(2003/クリント・イーストウッド監督/ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン)
アメリカ北東部の町。3人の少年が路上でホッケーをして遊んでいる。ジミー、ショーン、デイヴ。リーダー格のジミーが、まだ乾ききっていない舗装コンクリートに落書きをし、後の二人も続く。と、通りかかった私服刑事が3人を叱り、デイヴを家まで送ると言って車に乗せる。車の中にはもう一人男がいて、実は男達は警官ではなく、デイヴはこの男達に誘拐監禁され、4日後に自力で逃げ出す。町は事件が解決して騒がしかったが、家に帰ったデイヴはジミーやショーンと会おうとしなかった。
ここまでが昔のエピソードで、次は25年後。
まずは、デイブと小学生の息子とのシーン。野球帰りの様子。会話の中でデイブが高校まで野球をしていたことが分かる。そして、やはり父親となったジミーと彼の19歳の娘とのシーンになる。
ジミーと娘ケイティは仲のよい親子だが、娘には父親が嫌っているボーイフレンドがいて、その夜はボーイフレンドと会った後、女友達と遊ぶ予定になっていた。しかし、次の日になっても娘は帰らない。心配しつつも、その日は下の娘の聖体祭があるので、ジミーは二人目の妻(ケイティの母親は病死していた)と教会へ出かける。
さて、大人になったデイヴは子供の時と同じく体の大きな男で、(後で分かるが)ジミーの奥さんの従姉妹と結婚している。前夜遅く、ケイティが女友達と入ってきた酒場にデイヴもいて、店のテレビで野球を友人と観ていた。ケイティ達はジュークボックスの音楽を流して踊ったりしていたので、デイヴはうるさく感じた。
深夜3時頃に家に帰り着いたデイヴは、全身血だらけで自身も傷ついていた。妻には、言いがかりをつけてきた酔っぱらいとケンカになり、殴り殺したかも知れないなどと言う。翌朝、新聞を見ていたデイヴの妻は事件が載っていないことを不思議に思う。
ジミーが聖体祭に行っている頃、ケイティの他殺体が森で発見される。担当するのが、州警察の刑事となったショーンだ。
前科も逮捕歴もあるジミー。ケイティが殺された夜に血だらけで帰ってきて、その事を妻以外には話そうとしないデイヴ。ショーンとは別に悪仲間に犯人探しをさせるジミーの前に、デイヴへの疑惑が強まってくるのだが・・・。
2003年度アカデミー賞でショーン・ペンが主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を獲った作品。作品賞や監督賞は「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」に獲られた。イーストウッド作品には初監督の「恐怖のメロディ」からずっと同じような印象がある。面白いんだが、特別面白くはない。画面構成やショットのつなぎも上手いんだが、緩急の振幅の巾が狭いというか、そんな感じ。そして、この映画を見終わった後の後味の悪さはなんだろう。
<ついてない人間は何処までもついてない>ということなんか、喜劇映画(死語ですな)やシリアスな文芸作品ならいざ知らず、こういうミステリー映画では聞きたくもないですな。カタルシスがないじゃん。
脚本は「L.A.コンフィデンシャル」でオスカーを獲ったブライアン・ヘルゲランド。原作はともかく、ラストはあれでいいんでしょうか。「L.A・・・」は原作よりスカッとしたのにねえ。
公開時コピーは『もうひとつの「スタンド・バイ・ミー」を見るために、あなたは大人になった。』ですが、ケヴィン・ベーコンが重なって「スリーパーズ(1996)」を思い出してしまいました。
イーストウッドは監督以外に製作と音楽も手がけています。
端役で懐かしいイーライ・ウォーラック(「荒野の七人」etc)、ペンの奥さん役に「トゥルーマン・ショー」のローラ・リニーが出ていました。
アメリカ北東部の町。3人の少年が路上でホッケーをして遊んでいる。ジミー、ショーン、デイヴ。リーダー格のジミーが、まだ乾ききっていない舗装コンクリートに落書きをし、後の二人も続く。と、通りかかった私服刑事が3人を叱り、デイヴを家まで送ると言って車に乗せる。車の中にはもう一人男がいて、実は男達は警官ではなく、デイヴはこの男達に誘拐監禁され、4日後に自力で逃げ出す。町は事件が解決して騒がしかったが、家に帰ったデイヴはジミーやショーンと会おうとしなかった。
ここまでが昔のエピソードで、次は25年後。
まずは、デイブと小学生の息子とのシーン。野球帰りの様子。会話の中でデイブが高校まで野球をしていたことが分かる。そして、やはり父親となったジミーと彼の19歳の娘とのシーンになる。
