1970年、ロバート・マリガン監督作、「おもいでの夏【Summer of '42】」。
約2年前、この映画について書きましたが、それは30年以上前に映画館で見たのを思い出しながらのもので、その後ツタヤでDVDを見つけまして、今夏ようやく数十年ぶりに再見しました。
改めて見ると、やはり記憶だけで書いた文章には色々と間違いもありますな。その辺の修正を兼ねつつ、今回は徒然に・・・。
勿論、未見の方には“ネタバレ注意”です。
<数十年後の彼がこの地を訪れて、当時を思い出すという形式で始まったと思う。>
中年になったハーミーの後ろ姿が出てきたように思ってましたが、そんなシーンはありませなんだ。どうやら、小説の方を勝手に映像化していたようです。(笑)
思い出を語っているというスタイルは間違ってなく、紗をかけたようなスチール写真のオープニング・タイトルが終わった後、大人のハーミーのナレーションが始まります。
<二人の友達がいて、一人はジャイアンのように体が大きい少年で、確か名前はオジー。>
映画ではオスキーと呼ばれてました。多分、小説の方がオジーだったような。もう一人の友達、ベンジーは間違ってなかったですけど。
三人組を彼らは自ら「テリブル・トリオ」と呼んでいて、いつも三人で浜辺なんかをウロウロしている。
女性に関して、てんでお子ちゃま的発言しかしないベンジーをオスキーは心配するが、ベンジーは自分は何でも知っていると言う。『だって、本で見たもん。』
ベンジーの家に、性交についての手順を写真入りで解説した医学書があって、オスキーとハーミーはベンジーに持ち出させる。中盤の浜辺のデートの前には、もう一度持ち出させて、ハーミーの部屋でオスキーが重要部分を書き写す。
そういえばこの青春映画、彼ら少年たちの家族については、台詞の中で紹介するだけで出演シーンはありませんでしたな。ハーミーの母親だけは一瞬、声が聞こえますが。
<『AもBもすんだ。C(?)、D(?)・・・もうどこだかわから~ん!』>
解説書ではSEXを12段階に分けていて、第6ポイントは「前偽」。浜辺でのデート中のオスキーの途中報告が『俺は第6ポイントなんだが、ミリアム(彼女)はもう第9ポイントなんだ。』でした。
自前のゴムが破れてしまったオスキーがハーミーに新品をもらいに来、その後再び、今度はフラフラになりながらやって来たオスキーに『12ポイントまでいったのか?』とハーミーが聞く。オスキー曰く、『12ポイント? もっと奥があるのさ。13ポイント、14・・・15・・・』
少女達との最初の出逢いは映画館。オスキーが三人組の女の子に声をかけ、ベンジーは恐れをなして帰ってしまう。女の子の方も太めのグロリアが気を利かして帰っていき、オスキーはミリアムと、ハーミーはアギーとカップルになる。原作通り、映画館の中でハーミーがアギーの腕をおっぱいと間違えて、11分もさすってしまうというエピソードがありました。
<船から降りてくる美しいドロシーを見たハーミーは、・・・>
これも間違いでした。船絡みのエピソードは出征する夫を見送る時で、これはハーミーがドロシーを2回目に見かけるシーンです。
最初の出会いは映画の冒頭で、三人組が若夫婦の様子を砂浜から覗き見するシーン。海辺の高台の家の前で夫は薪割をしていて、やって来たドロシーを抱きかかえて家の中に入っていく。オスキー曰く、「これからベッドへ行くんだぞ。」
3回目は、三人組がビーチをぶらついている所へドロシーが水着で日光浴に来るシーン。オスキーにけしかけられたハーミーが、横になっている眩しすぎるドロシーに近付くも、オスキー達が卑猥な言葉をかけたためにハーミーは逃げ出し、あとでオスキーと殴り合いのケンカをする。
4回目は、初めて会話をかわすシーン。母親に言われて新聞と雑誌を買いに出かけたハーミーが、買い物袋を抱えきれなくなって困っているドロシーを見かけ、「手伝いましょうか」。なんか、お約束のシチュエーションだけど、少年がドキドキしただろう事はよ~く分かります。
