北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

冬季五輪、「平壌」と「平昌」を間違えちゃ大変!

2016-01-26 18:12:44 | 北朝鮮の虚像

 

 

冬季五輪は「平壌」ではなく「平昌」、開催都市がアルファベット綴りを強調

AFP=時事 1月26日(火)17時19分配信

 

 

今日、こんな面白い記事がありました。

2018年の冬季オリンピックは、韓国の「平昌」で開催されますが、

この地域は、「ピョンチャン」と発音し、

アルファベットでは「Pyeongchang」と表記します。

 

しかし、近いところに「平壌・ピョンヤン・Pyongyang」があって

混同しやすいので

大文字を使って「PyeongChang」と書くことにしたらしいですね。

 

 

笑える措置かも知れませんが、

過去に訪問者が混同して北朝鮮にいってしまった事例があったらしいので

この話を聞いたら笑えません。

 

 2014年9月に平昌で開かれた生物多様性に関する国連の会議に招待されたケニアの半遊牧民マサイ(Maasai)の代表者は誤って空路、平壌に到着してしまい、怪しんだ北朝鮮の入国審査官に5時間にわたって尋問された。この代表者は500ドル(約6万円)の罰金を払った後、中国の北京(Beijing)へ送り返された。


 

この件は、国連会議の出席者だったため

ある程度国際的な権威もあり、

5時間で済んだかもしれませんが、

五輪を楽しむために韓国に向かったつもりの一般観光客

万が一間違えて平壌に入ってしまったら、

どうなるかは誰も保障できないと思います。

 

 

北朝鮮、観光に来た米国人大学生を逮捕

朝鮮日報日本語版 1月23日(土)9時18分配信

 

 

北朝鮮は、

宣教活動や観光で北朝鮮に入国した外国人に

無理やり罪を着せて何ヶ月も何年間も「抑留」し、

絶妙なタイミングに恩着せがましく解放させるといった

人質外交」を繰り返しています。

 

先日の発表も

水爆で国際社会の攻勢が強まると

11日に続き22日も抑留米国人の存在を知らせ、

アメリカを脅かしているわけです。

実に卑怯だと思います。

 

 

こういった背景を踏まえると

ピョンチャン・オリンピック開催側の懸念も

十分理解できますね。

 

 

 


北朝鮮からのエクソダス

2016-01-21 17:34:39 | 北朝鮮の虚像

「北朝鮮からのエクソダス」という本がありますね。

オーストラリアの学者が書いた

「在日朝鮮人帰国事業」に関する本ですが、

今日、この本の話を取り出した理由は

実はこの本の内容よりも「エクソダス」という言葉でこの本のことを取り出しただけです。

 

 

エクソダス。

大量の国外脱出のことをさす言葉です。

 

私は、近いうちに、北朝鮮からのエクソダスが起こると思っています。

 

実際に、北朝鮮から逃げて韓国に定着する脱北者は年々と増えていました。

金正恩政権に入ってからは

国境地域での取締りが厳しくなったため、

最近は多少減少傾向を見せていますが、

内からの改革なしで懲らしめるだけじゃ、

いつか爆発するように、まさに「エクソダス」がやってくるでしょう。

 

今の北朝鮮のことを考えれば、

長引く経済難、人権侵害、恐怖政治、核開発への没頭…などによって

国際社会の圧力→北朝鮮の完全孤立と続き、

北朝鮮の困難は解決の糸口を見出せず、

住民たちの不満、不安は高まるだけでしょうから

可能性はかなり高いと私は見ています。

 

面白いのは、一般住民だけじゃなくて

高級官僚などの権力者の中でも

北朝鮮体制への不信感と、

特に「自分もいつ粛清されるか分からない」という不安が膨らんでいるということです。

 

実際、金正恩の親戚などいわゆる「ロイヤルファミリー」が脱北したケースもあるのです。

 

この事実が北朝鮮住民に広がれば

北朝鮮体制は根こそぎ揺らぐに決まっているので、

金正恩はこれを必至に隠そうとしています。

北朝鮮に残った家族らに対して無慈悲な待遇をして

恐怖心をあおること以外に彼にできることはありません。

 

 

