北朝鮮を離れて自由へ ★イ・エラン★の自由ブログ

いわゆる「脱北者」のおばちゃんです。
北朝鮮の実態を世界の皆さんにもっと知っていただきたく
ネットに挑戦します。

北朝鮮工作員出身の脱北者の証言を参考に…

2017-02-16 17:21:37 | 北朝鮮の虚像

金正男の殺害事件を巡って、

どんな毒物が使われたか、

スプレータイプか、毒針か、

犯人は女、男か…

殺害当時の状況について色々な情報が混在しているが、

 

これらの情報は、

北朝鮮当局、すなわち金正恩の指示によるものかどうかを判明する根拠として

扱われるべきです。

単に人々の関心を引く刺激的なニュースとして消費されるだけではいけない。

 

現在のところ、北朝鮮の工作員出身の脱北者の証言などが

一番参考になると見られます。

彼らは、北朝鮮でどんな薬物の使い方を教育されて

どうな攻撃術を訓練されて、

どういうパターンで目標人物にアプローチして動くのかを練習するかを

知っているためです。

 

ほぼ確実と見られていますが、

北朝鮮当局の指示による、北朝鮮工作員の組織的な殺害犯罪と判明したら

国際社会は厳重に批難をすべきです。

 

これは、単純に北朝鮮国内の問題だと主張して済む問題ではありません。

偽造のパスポートなどを利用して他の国を出入りし、

空港という公共の場で凶悪な殺害事件を起こすというのは、

明らかにテロ行為であって、

今回の事件の大胆さを考えると、

北朝鮮指導部の指示さえあれば、世界の誰でもその標的になりうると思います。

 

これは、深刻な人権侵害犯罪でもありますが、

国際社会はさらに強度を上げて

北朝鮮を暫定的なテロ集団と想定し、

厳重に警告するとともに、

今後このようなテロ行為を防ぐために対策を取るべきです。

 

韓国のマスコミで北朝鮮工作員出身のインタビューなどが報じられて、

それを読んでると、今回の殺害は金正恩の指示と見て妥当らしいです。

色んなニュースの中で、女性工作員出身の脱北者の話があったので

ここに共有させていただきます。

 

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脱北した北朝鮮女工作員「毒針・スプレーは基本…ハイヒール暗殺技術・12人相手の戦いまで訓練

탈북한 북한 女공작원 "독침·스프레이는 기본…하이힐 암살 기술에 1대 12 싸움까지 훈련"

2017.02.15 Chosun.com

 

北朝鮮で要人暗殺・テロを担当する対南工作総括組織である偵察総局の南派工作員出身の金・ソンラン(仮名・女・46才)氏は、15日行われた本紙とのインタビューで「金正男暗殺事件はものすごく衝撃的だったが、このような暗殺指示を出す人は金正恩しかいない」と話した。

金氏は「今回の事件で北朝鮮に関する秘密をたくさん知っている高位級人物の命が危なくなった状況」と言う。金氏は2011年脱北して一時中国に身を避けた後、2013年末に韓国に入国、定着した。

金氏は南派工作員らが受ける厳しい訓練についても詳しく紹介した。彼女は特に「女性工作員は人を殺す時に重要な急所を把握する訓練を集中的に受ける。男は力で攻撃できるが女は瞬間的な打撃を狙わねきゃならないから」と説明した。

また「ハイヒールで足の甲の急所を踏みつける技術、針で刺す技術、箸を投げる、短刀を投げる、ハンドバッグや日傘で制圧する技術などを繰り返して訓練する。一人で12人を相手に戦う撃術を訓練する時に手と骨に負傷したこともある」と語った。

金氏は「出身成分も良くて才能がいいとして偵察総局要員に選ばれ、死ぬほど訓練に励んだが、結局このように使われた後に捨てられるということを知って脱北を決意した」と話す。

 

 

ーどうして南派工作員になったか。

呉克烈(オ・グクリョル)元国防位副委員長が労働党作戦部長だった時代、出身成分も良くて顔立ちも使えそうだし芸能的な才能があるとして偵察総局で私を選抜した。15才だった。選抜された時点には具体的にどんな部署に配置されるか全く知らなかったが、南派工作員を育成する特殊部隊に配置された。そこに一旦入ったら外部との連絡も全く途絶えて抜け出すこともできない。韓国の化粧品や洋服、靴などが訓練の時に支給される。韓国のものを使ってみないと南派作戦時にうまく使えるからだ。訓練の最中、私の身の上に関する情報が韓国に入ってしまって他の部署に移ることになった。

