北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

[HuffPost] 朝鮮総連結成61年、彼らは在日同胞のために何をしたか

2016-05-31 16:26:51 | 北朝鮮の虚像

 

5月25日は、朝鮮総連の結成日でした。

今年で61年になりますが、

果たして、結成当初掲げていた「在日同胞の権益と自由」のための団体であってきたかと、

私個人的な疑問についてコラムを書いてみました。

このコラムを「Huffington Post」日本版に掲載させていただきましたので、

こちらにもご報告いたします。

 

記事を読むためには、画像をクリック↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

朝鮮総連の北朝鮮への資金供給に関しては

日本内でも広く知られているようですが、

日本の科学技術をはじめとする情報の獲得・供給は

最近になって言及されはじめていますね。

しかし、私の経験によると、北朝鮮はミサイル開発を本格的に始めた80年代から

膨大かつ組織的に日本の情報を情報を吸収してきました。

しかも、企業や有数研究所の重大な情報も在日朝鮮人を介して獲得してきました。

それだけでも「産業スパイ」ごときことなんですが、

その情報を核・ミサイル開発に転用した可能性が浮かび上がり、懸念されています。

 

こちらのコラムを読んでくださった方々から

何かご意見があればお聞きしたいですね。

 

 

 

 

 

 


Calvin Klein、Burberry、Ralph Lauren、Levi's、Forever 21、ZARAの共通点は?

2016-05-18 18:18:52 | 北朝鮮の虚像

タイトルにもある世界で有名なファッション・ブランド

Calvin Klein、Burberry、Ralph Lauren、Levi's、Forever 21、ZARAには

意外な共通点があります。

 

「ラルフ・ローレン」「バーバリー」などの中国下請け業者工場、北朝鮮労働者を大挙雇用

 

自由アジア放送(RFA)の本日の放送によれば、

上のファッション・ブランドは中国の下請け工場

商品を生産していますが、

このように西洋の有名なファッション・メーカーから受注する中国の工場には

多くの北朝鮮労働者が働いています。

 

日本の記事には記されていませんでしたが、

RFA韓国語版によれば、

北朝鮮の貿易会社と合作した工場もあれば、

中国のある衣服製造工場は、従業員数1,200人のうち、

800人も北朝鮮人だそうです。

 

数ヶ月前の記事になりますが、

オーストラリアの大手スポーツウェア企業「リップカール」は、

「中国製」と表記して販売した商品が実は「北朝鮮製」だったことが明らかになり、

謝罪をするなどの騒動もありました。

 

【社説】中国製は「北朝鮮製」 隠されたサプライチェーン (The Wall Street Journal)

 

中国製のはずが北朝鮮製?やはり信用できない中国

JBpress 3月5日(土)6時10分配信

 

 

第4回目の核実験に対する国連制裁決議案が採択される前の制裁から

北朝鮮との引取は禁止されるなど規制があったため、

「北朝鮮製」であることを隠していたでしょう。

 

今回の記事に取り上げられているメーカーの場合、

北朝鮮工場で生産してはいないものの、

北朝鮮労働者を利用し、

彼らの賃金が金正恩政権維持や核・ミサイル開発の資金として

北朝鮮当局に流れる可能性が濃厚というところが問題です。

 

そうなると、他の企業はより詳しく事実関係を調べなきゃいけませんが、

Calvin KleinやRalph Laurenなどのアメリカ企業の場合、

北朝鮮労働者の雇用を規制している米国政府の対北朝鮮制裁履行行政命令に抵触します。

 

RFA韓国語版によれば、

これらファッション・メーカーだけでなく

有名な携帯端末メーカーのモトローラやアップル、ノキアを

主要顧客として取引しているある中国の製造会社は

従業員数8万人で、スマートフォン画面用強化ガラスの世界シェア1位の会社ですが、

この会社も北朝鮮労働者の採用を計画しているそうです。


北朝鮮労働者の雇用は、

ひとつ、ふたつの分野に限る問題ではないことが分かります。

 

 

また、

北朝鮮への資金流入も問題ですが、

海外で働く北朝鮮労働者問題において一番問題になるのは、

人権侵害」です。

 