5回目は、例の映画館でオスキーやアギーと並んでいるところに、映画を見終わったドロシーが声をかけるシーン。『家で手伝って欲しいことがあるんだけど、木曜日の10時に来れるかしら?』
6回目は、そのドロシー宅の訪問シーンで、用事は不要な荷物を屋根裏に片付けるという仕事。家での彼女は肌の露出が多いスタイルで、お駄賃を受け取らないハーミーに、それではと額にキスをする。“さわやか美しい系”のジェニファー・オニールでなかったら、スケベな若妻に見えなくもないエピソードでしたな。
因みに、デートで上映中の映画は、ベティ・デイヴィス主演の「情熱の航路(1942)」(=未見)でした。
7回目は、砂浜のデートでオスキーとミリアムの衝撃シーンを目の当たりにしたハーミーが、次の日の朝、浜辺を散歩していて家の前で手紙を書いているドロシーを見つけるシーン。
ドロシーは戦地の旦那さん宛てに手紙を書いていて、ハーミーは『今夜、この近くに来る用事があるんだけど、家にお邪魔してもいいですか?』と尋ねる。夜に人妻の家に行くって何の目的?っとか思うけど、とにかくそんな事でした。小説を読めば、どんな訳だったか書いてあるでしょうが、忘れてます。
この時、ハーミーは初めて彼女の名前が「ドロシー」であることを知る。『僕が飼っていた猫も“ドロシー”でした。車に轢かれて死んじゃったけど。』
そしてその夜が、映画のハイライト、ハーミー童貞喪失の夜となります。
愛する夫の突然の訃報に涙にくれる人妻と、ご近所の彼女を慕う少年。
ハーミーの手前、気丈にも平静をとり繕うドロシーだったが、彼のお悔やみの言葉に、つい甘えてしまう。同じ背格好の彼の腰に手を廻し、肩に顔を埋める。かかっていたレコードの曲に合わせて、どちらからともなくゆっくりと踊りだす。ドロシーの悲しみがハーミーにも伝わり、同じように涙する。やがて、ドロシーはハーミーの唇にキスをし、誘うように手を取って寝室へ。そして、促すようにハーミーの上着を取る・・・。
この間映画は15分程、二人の殆ど無言の演技が続きます。
ドロシーが先にベッドを出、後から神妙な面もちのハーミーが居間に入ってくる。やはり無言。ポーチで煙草の煙を燻らせる彼女の横を、ハーミーは波の音だけが響く浜辺へ帰って行く。『Good night』、『Good night,Hermie』。
憂いに満ちたジェニファー・オニールの涙顔が印象に残ります。
「ハーミーへ。わたしは実家に帰ります。
わかって下さい。せめてもの置き手紙です。
昨夜のことは弁解しません。時がたてばあなたにも分かるでしょう。
わたしは、あなたを思い出にとどめ、あなたが苦しまないことを望んでいます。
幸せになって下さい。ただ、それだけを祈っています。
さようなら。ドロシー。」
この記事のタイトルは、最後のナレーションでハーミーが語った言葉です。
初めて名前を知ったその日に最も親密になったのに、次の日には永遠と思われるような別れが待っていた。ドロシーの家を遠く眺めるハーミーの後ろ姿に、喪失感の深さを感じました。
そして、人生の残酷さ、人間の不可解さをも知った、ハーミー少年の最後の夏でした。
約2年前、この映画について書きましたが、それは30年以上前に映画館で見たのを思い出しながらのもので、その後ツタヤでDVDを見つけまして、今夏ようやく数十年ぶりに再見しました。
改めて見ると、やはり記憶だけで書いた文章には色々と間違いもありますな。その辺の修正を兼ねつつ、今回は徒然に・・・。
勿論、未見の方には“ネタバレ注意”です。
<数十年後の彼がこの地を訪れて、当時を思い出すという形式で始まったと思う。>
中年になったハーミーの後ろ姿が出てきたように思ってましたが、そんなシーンはありませなんだ。どうやら、小説の方を勝手に映像化していたようです。(笑)
思い出を語っているというスタイルは間違ってなく、紗をかけたようなスチール写真のオープニング・タイトルが終わった後、大人のハーミーのナレーションが始まります。
<二人の友達がいて、一人はジャイアンのように体が大きい少年で、確か名前はオジー。>