 

 

ー毒針またはスプレーで殺したという話が出ているが。

スプレーよりは毒針の可能性が大きいと思う。スプレーで一瞬麻痺させることはできるが「必ず殺せ」という命令には毒針がずっと効果的だ。毒針は隠密に攻撃することができるが、それに比べてスプレー方式は目立つ。男の人には女性がアプローチしやすいので女性二人を付けたのだと思われる。

 

 

ー人を殺すためのどんな技術を練習するか。

山の中に残されて一人で生存するための訓練は基本だ。目的地と座標だけ与えられて目的地に到達したらそこに隠されている食べ物を探して食べながら任務を完遂する訓練をする。特に女性工作員は、人を殺す時に重要な急所を把握する訓練を集中的に受ける。男は力で攻撃できるが女は瞬間的な打撃を狙わねきゃならないから。ハイヒールを吐いた場合足の甲の急所を踏みつける技術、針で刺す技術、箸を投げる、短刀を投げる、ハンドバッグや日傘で制圧する技術などを繰り返して訓練する。一人で12人を相手に戦う撃術を訓練する時に手と骨に負傷したこともある。逮捕を逃れて変装してその場を抜け出す訓練をするが、この訓練までマスターすれば、マレーシアやタイなど海外に配置される。海外に派遣されたら「○○企業の会長の娘を抱き込め」のような具体的に任務が課され、「卓上訓練(情報収集)」の時に学んだ技術を活用して情報を集めた後、第3国を通じて空港をパスする手続きになる。全てのステップにおいて細かい訓練を受ける。

 

 

―今回の事件をどう見ているか。

ものすごく衝撃的だったが、このような暗殺指示を出す人は金正恩しかいない。 私が自ら南派工作特殊訓練を受けたんだから色々な状況を踏まえるとそう感じる。

 

 

 ―女性工作員2人も死亡した可能性があるとの報道が日本のマスコミから出ているが。

絶対に死ぬと考えた。だから夜中にもずっとこの容疑者の死亡に関するニュースはないかチェックしていた。彼らがマレーシア警察に捕まって万が一全てを暴露する可能性を事前に消すだろうと思った。 

任務を遂行する間に逮捕される可能性も大きいので、捕まる前に自尽するよう洗脳される。体に毒薬を常に持ち歩いて、最後の弾丸は残して自尽する。当時は私もこれを誇らしく思っていた。祖国統一の聖戦で女性革命家としての自負心がものすごかった。しかし、咸鏡北道に派遣された時に惨めな現実に目が覚め、夫と子供みんなを置いて脱北した。

 

 

―韓国内の脱北者の安全も危うい状況なのか。

北朝鮮に関する秘密をたくさん知っている高位級人物の命は危なくなった状況を言える。しかし、3万に至る一般脱北者全ての安全が危険になったとは考えがたい。脱北者家族をみんな政治犯収容所に送ったわけでもないし、もうそれくらいのスペースもないだろう。住民全員が丸ごと脱北した村だってある。親族をいちいち探し出して収容所に送ることが不可能な状況だ。

 

 

―今は何をしているか。

統一教育院を終了し、統一教育の講師として活動している。

 

 

 

 

 


リアル「白頭血統」の金正男が殺害

2017-02-15 19:06:43 | 北朝鮮の虚像

既に日本中にも報道されたと思いますが、

昨日の夜、速報で金正日の長男である金正男氏が

マレーシアの空港で毒物によって殺害されたことが報道されました。

 

金正男は、金正恩がいきなり浮上するまで

金正日の長男として、後継者として有力視されていた人物。

性格も割りと自由で北朝鮮の指導者というポストが性に合わないところもあったし、

偽造のパスポートで日本への密入国を試みたことが発覚し結局追放されましたが、

 

海外を転々とする金正男を中国が保護しているだの、

北朝鮮政権に反する勢力が金正男を中心に海外亡命政府を立ち上げようとしているだの、

金正恩の気に障るようなうわさが絶えなかったので

金正恩にとっては政権トップになってからもずっと気になる存在だったはずです。

 

