北朝鮮が水爆実験に成功したと大々的に報道し、
国際社会は憤りを表明すると同時に
断固たる対応をするために結束をしています。
今現在、1月6日に行われた実験が
本当に水爆実験なのか、本当に実験は成功したのかをめぐっては
意見が別れますが、
水爆としたら以前の原爆の10~1000倍に相当する威力があり、
水爆じゃないとしても
原爆の核分裂に水素を追加することで
その破壊力を増大させられるというので、
どれだけ危険なのか、想像するのも怖いものです。
日本の安倍首相も
「日本の安全に対する重大な脅威」だと話しましたね。
北朝鮮が「水爆実験成功」を発表して
国連は直ちに緊急会合へ動き、対北朝鮮制裁措置を議論する予定です。
今回はこれまでの北核実験に関連する決議を
さらに拡大・強化した内容の決議が採択されると見込まれています。
しかし、
これまで、北朝鮮核・ミサイル実験に関する
国連の制裁決議だけで4つで、
日本をはじめとする各国で独自の制裁を施行しています。
これだけの制裁があるのに
これらをすべて違反・無視して4回目の核実験です。
これは、
さらなる制裁で圧迫することも大事だが
これだけでは北朝鮮をコントロールすることは無理だということを
意味していると思われます。
私が考えている北朝鮮対策は、簡単です。
① 資金源遮断を狙った金融制裁の強化
② 中国の態度転換
③ 人権問題での圧迫
① 資金源遮断を狙った金融制裁の強化
全米北朝鮮委員会(NCNK)がまとめた
「対北朝鮮圧迫および関与政策関連の評価報告書」(2015年9月)によれば、
米国の専門家らは
「対北朝鮮制裁が北朝鮮の核能力強化のための不法的な資金取得を防ぐような
抑制または低下効果には有用」と評価しています。
しかし、一角では
北朝鮮制裁が、北朝鮮を孤立させて圧迫するに有効な道具というより、
「北朝鮮への怒りを表現する低費用の手段」であり
制裁が政治界や有権者が好む政策道具としてより効果があるとの
声もあります。
北朝鮮問題に大きな憂慮を表明している米国だって、
ソニー社サイバーテロ以降出した
北朝鮮に対するアメリカの行政命令も
既に制裁を受けている人物・団体を対象としており、
制裁としての実効性がないということです。
偶然にも、
北朝鮮が核実験を強行する直前の1月4日に
ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたコラムは、
これまでの米国の対北朝鮮制裁が
いかに弱くて実効性のないものなのかを説明し、
実質的な圧迫になれる具体的な制裁が必要だと訴えています。
After Pyongyang hacked Sony Pictures, Obama promised a ‘proportional’ response. His failure to do so threatens U.S. freedom.
By
Jan. 4, 2016 12:20 p.m. ET
“行政部はヨーロッパや中国の銀行に数十億ドルを保有しているものと推定される
金正恩やその側近の資産はまだ凍結させておらず、
北朝鮮のハッカーたちがここ数年間サイバー攻撃を実行していると知られた
中国瀋陽のチルボサン・ホテル(北朝鮮所有)の資産すら
凍結させていない”
“米国務部は、北朝鮮をテロ支援国に指定しようとする
議会の要求も無視してきた。
北朝鮮が米国永住権者を拉致するなどの国際テロ行為を支援してきたという連邦裁判所の数々の判決を認めないで
北朝鮮が大量の武器をテロリストに流通させたり
海外の人権運動家や反体制人物暗殺のためにスパイを派遣した事実も
無視してきた”
“オバマ大統領は、北朝鮮が最も孤立していて最も多くの制裁を受けているとしているが
他国への制裁に比べるととても弱い方である。
米財務部はイラン制裁プログラムの一環として
1000件余りの団体の資産を凍結させたが、
北朝鮮に対してはわずか100件程度”
“現在のオバマ政府は金正恩のサイバーテロ、運動に反する犯罪、大量破壊兵器の拡散などの脅威に
怯んでいるが、
これは、4回目の核実験を準備しているかもしれない北朝鮮を
さらに大胆にするだけである”
実際にこの見解を証明しているかのように
北朝鮮は核実験を断行しました。
今回の件でアメリカは
かなりプライドに傷を付けられたかもしれません。
それで、本当に効果があって北朝鮮の手足を縛るほどの制裁、
特に資金源を枯渇させるような
広範囲で強力な制裁を追加してくれるといいですね。
② 中国の態度転換
国連で北朝鮮の核実験を非難し、
加盟国が北朝鮮への制裁をすると決意する安保理決議も、
決議が採択されたとしても
強制力もなく、制裁の度合いを評価できる基準がないため、
国ごとに自国の利害関係によって自意的に適用する限界がありました。
特に中国の場合、
制裁決議と関連して、
いつも北朝鮮向けの原油輸出量は「0」だと発表しますが、
実際かなりの量が北朝鮮に供給されていることは
周知の事実ですよね。
これは、国際社会同士の決議を形骸化することです。
専門家らは制裁が効果をあげるためには
中国の制裁措置の施行意志が肝心であると指摘し、
中国の参加なしで米国の一方的な努力では
成功の可能性が低いとのことです。
今回の核実験は
金正恩が去年12月15日に実施を命令したことが明らかになりました。
しかし、これは金正恩の「水爆発言」が報道されてから5日目で、
モランボン楽団が中国公演直前に撤収してからたった3日後であり、
今回の核実験は、中国を狙ったものだという分析もありました。
[【水爆実験を支持する金正恩の自筆書名】
また、中国も今回の実験を受け、
「事前に全く知らなかった」とし、
北朝鮮を強く非難することで
制裁を強化する国連の決議に賛成する考えも示唆しました。
NHKニュース
今回、中国に賛成だけじゃなくて実行までちゃんとやってもらえるなら
北朝鮮の核問題への国際社会の圧迫は
実効性を持つと思われます。
③ 人権問題での圧迫
経済制裁は、
核実験の費用を根本的に遮断する意味で重要ですが、
北朝鮮は、経済的に困難になると
北朝鮮住民を絞り出してなんとか資金を集めます。
なので、私は、まず北朝鮮住民の「人権保護」の方向で圧迫し、
金正恩政権が制裁からくぐり抜ける退路を遮断することが
先行されるべきだと考えます。
また、国連決議の内容通り、
金正恩を北朝鮮住民や海外国民への人権侵害の責任者として
国際刑事裁判所に付託し、断罪することは
いわば「最高尊厳」を傷つけることになるので、
金正恩の権威が底に落ち、
核実験中止だけじゃなく、
北朝鮮の根本に打撃を与えることができます。