はさみの世界・出張版

三国志(蜀漢中心)の創作小説のブログです。
牧知花&はさみのなかま名義の作品、たっぷりあります(^^♪

奇想三国志 英華伝 設定集 徐庶(元直)

2024年05月12日 11時02分27秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集
※ 名・来歴・年齢 ※
豫州潁川郡長社県の出身。
寒門の出身だったという。
年齢は不明だが、当シリーズでは趙雲より少し上、と設定している。


撃剣の使い手で、若いころに人の仇討ちに参加し、それがもとで捕らえられた。
のちに脱獄し故郷を去るが、その経過で改心したらしく、学問の道をこころざす。
(このあたりの話をふくらませると、かなり面白い話ができそうだといつも思うが、具体的にどういう話にしようかとなると、知識不足ゆえに、いつもとん挫してしまう)
のちに荊州に入り、孔明、崔州平らと親交を結ぶことになる。
とくに崔州平は、徐庶の隣に家があったとのこと。
金持ちの崔州平が、徐庶を援助していたのかもしれない。


物語のなかでは、孔明の成長に大きな役割を果たした人物として描かれる。
非常に孔明の面倒をみていた、よい兄貴分。
その親交は、別れ別れになっても文通というかたちでつづく。


ちなみに、当シリーズの中では、物語の開始時点で徐庶は劉備の元を去っている。
しかし史実においては徐庶は長坂の戦いまでは劉備に付き従っていたらしく、乱戦の中で母親を人質にとられ、やむなく曹操に降ったという。
長坂の戦いが、劉備軍にとっていかに過酷な戦いだったかがわかるエピソードだと思う。
そのなかで、徐庶が劉備にお別れの挨拶に行けたのは、曹操の温情だったのか、どうか。
ともかく、その後は老母と再会したはずで、あんがい曹操のもとで孝行を尽くし、仲良く暮らしていたかもしれない。


↓これより下は、物語上の設定↓


※ 容姿 ※
目つきの悪い強面の男、というのが徐庶のイメージである。
といっても、孔明よりは背が低い。
ガタイがよく力持ち。
近づきがたい容姿をしているわりに、面倒見の良いところが人を惹きつけるようす。


※ 持ち物・服装 ※
人を二度と斬らないと心に決めており、武器の類はなるべく持たないようにしている。
同じ理由から、あえて動きのよくないゆったりとした衣をまとうことを好む。


※ 長所・短所 ※
面倒見の良い、献身的な人物。
ただし、あまりに人が好いため、トラブルに巻き込まれやすい。
正義感が強いのも善し悪しで、若いころはそれが原因で何度もしくじっている。
他者はそんな徐庶を好むが、本人は、なんでこんなに控えめにしているのにトラブルに見舞われるのだろうと首をひねっている。


※ 願いと夢 ※
劉備と孔明が志を果たし、北にいる自分を迎えに来てくれること


※ 好きなもの・嫌いなもの ※
好きなものは、意外にも、かわいいもの。
ひよこやうさぎなどの小動物をかわいがる。
嫌いなものは、暗く湿った場所。
まさに牢の中がそれで、二度とあの中には戻らないと固く決めている。


※ 信条 ※
謙虚であること。
若いころの、でしゃばりで傲慢だった自分を戒めて、そう思っている。


※ 謎 ※
曹操の元に降ったあとの徐庶のくわしい事績は伝わらない。
いや、魏略に記述があったようなのだが……
そこに孔明との交友を示す記述や、魏での暮らしぶりの記述が残っていたかもしれないが、いまとなっては分からないのが残念。


それと、名前の問題には悩まされた。
史実どおりならば、徐庶は当時は「徐福」と名乗っていたはず。
物語が混乱するのを避け、物語内では「徐庶」で統一した。
没年だけはハッキリしているが、どうやら孔明と同年に亡くなったようで……そこになにか縁と言うか、悲哀を感じる。


※ 家族、そしてこれから ※
「赤壁に龍は踊る」にて再登場。
「地這う龍」では、うつの症状に悩まされているようであったが、さて、どう再登場してくるか、そして、どんな役割を担うか?
徐庶の活躍は、実はまだまだ続く! 

今後の展開をどうぞおたのしみにー(*^▽^*)



奇想三国志 英華伝 設定集 胡済(偉度)

2024年04月14日 10時01分55秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集
胡済に関しては、今後の展開の軽微なネタバレがあります。
作品を前知識なく楽しみたいという方は、大変申し訳ありませんが、引き返していただくことを推奨いたします……

※ 名・来歴・年齢 ※
胡済(偉度)
荊州の義陽《ぎよう》出身
物語の来歴については「奇想三国志 英華伝 臥龍的陣」を参照いただきたい。
かれはオリジナルキャラクターではなく、「蜀書 董和《とうわ》伝」に出てくる「孔明が自ら、気が合った人物として名を挙げた四人のうちのひとり(ほかは崔州平、徐庶、董和)」である。
劉琦の学友で、劉表の一族と関係が深いというのはオリジナル設定。
史実では、いつごろからかは分からないが、孔明の主簿として働き、董和の子・董允《とういん》や費褘《ひい》とも親交があった。
孔明の死後は中典軍として軍を率いて戦い、最終的には右驃騎《うひょうき》将軍にまでなった。
ただ、その詳しい事績はまったく伝わっていない。
没年も不明である。