そんなわけで、これまで金正男の暗殺に関するうわさが多くて、

昨日のニュースを聞く時点では、私も本当かなーと思っていました。

でも、今日の韓国の情報機関の発表やマレーシアの警察の発表などを総合してみる限り

今回は本当のようです。

 

 

金正恩が執権を始めた5年前から

北朝鮮の工作員に「金正男暗殺」の指示を出していたということですが、

(本当に北朝鮮による暗殺なのかの判断は置いといて)

殺害のタイミングが妙に先日のミサイル試験発射と重なって

今北朝鮮が新聞の国際紙面を覆っている状態です。

 

(99.99%確実でしょうが、)金正恩が金正男の暗殺を命令したのだとすれば、

「なぜ」と、その背景が気になりますが

私は、北朝鮮の権力層の政治的な情勢なども重要だと思いますが、

独裁北朝鮮政権においては、金正恩の意中が一番大事なので

金正恩本人の心理を覗くことが一番意味があると思います。

 

大きくは2点を考えています。

 

①「白頭血統」コンプレックス

②失政によって弱まる住民の支持と強まる「住民の反感」への不安

 

 

北朝鮮は「白頭血統」へのこだわりが強く、

それが権力を正当化する要件になる封建的な体制です。

しかし、金正恩は在日コリアン出身の母のせいで

「富士山血統」と皮肉にされているし、

しかも母は金正日の本妻でもありません。

一方の金正男は金正日の長男で「白頭血統」とされているのです。

そこから生まれたコンプレックスで、

金正男は金正恩にとって目の敵。

しかも、金正男は海外で自由な生き方をしていて

「北朝鮮の3代世襲は望ましくないと思う」なんてことを公然と口にする。

 

このように自分の権威を脅かす第一の存在がまだ地球上に生きているのに、

愛民指導者をふりをしたり、自分を褒め立てたり、公開処刑などで脅迫したりしても

住民の心が自分に背を向けることが目に見える…

しかも、幹部たちも目の前ではペコペコするが、

自分について「若い指導者」と無視するかのように感じる…

ますます不安になるしかありません。

 

 

もう5年前に出した暗殺指令とはいえ、

時間が経つほどそのコンプレックスと住民の不満は深まる一方だったので、

金正恩の「金正男を除去しなきゃ」という意志はもっと強くなったと思います。

 

 

しかし、何回考えても「殺害」という凶悪なやり方しかなかったのかを考えると

批難されて当然です。

 

 

国内で、理不尽でも何らかの罪を着せて処刑することまでは

百歩譲って、許せないけどこれが人権蹂躙国の実態なのだと言うことができるが、

海外で毒物を利用して人を殺すことは

明らかに「テロ行為」です。

 

民主主義国家では、それぞれ投票方式に違いはあるといえ、

候補が公の場で自分のビジョンを示し、

国民に選ばれるためにお互い「競争」します。

自分の権力を維持するために相手を殺すことは絶対にありえない。

 

自分の欲のために毒殺という極端な人権侵害行為・テロ行為を犯した

金正恩を強く批難します。

 

 

今のところ金正恩は、金正男の死亡の報告を受けて

笑っているのかホッとしているのか分かりませんが、

金正恩の統治方式と北朝鮮の独裁体制が変わらない限り、

第2の金正男はまた現れます。

 

 

 

 


日米首脳会談の真っ最中にミサイル試験発射、ビジネスマンであるトランプのそろばんの答えは?

2017-02-14 20:08:17 | 北朝鮮の虚像

2月12日の朝、

北朝鮮は弾道ミサイルの試験発射を行いました。

いつも北朝鮮はミサイルを日本海に向けて打ち上げるので、

地理的に確実な脅威でありますが、

今回はそのタイミングに政治的な意味も強かったんですね。

 

ちょうど、日本の安倍総理が訪米し、

トランプ大統領と首脳会談を行っている真っ最中。

 

北朝鮮専門家らは、金正日の誕生記念日である

2月16日の光明星節を迎えて雰囲気を盛り上げる意味もあるが、

そのタイミングから、

安全保障問題でどんどん強固となる

アメリカと日本に警告するまたは両国の関心を引くことに

今回のミサイル発射の狙いがあると分析しています。

 

