今日は北朝鮮では、
「朝鮮労働党創建記念日」。
しかも今年は70周年となる年だ。
北朝鮮は70年という節目の年を記念するためにも、
そして最近国際社会での立場がどんどん弱まる中
自国の健在を見せつけるためにも
今日を派手な祭りにして見せようと躍起になってきた。
そのせいで、住民たちはどれほどお金やモノを搾取され、
労働現場などに駆りだされたか。。。
見なくてもありありと目に見えるようだ。
誰のためのお祭りか!と腹が立つけど
芝居をしてでも笑顔を作らなければならない。
こんな日には色々考えこんでしまうのだ。
我々の諺に「命あっての物種」というのがある。
この前、北朝鮮民族和解協議会(民和協)のスポークスマンは、
祖国平和統一委員会の宣伝メディアである「ウリミンゾクキリ(我が民族同士)」を通じて
韓国に暮らしている脱北者らの境遇を言及しながら
「我が住民たちに対する誘引・拉致行為をすぐ中止させ、
すでに拉致した我が住民たちをすぐ取り戻せ」と虚言を並べたという。
韓国に入国した約3万名の脱北者の中に
韓国政府の必要によって拉致した人は
どのぐらいいるのかは分からない。
脱北者らは北朝鮮の政府が人扱いしなかった
労働者、農民、思想性が悪いとされる人らが殆どだ。
彼らは韓国に入国する時も、
莫大なブローカー費用を払い各自の選択によって韓国にきたわけで、
誰かの強要や拉致されてきたわけではない。
脱北者らに会って脱北経緯を聞いて見ると、
北朝鮮政権の野蛮な弾圧を避けて脱北した人が殆どだ。
そして脱北者同士が集まると、
北朝鮮にいる家族への仕送りやそこに残してきた家族を連れてくる方法だけを工夫している。
韓国での生活が北朝鮮より辛かったら
家族を連れてくることなんかは考えないだろう。
北朝鮮の(民和協)のスポークスマンは
「今、多くの脱北者らは傀儡軍から非人間的な待遇と汚い同族対決の助長に憤怒し、傀儡軍に騙されて韓国に行ったことを後悔している。また、韓国へ幻滅して再び韓国から脱して第3国に逃げて行っている」
と主張しているが、
そのような虚言をしまくてはならない。
勿論、韓国はすでに先進国であり、国際化されて
北朝鮮との落差のため、脱北者は言葉が通じ合わないことも、
また脱北者の中では冷遇される場合もないとは言い切れないだろう。
韓国では、国家が国民に食べ物を配給する配給制の国ではなく、
個人が自由市場経済体制の下で生きていくので、
全てが自由でありまた、責任も自律的だ。
一所懸命に努力するのも個人の意志であり、
怠けるのも個人の選択だ。
最初、韓国にきた時に一番悲しかったのは、
私を訪ねてくる人がいなかったことだ。
北朝鮮では夜明けから「世代主動員」という人から戸を叩かれて、
ろくに寝ることもできなかった。
月給も配給ももらえない職場だったが、
一日でも欠勤や遅刻をすると処罰を受けることになっている。
出勤チェックをしないためには「食糧休暇申し込み書」を出し、
休みの代わりに月給の4~5倍程度を納めなければならなかった。
出勤をせずに他の地方に商売に行ったら、
その分、金をたくさん稼げるといって
月給の数倍もなる金を事前に納めるようにするのだ。
ところが、韓国にきて暮らしながら分かったことは、
韓国では働こうが遊ぼうが誰も他人に干渉しないことだ。
かえって働かずに遊んでいる人々に基礎生活受給といって金まで与える。
北朝鮮では偉い人々だけが入社証をもらって
国家から提供する住宅に暮らせるが、
韓国では零細民、弱者 、貧しい人々だけが
国家から貸してくれるとても安い賃貸住宅に住める。
北朝鮮では出自がよい人、権力と能力のある人のみが
国家から施す福祉を受けることができる。
が、韓国では権力や能力がない人であればあるほど
国家の福祉制度が利用できる。
よって北朝鮮では国家の福祉をたくさん受けている人が
能力者あるいは偉い人と見られるが、
韓国ではかえって国家と社会のために、
自分が持っているものを出す人が能力者として認められる。
キム・ジョンイルは 300万名が飢え死になった時も
国民たちに「畑で殉職しろ」と餓え死を強要した。
しかし、韓国では少なくとも餓え死なんかはない。
自由に意見を出せばデモもできる。
それでもできなかったら他の国に亡命できる自由と機会がある。
他の国に亡命したからといって
家族が政治犯として収容所に引っ張られたり、
他の国に亡命してから帰ったとって公開処刑されたりすることもない。
殆どの脱北者にとって
北朝鮮での生活は地獄だった。
韓国で生活しながら受ける冷遇や疎外などが苦しい時もあったが、
北朝鮮と比べると韓国は天国だと思う。