ロイヤルファミリーの脱北に関する面白い記事があったので、

前に翻訳を頼んでおきました。

しかし、先に触れたい事件が多く、これまで後回しされていましたが、

水爆実験まで敢行している現在、

北朝鮮の孤立は深まる一方で、

これ以上北朝鮮には希望がないと気づく、

つまり、自分たちが住民たちの膏血をすすり享受してきた利己的な栄光も

これ以上続けられなくなることが分かってきた

ロイヤルファミリーがたくさんあると思います。

いつか、北朝鮮を捨てて脱出するでしょう。

 

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【中央日報】イ・ヨンジョン記者の平壌オディッセー

金正恩の叔母高英淑、米国でクリーニング屋…「平壌のロイヤルファミリー」はなぜ北朝鮮を離れるか

 


先週、ソウル中央地裁に少し変わった訴訟が起こされました。米国に住む中年夫婦が、安燦一(アン・チャンイル)博士をはじめとする脱北者3人に名誉を傷つけられたとして、6千万ウォンの損害賠償を求めました。関心を集めたのは原告であるこの夫婦が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔母・高英淑(コ・ヨンスク)氏とその夫のイ・ガン氏というでんです。
高氏夫婦は告訴状で「金正日(キム・ジョンイル)の秘密資金で我々が賭博や整形手術をしたという虚偽の発言をした」と主張しています。安博士ら被告側は(平壌のロイヤルファミリーとして贅沢な暮らしをしていた高氏が金正恩独裁に対する批判を封じようとしている」と怒りをあらわにしています。
今回の訴訟をきっかけに脱北・亡命をするか、海外で隠遁・滞在している金正恩の家族および親戚も注目されています。高英淑氏は金正恩第1書記の実母、高英姫(コ・ヨンヒ、2004年に乳がんで死亡)の妹です。金ジョンウンのスイス留学時代、面倒を見ていたとされる高英淑氏は、1998年に夫イ・ガン氏と米国へ亡命しました。「金正日政権の秘密をあまりにも知っているので怖い」という理由でした。
米国は要人の脱北者を受け入れた後、中央情報局(CIA)の徹底的な尋問を通じて高級情報を引き出します。情報当局の関係者によれば、こういった尋問は対北朝鮮の偵察衛星や傍受で収集できない金正日・金正恩の性向や内部事情に焦点が当てられるいそうです。北朝鮮からの報復や身元の露出を防止するため追跡が難しい「承認保護プログラム(Witness Protection Program)も稼働します。顔が識別出来ないようにするため整形手術をするケースも珍しくないようです。韓国の情報機関やメディアが彼らを追跡しにくいのもそのためです。
しかし、高英淑氏の場合、今回の訴訟を起こすことで保護膜を自ら投げ捨てる格好となりました。夫のイ氏が訴訟代理人の康容碩(カン・ヨンソク)弁護士に会うためにソウルを訪れたことで、イ氏夫婦の情報が韓国の情報当局はもちろん西側メディアにも流れてしまいました。北朝鮮関連の消息筋は「高英淑氏は現在、米国のコリアタウンでクリーニング屋を運営している」と話しました。ちなみに、北朝鮮の張承吉(チャン・スンギル)元駐エジプト対しも中東諸国向けのミサイル輸出に対する極秘情報を持って97年に亡命し、元功勲俳優の妻チェ氏と米国でスーパーマーケットを運営しています。やはり韓国系住民向けでなければ事業を営むのは非常に難しいようです。
金正恩も苦しい立場に置かれています。今回の訴訟により、北朝鮮に対する批判発言をしていた論客の行動に歯止めがかけられることには喜んでいるでしょうが、脱北・亡命でドロドロになった一族のヒストリーが明らかになってしまったからです。
実は、金正恩政権発足後、脱北者に対する取り締まりが強化されると、北朝鮮住民の間では「白頭(ペクトゥ)血統(金正恩の実系)も脱北しているじゃないか」という不満の声が上がったようです。高氏夫婦のほかにも、いわゆる「平壌のロイヤルファミリー」が国際社会を騒がせた亡命事件を起こしたことを指した話です。金正日の第1婦人であるソン・ヘリム(2002年死亡)氏の場合、姉のヘラン氏と娘のナモク氏風風がフランスへ、息子のイルナム氏(脱北後イ・ハンヨンに改名)は韓国へ亡命しました。金正恩の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏も後継者争いから脱落してからマカオなどに滞在し、2013年以降は隠遁生活をしています。金正日の異母弟・金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ北朝鮮対しも1988年に平壌を離れた後、西側諸国の対しとして転々としています。
今月12日は金正恩が叔母の夫・張成沢(チャン・ソンテク)を粛清して2年目となる日です。4月に玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長も刑場の露となり、先月は金正恩の最側近である崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記も追放されました。まもなく5年目を迎える金正恩体制ですが、平壌のロイヤルファミリーに注目が集まっているのはこうした状況も影響しているようです。