両国の首脳は揃って、

北朝鮮のミサイル試験発射を非難する意を表明しましたが、

国際社会は今回の発射に対してさらなる経済制裁など

具体的な対応措置を取る動きを見せています。

 

安保理も緊急会合を行って、

安保理決議に反するミサイル試験発射を強く糾弾し、

国連制裁決議2270号と2321号の遵守を求める声明を出し、

引き続き追加制裁も採択すると見込まれています。

 

新しく発足したトランプ政権が北朝鮮に対して

基本的には強固な政策を取ると見られていますが、

今回の発射試験を機にその方向性が明らかになりました。

トランプ大統領は

「確かに、北朝鮮は大きな、大きな脅威である」との認識を表して、

国務部も強硬対応するとし、

中では「先制打撃」の可能性を提起する人物もいます。

 

先制打撃って、北朝鮮の核脅威を事前になくすために

先制的に攻撃するということですね。

ひょっとしたら関連国の軍備競争になってしまって

北東アジアの情勢をさらに不安にしかねないんですが、

 

トランプがモデルにしているレーガン大統領の時を思い出すと、

レーガン大統領は旧ソ連対策として

軍備増強を取りました。

経済力の弱いソ連を軍備競争に巻き込んで、

結局アメリカの軍備水準に及ばず経済だけが破綻、

旧ソ連の崩壊を導きました。

 

一つ希望は、トランプ大統領は、

ビジネスマン出身で、経済論理に徹して判断する人間ということです。

軍備競争をしたところ、確実に北朝鮮という脅威を取り除けないと判断したら

無駄な軍備増強で域内緊張感だけ増す状況は作らないと信じたいです。

逆に言えば、レーガン時代みたいに勝算があると見たら

圧倒的な軍備競争力で北朝鮮の首を締めるでしょう。

 

また、期待したいところは、ビジネスマン気性を発揮して

経済論理で北朝鮮を圧迫するということです。

今、北朝鮮に一番痛いのは

資金源を枯渇させる色々な経済制裁ですが、

お金の論理、お金の力

望むことを得ようとするトランプ大統領のスタイルは

北朝鮮への強力な経済制裁の推進に追い風になるかもしれません。

 

 

この間、北朝鮮の核心勢力である国家保衛相が急きょ更迭となっり、

幹部の中で葛藤や暗闘が激化した結果ではないかと見られていますが、

夕方のニュースには、

金正恩の牽制勢力と見られる

金正日の長男、すなわち金正恩の義理の兄「金正男」が

海外を転々としている中マレーシアで殺害されたと報道されました。

金正男の殺害のニュースはこれまで何度かあったんですが、

こういううわさそのものが

金正恩政権の権力層が何らかの不安要因によって

分裂しているという証です。

 

 

好機かもしれません。

あともう少しの辛抱でこの理不尽なならず者の暴動が終わったら、

と思う今日の夜です。

 

 

 

 

 


75回目の金正日の誕生日を記念して、青年たちが真冬に行軍??

2017-02-07 16:38:45 | 北朝鮮の虚像

2月16日は、金正日の誕生記念日「光明星節」です。

今年は75回目、「整周日」ということで

かなり派手なイベントなどをたくさん用意して盛り上げようとする模様です。

もちろん、その分、住民への上納・労力など強制するのも増えて

住民たちの負担は大きくなります。

 

お金を強制募金したり、イベントの現場作業などへの労力動員などは

いつものものですが、

公開された色々なイベントの中で一番かわいそうで意味もないと思ったのが、

青少年・青年部隊による「行軍」でした。

 

「朝鮮中央通信」の報道によれば、

2月16日の光明星節を2週間前として

全国の青少年たちが「踏査行軍隊」を組織し、

金正日の生家と宣伝される両江道・三池淵郡への「行軍」を始めたということです。

 

「踏査」というのは、

もちろん金正日が生まれたという家を歴史的な名所として訪問するといった

金正日偶像化の一環だと思われますが、

 

「行軍」は、簡単に言って「徒歩」です。

軍人の場合、行軍に必要な食糧や道具、銃などいわば軍装を背負って歩くのです。

今回の行軍のコースなら1~2週間もかかりそうです。

しかし、両江道は朝鮮半島の北端にある地域で

真冬のこの時期の寒さは尋常ではありません。

 

