はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
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奇想三国志 英華伝 設定集 胡済(偉度)

2024年04月14日 10時01分55秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集
胡済に関しては、今後の展開の軽微なネタバレがあります。
作品を前知識なく楽しみたいという方は、大変申し訳ありませんが、引き返していただくことを推奨いたします……

※ 名・来歴・年齢 ※
胡済(偉度)
荊州の義陽《ぎよう》出身
物語の来歴については「奇想三国志 英華伝 臥龍的陣」を参照いただきたい。
かれはオリジナルキャラクターではなく、「蜀書 董和《とうわ》伝」に出てくる「孔明が自ら、気が合った人物として名を挙げた四人のうちのひとり(ほかは崔州平、徐庶、董和)」である。
劉琦の学友で、劉表の一族と関係が深いというのはオリジナル設定。
史実では、いつごろからかは分からないが、孔明の主簿として働き、董和の子・董允《とういん》や費褘《ひい》とも親交があった。
孔明の死後は中典軍として軍を率いて戦い、最終的には右驃騎《うひょうき》将軍にまでなった。
ただ、その詳しい事績はまったく伝わっていない。
没年も不明である。


※ 容姿 ※
物語では、山猫のように大きな目をした美少年で、花びらのように白く、可憐な少女のように華奢な体つきをしているように見える。
だが、脱ぐと筋肉の束のような鍛え上げられた身体をしている。
自分の書いているキャラクターの中で、偉度がいちばん目立つ風貌をしているのだが、本人はそれを隠すように笠を深くかぶったり、しじみ貝のように地味な色合いの衣ばかり着ていたりして、目立とうとしないでいる、という設定。
仕える孔明に対する遠慮もあるのだが、風貌を理由にさんざん利用されてきた苦い経験があるから。
しかし、いざとなると、その『古い武器』を利用することも辞さない現実主義者でもある。


※ 持ち物・服装 ※
長剣を愛用して、職場以外ではいつも携えている。
その長剣は、亡き友の遺品であり、劉琦を守るためにと託されたもの。
ほかにも、自身の血なまぐささを気にしているので、香袋を携行している。
特異と言っていい風貌と、いつも身体からよい香りがすることから、どこか中性的な印象をひとに与えることとなっているが、胡済のものをずけずけという性格を知ると、たいがいの者は第一印象をくつがえして、怖いやつ、付き合いづらそうなやつ、と思うことになる。


※ 長所・短所 ※
所作がきびきびしていて、仕事も人一倍できるので、人から舐められることはない。
少年時代に、「どこにあろうと馴染めるように」とさまざまな特技を教え込まれているため、日常のこと以外でも、一通りのことは何でもこなせる。
ただし、騎馬での戦いなどはあまり得意ではない。
動物は、先に死んでしまうものが多いので、情を移さないようにしている。


性格はとげとげしく、物をハッキリ言うタイプ。
そのため、のちに親友となる董允や費褘、蔣琬《しょうえん》などからは、たびたび口と態度をあらためろと注意されるが、改める気はまったくない。
敵も多いが、たいがいは気にするほどのものでもない小物ばかりなので、余計に改める気がないようである。


※ 願いと夢 ※
劉琦が心穏やかにいること。
のちには、孔明が健やかであること、に変わる。


※ 好きなもの・嫌いなもの ※
すぐれたもの、賢いもの、きれいなもの、強いものが好き。
逆に、出来の悪いもの、愚かなもの、汚いもの、弱いものが嫌い。
そこは非常にハッキリしている。


ただし、人を型にはめて、ばっさり切り捨てるような真似はせず、きちんと他者の多様な面を見抜いている。
そして、奥ゆかしいもの、陰で努力しているもの、報われないものには、とくに心を惹かれる様子。
なんだかんだと表面ではキツイが、内面は優しいうえに正義感が強いので、不遇な者に対してついつい手を貸してしまう。
人から分かりづらい、おっかないやつと怖がられているが、本人はそれでいいと満足している。
心底、人から侮られ、利用されることに懲りてしまっているからである。


※ 信条 ※
義を見てせざるは勇無きなり。
胡済は当初は冷淡なリアリストだが、だんだん孔明に感化されて、人のために剣を取るようになっていく。


※ 謎 ※
物語のなかでの立ち位置は、明瞭にしているつもりだが、史実でのかれは全く謎である。
彼独自の伝はなく、董和伝のほか、董允の伝に名が出てくるのだが(この父子に深いつながりがあったのかもしれない)、董允伝では名前の記載があるだけで、胡済がほんとうはどんな人物だったのかは、はっきりしない。
姜維伝に出てくる「姜維との約束を破って軍に合流しなかった鎮西大将軍の胡済」とは、この胡済のことなのか?
しかし董和伝の官位と合致しないので、同姓同名なのだろうか?
(孔明の死後、北伐を繰り返す姜維は、胡済の軍と合流して魏を討とうとしたのだが、胡済があらわれなかったので軍は大敗し、姜維はみずから官位を下げて謝罪したという記述がある)
仮に同一人物だとしたら、かれはなぜ姜維に合流しなかったのか?
その後、どうなったのか?(かなり老齢だったはず)
まったくわからない。
逸文があるのかもしれないが、それにしても謎の多い人物である。


「奇想三国志 英華伝」がもし孔明の死後までつづくとしたら、胡済は最後まで孔明の遺志を守るという描き方をする予定。
そう、当シリーズでは姜維を特別扱いしない予定である……


※ 家族、そしてこれから ※
史実では、胡博という実弟がいる。
物語のなかにおいては、複雑極まりない家庭の事情に振り回された少年時代を経て、胡済は孔明と趙雲の力を借りて、自我を確固たるものにし、みごとに自立していく。
悲惨な環境にあろうと、本人の挫けない心と、他者の手助けがあれば、ひとはかんたんに堕落しないということの象徴的人物として描く予定。


陳到とは犬猿の仲だが、しかし……
つづきは、「赤壁に龍は踊る」以降にて描かれる。
こうご期待!


※ 最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました!
またちょこちょこと「設定集」は動かす予定でおります。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします(*^▽^*)


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