北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

「人道」は表だけ、裏は「体制宣伝」の離散家族再開

2015-10-26 18:09:40 | 北朝鮮の虚像

 

今日で約一週間に渡って行われた「南北離散家族再開」が終わりました。

ニュースで現場の様子が伺えましたが

泣き崩れる人々、涙も出ないほど無念さを語りきれない顔をしている人々…

胸が痛ましいですが、

私に目には北朝鮮の素性を知っている分、他のことも見えました。

 

プロパガンダ。。。体制宣伝。。。

再開が行われる金剛山(グムガンサン)ホテルの隅々まで

体制の優越性を訴える宣伝が仕掛けられていました。


北側は酒類・南側は衣類が中心のプレゼント交換…南北離散家族再会2日目

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151021-00000030-wow-kr

 

北側の家族はほとんどが「テボン」という文字が印刷された空色のショッピングバッグを抱えホテルに到着した。そのショッピングバッグの中には白頭山(ペクトゥサン)のクロマメノキ酒、平壌(ピョンヤン)酒などの酒類と簡単なプレゼントが入れられていた


日本語の記事はこれしか見つけられませんでしたが、

北側の家族はみんな北朝鮮当局から支給された同じプレゼントを持たされていました。

洋服も制服みたいにお揃いで支給されていました。


【出処】YTNニュース

 

これは、北朝鮮当局が北朝鮮住民が裕福に暮らしていると見せかけるためにすぎません。

みんな同じ服に同じバッグ、お土産って

こっちから見ればあまりにも変で違和感を感じますが、

でも、こう対応しないで、北側住民たちがありのままの姿で現れたら

もっとショックですからね。

北朝鮮はそれを隠すためにこんなやり方を選んだのです。

 

しかし、韓国側は北朝鮮の家族がみんな貧乏で苦労をしていることを知っているから

南側家族のプレゼントは、食糧、現金、生活必需品でした。

でも、こういった家族の思いが込められたプレゼントも

家族本人の手に入るわけがありません。

 

彼らは、家族再開の前にも思想教育を受けますが、

行事の後にも必ず教育と検閲を受けるはずです。

その時に、家族からもらったものも全て返却

ごく限られた物だけをもらうことができます。

 

 

他にも、離散家族当事者についてきた親戚や当事者さえも

会話の途中に急に北朝鮮の裕福さについて語ったり、

金正恩の偉大さについて言い出したりする場面もありました。

離れ離れだった家族を何十年ぶりに会う場で、

話したいことは山程あるはずなのに、

そういった宣伝をせざるを得ないという状況が

私には切なく思えました。

 

思い出の歌を歌いたい時にも

テーブルの隣で監視する保衛部の人の許可を得なきゃいけない。

こみ上げてくる感情が抑えられず泣きすぎても

保衛部の人に注意される。

 

何が人道なんでしょうか

家族に会いたいというたった一つの願い。。。

それを利用して

彼らを体制宣伝の工作員として使うと思う

北朝鮮の心境が到底理解できません。

 

 

離散家族のみなさんの高齢化はかなり進んでいます。

彼らにとってはこれが最後かもしれません

「人道」を言いたいならば、

恩義せがませいく「会わせてやる」じゃなくて、

韓国側が求めている手紙のやり取りでも積極的に進めるべきです。

 

しかし、今回の北朝鮮の態度を見ても

そのような気は一向にないようで、悲しすぎます。

 

 

 

 


国際宇宙航行連盟、北朝鮮加盟を取り消し

2015-10-21 20:48:02 | 北朝鮮の虚像


先週末、韓国の朴槿恵大統領が訪米し、

オバマ大統領と首脳会談、

その後に

両国は北朝鮮核問題を最優先課題として協力するとの共同声明を発表しました。

 

これに対して北朝鮮は、

(当然予想つくパターンですが)

強く反発しながら、再びミサイル発射を示唆する発言をしています。

 

北朝鮮はまるで「私達、ミサイル持ってるよー忘れないでねー」と言っているかのように、

周期的にロケットを打ち上げて

世界を不安と混乱を与えてきました。

 