 

北朝鮮の海外派遣労働者、劣悪な環境に激しく抗議

2016年03月10日 Daily NK Japan


約5万人の労働者を海外に派遣 北朝鮮の新たな人権問題とは

2016年3月16日 6時0分 livedoor News



一方、ワシントンポストは、

先日あった「第7回朝鮮労働党大会」取材で訪朝した際に目にした

「ピョンハッタン」の様子について伝えました。

平壌の上位1%の富裕層の生活ぶりが

マンハッタンの風景を連想させるということで

「ピョンヤン+マンハッタン」として「ピョンハッタン」と表現しました。

 

North Korea’s one-percenters savor life in ‘Pyonghattan’

 


平壌が
資本主義社会のシンボルとも言える
ニューヨーク・マンハッタンに喩えられるなんて。。。

 

記事で描いているような豪華な生活を送っている人たちは、

北朝鮮のごく一部

一部の高位幹部や資本家です。


平等が最大の価値である社会主義体制の中に
格差がこのほど存在することもアイロニカルですが、
上流社会を資本家が占めて豪華に暮らしていることも皮肉です。


社会主義の根幹であり主体である労働者階級は、
海外で奴隷扱いをされてですね。。。
北朝鮮の体制がこのように変質し、矛盾だらけであることは
とっくに昔からで、北朝鮮も「我々式の社会主義」と言っているほどですが、
独自の体制を発展させるとしても、
住民の人権を侵害し、他国に被害を与えることは
許してはいけないと考えます。





金正恩が「第7回党大会」で残したものは?

2016-05-16 18:07:39 | 北朝鮮の虚像

5月6日から9日まで、4日間にわたって開催された

北朝鮮第7回朝鮮労働党大会。

父の金正日も開かなかった党大会を36年ぶりに開くという事実だけで、

その狙いは何なのかと、注目を集めていました。

 

【第7回党大会に出席した金正恩、写真:ソウル新聞】

 

 

党大会が終わった今、

専門家らは先駆けて今回の党大会に関する評価や分析を出しています。

では、金正恩は、

党大会で何を残したのか。

 

 

■■■■■ 対外:「不信」を残す

 

まずは、対外的には「不信」を残したと思います。

マスコミで報道されたように、

「核開発」への意志を改めて明らかにしました。

過去36年間の実績を総和するときにも

「核兵器の発展」を称え、大きな業績としましたし、

自らを核保有国であると宣言をしました。

 

36年という空白を経て開催する党大会、

しかも、対北朝鮮制裁の勢いが高まっている時点での党大会だったため、

世間は、突破口を求める北朝鮮の大きな決心が公表されると期待しましたが、

結果は、「がっかり」。

36年ぶりの公式の場で行われた長い演説の中に

新しいものはありませんでした。

 

唯一、「非核化」という言葉がもの新しかったんですが、

よくその意味を考えると、

北朝鮮の態度は何一つ変わっていません

北朝鮮のいう「非核化」は、喩えると

汚い泥でいたずらをする子供を叱る母に対して、

子供が「ママ、泥で遊ばせてくれるなら、いい子になるから」ということと同じだと思います。

みんなにとっては「泥でいたずらをしない子」が「いい子」なんです。

しかも、その子は、泥を遊び場以外の場所では触らないとは限らない予測不可能な子。

 

結局、多くの専門家が、

今回の党大会で従来の「先軍政治」がさらに深化して

政治」になってしまったというほど、

結論は「核」でしたね。

 

約束できない無意味なキレイ言葉

私達を混乱させるだけで、

結局やりたい放題するということでした。

 

4日間も微かな希望を持って

党大会のニュースに耳を傾けていた世界のみんなに、

北朝鮮は、「不信」を残しました。

 

 

 

■■■■■ 対内:「虚構(ファンタジー)」を残す

 

対内的に、つまり、北朝鮮住民たちに対して残したのは、

「ファンタジー」しかないと思いました。

 

スーツとメガネ姿、そして「党委員長」という肩書き。

全て祖父の金日成の真似でした。

 