ジミーと娘ケイティは仲のよい親子だが、娘には父親が嫌っているボーイフレンドがいて、その夜はボーイフレンドと会った後、女友達と遊ぶ予定になっていた。しかし、次の日になっても娘は帰らない。心配しつつも、その日は下の娘の聖体祭があるので、ジミーは二人目の妻(ケイティの母親は病死していた)と教会へ出かける。
さて、大人になったデイヴは子供の時と同じく体の大きな男で、(後で分かるが)ジミーの奥さんの従姉妹と結婚している。前夜遅く、ケイティが女友達と入ってきた酒場にデイヴもいて、店のテレビで野球を友人と観ていた。ケイティ達はジュークボックスの音楽を流して踊ったりしていたので、デイヴはうるさく感じた。
深夜3時頃に家に帰り着いたデイヴは、全身血だらけで自身も傷ついていた。妻には、言いがかりをつけてきた酔っぱらいとケンカになり、殴り殺したかも知れないなどと言う。翌朝、新聞を見ていたデイヴの妻は事件が載っていないことを不思議に思う。
ジミーが聖体祭に行っている頃、ケイティの他殺体が森で発見される。担当するのが、州警察の刑事となったショーンだ。
前科も逮捕歴もあるジミー。ケイティが殺された夜に血だらけで帰ってきて、その事を妻以外には話そうとしないデイヴ。ショーンとは別に悪仲間に犯人探しをさせるジミーの前に、デイヴへの疑惑が強まってくるのだが・・・。
2003年度アカデミー賞でショーン・ペンが主演男優賞を、ティム・ロビンスが助演男優賞を獲った作品。作品賞や監督賞は「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」に獲られた。イーストウッド作品には初監督の「恐怖のメロディ」からずっと同じような印象がある。面白いんだが、特別面白くはない。画面構成やショットのつなぎも上手いんだが、緩急の振幅の巾が狭いというか、そんな感じ。そして、この映画を見終わった後の後味の悪さはなんだろう。
<ついてない人間は何処までもついてない>ということなんか、喜劇映画(死語ですな)やシリアスな文芸作品ならいざ知らず、こういうミステリー映画では聞きたくもないですな。カタルシスがないじゃん。
脚本は「L.A.コンフィデンシャル」でオスカーを獲ったブライアン・ヘルゲランド。原作はともかく、ラストはあれでいいんでしょうか。「L.A・・・」は原作よりスカッとしたのにねえ。
公開時コピーは『もうひとつの「スタンド・バイ・ミー」を見るために、あなたは大人になった。』ですが、ケヴィン・ベーコンが重なって「スリーパーズ(1996)」を思い出してしまいました。
イーストウッドは監督以外に製作と音楽も手がけています。
端役で懐かしいイーライ・ウォーラック(「荒野の七人」etc)、ペンの奥さん役に「トゥルーマン・ショー」のローラ・リニーが出ていました。
・お薦め度【★★★=一度は見ましょう】
解説どうもです(^^)
なるほど!と思いました。自分勝手で正義を振りかざすところは正にアメリカそのものという感じですね。
納得です。
私も『スリーパーズ』を思い出しました。
なんとも暗い世の中というか、嫌な出来事でしたね。
かなりモヤモヤを引きずった映画でした。
ところで、“ミリオンダラー”観られたようで、羨ましい。私は来年あたりにレンタルかなあ。
、総スカンを食らってしまいそうな位、彼のファンばかり。本作もそうでしたが「ミリオンダラー~」のパンフ胸に抱きしめて“あの救われない暗い内容”を熱く語るのです。(笑)
暗くて重い映画で癒される人もこの世には多いんでしょうねえ、(笑)
近々「恐怖のメロディ」のレヴューUPします。
いえね、E・ガーナーの「ミスティ」絡みで印象深い作品なのです、ただ、それだけです・・(笑)
いつかは観るつもりでいたのですが、<あの救われない暗い内容>に、ますます触手が縮まりそうです。
「恐怖のメロディ」お待ちしてます。
私も世評で言うほど感服しなかった口です。展開が勿体ぶっていると言うか、思わせぶりと言うか。絵は良いですが、絵だけで映画は出来るわけではありませんしね。
「ミリオンダラー・ベイビー」は構成にうるさい私としては文句を言わねばならない。しかし、作品から受けるトータルの感銘はこちらのほうが深い気がします。一番好きなイーストウッド作品は「バード」です。
12月の寒い朝にこっそりと観た映画で、身も心も寒々しくなりました(笑)。
>作品から受けるトータルの感銘はこちらのほうが深い気がします。
「ミリオン・・・」やっぱり観てみようかな。
「バード」も救いのない映画だったような・・・。
しかも、C・パーカーはうるさくてあんまり好きじゃないんですよ。