国際社会の批判と自制要求に対して、

北朝鮮がいつも「これは弾頭ミサイルなどではなく、宇宙開発目的の衛生を打ち上げるロケットだ」と、

「全ての国には宇宙開発の権利があって、これを批判するのは国家主権侵害だ」と主張します。

 

そのため、先日、「国際宇宙航行連盟(IAF)」が

北朝鮮の国家宇宙開発局の加盟を承認した時には、

北朝鮮は大喜びしながら大々的な宣伝をしました。

「我が国の宇宙開発の権利が国際社会に認められた」という論理でした。

 

私は、これはいけないと思いましたし、

なぜ、IAFは承認をしてしまったのかその経緯が知りたかったんです。

しかし、すぐに取り消しの決定が出ましたね。

たぶん、北朝鮮は取り消しの件に対しても

憤りを示して、主権侵害だとか、国連や韓国の企みだとか、捏造だとか

反発するでしょうが…

でもそのまま加盟を認めるままよりはマシだと思い、ホッとしました。

 

さらに、今回の件で

国連が「国家宇宙開発局は弾道ミサイル開発に直接関与している」と認識していることを

再び国際社会に明らかにし、

他の国際機関にも働きかけているということが確認できて、

これは一つの収穫ではないかと思いました。

 

 

 

北朝鮮加盟を取り消し=韓国や国連が警告―国際宇宙組織

時事通信 10月20日(火)19時2分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151020-00000134-jij-int


 米国の北朝鮮専門サイト「NKニュース」は19日、宇宙開発などに関わる各国政府機関や企業、科学者らが加盟する国際宇宙航行連盟(IAF、本部パリ)が、加盟を決めた北朝鮮の国家宇宙開発局について、一転して加盟を取り消したと報じた。
 北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、イスラエルで開かれたIAF総会で国家宇宙開発局の加盟が決まったと伝えていた。
 NKニュースによると、韓国航空宇宙研究院(KARI)や国連がIAFに対し、「国家宇宙開発局は弾道ミサイル開発に直接関与しており、国連安保理の制裁も受けている」と訴える文書を提出。「加盟を認めれば北朝鮮のミサイル開発を利することになる」と警告した。 





政治学と経済学の観点から見た北朝鮮の軍事パレード

2015-10-15 18:03:40 | 北朝鮮の虚像

 

今日は韓国の中央日報に掲載されたコラムをお伝えします。

 

 

【コラム】金日成広場の軍事パレードの政治学と経済学(1)

中央日報日本語版 10月15日(木)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000024-cnippou-kr

(2)は↓こちら

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000025-cnippou-kr

 

 

労働党創建70年記念式から見られる

北朝鮮の経済と政治の断面についてでした。

要約をすると、


● 匿名の脱北者の発言 ● 

金正恩が演説で「人民」を連呼したことに驚いた。しかし、「宣伝・扇動の一部」と判断する。8月の地雷挑発→砲撃挑発→準戦時体制宣言といった一連の騒動で恐怖に震えた北朝鮮住民たちを今回の行事で慰める必要があったが、経済的な能力がないためリップサービスだけのプレゼントだった。

⇒経済が悪く、住民の心的な期待に応じられない。


● 北朝鮮専門家の発言 ●

軍事パレード時のエアショーでは古い機種だけが登場し、ジェット機は見られなかった。それはジェット戦闘機が訓練をする航空燃料や地上レーダーを稼動する電力が十分でないからとみられる。

⇒経済が悪く、軍事力維持も危うい。

 

●中国の北朝鮮研究者 ●

2万人以上を動員した軍事パレードは金正恩が政治的に党・内閣・軍を掌握し安定した統治体制を維持している証拠だ。しかし、金正恩は権力維持のために核と同じくらい経済発展にも気を遣うほかはない。そして、今北朝鮮が経済で頼れるところは、中国と韓国しかない。

⇒今は政治的に権力をなんとか掌握しているが、経済の後押しがなければ今後大変。



整理してみたらかなりクリアですね。

しかし、経済と政治との相関関係は北朝鮮に限らない話だと思います。

北朝鮮の現在がまさにそれを証明しているし、

金正恩も肌で感じているはずです。

だから、必死に「人民」を叫んだでしょう。



しかし、コラムにもありますが、

リップサービスだけでは、長く続かない。

現状を直視して、国際社会の一員として理性的な対応をしてほしいです。

 