 

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それにしても、

北朝鮮のロイヤルファミリーたちは、

北朝鮮が「やばい」と感じたとき、難なく北朝鮮を出ることができますが、

一般住民たちは

命をかけないと脱出することができないというのが

私は悲しいだけです。

 

 

 


米国の対イラン制裁、解除と追加を同時に―「核はだめ」という明確な基準

2016-01-18 17:53:04 | 北朝鮮の虚像

欧米など6カ国とイランとの「核合意」に基づき、

16日、国際原子力機関(IAEA)が

イランに対する経済制裁の解除を発表する直前、

米国はイランと収監者の相互交換をすることにし、

両国間の関係改善への意志の表れだと思われました。

しかし、米国人収監者がイランを去るや否や

米国財務省は、弾道ミサイルの開発に関与したイランの団体および人物に対して

新たな制裁を発表しました。

 

対イラン制裁解除発表=IAEA、核開発制限を確認

時事通信 1月17日(日)6時21分配信

 

米財務省、イランに新たな制裁 ミサイル開発に関与、11の個人・団体に

2016.1.18 01:11



あまりにも短時間で国際政治において大きな意味を持つ出来事が

連続で起きてしまったので

私は誤報なのかなと思うくらいでしたが、

詳細を分かったら「なるほど」でした。

 

米国はイランに対する制裁解除や収監者の相互交換で

イランとの関係改善を図ると同時に

弾道ミサイル実験など、国際社会の合意に抵触するイランの行為に関しては

断固たる立場を示す。

とてもシンプルクリアだと思いました。

 

イラン制裁の解除により

石油を代表とするイランの資源が世界市場に出るようになり、

イランの経済もよくなり、中東をめぐる覇権図も激動すると予想されています。

まだまだ「イランは核を諦めていない」と憂慮を消していない方もいますが、

私は孤立から脱し国際社会の一員になろうとするイランの変化は

北朝鮮にも大きな意味を示唆すると思い、正直うれしかったです。

 

もちろん、同じ核問題でも北朝鮮とイランが全く同じとは言えません。

しかし、核への確執と世界人類への威嚇だけでは

誰も助けの手を差し伸べてくれないということに気づいてほしいです。

 

このほど水爆実験を犯してまた世界をがっかりさせてしまった北朝鮮ですが、

大きな役名を担っている米国の方向性には変わりありません。

 

「対話はする」

「核は容認しない」

「核放棄を約束すれば、いつでも助けてあげる」

 

今日のニュースでは、

米国が北朝鮮の肩入りをしている中国に

北朝鮮向けの石油輸出禁止と北朝鮮の主力商品である無煙炭の輸入禁止を求めました。

これは、北朝鮮が核の脅威を続ける限り、

味方にも圧力をかけ、完全孤立させるという

強い意志が伺われます。

 

北朝鮮向け石油、米国が中国に禁輸要求 返答を保留か

朝日新聞デジタル 1月18日(月)5時34分配信

 

 

 

かつて、一緒に「悪の枢軸」と呼ばれていた国でしたが、

それぞれどんな結末を迎えるのかは、自らの選択でしょう。

 

<イラン制裁解除>14年ぶりに運命別れた「悪の枢軸」…再起に出るイラン、崖っぷちの北朝鮮

2016年01月18日10時42分 
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

 



ダボス会議招待取り消し、北朝鮮が抗議

2016-01-15 19:18:31 | 北朝鮮の虚像

 

昨日、

世界経済フォーラムが北朝鮮の招待をキャンセルしたことについて

記事を書かせていただきましたが、

その直後みたいですね、

北朝鮮がWEF側に抗議をしました。

 


ダボス会議招待取り消し、北朝鮮が抗議 「極めて不穏当な行為」

 

北朝鮮は、ダボス会議の出席で

世界有数の権力者たちと交流・交渉することで

支援金や投資などを約束してもらえると考え、

その目的でこの場に出席するつもりだったでしょう。

 