私の家族が「成分不良」で強制追放されて暮らしたところが、まさに両江道。

私も山菜や松ヤニ、焚き物の採取課題をするために

両江道の山の中を歩き回ったことが多いのですが、

2月は数時間歩くだけで手足がすっかり冷え込んで

凍傷になったこともあります。

 

青少年たち以外にも青年同盟、青年軍人など色んなクラスで行軍隊が組織されて

合わせて1万人を超えるようですが、

なんで、こんなに多くの若者たちが

こんなに寒い中そこまで歩いていかねばならないのかという感じです。

労力の無駄遣いとしか思えません。

 

それに、正直、両江道・三池淵郡で金正日が生まれたというのもウソです。

 

以前「ハフィントンポスト日本版」の記事でも話しましたが、

金正日は両江道・三池淵郡で生まれたのではなく、

ロシアのハバロフスクで生まれました。

しかし、金日成が白頭山で抗日武装闘争をしたと宣伝されていたので、

金正日も白頭山系統を継いでいると主張するために、

白頭山のある山奥の家を「白頭山秘密野営地」とでっち上げて

そこで金正日が生まれたと宣伝するようになったわけです。

 

既に死んだ金正日を礼賛するために、

ウソの場所まで前途有望な若者たちが徒歩で歩いて行く…

世界一意味もなく、可哀想なことだと思いました。

 

 

ウソにウソを重ねて、金氏3代を偶像化しようとする北朝鮮政権にとっては、

光明星節は偶像化+各種搾取にいい名分になるでしょうが。。。

 

 

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「北、光明星節イベント派手に準備」

북, ‘광명성절’ 행사 요란하게 준비

2017-02-03 (RFA、自由アジア放送)

 

북한 김정일 국방위원장의 생일인 광명성절(2월16일)을 보름 앞두고 김 위원장의 생일을 기념하기 위해 전국청소년학생들의 백두산 밀영 고향집에로의 답사행군이 시작되었다고 조선중앙통신이 1일 보도했다.
▲北朝鮮の金正日国防委員長の誕生日である「光明星節(2月16日)」を2週前にして、金委員長の誕生日を記念するために全国の青少年学生が(金正日の出生地と主張される)白頭山秘密野営地へ踏査行軍を始めたと朝鮮中央通信が報じた(写真、聯合ニュース提供)

 

北朝鮮当局が金正日国防委員長の75回目の誕生日を記念する慶祝行事を派手に準備しているということです。白頭山と金正日の生家のある両江道(ヤンガンド)では、行事に必要な燃料の費用まで住民に押し付けていると消息筋たちは批難しました。

今年2月16日は、北朝鮮が「光明星節」と呼んでいる金正日誕生記念日が75回目となる日です。北朝鮮は今年の「光明星節」慶祝行事を金正日の故郷とされる両江道・三池淵(サムジヨン)郡で準備していると両江道現地の複数の消息筋が伝えてきました。

ある消息筋は「光明星節75回目の慶祝行事を徹底的に準備しろという中央の指示があって、両江道住民たちは既にあれこれ急かされている」「光明星節の行事を保障するため各世帯からお金と燃料を取れ立てている」と話しました。

また「金正日の誕生日行事が行われる両江道・三池淵郡に行くためには両江道・恵山市を必ず通る。今年は光明星節の「整周年」になる年で例年より行事を仰々しく用意していて住民の負担も増えた」とも語りました。

「光明星節」を迎えて平壌では「中央記念慶祝大会」が開催される予定で、10日間「金正日画展示会」も行われるなど、金正日の誕生日の2月16日の前に平壌市の複数の劇場では中央芸術家らによる総合公演も予定されていると消息筋は伝えました。

消息筋は「平壌市と、金正日が生まれたとされる両江道・三池淵郡の「白頭秘密野営地」生家では青年同盟踏査行軍隊の「忠誠決議の会」と花火イベントもある予定。三池淵郡の入り口になる「白頭館」の前で「こおり祭り」も開かれる」と説明しました。

これと関連し、両江道の別の消息筋は「2月5日頃に青年同盟‘白頭密営踏査行軍隊’が恵山市に到着する。彼らは恵山市で一泊して一週間の日程で歩いて三池淵郡に着く予定だ」と話しました。