 

 



人民思いを演ずる金正恩、朝鮮労働党創建70年記念演説で

2015-10-13 18:29:06 | 北朝鮮の虚像


先日の朝鮮労働党70年記念行事で金正恩は姿を現し、演説をしました。
演説の内容や演説する金正恩の様子から
色々な分析が出ております。


日本のマスコミと韓国のマスコミが共通して注目したのは、
人民」という言葉の登場回数でした。

25分間の演説の中、なんと97回も言ったらしいですね。
(「頭をさげて人民に感謝する」とまで言ったそうです)


1分間でおよそ4回弱言ったという計算になりますが、

「核能力」を全面に出して虚勢を張ったり脅かしたりするのが

定番のやり方ですから


「いきなり人民?」って感じもするかもしれません。


しかし、人民たちの現状を考えると、

やはり口だけの「人民思い」ということが分かります。


日本の読売新聞は、


「人民思いの指導者というイメージの構築の機会にした」

「内部結束を図りながら、対外的には(自国に対する)否定的なイメージの払拭を図った」

との韓国統一省の分析を伝えていました。


※参考※ 「人民」連呼・核言及なし…悪印象の払拭図る?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151012-00050003-yom-int

 

 


韓国の朝鮮日報は、


金正恩が最高指導者になって初めて行った、3年前の演説との比べで
彼の変化を分析した記事を載せました。
結構面白かったです。


私勝手に題して、「数字で見る金正恩


ここもやはり、「人民」という言葉の回数でした。
あと、「青年」という単語の目立ちも指摘していました。
分析を見るまでもなく、
これまでさんざん苦労をかけてきたため、
金正恩に対する人民たちの忠誠心が急速に弱まっているからです。
特に青年世代の支持はガタ落ちで彼自身の権力の底辺が揺れているので、
「青年」を称えてなだめて、なんとか支持を取り戻そうとしたわけです。


これは、彼が演説で金日成をまねていたという分析とも通じます。
金日成は、人民の熱狂的な支持で支えられていました。
なので、外見やら声、しゃべり方などをまねて
金日成のイメージの影を利用し
金日成時代を懐かしがる人民たちの目をくらます戦略です。
そういった脈で、今回の演説も計算された芝居だったと思われます。
要するに、プロパガンダの一種です。


しかし、その計画はあまり成功しないと私は考えています。
なぜなら、昔人民たちが金日成に絶対的な忠誠心を見せていたのは
彼自身を神格化するプロパガンダの影響もありましたが、
正直、当時の北朝鮮は今よりずっと豊かでした。
経済的に安定していたため、
それがウソだって詐欺だって何だって、
体制への信頼もでき、指導者への信頼もできたわけです。
一方、現在の北朝鮮は毎日の食事もろくにできない人がおり、
さらに機会がある度に、強制徴収・懲役で人民たちを苦しめています。
指導者を疑うしかない状況ですので、
いくらプロパガンダを強化しても役立たずでしょう。

実際に、今回の行事の演説で
あれほど熱く「人民」を叫んだのに、
行列の中の人民は、誰一人涙を見せなかったそうです。
金正日時代には少なくとも涙を流して手を振りながら喜ぶ演技はしてくれましたが
今はそれさえしないというのは、
金正恩の指導者としての地位と能力をそのまま見せてくれます。

 

 


韓国セゲ日報の社説「北、人民愛するならまず核・ミサイルの放棄を」によれば、


「今回の軍事パレードだけで、行事費用としておよそ1兆6千億ウォンを費やしたそうだ。

トウモロコシに換算すれば、北朝鮮住民の食糧2年半分に当たる。
北朝鮮はこの費用を工面するために
一世帯あたり北朝鮮労働者の月給2ヶ月分に当たるお金を徴収した。
豪華軍事パレードをするため、人民からお金を絞りとった人が
どうして「人民愛」を口にすることができるか言葉を失ってしまう。
だから国際社会から最悪の人権国家と指弾を受けるのだ」


そのとおりと私は思います。
こんな状況の北朝鮮を見ながら嘆いている場合じゃない。
今日も頑張ろうと思う今日です。






 


