金正男の殺害事件を巡って、
どんな毒物が使われたか、
スプレータイプか、毒針か、
犯人は女、男か…
殺害当時の状況について色々な情報が混在しているが、
これらの情報は、
北朝鮮当局、すなわち金正恩の指示によるものかどうかを判明する根拠として
扱われるべきです。
単に人々の関心を引く刺激的なニュースとして消費されるだけではいけない。
現在のところ、北朝鮮の工作員出身の脱北者の証言などが
一番参考になると見られます。
彼らは、北朝鮮でどんな薬物の使い方を教育されて
どうな攻撃術を訓練されて、
どういうパターンで目標人物にアプローチして動くのかを練習するかを
知っているためです。
ほぼ確実と見られていますが、
北朝鮮当局の指示による、北朝鮮工作員の組織的な殺害犯罪と判明したら、
国際社会は厳重に批難をすべきです。
これは、単純に北朝鮮国内の問題だと主張して済む問題ではありません。
偽造のパスポートなどを利用して他の国を出入りし、
空港という公共の場で凶悪な殺害事件を起こすというのは、
明らかにテロ行為であって、
今回の事件の大胆さを考えると、
北朝鮮指導部の指示さえあれば、世界の誰でもその標的になりうると思います。
これは、深刻な人権侵害犯罪でもありますが、
国際社会はさらに強度を上げて
北朝鮮を暫定的なテロ集団と想定し、
厳重に警告するとともに、
今後このようなテロ行為を防ぐために対策を取るべきです。
韓国のマスコミで北朝鮮工作員出身のインタビューなどが報じられて、
それを読んでると、今回の殺害は金正恩の指示と見て妥当らしいです。
色んなニュースの中で、女性工作員出身の脱北者の話があったので
ここに共有させていただきます。
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脱北した北朝鮮女工作員「毒針・スプレーは基本…ハイヒール暗殺技術・12人相手の戦いまで訓練
탈북한 북한 女공작원 "독침·스프레이는 기본…하이힐 암살 기술에 1대 12 싸움까지 훈련"
2017.02.15 Chosun.com
北朝鮮で要人暗殺・テロを担当する対南工作総括組織である偵察総局の南派工作員出身の金・ソンラン(仮名・女・46才)氏は、15日行われた本紙とのインタビューで「金正男暗殺事件はものすごく衝撃的だったが、このような暗殺指示を出す人は金正恩しかいない」と話した。
金氏は「今回の事件で北朝鮮に関する秘密をたくさん知っている高位級人物の命が危なくなった状況」と言う。金氏は2011年脱北して一時中国に身を避けた後、2013年末に韓国に入国、定着した。
金氏は南派工作員らが受ける厳しい訓練についても詳しく紹介した。彼女は特に「女性工作員は人を殺す時に重要な急所を把握する訓練を集中的に受ける。男は力で攻撃できるが女は瞬間的な打撃を狙わねきゃならないから」と説明した。
また「ハイヒールで足の甲の急所を踏みつける技術、針で刺す技術、箸を投げる、短刀を投げる、ハンドバッグや日傘で制圧する技術などを繰り返して訓練する。一人で12人を相手に戦う撃術を訓練する時に手と骨に負傷したこともある」と語った。
金氏は「出身成分も良くて才能がいいとして偵察総局要員に選ばれ、死ぬほど訓練に励んだが、結局このように使われた後に捨てられるということを知って脱北を決意した」と話す。
ーどうして南派工作員になったか。
呉克烈(オ・グクリョル)元国防位副委員長が労働党作戦部長だった時代、出身成分も良くて顔立ちも使えそうだし芸能的な才能があるとして偵察総局で私を選抜した。15才だった。選抜された時点には具体的にどんな部署に配置されるか全く知らなかったが、南派工作員を育成する特殊部隊に配置された。そこに一旦入ったら外部との連絡も全く途絶えて抜け出すこともできない。韓国の化粧品や洋服、靴などが訓練の時に支給される。韓国のものを使ってみないと南派作戦時にうまく使えるからだ。訓練の最中、私の身の上に関する情報が韓国に入ってしまって他の部署に移ることになった。
ー毒針またはスプレーで殺したという話が出ているが。
スプレーよりは毒針の可能性が大きいと思う。スプレーで一瞬麻痺させることはできるが「必ず殺せ」という命令には毒針がずっと効果的だ。毒針は隠密に攻撃することができるが、それに比べてスプレー方式は目立つ。男の人には女性がアプローチしやすいので女性二人を付けたのだと思われる。
ー人を殺すためのどんな技術を練習するか。
山の中に残されて一人で生存するための訓練は基本だ。目的地と座標だけ与えられて目的地に到達したらそこに隠されている食べ物を探して食べながら任務を完遂する訓練をする。特に女性工作員は、人を殺す時に重要な急所を把握する訓練を集中的に受ける。男は力で攻撃できるが女は瞬間的な打撃を狙わねきゃならないから。ハイヒールを吐いた場合足の甲の急所を踏みつける技術、針で刺す技術、箸を投げる、短刀を投げる、ハンドバッグや日傘で制圧する技術などを繰り返して訓練する。一人で12人を相手に戦う撃術を訓練する時に手と骨に負傷したこともある。逮捕を逃れて変装してその場を抜け出す訓練をするが、この訓練までマスターすれば、マレーシアやタイなど海外に配置される。海外に派遣されたら「○○企業の会長の娘を抱き込め」のような具体的に任務が課され、「卓上訓練(情報収集)」の時に学んだ技術を活用して情報を集めた後、第3国を通じて空港をパスする手続きになる。全てのステップにおいて細かい訓練を受ける。
―今回の事件をどう見ているか。
ものすごく衝撃的だったが、このような暗殺指示を出す人は金正恩しかいない。 私が自ら南派工作特殊訓練を受けたんだから色々な状況を踏まえるとそう感じる。
―女性工作員2人も死亡した可能性があるとの報道が日本のマスコミから出ているが。
絶対に死ぬと考えた。だから夜中にもずっとこの容疑者の死亡に関するニュースはないかチェックしていた。彼らがマレーシア警察に捕まって万が一全てを暴露する可能性を事前に消すだろうと思った。
任務を遂行する間に逮捕される可能性も大きいので、捕まる前に自尽するよう洗脳される。体に毒薬を常に持ち歩いて、最後の弾丸は残して自尽する。当時は私もこれを誇らしく思っていた。祖国統一の聖戦で女性革命家としての自負心がものすごかった。しかし、咸鏡北道に派遣された時に惨めな現実に目が覚め、夫と子供みんなを置いて脱北した。
―韓国内の脱北者の安全も危うい状況なのか。
北朝鮮に関する秘密をたくさん知っている高位級人物の命は危なくなった状況を言える。しかし、3万に至る一般脱北者全ての安全が危険になったとは考えがたい。脱北者家族をみんな政治犯収容所に送ったわけでもないし、もうそれくらいのスペースもないだろう。住民全員が丸ごと脱北した村だってある。親族をいちいち探し出して収容所に送ることが不可能な状況だ。
―今は何をしているか。
統一教育院を終了し、統一教育の講師として活動している。