青年同盟踏査行軍隊は一度に3千人規模で3回、年に1万人が動員され、これとまた別に青年軍人踏査行軍隊も3千人来る予定だが、寝食に関しては、現在冬休みで空いている恵山市の小学校に分けられて解決するとのことです。

消息筋は「2月1日から始まった「先進化展示会」に出す作品の費用として工場企業所の従業員たちは北朝鮮ウォンで6千ウォンずつ上納したし、踏査行軍隊の寝食時に必要な燃料確保の名目で各世帯に1万5千ウォンずつ強制的に負担させた」と当局の強制募金を批難しました。

 

 


副作用が相次ぐ金正恩の統治政策―恐怖統治・偶像化

2017-02-06 18:35:58 | 北朝鮮の虚像

先週、北朝鮮で脱北や住民の反体制活動を監視する

国家保衛省の長官の粛清疑惑が浮かび上がってきました。

 

今日までのニュースを総合したら、

地方で強度の革命化教育(思想教育)を受けていると見られますが、

専門家らは、保衛相みたいな重大な官僚を、

しかも、張成沢の処刑を主導した側近中の側近まで

容赦なく、いきなり粛清することは、

金正恩の権力はさらに強くなり独裁支配は強まるかもしれないが、

幹部の間に忠誠心競争とそれから招かれる暗闘、そして恐怖心を助長して

結局、体制不安定につながる副作用あると診断しています。

 

過激で極端な政策に突っ走っている金正恩ですが、

やはり、世の中の全て、やりすぎは副作用を生みます。

 

 

金正恩の焦りの表れなのか、

本人の偶像化も昨年末から一段とエスカレートした模様ですが、

これも過欲のせいで、自分の弱みをバラしてしまう愚を犯す可能性があるそうです。

 

先週、韓国版の「Daily NK」のニュースからです。

 

 

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Daily NK 韓国版 2017年2月2日付

 

「金正恩の偶像化過欲、‘統治正統性'への疑問増幅する悪手に」


専門家「白頭血統・人民愛強調、かえって金正恩偶像化に逆効果」

 

北朝鮮の金正恩が執権6年目に入って本格的に本人の偶像化作業に拍車をかけようとしているが、白頭血統やカリスマ、人民愛を強調する宣伝方式がかえって体制を揺さぶる駄目詰まり手になりうるという診断もある。自分の存在を先代と同等なレベルに引き上げると欲張ることがかえって統治正統性に対する疑問を増幅させる副作用を招きかねないということです。
実際、執権5年間、金正恩が矛盾だらけの偶像化を進めてきたという見方が多い。代表的に血統宣伝がある。金正恩は自分が金日成・金正日を受け継いだことを誇示するために白頭血統を持続的に強調してきており、今年8月の「2017白頭山賞賛大会」を機に白頭山に金氏3代の記念碑を建てる計画も発表している。
しかし、金正恩は、実母の高英姫(コ・ヨンヒ)の存在を在日コリアン出身だという理由で公式に讃えることも控えているし、若いという点が強調されるという懸念から本人の生年月日すら公開していない。金日成を連想させるイメージ政治で正統性を主張しようとするが、祖父の金日成と撮った写真一枚も公開したことがない。
金正恩の好戦的な統治スタイルも偶像化に「毒」になるとの見方が強い。若い歳に高齢の幹部のリードが困難だった金正恩は「恐怖政治」というカードを取り出して権力を固めようとしたが、これは結局、ただ生き残るための「過剰忠誠」を生むだけだった。権威を確保するために見せつけたカリスマが逆に首領偶像化の必須要素であるエリート層の運命共同体意識まで弱めてしまったのだ。
人民愛を掲げる偶像化宣伝も住民の目には「見掛け」にしか見えない。一例を挙げると、昨年9月、咸鏡北道で大規模な洪水が生じた当時、「労働新聞」は連日、人民愛宣伝に熱を上げて復旧作業を督励したが、金正恩本人は最後まで水害現場に現れなかった。また、北朝鮮住民たちの意識の変化も人民愛宣伝の効果を引き下げている。外部の情報と接したり、生計のために商売をしたりしている住民たちは、党と首領に対する期待をとっくに捨てた。

