先週、北朝鮮の最高裁判所が
10ヶ月間抑留していた韓国系カナダ人のイム・ヒョンス牧師に対して
「無期労働教化刑」という判決を言い渡しました。
罪は、「国家転覆陰謀罪」らしいです。
北「国家転覆企て」韓国系カナダ人に無期刑
北朝鮮は、イム牧師が自らが身分の罪を認めたとしています。
実際、イム牧師は7月にあった記者会見で
「私の最も重大な犯罪は、韓国と米国の北朝鮮敵視政策に従って、共和国の最高尊厳と体制を中傷冒涜して国家転覆行為を敢行したことだった。北朝鮮を往来しながら、宗教国家を建設しようとした」
と話しましたが、
果たして本当に本人が認めたのか、強要されたのか…
北朝鮮を経験した私としては釈然としません。
しかも、イム牧師を知る人々の証言を聞けば、
彼は純粋に、苦しんでいる北朝鮮住民と脱北者を助けたいという思いで
献身的に活動をしてきたらしいですが、
問題は、他の国ならなんの罪にもならない、
むしろ称賛されるべき活動が
北朝鮮では罪になってしまうということですかね。。。
宗教の自由がない北朝鮮で「キリスト教」牧師は
一旦敵視されますし、
それに北朝鮮住民と脱北者を助ける彼の活動が
北朝鮮には常に気に入らなかったでしょう。
北朝鮮政権のせいで苦痛を強いられている人たちを救うことは
金正恩政権にとっては「国家転覆」に見えるのです。
しかし、カナダ政府をはじめ、
各国の専門家や市民が批判をしています。
判決の不適切さはさておき、
カナダ当局関係者のイム牧師面会要求も拒絶しており、
領事機関が自国民を訪問する権利について規定した
ウィーン条約に違反するとの指摘もあります。
特に、カナダは自国民のことなので
批判の声はより熱いです。
トロントのメディアに掲載された記事に出る
ある外交専門家の発言がインパクトがありました。
“This sentence is a reflection of a cruel and unjust dictatorship that inflicts horrendous human rights abuses upon its own people, and threatens the world with its reckless nuclear ambitions.” -外交問題批評家 Tony Clement-
今回の宣告は、残酷で不当な独裁政権の表れだ。
【全文】Friends pray for release of Mississauga pastor jailed for life in North Korea
私は、今回の宣告は
国連の北朝鮮人権批判決議の直後なので
さらに目立ち、反抗的にさえ感じられます。
これまで北朝鮮は、人権問題を非難する国際社会の声を気にし、
「北朝鮮は住民の人権を侵害していない」
「外国人の拉致など他国民に対する人権侵害もない」
「国連の報告書や決議はすべてウソで、謀略だ」
と主張してきました。
なので、今回は誰が見ても外国人に対する「人権弾圧」的なことを
しかも公開的に敢行するという真逆の行動を取りました。
叱られるとさらに悪行をする子供みたいですが、
本当に今の北朝鮮は何を考えているのか、、、
一角では、
イム牧師を引き換えに
カナダ政府から何かを求めるといった
駆け引きをするとの予想もありますが、
これは、国際人身売買と何が違うのでしょうか。