新しい委員長は、「核」を叫び、

住民に対してはさらなる「戦闘」を注文しました。

住民を食べさせるための「経済」面では「5カ年戦略」を掲げたものの、

中身もない、具体的な計画や対策もない。

全てが曖昧、中途半端、ぼんやりとした中、

北朝鮮経済の全盛期だった時代の指導者「金日成」のビジュアルだけが鮮明でした。

 

「俺様が金日成だ」と言わんばかり。

具体的なビジョンは出せず、「ファンタジー」を与えてごまかす指導者。

困窮に追い込まれ、不満も高まった住民が

そんな小芝居に騙されると思ったのでしょうか。

それでなんとかなると思ったならば、指導者やめたほうがいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 


[HuffPost] 北朝鮮を脱出して自由にたどり着くまで

2016-05-11 17:21:11 | 北朝鮮の虚像

 

最近、日本の新聞社の何ヶ所に、

拙作ですが、私なりの考えをまとめたコラムを送ってみましたが、

期待もしなかった「Huffington Post」に載せていただきました。

 

北朝鮮を脱出して自由にたどり着くまで

 

最初は、この頃関心のあった「海外労働者」の人権状態についてのコラムをお送りしましたが、

ハフィントンポストのブロガー登録を検討していただくとこになり、

脱北者としての私独自の経験を溶かして

自分を読者に紹介する記事を書かせていただきました。

なので、第一回目のブログ記事は

私の脱北ストーリーとなっています。

 

今後、こちらのブログとハフィントンポストを連動していくことを考えていますが、

よりたくさんの方々に見ていただくことになって

読者のみなさんとのイキイキとしたコミュニケーションが楽しみです。

 

よろしくお願い致します。

 

 

 


北朝鮮の集団亡命の件への対応、報復。それしかできないのか。

2016-05-05 12:42:03 | 北朝鮮の虚像

 

中国の北朝鮮レストラン従業員の集団亡命以降、
海外にある北朝鮮公館で駐在員や外交官などへの取り締まりが強化していると
先日のコラムでお伝えしました。

しかし、脱北支援者殺害や、海外で韓国国民の集団拉致計画など
報復性の強い物騒な話が聞かれて、
これは、度が過ぎると思いました。

 

中朝国境で脱北者支援の牧師が殺される…北朝鮮の仕業との見方も

Daily NK Japan 2016年05月03日

韓国、北朝鮮による拉致に警戒呼び掛け 集団亡命の報復懸念

AFP=時事 5月2日(月)22時28分配信

 

しかも、脱北者支援をしてきた牧師が殺害された地域は

中国の長白県というところで、

鴨緑江をはさんで向こうは、私が住んでいた恵山(ヘサン)市でした。

【写真:事件現場の対岸、北朝鮮の恵山市】(出処:Daily NK Japan)


私が渡ったその鴨緑江周辺で

このような不穏な事件が北朝鮮によって起こったと思うと

ゾッとするような怖さと北朝鮮への怒りが交錯します。

 


北朝鮮は過去に既に犯した、韓国人・日本人拉致など人道に反する罪

国際社会から責任が問われている状況です。

 

これまで、北朝鮮は
核・ミサイル開発に関しては
アメリカと韓国のせいにしながら自国を守るための主権行使であると
「今後も続ける」と堂々と主張していました。

 

しかし、人権に関しては、それと違って弱腰でした。


世界的に北朝鮮人権問題が話題となり、
北朝鮮住民の意識に変化が生じると体制維持は困難になるし、
国際社会が目指している通り、
本当に金正恩が国際刑事裁判所に立たされることになれば
「最高尊厳」の権威が地に落ち、金正恩政権は崩壊を迎えかねないからです。

 

ところが、今回は、他国民に対する新たな犯罪を犯しています。
突き当りに追い込まれ「もうどうでもいい」と思ったのでしょうか。
集団亡命による動揺を抑えるために強硬策を取ったんでしょうか。
韓国側に抗議する意味で、まさに報復としてこんなことを犯したんでしょうか。
これらの理由が全部混ざっていると見て正しいでしょう。

 

北朝鮮の暴走をこれ以上見るだけではいけないと思えますね。
核・ミサイル挑発にとどまらず、
他国民の生命と安全を直接威嚇する段階にまで来ました。

 

北朝鮮のように報復を考えるのは、
同じ下品なレベルになることなので、
冷静に、国際規範の枠組みの中で、
相応する処罰を与えられるようにしなきゃです。

徹底調査し、北朝鮮の仕業であることを明らかにし、

今後、国際刑事裁判所に立つ金正恩の罪として追加するべきです。

 


とりあえず、冷静になること!