このように偶像化の名分が到底ない状況で、もっぱら金日成・金正恩式の偶像化の真似を続けるわけにはいかない。抗日パルチザン運動経歴を全面に押して強調した金日成と異なって金正恩にはこれと言った業績活動もなかった。また、20年間以上金日成のそばで政治基盤を固めてきた金正日に比べて金正恩は側近も存在を知らなかったほどベールに包まれた後継者だった。

これと関連し、統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員は、「北朝鮮の偶像化は絶対的な忠誠を引き出すために首領の思想的能力や指導力、政策的能力を強調しなければならないが、金正恩にはこういうのが足りない。金正恩を先代と同じレベルで万能な存在として絶対視するには、根本的な限界がある」と評価した。
オ研究委員は「金正日の場合、早くから宣伝扇動部と組織指導部を掌握すると同時に主体思想の正立に関与しようとしたし、これは金正日を思想理論の英才に作りたてる作業に活用された」とし、「しかし金正恩に思想的または政治的能力を期待するエリートや住民は多くない。白頭血統や人民愛なども窮余の策として考えだした偶像化方式である」
このような背景から、金正恩が急激な偶像化には踏み切れないという観測もある。北朝鮮体制の特性上、通常通りの忠誠督励事業は続けても民心離れを懸念して過激な偶像化はしないだろうとの見解が多い。一部では北朝鮮メディアにおける金正恩の肩書の変化や記録映画の放映、記念切手の発行などを根拠に偶像化が頂点をとると見ているが、これは北朝鮮で最高指導者と関連して行ってきた通常の宣伝レベルにすぎないという意見も少なくない。
ある北朝鮮専門家は「金正日も自分の顔を彫り込んだバッジを50歳の誕生日(1992年2月16日)に制作したが、それも幹部だけが付けるようにし、大衆向けの普及は2000年代に入って始めた。今30代半ばに入ったばかりの金正恩が高齢の幹部らをなおざりにして自分を祖父・父並みに神格化することは難しい」と指摘した。
チョン・ヒョンジュン東北亜平和協力研究院長も「金正恩が祖父や父が過去に行った様々な偶像化の表現・名称を自分の名前とくっつけて活用する可能性もあるし、自分の誕生日を祝日に指定する準備をする可能性もある」としながらも「ただ、これからこのような手順になるだろうという予想で、今年や近いうちに全部実行に移すことは無理」と見込んだ。
チョン院長は特に「金正恩が今年のはじめ、自責性の発言をしたことはこれまでの偶像化パターンから大いに外れている。北朝鮮研究者の感覚ではありえないこと」とし、「金正恩本人が思い通りに偶像化が着々と進まなかったから能力不足を云々したと見られる。首領として偶像化を完成するまではかなりの時間がかかると見ている」と予想した。

 

 

 


北、海外労働者の脱出可能性にも派遣拡大の動き

2017-02-02 19:05:03 | 北朝鮮の虚像

北朝鮮は外貨獲得の目的で、

労働者を海外に派遣し、彼らの賃金を徴収する方法を使います。

主に、中国やロシア、そして一時期はヨーロッパの一部の国が

北朝鮮労働者をたくさん雇っていました。

 

しかし、労働者への待遇や労働環境、労働時間、

あと、何より賃金のほとんどを北朝鮮当局に取られてしまうということと

取られた賃金は金正恩側近の豪華な生活か核・ミサイル開発に使われることが知られてから

国際社会は海外に派遣された北朝鮮労働者の人権問題を深刻に考えるようになり、

ヨーロッパを中心に北朝鮮労働者の雇用を規制しはじめました。

 

でも、中国は依然として「安い」という理由で

北朝鮮労働者を雇っているそうです。

 

労働者の派遣の唯一いいことというか、、、

ポジティブに考えられるところは、

北朝鮮で遮断と統制の中で外部の世界を知らないまま生きていた人が

海外に出て外部世界と接し、北朝鮮政権の不当性に気づくということでした。

そして、統制が緩んだ隙を狙って他の国に亡命、

つまり脱北に成功する可能性も高くなるということでした。

 

 