映画ではオスキーと呼ばれてました。多分、小説の方がオジーだったような。もう一人の友達、ベンジーは間違ってなかったですけど。
三人組を彼らは自ら「テリブル・トリオ」と呼んでいて、いつも三人で浜辺なんかをウロウロしている。
女性に関して、てんでお子ちゃま的発言しかしないベンジーをオスキーは心配するが、ベンジーは自分は何でも知っていると言う。『だって、本で見たもん。』
ベンジーの家に、性交についての手順を写真入りで解説した医学書があって、オスキーとハーミーはベンジーに持ち出させる。中盤の浜辺のデートの前には、もう一度持ち出させて、ハーミーの部屋でオスキーが重要部分を書き写す。
そういえばこの青春映画、彼ら少年たちの家族については、台詞の中で紹介するだけで出演シーンはありませんでしたな。ハーミーの母親だけは一瞬、声が聞こえますが。
<『AもBもすんだ。C(?)、D(?)・・・もうどこだかわから~ん!』>
解説書ではSEXを12段階に分けていて、第6ポイントは「前偽」。浜辺でのデート中のオスキーの途中報告が『俺は第6ポイントなんだが、ミリアム(彼女)はもう第9ポイントなんだ。』でした。
自前のゴムが破れてしまったオスキーがハーミーに新品をもらいに来、その後再び、今度はフラフラになりながらやって来たオスキーに『12ポイントまでいったのか?』とハーミーが聞く。オスキー曰く、『12ポイント? もっと奥があるのさ。13ポイント、14・・・15・・・』
少女達との最初の出逢いは映画館。オスキーが三人組の女の子に声をかけ、ベンジーは恐れをなして帰ってしまう。女の子の方も太めのグロリアが気を利かして帰っていき、オスキーはミリアムと、ハーミーはアギーとカップルになる。原作通り、映画館の中でハーミーがアギーの腕をおっぱいと間違えて、11分もさすってしまうというエピソードがありました。
<船から降りてくる美しいドロシーを見たハーミーは、・・・>
これも間違いでした。船絡みのエピソードは出征する夫を見送る時で、これはハーミーがドロシーを2回目に見かけるシーンです。
最初の出会いは映画の冒頭で、三人組が若夫婦の様子を砂浜から覗き見するシーン。海辺の高台の家の前で夫は薪割をしていて、やって来たドロシーを抱きかかえて家の中に入っていく。オスキー曰く、「これからベッドへ行くんだぞ。」
3回目は、三人組がビーチをぶらついている所へドロシーが水着で日光浴に来るシーン。オスキーにけしかけられたハーミーが、横になっている眩しすぎるドロシーに近付くも、オスキー達が卑猥な言葉をかけたためにハーミーは逃げ出し、あとでオスキーと殴り合いのケンカをする。
4回目は、初めて会話をかわすシーン。母親に言われて新聞と雑誌を買いに出かけたハーミーが、買い物袋を抱えきれなくなって困っているドロシーを見かけ、「手伝いましょうか」。なんか、お約束のシチュエーションだけど、少年がドキドキしただろう事はよ~く分かります。
5回目は、例の映画館でオスキーやアギーと並んでいるところに、映画を見終わったドロシーが声をかけるシーン。『家で手伝って欲しいことがあるんだけど、木曜日の10時に来れるかしら?』
6回目は、そのドロシー宅の訪問シーンで、用事は不要な荷物を屋根裏に片付けるという仕事。家での彼女は肌の露出が多いスタイルで、お駄賃を受け取らないハーミーに、それではと額にキスをする。“さわやか美しい系”のジェニファー・オニールでなかったら、スケベな若妻に見えなくもないエピソードでしたな。
因みに、デートで上映中の映画は、ベティ・デイヴィス主演の「情熱の航路(1942)」(=未見)でした。
7回目は、砂浜のデートでオスキーとミリアムの衝撃シーンを目の当たりにしたハーミーが、次の日の朝、浜辺を散歩していて家の前で手紙を書いているドロシーを見つけるシーン。
ドロシーは戦地の旦那さん宛てに手紙を書いていて、ハーミーは『今夜、この近くに来る用事があるんだけど、家にお邪魔してもいいですか?』と尋ねる。夜に人妻の家に行くって何の目的?っとか思うけど、とにかくそんな事でした。小説を読めば、どんな訳だったか書いてあるでしょうが、忘れてます。