 

 

 


米、北朝鮮の人権侵害行為に関与した個人への制裁を推進

2016-05-04 16:59:56 | 北朝鮮の虚像


2014年2月に国連COI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)が
最終報告書を公開して以来、
北朝鮮による北朝鮮住民および他国民への人権侵害が事実と認められ
国連と主要国では「処罰」への動きがありました。


私は、これまで北朝鮮が犯してきた人権侵害に対する責任を問い、
現在も金正恩政権によって人権が踏みにじられている北朝鮮住民を保護するためだけじゃなく

住民たちの人権を犠牲にして続けている核・ミサイル挑発を取り留めるためにも
公式な「人権制裁」が必要だという考えでした。


先週、日本の朝日新聞の報道からも伺えたんですが、
「北朝鮮の人権侵害、制裁へ 米、高官約10人対象に」朝日4月28日付

今日の韓国のマスコミを見たら
アメリカが具体的な人権制裁を検討していることが明らかになりました。


キング北朝鮮人権特使、「北朝鮮の人権侵害行為に関与した個人への制裁を推進」
(東亜日報日本語版 5月4日)

(一部抜粋)


米政府当局者が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の人権侵害を理由に北朝鮮への制裁を推進することを明らかにした。

米国のロバート・キング北朝鮮人権問題担当特使は2日(現地時間)、ワシントン戦略国際問題研究所(CSIS)で開かれたセミナー「日米韓3国の北朝鮮人権問題に対する協力」で、「民間人の拉致問題を含め北朝鮮人権と関連して広範囲な問題に関与した(北朝鮮政府の)個人に制裁を適用することを検討している」と明らかにした。

ワシントン外交当局者は、「不法活動外交官の追放、海外北朝鮮労働者の送金遮断、北朝鮮関連行事への不参加圧力などの制裁が検討されている」と伝えた。

セミナーに参加した李政勲(イ・ジョンフン)韓国外交部人権大使は、「北朝鮮の人権蹂躙に責任がある指導級の要人を国連安保理を通じて国際刑事裁判所(ICC)に付託することが望ましいが、(安保理理事国である)中国とロシアの拒否権行使で制約がある」とし、「ICC加盟国政府がICCに人権弾圧を行う北朝鮮人を提訴することも可能だ」と指摘した。


朝鮮日報韓国版によれば、
李政勲人権大使は、「北朝鮮人権問題に関する論争は終わった。現在の国際社会の大きな流れは、関連した者への責任追究であり、人道に反する犯罪に対する処罰を執行することが大事だ」とも述べました。


なお、ICC付託に関しても、
「北朝鮮労働者が働いているポーランドはICC加盟国なので北朝鮮労働者に対する北朝鮮当局の人権侵害と賃金搾取などの責任をICCで問うことができる」と言いました。



私は、米国の検討に関して「両者制裁」という面で意味があると思いました。


「両者制裁」とは、当該国政府に対してだけじゃなく
関係している個人にも制裁を加えることをいいます。


米政府が北朝鮮人権問題で
北朝鮮の官僚(個人)への制裁を検討するのは、今回が初めてです。


現在施行中の核・ミサイル挑発に対する制裁もそうですが、
政府への制裁だけでは、
官僚個人による違法活動など抜け穴ができてしまうから
アメリカも日本も制裁リストに
核・ミサイル開発に関係した要人を加えています。


人権に関しても、最初から強気で対応する考えのようです。

 

私も米国や日本など

北朝鮮人権問題に関して国際世論をリードし、

国連における人権決議案の提出など行動に積極的な国の関係省庁に

「人権制裁」採択に向けたご尽力のお願いや

そのためのアイデアなどを手紙で送っていますが、

他にも私にできることはないかもっと考えていきます。

 