核実験で莫大な金額がかかってしまいましたし、

5月には第7回朝鮮労働党大会を開く予定だから

さらにお金が必要だからです。

 

おそらく、リ・スヨン外相の出席を実現させるために

根回しをしていた担当者は

今回の失敗の責任を問われ、

今、風前の灯のような気持ちでいるでしょう。

 

 

 

 


世界経済フォーラム(WEF)、北朝鮮外相への招待をキャンセル

2016-01-14 18:55:36 | 北朝鮮の虚像


【雑誌「THE NEW YORKER」のイラスト/ 金正恩を核ミサイルをおもちゃのようにして遊ぶBABYと描く】



世界経済フォーラム(WEF)が、

今月20日予定のダボス会議(年次総会)に

北朝鮮の外相「リ・スヨン」を招待していましたが、

先日、招待を取り消しました。



ウィキペディアによれば、


「世界経済フォーラムは、ビジネス、政治、アカデミアや、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界・地域・産業のアジェンダを形成し、世界情勢の改善に取り組む、独立した国際機関」


とあります。


特にスイスのダボスで開かれる「年次総会」は
かなり権威のある会議と知られていますね。


この年次総会に、北朝鮮の外相「リ・スヨン」が出席することになっていて
北朝鮮はかなり意気込んでいました。


外貨も、外交力も底をつき、
八方塞がりの状態でしたが、
こんな大きな国際的な舞台に出席するのは
北朝鮮への投資を促すチャンスになるからです。


北朝鮮外相がダボス会議に出席へ…1998年以来

デイリーNKジャパン / 2016年1月5日 9時52分


しかし、1月6日の水爆実験発表直後
WEF側は、リ・スヨンの招待をキャンセルしました。


ダボス会議、北朝鮮外相の招待を取り消す意向 核実験受け

ロイター / 2016年1月13日 20時59分

 


理由は、報道にもありますが、
WEFのホームページを見ればすぐ分かります。

WEFのホームページのトップには、


「世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、グローバル・シチズンシップの精神に則り、パブリック・プライベート両セクターの協力を通じて、世界情勢の改善に取り組む国際機関です。」


と紹介されています。


これに沿って考えれば、
北朝鮮はWEFの全ての趣旨に反する言動を繰り返しています。


「グローバル・シチズン」として
国際ルールを守り、対話で問題を解決しようとする努力が全くないし、
「世界情勢の改善」どころか
朝鮮半島を含め環太平洋・アジア地域の情勢を
さらに不安定にしています。


もちろん、北朝鮮は
米国と韓国がもたらす朝鮮半島の核戦争を防ぐために、
核による抑止力が必要なのだと、
米国と韓国のせいにしていますが、


世界の目は冷静で正確なのです。


世界の情勢を不安定にし、秩序を乱す北朝鮮は
これからも、このような国際舞台や交渉の場から排除され、
孤立が深まっていくでしょう。


韓国軍による拡声器放送に躍起になって
同じ拡声器放送をしたり、ピラを飛ばしたりしていますが、
いくらウソの宣伝をしても
常識のある「グローバル・シチズン」なら騙されない

世界の反応はこのようにつややかであるということを
実感してほしいです。

 




国連の「北朝鮮人権報告書」を翻訳し、出版したい―クラウドファンディング目標達成

2016-01-11 16:49:48 | 北朝鮮の虚像

 

「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会」(COI)が
2014年3月に最終報告書をまとめて提出しました。


この報告書には「外国からの拉致及び強制失踪」を含め、
北朝鮮による色々な「人権侵害」の実態が盛り込まれています。

 


先日、COI報告書の日本語版出版を応援する募金に参加しましたが、
脱北者を代表して「お祝い挨拶」を書かせていただくことになり、
その文章を募金サイトにも掲載してくださいましたね。
ありがとうございます。とても光栄です。



実は、COI報告書は、COIのウェブサイトにも公開されており、
日本の外務省は和訳版を提供していますが、
あくまで「仮訳」の形であり、
北朝鮮の事情に詳しい人が見れば、
誤解されるような翻訳があったそうです。

 


そこで、ある零細出版社が
COI報告書を正確に訳した日本語版を出版することに取り組んだそうです。


しかし、零細であるため、
翻訳は完成したものの
刊行には力が至らず困惑していたところ、
最近流行っている「クラウド・ファンディング」で
市民の力を借りて出版を実現しようとしたと。