この時、ハーミーは初めて彼女の名前が「ドロシー」であることを知る。『僕が飼っていた猫も“ドロシー”でした。車に轢かれて死んじゃったけど。』
そしてその夜が、映画のハイライト、ハーミー童貞喪失の夜となります。
愛する夫の突然の訃報に涙にくれる人妻と、ご近所の彼女を慕う少年。
ハーミーの手前、気丈にも平静をとり繕うドロシーだったが、彼のお悔やみの言葉に、つい甘えてしまう。同じ背格好の彼の腰に手を廻し、肩に顔を埋める。かかっていたレコードの曲に合わせて、どちらからともなくゆっくりと踊りだす。ドロシーの悲しみがハーミーにも伝わり、同じように涙する。やがて、ドロシーはハーミーの唇にキスをし、誘うように手を取って寝室へ。そして、促すようにハーミーの上着を取る・・・。
この間映画は15分程、二人の殆ど無言の演技が続きます。
ドロシーが先にベッドを出、後から神妙な面もちのハーミーが居間に入ってくる。やはり無言。ポーチで煙草の煙を燻らせる彼女の横を、ハーミーは波の音だけが響く浜辺へ帰って行く。『Good night』、『Good night,Hermie』。
憂いに満ちたジェニファー・オニールの涙顔が印象に残ります。
「ハーミーへ。わたしは実家に帰ります。
わかって下さい。せめてもの置き手紙です。
昨夜のことは弁解しません。時がたてばあなたにも分かるでしょう。
わたしは、あなたを思い出にとどめ、あなたが苦しまないことを望んでいます。
幸せになって下さい。ただ、それだけを祈っています。
さようなら。ドロシー。」
この記事のタイトルは、最後のナレーションでハーミーが語った言葉です。
初めて名前を知ったその日に最も親密になったのに、次の日には永遠と思われるような別れが待っていた。ドロシーの家を遠く眺めるハーミーの後ろ姿に、喪失感の深さを感じました。
そして、人生の残酷さ、人間の不可解さをも知った、ハーミー少年の最後の夏でした。
私がチュウボウ(中学生)のころ、大人でキレイだな~とうっとりしていた女優さんは、みな60代。
あ~~も~いやいや。
次は私だ、自分の番だ。
は!と正気に戻って・・
ジェニファーは元祖「きれいなお姉さんは好きですか?」女優ですね。
そういえば元祖「隣の女の子」ジャクリーン・ビセットももう60代、うひ~~やだやだ~~
とぐるぐるまわる頭の中・・でした
サイトURL→(http://www.jenniferoneill.com/home.html)
なんというタイミングでしょうか、ジャクリーンは、今日見た「アメリカの夜」の特典映像でオバサン後のインタビューが見れました。さて、あれはお幾つのジャッキーだったんでしょうね?
>次は私だ、自分の番だ。
日本女性は還暦後、20年以上生き抜きますから~
死ぬまで元気でいきたいねぇ
シーモアを混同しちゃうのね。(--)^^
「ダーク・ウォーター」に出てたのは~、え~とジェニファー・・・
コネリーかぁ~(笑)
そう、そう、ジェニファー・コネリーはずっとショーン・コネリーの娘さんだと
思い込んでいた時期もあるし~~(恥!)
J・オニールは「リーインカーネーション」という作品も観た気が・・・。
今年の春に劇場で観た「イノセント」のオニールはキレイでしたわ!
(で~~も、ラウラ・アントネッリはもっとキレイ&妖艶でございました!
とにかく「おもいでの夏」、本作はあの流麗なテーマ音楽のおかげなしでは、
いままで存在していない気もしますが・・・。^^;
007ボンドと結婚した唯一の女性、でしたっけ?
うん、似てますね。
>ジェニファー・コネリーはずっとショーン・コネリーの娘さんだと思い込んでいた時期もあるし~
へへへ、同じく、(恥!)
「イノセント」はレンタルで見かけないし、殆ど諦めていましたが、リバイバルもあるんですね。じゃぁ、TV放送もあるのかな? 期待して待ちましょう。
人妻に童貞を奪われた、もうソレだけで充分です。その女性が、ジェニファーですから、もうソレだけで・・・