先日、上田にいったとき、上田市立博物館でみた『蚕卵紙』
幕末および家茂くんファンなら、よーくおなじみのアレでございます
『蚕紙(さんし):蚕の卵である蚕種が産み付けられた紙を指す。蚕種紙(さんしゅし)・蚕卵紙(さんらんし)ともいう』(byウィキさん)
前にも書きましたが、上田藩は藩主・松平忠固の殖産興業政策の一環として養蚕がさかんでした。
そのため、こうした貴重な史料が数多く残っているんですねぇ
(あー、また行きたい。また、蚕卵紙見たい )
で、これと家茂くんの関係はといいますと、19世紀半ばころより、絹糸紡績・絹織物業がさかんなフランスで、蚕がつぎつぎに死ぬ奇病が大流行しました。
これはのちに、パスツール先生などにより「微粒子病」という伝染病であることがわかったのですが、有効な手立てがいっこうに見つからぬまま、フランスのお蚕さまはほぼ全滅の危機に瀕したのです。
そして、それを耳にしたわれらが(?)家茂くんは、フランスに1万数千枚の蚕卵紙を送り、フランスの養蚕業壊滅の危機を救ったのですっ(ジーン)
というわけで、真田レッド一色に染まる上田の街で、ゴマはひたすら忠固さまと家茂くんに思いをはせていたのでございます
それはそうと、お蚕さま……知ってるようであまり知らないな~と思い、ちょちょいと検索してみたところ、
お蚕さまって、けっこう悲しい虫だったことが判明しました
それでは、お蚕さまの一生
(幼虫時代。ひたすら食って大きくなる)
(繭つくってます)
(繭の中はこんな感じ)
(羽化=蚕蛾:カイコガ。モフモフ昆虫として案外人気があるらしい)
(産卵。約500個くらいうむ)
グツグツ煮られる繭
お蚕さまポイント
①野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物。
(餌がなくなっても逃げ出さない。人間による管理なしでは生育できない)
②外の桑にとまらせても、すぐに捕食されるor地面に落ち全滅
③幼虫は腹脚の力が弱く、樹木に自力でつかまり続けることができない。
(風が吹くと即落下)
④羽はあるが飛べない
⑤成体になってもエサを食べたり水をのんだりしないまま、交尾だけやって1~2日で死亡
「おまえら、それでいいのかーっ」
「生存本能はないのかーーっ」
と、修造のように叫びたくなるくらい消極的な生き物、それがお蚕さまなのでした