ベンチャー企業らしい覇気アイデアがとてもすばらしく、
私もその話をお聞きし、
応援する気持ちで募金に参加させていただきました。

 


日本でも北朝鮮による拉致問題が重大な懸案となっていますね。

日本政府は、北朝鮮による拉致を「人権問題」として捉え、

国連など国際舞台でこの問題を取り上げて解決に向けて努力していますが、

北朝鮮と1:1で協議も並行してきました。


2014年「ストックホルム合意」で
北朝鮮による「拉致再調査」に合意し、
そのかわりに日本政府が独自で実施していた
北朝鮮に対する経済制裁を一部解除してあげましたね。


しかし、北朝鮮は公式報告書はまだ提出していませんし、
もはや北朝鮮は拉致被害者の安否情報に関して、
2002年の金正日・小泉談話の時に言ったことと
変わりはないとの結果を言い出しています。


実は、一昨年解除してあげた制裁措置も、
北朝鮮の核・ミサイル挑発に対しての措置でしたが、
今は、北朝鮮は水爆実験まで敢行し、
全ての約束を反故にしています。

 


私は、日本政府が拉致問題にこだわる理由が、
政治的なものでなく、
本当に拉致被害者の安全と人権を考えるからならば、
制裁解除など緩和政策をこれ以上続ける必要はないと思います。


今回の核実験や北朝鮮の人権問題に対して
強く非難する国際社会の方向性にあえて反する理由もありません。


むしろ、今回の核実験を契機に
有効性のなかった制裁緩和策から転じ、
今現在議論に上がっている独自制裁追加に踏み切った方がいいかと思います。

また、日本の中でこれまで拉致被害者問題の解決を念頭に、
北朝鮮政策に関して
国交正常化や制裁解除を支持してきた方々も
この報告書を読めば
なぜ北朝鮮に対して断固たる対応が必要なのか、
納得してくれると思います。

 


今回のファンディング・プロジェクトも
日本中の市民の声援の中、
目標金額を達成したということなので、
無事、出版まで成功することを願います。






北朝鮮核実験への対応:具体的な制裁圧迫・中国の決心・人権圧迫

2016-01-07 18:09:48 | 北朝鮮の虚像

 


北朝鮮が水爆実験に成功したと大々的に報道し、
国際社会は憤りを表明すると同時に
断固たる対応をするために結束をしています。


今現在、1月6日に行われた実験が
本当に水爆実験なのか本当に実験は成功したのかをめぐっては
意見が別れますが、
水爆としたら以前の原爆の10~1000倍に相当する威力があり、
水爆じゃないとしても
原爆の核分裂に水素を追加することで
その破壊力を増大させられるというので、
どれだけ危険なのか、想像するのも怖いものです。


日本の安倍首相も
日本の安全に対する重大な脅威」だと話しましたね。

 


北朝鮮が「水爆実験成功」を発表して
国連は直ちに緊急会合へ動き、対北朝鮮制裁措置を議論する予定です。
今回はこれまでの北核実験に関連する決議を
さらに拡大・強化した内容の決議が採択されると見込まれています。


しかし、
これまで、北朝鮮核・ミサイル実験に関する
国連の制裁決議だけで4つで、
日本をはじめとする各国で独自の制裁を施行しています。


これだけの制裁があるのに
これらをすべて違反・無視して4回目の核実験です。
これは、
さらなる制裁で圧迫することも大事だが
これだけでは北朝鮮をコントロールすることは無理だということを
意味していると思われます。


私が考えている北朝鮮対策は、簡単です。


① 資金源遮断を狙った金融制裁の強化 
② 中国の態度転換
③ 人権問題での圧迫

 

 


① 資金源遮断を狙った金融制裁の強化


全米北朝鮮委員会(NCNK)がまとめた
「対北朝鮮圧迫および関与政策関連の評価報告書」(2015年9月)によれば、
米国の専門家らは
対北朝鮮制裁が北朝鮮の核能力強化のための不法的な資金取得を防ぐような
抑制または低下効果には有用」と評価しています。


しかし、一角では
北朝鮮制裁が、北朝鮮を孤立させて圧迫するに有効な道具というより、
「北朝鮮への怒りを表現する低費用の手段」であり
制裁が政治界や有権者が好む政策道具としてより効果があるとの
声もあります。