つまらない暮らしでも自由韓国の方がましだ

2015-10-10 10:19:47 | 日記

今日は北朝鮮では、

「朝鮮労働党創建記念日」。

しかも今年は70周年となる年だ。


北朝鮮は70年という節目の年を記念するためにも、

そして最近国際社会での立場がどんどん弱まる中

自国の健在を見せつけるためにも

今日を派手な祭りにして見せようと躍起になってきた。


そのせいで、住民たちはどれほどお金やモノを搾取され、

労働現場などに駆りだされたか。。。

見なくてもありありと目に見えるようだ。


誰のためのお祭りか!と腹が立つけど

芝居をしてでも笑顔を作らなければならない。


こんな日には色々考えこんでしまうのだ。




我々の諺に「命あっての物種」というのがある。


この前、北朝鮮民族和解協議会(民和協)のスポークスマンは、

祖国平和統一委員会の宣伝メディアである「ウリミンゾクキリ(我が民族同士)」を通じて

韓国に暮らしている脱北者らの境遇を言及しながら

「我が住民たちに対する誘引・拉致行為をすぐ中止させ、

すでに拉致した我が住民たちをすぐ取り戻せ」と虚言を並べたという。

 


韓国に入国した約3万名の脱北者の中に

韓国政府の必要によって拉致した人は

どのぐらいいるのかは分からない。


脱北者らは北朝鮮の政府が人扱いしなかった

労働者、農民、思想性が悪いとされる人らが殆どだ。


彼らは韓国に入国する時も、

莫大なブローカー費用を払い各自の選択によって韓国にきたわけで、

誰かの強要や拉致されてきたわけではない。


脱北者らに会って脱北経緯を聞いて見ると、

北朝鮮政権の野蛮な弾圧を避けて脱北した人が殆どだ。

そして脱北者同士が集まると、

北朝鮮にいる家族への仕送りやそこに残してきた家族を連れてくる方法だけを工夫している。

韓国での生活が北朝鮮より辛かったら

家族を連れてくることなんかは考えないだろう。

 


北朝鮮の(民和協)のスポークスマンは

「今、多くの脱北者らは傀儡軍から非人間的な待遇と汚い同族対決の助長に憤怒し、傀儡軍に騙されて韓国に行ったことを後悔している。また、韓国へ幻滅して再び韓国から脱して第3国に逃げて行っている」

と主張しているが、

そのような虚言をしまくてはならない。

 


勿論、韓国はすでに先進国であり、国際化されて

北朝鮮との落差のため、脱北者は言葉が通じ合わないことも、

また脱北者の中では冷遇される場合もないとは言い切れないだろう。

 


韓国では、国家が国民に食べ物を配給する配給制の国ではなく、

個人が自由市場経済体制の下で生きていくので、

全てが自由でありまた、責任も自律的だ。

一所懸命に努力するのも個人の意志であり、

怠けるのも個人の選択だ。

 


最初、韓国にきた時に一番悲しかったのは、

私を訪ねてくる人がいなかったことだ。

北朝鮮では夜明けから「世代主動員」という人から戸を叩かれて、

ろくに寝ることもできなかった。

月給も配給ももらえない職場だったが、

一日でも欠勤や遅刻をすると処罰を受けることになっている。

出勤チェックをしないためには「食糧休暇申し込み書」を出し、

休みの代わりに月給の4~5倍程度を納めなければならなかった。

出勤をせずに他の地方に商売に行ったら、

その分、金をたくさん稼げるといって

月給の数倍もなる金を事前に納めるようにするのだ。

 


ところが、韓国にきて暮らしながら分かったことは、

韓国では働こうが遊ぼうが誰も他人に干渉しないことだ。

かえって働かずに遊んでいる人々に基礎生活受給といって金まで与える。


北朝鮮では偉い人々だけが入社証をもらって

国家から提供する住宅に暮らせるが、

韓国では零細民、弱者 、貧しい人々だけが

国家から貸してくれるとても安い賃貸住宅に住める。

 


北朝鮮では出自がよい人、権力と能力のある人のみが

国家から施す福祉を受けることができる。

が、韓国では権力や能力がない人であればあるほど

国家の福祉制度が利用できる。


よって北朝鮮では国家の福祉をたくさん受けている人が

能力者あるいは偉い人と見られるが、

韓国ではかえって国家と社会のために、

自分が持っているものを出す人が能力者として認められる。

 