 

 


北朝鮮の実態「Under the Sun」ドキュメンタリー映画

2016-05-03 18:19:03 | 北朝鮮の虚像


韓国で先週公開されて静かに上映中の映画があります。
前回、この映画に関するコラムも載せましたが
北朝鮮の実情を描いているドキュメンタリー映画

「Under the Sun」です。

 

【参考】

[Premium Chosun]映画「Under the Sun」に現れた平壌の表と裏(2016/2/24)(韓国語・日本語)

 

 

商業映画でもないし、

世界的に人気の「シビルウォー:キャプテン・アメリカ」も韓国で公開され
それほど話題を呼んだりはしていませんが、
私がこの映画の広報大使とさせていただいております。

 

残念にも日本では公開されていないようですが、
この映画の制作過程をお伝えするだけでも
日本のみなさんに北朝鮮の実体を理解していただけると思います。

 

【写真】「Under the Sun」韓国公開を迎え、来韓してインタビューを受けているビタリ・マンスキー監督(出処:STARNEWS)

 

「Under the Sun」は、ロシアの有名なドキュメンタリー映画監督「ビタリ・マンスキー」さんが
北朝鮮当局とロシアの支援を受けて制作したドキュメンタリー映画です。
当初は、8才の少女「ジンミ」の1年を描きながら
金日成の生誕記念イベントを準備する過程を見せる計画でした。
しかし、監督は北朝鮮当局が提案したシナリオをそのまま完成する代わりに、
完璧な家族の姿を演出するために
いちいち介入して捏造を図る北朝鮮関係者の姿も
ありのまま盛り込んでこの映画を作り上げました。

 

北朝鮮では金日成を太陽ごとき存在と扱っているし、

金日成の生誕日を「太陽節」と呼んでいることを考えれば、

「Under the Sun」という映画のタイトルは

「太陽の下」で犠牲になっている北朝鮮住民の辛さを描くという意味で

付けられたんじゃないかと想像してみます。

 

この映画は

第59回サンフランシスコ国際映画祭「ゴールデンゲート賞」競争部門にノミネートされ、
第40回香港国際映画祭でドキュメント映画競争審査委員賞を受賞しました。


ロシアでも上映する予定でしたが、
北朝鮮の強い反発と妨害で中止となったそうですが、
4月27日に世界初で韓国で公開されました。


公開日に合せて韓国を訪れたビタリ・マンスキー監督のインタビューがありましたが、
この様子を伝える韓国の「スターニュース」よれば、


「撮りたかったのは一つも撮ることができなかったと言える。
100%北朝鮮当局の統制の下で撮影をしたからだ」

と監督は打ち明けました。
また、
「このような条件、状況の中で作業したことは一度もない。
世界のどこでもこんなことはなかった」

と強調しました。

監督は、統制なしで撮れた唯一の場面は
ホテルの窓を通して眺めた外の風景だったと話しています。
そして、最後の「ジンミ」が泣く姿も。
その場面が撮れたから今の映画が可能だったし、
このような(北朝鮮当局を騙してシナリオになかったシーンを撮る)やり方で映画を作るしかなかったとも言っています。

 

金日成の生誕記念イベントので見られる北朝鮮の実体は、
今月予定している党大会にも現れるでしょう。

政権への支持も弱まりつつあり、国際社会からの圧力も強まっている中、
北朝鮮は政権の妥当性を主張するために
今回の党大会で
核実験やミサイル発射を大きな功績と称え、
金正恩自身の肩書きも金正日や金日成並みのレベルまで引き上げると見られています。
妥当性が貧弱であるほど
その反動として党大会を豪華に開催しようとするだろうから
住民たちの苦痛は前にも増してひどいものになると想像しています。

 

率直に言うと、
このような映画を見なくてもみんなが知っていることなんですが、
たまには、私たちがその深刻さを忘れたり鈍くなったりするんじゃないかと思います。
そういった意味で、こんな映画は一人でも多くの方々に観てほしいです。

 

また、日本にも公開されたらいいですね。

 

 

 