北朝鮮問題に大きな憂慮を表明している米国だって、
ソニー社サイバーテロ以降出した
北朝鮮に対するアメリカの行政命令も
既に制裁を受けている人物・団体を対象としており、
制裁としての実効性がないということです。


偶然にも、
北朝鮮が核実験を強行する直前の1月4日に
ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたコラムは、
これまでの米国の対北朝鮮制裁が
いかに弱くて実効性のないものなのかを説明し、
実質的な圧迫になれる具体的な制裁が必要だと訴えています。

 


Beef Up Sanctions on North Korea

After Pyongyang hacked Sony Pictures, Obama promised a ‘proportional’ response. His failure to do so threatens U.S. freedom.

 

Jan. 4, 2016 12:20 p.m. ET

 


“行政部はヨーロッパや中国の銀行に数十億ドルを保有しているものと推定される
金正恩やその側近の資産はまだ凍結させておらず、
北朝鮮のハッカーたちがここ数年間サイバー攻撃を実行していると知られた
中国瀋陽のチルボサン・ホテル(北朝鮮所有)の資産すら
凍結させていない”

“米国務部は、北朝鮮をテロ支援国に指定しようとする
議会の要求も無視してきた。
北朝鮮が米国永住権者を拉致するなどの国際テロ行為を支援してきたという連邦裁判所の数々の判決を認めないで

北朝鮮が大量の武器をテロリストに流通させたり
海外の人権運動家や反体制人物暗殺のためにスパイを派遣した事実も
無視してきた”

“オバマ大統領は、北朝鮮が最も孤立していて最も多くの制裁を受けているとしているが
他国への制裁に比べるととても弱い方である。
米財務部はイラン制裁プログラムの一環として
1000件余りの団体の資産を凍結させたが、
北朝鮮に対してはわずか100件程度”

“現在のオバマ政府は金正恩のサイバーテロ、運動に反する犯罪、大量破壊兵器の拡散などの脅威に
怯んでいるが、
これは、4回目の核実験を準備しているかもしれない北朝鮮を
さらに大胆にするだけである”

 


実際にこの見解を証明しているかのように
北朝鮮は核実験を断行しました。
今回の件でアメリカは
かなりプライドに傷を付けられたかもしれません。
それで、本当に効果があって北朝鮮の手足を縛るほどの制裁、
特に資金源を枯渇させるような
広範囲で強力な制裁を追加してくれるといいですね。




② 中国の態度転換


国連で北朝鮮の核実験を非難し、
加盟国が北朝鮮への制裁をすると決意する安保理決議も、
決議が採択されたとしても
強制力もなく、制裁の度合いを評価できる基準がないため、
国ごとに自国の利害関係によって自意的に適用する限界がありました。

特に中国の場合、
制裁決議と関連して、
いつも北朝鮮向けの原油輸出量は「0」だと発表しますが、
実際かなりの量が北朝鮮に供給されていることは
周知の事実ですよね。
これは、国際社会同士の決議を形骸化することです。

専門家らは制裁が効果をあげるためには
中国の制裁措置の施行意志が肝心であると指摘し、
中国の参加なしで米国の一方的な努力では
成功の可能性が低いとのことです。


今回の核実験は
金正恩が去年12月15日に実施を命令したことが明らかになりました。
しかし、これは金正恩の「水爆発言」が報道されてから5日目で、
モランボン楽団が中国公演直前に撤収してからたった3日後であり、
今回の核実験は、中国を狙ったものだという分析もありました。



[【水爆実験を支持する金正恩の自筆書名】

 


また、中国も今回の実験を受け、
「事前に全く知らなかった」とし、
北朝鮮を強く非難することで
制裁を強化する国連の決議に賛成する考えも示唆しました。


中国報道官 北朝鮮を非難 「事前に知らなかった」

NHKニュース

 

 

今回、中国に賛成だけじゃなくて実行までちゃんとやってもらえるなら
北朝鮮の核問題への国際社会の圧迫は
実効性を持つと思われます。

 

 

 

③ 人権問題での圧迫


経済制裁は、
核実験の費用を根本的に遮断する意味で重要ですが、

北朝鮮は、経済的に困難になると
北朝鮮住民を絞り出してなんとか資金を集めます。
なので、私は、まず北朝鮮住民の「人権保護」の方向で圧迫し、
金正恩政権が制裁からくぐり抜ける退路を遮断することが
先行されるべきだと考えます。


