散家族のみなさんの高齢化はかなり進んでいます。
彼らにとってはこれが最後かもしれません。
「人道」を言いたいならば、
恩義せがませいく「会わせてやる」じゃなくて、
韓国側が求めている手紙のやり取りでも積極的に進めるべきです。
しかし、今回の北朝鮮の態度を見ても
そのような気は一向にないようで、悲しすぎます。