【文化日報インタビュー】家族でない13人の集団亡命の意味大きい

2016-05-02 14:37:19 | 北朝鮮の虚像

先日、韓国の「文化日報」からインタビューの依頼があって応じましたが、

その記事が先週の金曜日に報道されました。

2面もの紙面を割いて

大したことのない私の脱北ストーリーや

北朝鮮に対する私の考えなどを記事にしてくださいましたね。

 

私の個人的な話の部分は省いて、

最近話題となっている集団亡命に関する内容があったので、

日本語訳をここに載せます。

 

 

“家族でない13人の集団亡命の意味大きい…北朝鮮そのうちつぶれるという考え澎湃”

 

「脱北女性博士第1号」 イ・エラン 自由統一文化院長

▲「脱北女性博士第1号」イ・エラン自由統一文化院長が、25日ソウル市チョンノ区所在の自由統一文化院にて文化日報とインタビューをし、「自由・所有権・投票権が北朝鮮住民にとって最も必要な価値」と強調し、自ら経験した資本主義体制の優越性について語っている

 

北朝鮮を脱出する前には資本主義を恐れていた李院長だが、今は資本主義の伝道師になっている。李院長は最近、キョンイン女子大学と全国経済人連合会で特別講義を行っているが、そのタイトルは「社会主義の配給体制と資本主義の市場体制との比較」である。彼女は「韓国が実績競争というなら、北朝鮮は忠誠競争」とし、「出身成分と階級によって最初から人生が決まる北朝鮮と比べれば、韓国は比較的に公正な競争社会ではないか」と問い返してきた。「北朝鮮はすでに崩壊の最中」であると診断する李院長が「金正恩政権を確実に崩壊させるべき理由がある」とあげたのが、北朝鮮住民の苦痛だった。彼女は「北朝鮮住民に最も必要で大切な価値が、自由・所有権・投票権」と3つを取り上げた。「韓国では当然と思われる価値」という説明も付け加えた。最近中国で起こった北朝鮮レストランの従業員13人の集団亡命事件を見て、20年前のことを思い出すのではないかと察しつつ、インタビューを始めた。


―今回の事件を聞いて、感想が人とは違うんじゃないかと思いますが。

「1997年、私が北朝鮮を脱出する時には、9人が家族同士なのになかなか合意に至らなかったんです。4人が先に脱出して中国に渡り、残りの家族を私たちなりに脅したりもしました。「我々はもうもどることはできない。この事実が放送に出たらあなたたちは即座に政治犯収容所に連れていかれる」とですね。父と母も一時期ひどいけんかが続きました。父が母に向けて「お前は赤(共産主義者をさげすんで言う言葉)なのか」と叫ぶと母は父に「革命の変節者」と対立していました。家族間で意見がまとまらないから結局二つの分かれて脱北しました。今回13人の集団亡命は、あかの他人同士という点で意味が大きいです。きっとその中で対立があったんでしょうが、集団で韓国行きを選んだことは、示唆する意味がかなり重いと思われます。個人的な考えとしては、韓流などを接して脱北を決心したんじゃなくて、北朝鮮制裁がそのうちつぶれるという考えを共有していたから可能だったと思います。実際、北朝鮮内部でも北朝鮮は崩壊するという雰囲気が澎湃としています。有識者階層は特にそうです。私の家族は出身成分が悪くて平壌から追放されて脱北したんですが、彼らとしては、北朝鮮はすぐ滅びるから自分一人だけでも先に韓国に行ってある程度定着していないとならないと考えたでしょう。出身成分のいい人たちの脱北という意味で象徴性はより大きいです。」


― 北朝鮮当局が、同じレストランで働いていた従業員らを平壌に呼んでCNN放送とインタビューをさせるまでして拉致を主張していますが、これは緊張感が大きいためでしょうね。

「住民の離反を防ぐためでしょう。13人もの人が脱北をしたんだから、いくら隠そうとしてもうわさになるでしょう。そうなると北朝鮮住民たちに今回の件をうめく説明をしなければいけませんが、集団亡命と言ったらみんが動揺するじゃないですか。「これは拉致」と大々的に説明しておかないと、民の心が離れるのを止められないからです。