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チラシの裏

岐阜の古本屋

2006年08月30日 | others
仕事で岐阜に行ったおりに市内の古本屋へ。ここはいかにも古本屋らしい品揃えでいいですね。民俗学や歴史、宗教関係の本がそろっていて、掘り出しものがありそうな期待感を感じます。と言いつつ、買ったのは「評伝山中峯太郎 夢いまだ成らず」(尾崎秀樹著)、「昆虫図」「地底獣国」(久生十蘭著)の文庫3冊。どれも最後のページに張ってある値札に「切」と書いてありました。版元品切という意味ですが、文庫までしっかりチェックしてるんですね。こういう店だとなにか買おうという気になります。

「評伝山中~」は中公文庫ですが見逃していましたね。山中峯太郎は本郷義昭という旧日本軍の情報将校(つまりスパイというかジェームズ・ボンドみたいなヒト)を主役にした冒険「軍事」小説で大人気だった人ですが、その人をゾルゲ事件で死刑になった兄を持つ尾崎秀樹が描いているところに妙味があります。読んでみないとなんとも言えませんが。

久生十蘭の文庫はご存知、教養文庫ですが、倒産絶版のわりにはひじょうにリーズナブルな値段でした。かつて「魔都」を最初の数十ページで投げた人間には、いまさら買っても読む気になるかどうか。そういや「魔都」はNHKでテレビ紙芝居で放送されたことがありました。講釈師は故坂本九。人形劇「八犬伝」の人気が高かったので、その勢いでテレビ化(?)したのでしょうか。そのわりには「魔都」というセレクションはどうかと。当時中学生でしたが、しっかり観ました。ほんとに「佐武と市」みたいな紙芝居でした。絵は花輪和一だったそうです。

この古本屋では本をクラフト紙に包んでいましたが、高校生のころ隣の町の古本屋で本を買ったときは、おじいさんの店主が本を新聞紙に包んでいるのを見てびっくり。さつまいもじゃないんだよ…。そのとき買った本は小栗虫太郎「紅殻駱駝の秘密」(桃源社)。宝石の意外な隠し場所と、世紀の薀蓄探偵法水麟太郎が恋をするという、これまた意外な展開が、高校生を呆然とさせました。
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