また、国連決議の内容通り、
金正恩を北朝鮮住民や海外国民への人権侵害の責任者として
国際刑事裁判所に付託し、断罪することは
いわば「最高尊厳」を傷つけることになるので、
金正恩の権威が底に落ち、
核実験中止だけじゃなく、
北朝鮮の根本に打撃を与えることができます。

 

 


北朝鮮の運勢…「消滅」

2016-01-04 18:11:56 | 北朝鮮の虚像

 

 

新年が明け、各国首脳らが年頭演説をし、

新しい年に迎える意気込みや今後一年間の国政計画などを発表しています。

 

注目の北朝鮮も1月1日、新年の辞を発表しました。

私は「新年の辞」全文を読み、動画も探してみましたが、

個人的には、「実に無気力」という印象を受けました。

 

私は占い師ではありませんが、

敢えて北朝鮮の未来を予言(?)してみるとしたら

消滅」という言葉が真っ先に浮かびますね。

 

これまで私をはじめ、たくさんの脱北者や反北朝鮮運動家は、

北朝鮮独裁体制の一刻も早い「崩壊」を望んできましたが、

最近の北朝鮮の消息筋からの情報や

専門家たちの分析を踏まえて考えると

「自然消滅」が現実的に思えるのです。

 

すでに「自然消滅」もしくは「部分崩壊」の兆しは見えています。

 

① 金正恩の内部指導力の低下

  → 非合理的・暴力的な処分が蔓延している恐怖統治は、逆に指導力喪失の反動と言えます。

 

② 外交力の低下

  → 重なるルール違反で、国際社会での味方を失っています。最後の頼りだった中国とも最近ギクシャク。孤立が深まった北朝鮮を相手にしてくれるのは不法武器・麻薬の取り引きをする目的のイラン、シリア、イスラム系テロ組織、いわば「悪の枢軸」たちのみです。

 

③ 資本主義の浸透、拡散

  → 「チャンマダン」と呼ばれる北朝鮮住民の間で自然発生した市場。社会主義計画経済の象徴が「配給」だとしたら、北朝鮮で配給は1990年代にとっくに崩壊、今は資本主義の象徴である「市場」が住民たちの唯一の頼りなのです。

 

 

言うまでもなく、何より③番の資本主義の浸透が

社会主義体制の崩壊において一番肝心かつ核心的な要素でしょう。

 

社会主義体制の危機度を表す

ブレジンスキー危機指数」というものがありますが、

昔と比べ、今年の北朝鮮の危機度は大幅上昇ではないものの、

(27年前・8点/2016年・10.1点) 

「経済私有化の増大」項目が最も高い点数をもらったところは

色んなことを示唆すると思いました。

↑↑↑↑↑2016年北朝鮮のブレジンスキー危機指数↑↑↑↑↑

=======================

評価項目                 点数(3点満点)

=======================

社会主義の大衆的訴求力喪失       1.7

未来への悲観主義              1.4

生活水準の低下                1.1

共産党(朝鮮労働党)の士気低下     1.2

宗教活動の増大                0.3

民族主義と共産主義間の理念衝突     0.4

経済的私有化の増大             2.1

政治的反対の活性化             0.4

公開的な政治多元化要求          0.1

人権問題に対する後手の対応       1.3

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ブレジンスキー危機指数(合計)      10.1

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今年の金正恩の「新年の辞」について、

多くの専門家らは

毎年あった「核兵器」に何も触れなかったことや

「南北対話への意志表明」を一番特徴と指摘していますが、

その背景には核兵器より切迫な経済問題があり

経済問題の解決のためには核を放棄し、

敵である韓国でも手を差し伸ばしてもらわなきゃいけない事情があるからだと思います。

 

実際に新年の辞で

経済について語った内容が分量的にも1/3くらいを占めています。

内容は過去の経済分野であげた成果を誇示し、来年への前向きな展望を語っていますが、

これは既に失敗した計画経済体制の下で揺れている住民の気持ちをもう一度引き締めて、

対外的には経済重視路線を標榜し、援助を求める意図があるとの分析が大半です。

 

 

金正恩政権からも外部の援助がほしがるので

今後外からの資金が注入され、

現在の住民による市場や私有化がどんどん拡散していけば、

北朝鮮はそこから徐々に崩れ、

自然消滅するようになると思います。