おまけの人生・・・

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あなたに逢えてよかった ( 新堂 冬樹 著 ) 角川書店発行

2006-12-19 23:44:08 | 本など々
 『私の頭の中の消しゴム』と言う映画がありましたが、今回読んだ『あなたに逢えてよかった』はその逆バージョンみたいなお話でした。

衝撃のラスト12ページにあなたは号泣せずにいられるだろうか?と帯に書いてありましたが、ラストどころか途中からずっとウルウルし通しでした。

『消しゴム』は若年性アルツハイマーを題材にしたお話でしたが、これはMCI(Mild Cognitive Impairment)と言って記憶障害や認知症のお話。
アルツハイマーの初期段階と言う説もあるらしいけど、アルツハイマーの場合は脳がだんだん萎縮していき最終的には死に至る病気だが、記憶障害や認知症の場合は死に至る病気ではない。

記憶障害になる男性はMCIの患者さんのリハビリに携わる作業療法士をやっているので、その病気に対する知識は十分に兼ね備えているため自分がその病気になったときに人一倍病気に対する恐怖心も大きくなり苦悩する。

恋人は彼の病気を知りどうしたら彼のためになるかまた苦悩する。
いつの日か、記憶の中から自分が消え去ってしまう恐怖心とともに・・・

『明日の記憶』も若年性アルツハイマーを取り上げた作品だった。
もっとも、これの場合は若年性と言ってももう中年になってからの話だったが・・・

最近はこう言う題材を取り扱った作品が多くなったように感じられる。

「たとえ今の記憶が無くなったとしても、僕は何度生まれ変ってもきっとあなたに恋をする」と言った彼
物語の中のセリフとは言え、好きな人にこんなことを言われたら嬉しいだろうね♪

そして彼女は、自分が彼の記憶の中から消えてしまったことを分かっていながらラストに彼に対して言おうとする言葉がこの本のタイトルでもある「あなたに逢えてよかった」
記憶から消えていようがいまいがこう言う言葉を言えるなんて、こう言うことを言える相手がいるなんて素敵だな~と思った。