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モリアーティ秘録

2019年01月03日 | 雑日
ホームズの陰刻画としての冷酷非情なモリアーティを想像していたのですが、
たしかに才能やキャラクターはホームズのダブルではあるものの、いい人なんですね、教授。
相棒のモラン大佐も口(文章)は悪いけれどわりといい人。
それは、登場する人物が全部悪人か悪女なので、相対的にいい人を演じることになる、からかも。
オハナシの方はしっかりホームズものの陰刻画になっている。
上巻は「緋色の研究」「ボヘミアの醜聞」「バスカヴィル家の犬」をネタにして
登場人物やプロットをネガフィルムで投影させてみた感じです。
中でも「赤い惑星連盟」(赤毛連盟のモジリ)では、
なんと「宇宙戦争」「水晶の卵」をネタにしたコメディに仕上げて、
最後にはアロナックス教授まで出す大盤振る舞い。
アラン・ムーアとの親和性も垣間見えます。
著者は映画評論家でもあるので、映画のモジリかもしれないかとも思えるのですが、
研究家のご意見を読みたいものです。
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