キム・ジョンイルは 300万名が飢え死になった時も

国民たちに「畑で殉職しろ」と餓え死を強要した。

しかし、韓国では少なくとも餓え死なんかはない。

自由に意見を出せばデモもできる。

それでもできなかったら他の国に亡命できる自由と機会がある。

他の国に亡命したからといって

家族が政治犯として収容所に引っ張られたり、

他の国に亡命してから帰ったとって公開処刑されたりすることもない。

 


殆どの脱北者にとって

北朝鮮での生活は地獄だった。

韓国で生活しながら受ける冷遇や疎外などが苦しい時もあったが、

北朝鮮と比べると韓国は天国だと思う。





シリア難民にはせめて逃げ出す自由があるが、北朝鮮住民にはそんな自由なぞない

2015-10-08 19:08:09 | 北朝鮮の虚像

これもまた私が書いたコラムです。

韓国の「朝鮮日報」のプレミアム版に載せていただきました。

翻訳をお願いしようとしたら結構長いもんで

一部だけ紹介いたします。

 

================================

 

シリア難民にはせめて逃げ出す自由があるが、

北朝鮮住民にはそんな自由なぞない

 

 

先日、シリア難民のことで世界に衝撃を与える事件があった。9月4日、3歳のシリア難民少年アイラン・クルディ君が溺死しその遺体が海岸で発見された事件で、シリア難民問題は国際的な話題となり、ドイツやイギリスなど世界の大国がシリア難民の救助に取り組みはじめた。


韓国でももちろんシリア難民問題は社会的な波紋を呼び、マスコミは競ってこの問題を取り上げた。


1994年、金日成が死亡した直後、北朝鮮では300万人が飢え死にになり、生きるために北朝鮮を脱出した人たちは中国や東南アジアの国々を転々としながら、北朝鮮に送還されないで生き残ろうと計り知れない苦痛と恐怖を耐えていた。


特に、金正日の死亡後、金正恩は脱北者を全て銃殺してその家族は3代を滅族させるよう指示をした。その指示で当時、34人の脱北者が北朝鮮に送還され、その中に生まれてからたった2ヶ月の赤ん坊もいたそうだ。


結局その赤ん坊は青い空を美しさも知らないまま処刑場でこの世とお別れをした。


食糧難による飢餓、公開処刑などの政治的弾圧から逃げて大量の脱北が始まったのももう20年だが、韓国にはまだまだ「北朝鮮人権法」をネガティブに考えている政治家もたくさんいる。しかも任期中に北朝鮮人権法の成立を阻止したことが一番誇れると言う野党国会議員もいる。


(中略)


シリア難民も、イラク難民も、アフガニスタン難民も、スーダン難民も、世界のどの国も、どんな独裁国家も、せめて逃げる自由はあるが、北朝鮮住民たちには逃げる自由さえ奪われた

 

(中略)



難しいことはともかく、北朝鮮住民たちにせめて逃げる自由だけでも与えられるよう努力しよう。少なくとも、北朝鮮のコッチェビ(子供の乞食)が空いたお腹を抱えて鴨緑江、豆満江のまわりをさまよい、結局遺体で見つかったとしたら、世界の有名マスコミが駆けつけてきて彼らの苦痛が世界の国々に知れ渡るよう、努力しよう。



(中略)


これからは韓国の国民が先駆けて国際社会、そして政治家に北朝鮮人権の成立を切に求めることを願う。



(後略)

 




金正恩はなぜよく公開処刑をするのか、その真相は …

2015-10-05 17:38:02 | 北朝鮮の虚像

北朝鮮の「人権問題」というと、

みなさん真っ先に「公開処刑」のことを浮かべると思います。

私は、韓国でちょっとしたコラムを書いたりするのですが、

この間「公開処刑」について書いたものがあり、

日本語翻訳をここにも載せます。

日本のみなさんにも読んでいただけるとうれしいです。

===============================

 

金正恩はなぜよく公開処刑をするのか、その真相は …

 