北朝鮮政権も、海外労働者の相次ぐ脱北が気になるのか

海外労働現場の統制を強化するなどの対策を練る模様でしたが、

脱北と忠誠心弱化の危険性が高いにもかかわらず、

北朝鮮当局は派遣を減らす、または止めることはしません。

 

それほど、外貨が必要ということでしょう。

以下は、韓国の「Daily NK」が報道した関連記事の和訳です。

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Daily NK 2017年1月31日 

「北、海外労働者の脱出可能性にも派遣拡大の動き」

消息筋「北当局、国際社会の人権指摘より金稼ぎに関心…離脱可能性に完全遮断図る」

 

 

昨年、海外に派遣された北朝鮮労働者らが自由を求めて脱出をしてきたが、北朝鮮当局はこれを気に留めないように今年中国に派遣する労働者を持続的に拡大しようとしていることが明らかになった。

中国の人件費の上昇と北朝鮮当局の外貨稼ぎへの欲求があいまって、中国に派遣される北朝鮮労働者の数は増加する一方で、北朝鮮当局は韓国政府をはじめとする国際社会の人権侵害に対する批難より、資金源が塞がる可能性に神経を尖らせている模様である。

 

中国の北朝鮮関連の消息筋は31日、デイリーNKとの電話で「今年も北朝鮮労働者が持続的に増え、吉林省・琿春(フンチュン)に4500人、開山屯(カイシャンドゥン)に100人余りが働いていると聞いた」「最近は中-朝境界地域の東北3省(遼寧・吉林・黒竜江)と山東(サンドゥン)や内陸地域にもたくさん派遣されている」と話した。

 

また「労働者がこんなに増えている理由は、北朝鮮当局と中国企業が公式に接触をした結果」とし「北朝鮮労働者が離脱する可能性より金稼ぎの可能性に大きな関心をおいている事情が読み取れる」と指摘した。

 

中国内の北朝鮮労働者が増加する要因として、まず中朝両側の経済利益が挙げられる。中国の立場では北朝鮮労働者を雇ったら人件費を節減できるし、北朝鮮の立場では容易に外貨を稼げるということだ。

 

これと関連し、中国は2000年代半ばまでは低賃金の強みを全面に押し出して海外企業の投資を積極的に誘致したが、2008年グローバル経済機器と中国企業の環境が悪化するに伴って、もう「低賃金の生産基地」でなくなった。

結局、このような中国の人件費の上昇は中朝境界地域の事業者にまで影響が及んだ。一例として琿春市は韓国・ロシア・日本・ブラジルなどから輸入した水産物を北朝鮮で加工して再搬入するなど、北朝鮮の安い労働力を活用して生産単価を下げるための努力をしている。

消息筋によれば「2007年、中国で保母(家政婦)の人件費が韓国ウォンで約20万ウォンだったが、今は34~51万ウォン程度」「北朝鮮労働者には約17万ウォンほど支払えば済むので中国業者の立場では当然嬉しい」ことだそうだ。

 

この消息筋は「北朝鮮当局は労働者の賃金の大部分を強制奪取できるから簡単に巨額の外貨を確保できるという面で派遣を拒む理由がないのだ」と指摘した。

また「北朝鮮労働者が実際にもらう賃金は3万4千韓国ウォンくらいだが、20万~25万韓国ウォンを北朝鮮当局が組織的に奪取したのだ」「それでも中国でもらう3万4千韓国ウォンの賃金は北朝鮮では24万ウォンと大金なので(統治資金としてとられるとしても)みんな中国に行きたがる」と説明した。

その中、北朝鮮当局は労働者統制を強化する施策も立てている。「一人二人くらい脱北しても構わないからできるだけ労働者をたくさん派遣しろ」とまで指示を出しているが、相次ぐ労働者離脱によって民心が離れる可能性を懸念する模様である。

 

消息筋は「中国では工業団地の周りに大きく塀を巡らすことが多い。そうしたら千人または2千人が同じ場所で生活できる環境になるのだ。北朝鮮はこんな形で団地を作れば労働者の離脱監視と外部との接触遮断が容易になると考えたのだろう」と話している。

なお「北朝鮮側が情報の流入および外部との接触を完全に遮断するための動きを続けている。いわば「資本主義の黄色風」が労働者に浸透しないよう完璧な「収容施設化」を図っているようだ」と指摘した。