はなナ

二度目の冬眠から覚めました。投稿も復活します。
日本画、水墨画、本、散歩、旅行など自分用の乱文備忘録です。

●たまに食べたくなるもの。

2022-12-29 | 日記

たまに食べたくなるもの。

 
いなかの郷土料理、というほど大そうなものでもないのだけど、
大根のお漬物でつかりすぎてしょっぱくなったのを、水につけて塩気を適度に抜き、油で炒めて出汁とかお醤油とかで煮たたものがある。
形容しがたい微妙なクセが出ていて、おいしい。
料理名があるのか、名もない料理なのか、「あの大根の漬物の炊いたの」で通じてきた、あれ。
 
私はうちの祖母が作るのより、一軒おいたお隣の家のが好きだった。
母は料理上手だけれど、遠くから嫁いできたので、それはあまり作らない。
 
幼稚園に入る前から、私はあまり祖母に懐かない子だったので、母親も仕事に出た昼間は、親戚でもあるその家によく遊びに行っていた。
ひいおばあちゃんとおばあちゃんとおじいちゃんがいて、お茶受けみたいに、一緒にその漬物の炊いたのをつまんでいた。
 
それからその家にお嫁さんがきてからは、幼稚園に行くようになったこともあり、あまりひとりで遊びに行くことはなくなった。私が小学校のときにひいおばあちゃんが亡くなって、東京に出てから、おじいちゃんとおばあちゃんがそれぞれ亡くなったと聞いた。
 
それでもそのお嫁さんがその味を受け継いでいて、お裾分けしてくれたのが、ちょうど帰省したときにあったりする。やっぱりうちのよりコクがあっておいしい。父も「昔からここのはうまいな」と言ってた。
 
今年は、そのお嫁さんが短い闘病のあと亡くなった。70代の初めだった。
仲の良かった母も、寂しそうにしている。「いっつもうちの縁側でお茶飲んで、こたつで豆の皮むいて、眠とうなったねえとか言うて昼寝して帰ったりしてたのにねえ。」と。
昔そこの家に遊びに行ってた私の逆バージョンみたいになってたのか。。
 
そのまた次の代のお嫁さんが同居しているけど、大根の炊いたのの味は受け継いだだろうか?
私は一度しか会ったことがないのだけど、今度母からそれとなく、お礼とともにチラッと話題に出してみてもらおう。