最近、北朝鮮であった公開処刑の場面が人工衛星に撮られたが、ここ1年間で北朝鮮の高位幹部15名が処刑されたという。金正日(キム・ジョンイル)が死亡すると、世界のマスコミ と韓国の北朝鮮専門家らは口を揃えて、3代目の世襲者である金正恩(キム・ジョンウン)が先代首領の金日成(キム・イルソン)や金正日よりは改革・開放政策をとると予想した。しかし、脱北者らの予想は違った。改革・開放政策をとるのには北朝鮮の経済状況がよくないし、全く付加価値が期待できない金日成・金正日父子の遺体保管宮殿と数万体にいたる彼らの銅像ばかりが残っているからだという。


長い間飢えに苦しんできた北朝鮮住民たちが願っているのはご飯と安定した生活だが、国連は最近、北朝鮮の70%にあたる1800万人が食糧と食水、生活必需品、医薬品を供給してもらえず深刻な栄養失調状態にあると発表した。


社会主義の配給制時代には国が食糧を統制するため、国家体制に反すると食べて生きることができなかった。しかし、今の北朝鮮では個人が市場活動を頑張って生活を営んでいるから、昔に比べて国への忠誠心が弱くなっている。むしろ国は住民らにお金を要求しつづける重荷のような存在になってしまった。そのせいか、昔は脱北者の家族は思想不良者と呼ばれ差別をされたが、最近は韓国に逃げた脱北者が北朝鮮に残っている家族に送金をしてくれるので、その家族は国に寄与する愛国者として讃えられる奇現象さえ見られる。


北朝鮮の一部の高官や一般住民たちも、中国のように改革・開放をしないと北朝鮮の将来はないことをよく分かっている。しかし、金正恩は絶対に改革・開放ができない。その一番の理由は朝鮮半島の南側にある韓国が北朝鮮より経済的にはるかに豊かだからだ。


金正恩が政権を世襲してからも引き続き核開発に没頭し韓国に対する軍事的挑発のレベルを高めていくことにはわけがある。自分の力では住民たちを食べさせるどころか周りの忠誠勢力さえも管理ができないため、韓国を脅迫して政権維持に必要な最低限の資金でも取り付けなければやっていけないのだ。それが金正恩政権の現状だ。


金日成が死亡した時、金正日は最高の権力を持つ第一人者だったにも関わらず「シムファジョ( 淹化組)」を組織して様々な監視態勢と処罰制度を作り数万人を粛清・公開処刑した。さらには1995年9月「ついに共和国で銃声を鳴らす時が来ました」と親筆で指示し、各都道府県で見本として約20名ずつ公開処刑することまでした。


私の住んでいたヘサン市でも十数人が公開処刑された。中には大学の寮で暮らしていたヘサン医学大学学生が豆腐30個を盗み食べたとして公開処刑されることもあった。住民たちに米が配給できなかった金正日は、毎日のように新しい検閲組織を作って監視官を派遣しては、自力で食べていくために商売をする住民たちの裏調査をさせるなど、「監視→摘発→処罰」の恐怖政治体制を強化する戦略をとった。


配給制時代には、政治犯収容所や革命化区域の人々を強制的に山奥の炭鉱や林業作業場などへ追放し重労働をさせるなど、苦しい生活を強いることで住民に対する統制効果を高めたが、国の配給制が崩壊し、市場活動が家族生計維持の重要手段として登場すると、家族追放や党からの除名、免職などのような処罰の手はあまり効かなくなったのだ。


配給制時代は、旅行や居住移動に対する統制が徹底に行われていたが、配給制が崩壊すると北朝鮮を支えていた旅行や居住移動の統制が無意味になった。むしろ追放が中国や韓国への脱北に役立つような逆効果まで出てきた。結局北朝鮮政権の行ってきた統制手段が無力になった今、金正恩がどんな政策をとろうが、いくら立派な演説をしようが、金日成や金正日の時代には見られた忠誠心を決して見ることができない


金日成の真似をしたり、様々なパフォーマンスをしたりしているが、北朝鮮の住民たちが金日成と金正日に見せた忠誠心に比べると10分の1にもならないだろう。そして、金正恩は自分と違う意見を示す幹部らに対して銃殺で対応しているという。韓国の国家情報院も発表したように、金正恩は幹部たちが自分と異なる見解を示すことを自分の権威への挑戦と見なし、見せしめのために公開処刑を強行している。その例として今年1月に林業省副長官が山林緑化政策に不満を吐露したという理由で処刑されたほか、2月にはデドン江辺に建設中の科学技術殿堂の設計問題をめぐって違う意見を出した国家計画委員会の副委員長が処刑されたという。


金正恩は2012年、最高位幹部17人をはじめ、去年まで50人あまりの高官を処刑した。先月には「銀河水管弦楽団」総監督など 4名もスパイ嫌疑で銃殺した。今、北朝鮮は銃殺天国になって高位幹部らはいつ自分も殺されるか不安感に襲われているという。


金日成が死亡した後、金正日は政権の安定のために3年間で2万余名を公開処刑したが、金正恩の北朝鮮は、たぶん200万人以上を公開処刑しても配給制時代に歓迎された金日成と金正日には及ばないだろう。殺戮が繰り返される修羅場の地獄で北朝鮮の住民たちは今、麻薬に頼って現実逃避の人生を選んでいる。

 

 

 


北朝鮮の党創建70年祭りが「第二の苦難の行軍」を招く

2015-10-02 18:56:08 | 北朝鮮の虚像

 

昨日は、韓国新聞で

ごもっとも!その通り!と思った記事があったので

抜粋した内容を知人を催促して翻訳してもらったんです。

 

===========================

「ヘラルド経済新聞」2015年10月1日付

 


北朝鮮の天文学的費用と外交負担が予想される朝鮮労働党創建70週年が10日後に迫った。


北朝鮮は……朝鮮労働党70年を迎え、全ての力を総動員して盛大な行事にするという構想である。


そのため、北朝鮮は今年1年を党創建70年記念準備に「オール・イン(全てをかける)」する模様だった。


大規模な出演者が公演できる6564㎡の超大型水上舞台の設置をはじめ、噴水レーザー・ショーマスゲーム花火、そして大型軍事パレードなどを準備中。さらに、平壌・スンアン国際空港の新庁舎を含めて未来科学者の街、科学技術殿堂など「金正恩プロジェクト」建設も大々的に進めてきた。

⇒ 本当に、昔からこんな見栄張ばかりでしたね。

  住民たちはそのたびにお金やら労働力やら色々強制的に奪われました。

  状況が厳しいほど、このように見た目に躍起になって

  どんどん派手派手へ突っ走ります。

 


問題は、北朝鮮のこのような党創建70年へのオール・インが、ただでさえ厳しい経済状況にブーメランになって戻ってくるという点である。


韓国銀行の推定によれば、去年の北朝鮮の名目国民総所得(GNI)は34兆2千億ウォン、1人あたりGNIは138万8千ウォンであり、とてもこのイベントをなしとげられる水準ではない

⇒ みんなが楽しい祭りだったら喜んで参加しますが、

  こんな状況を見てないふりをして…

  本当にわがままです。



このような事情が背景になって、党創建70年記念式の費用を調達するため、海外駐在の外交官1人あたり最低100万ドルの外貨融資というノルマを課し、在外工作員1人あたり20万ドルの上納を指示したという報道が相次いだ。

⇒ 嘘みたいでしょう?

  私はただただため息…



高麗大学校アセア問題研究所のナム・グァンギュ教授は1日、「北朝鮮は88年ソウルオリンピックへの対応として、1989年の平壌世界青年学生祝典の準備を過剰にしたせいで、その後「苦難の行軍」を経験するなど経済が破綻する端緒となった」と述べ、「北朝鮮の党創建70年準備は指し過ぎ」と指摘した。

⇒ 歴史から学ばない者は、発展はともかく自滅だけがあるでしょう。

  90年代の「苦難の行軍」の時は、

  みんなが初めてで、まだ何も分かっていない状態でしたから

  政権に黙ってついていったんですが、

  第二の苦難の行軍が始まったら

  経済自体の破綻はもちろん、

  住民たちの反発も想像をものになると思います。

 


さらに、国際社会の警告と憂慮にもかかわらず長距離ロケット発射を強行する場合、経済的費用に加えて外交的負担が加重されるに違いない。