※ 容姿 ※
物語では、山猫のように大きな目をした美少年で、花びらのように白く、可憐な少女のように華奢な体つきをしているように見える。
だが、脱ぐと筋肉の束のような鍛え上げられた身体をしている。
自分の書いているキャラクターの中で、偉度がいちばん目立つ風貌をしているのだが、本人はそれを隠すように笠を深くかぶったり、しじみ貝のように地味な色合いの衣ばかり着ていたりして、目立とうとしないでいる、という設定。
仕える孔明に対する遠慮もあるのだが、風貌を理由にさんざん利用されてきた苦い経験があるから。
しかし、いざとなると、その『古い武器』を利用することも辞さない現実主義者でもある。


※ 持ち物・服装 ※
長剣を愛用して、職場以外ではいつも携えている。
その長剣は、亡き友の遺品であり、劉琦を守るためにと託されたもの。
ほかにも、自身の血なまぐささを気にしているので、香袋を携行している。
特異と言っていい風貌と、いつも身体からよい香りがすることから、どこか中性的な印象をひとに与えることとなっているが、胡済のものをずけずけという性格を知ると、たいがいの者は第一印象をくつがえして、怖いやつ、付き合いづらそうなやつ、と思うことになる。


※ 長所・短所 ※
所作がきびきびしていて、仕事も人一倍できるので、人から舐められることはない。
少年時代に、「どこにあろうと馴染めるように」とさまざまな特技を教え込まれているため、日常のこと以外でも、一通りのことは何でもこなせる。
ただし、騎馬での戦いなどはあまり得意ではない。
動物は、先に死んでしまうものが多いので、情を移さないようにしている。


性格はとげとげしく、物をハッキリ言うタイプ。
そのため、のちに親友となる董允や費褘、蔣琬《しょうえん》などからは、たびたび口と態度をあらためろと注意されるが、改める気はまったくない。
敵も多いが、たいがいは気にするほどのものでもない小物ばかりなので、余計に改める気がないようである。


※ 願いと夢 ※
劉琦が心穏やかにいること。
のちには、孔明が健やかであること、に変わる。


※ 好きなもの・嫌いなもの ※
すぐれたもの、賢いもの、きれいなもの、強いものが好き。
逆に、出来の悪いもの、愚かなもの、汚いもの、弱いものが嫌い。
そこは非常にハッキリしている。


ただし、人を型にはめて、ばっさり切り捨てるような真似はせず、きちんと他者の多様な面を見抜いている。
そして、奥ゆかしいもの、陰で努力しているもの、報われないものには、とくに心を惹かれる様子。
なんだかんだと表面ではキツイが、内面は優しいうえに正義感が強いので、不遇な者に対してついつい手を貸してしまう。
人から分かりづらい、おっかないやつと怖がられているが、本人はそれでいいと満足している。
心底、人から侮られ、利用されることに懲りてしまっているからである。


※ 信条 ※
義を見てせざるは勇無きなり。
胡済は当初は冷淡なリアリストだが、だんだん孔明に感化されて、人のために剣を取るようになっていく。


※ 謎 ※
物語のなかでの立ち位置は、明瞭にしているつもりだが、史実でのかれは全く謎である。
彼独自の伝はなく、董和伝のほか、董允の伝に名が出てくるのだが(この父子に深いつながりがあったのかもしれない)、董允伝では名前の記載があるだけで、胡済がほんとうはどんな人物だったのかは、はっきりしない。
姜維伝に出てくる「姜維との約束を破って軍に合流しなかった鎮西大将軍の胡済」とは、この胡済のことなのか?
しかし董和伝の官位と合致しないので、同姓同名なのだろうか?
(孔明の死後、北伐を繰り返す姜維は、胡済の軍と合流して魏を討とうとしたのだが、胡済があらわれなかったので軍は大敗し、姜維はみずから官位を下げて謝罪したという記述がある)
仮に同一人物だとしたら、かれはなぜ姜維に合流しなかったのか?
その後、どうなったのか?(かなり老齢だったはず)
まったくわからない。
逸文があるのかもしれないが、それにしても謎の多い人物である。


「奇想三国志 英華伝」がもし孔明の死後までつづくとしたら、胡済は最後まで孔明の遺志を守るという描き方をする予定。
そう、当シリーズでは姜維を特別扱いしない予定である……


※ 家族、そしてこれから ※
史実では、胡博という実弟がいる。
物語のなかにおいては、複雑極まりない家庭の事情に振り回された少年時代を経て、胡済は孔明と趙雲の力を借りて、自我を確固たるものにし、みごとに自立していく。
悲惨な環境にあろうと、本人の挫けない心と、他者の手助けがあれば、ひとはかんたんに堕落しないということの象徴的人物として描く予定。


陳到とは犬猿の仲だが、しかし……
つづきは、「赤壁に龍は踊る」以降にて描かれる。
こうご期待!


※ 最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございました!
またちょこちょこと「設定集」は動かす予定でおります。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします(*^▽^*)

奇想三国志 英華伝 設定集 陳到(叔至)

2024年04月06日 10時29分56秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集
※ 名・来歴・年齢 ※
陳到《ちんとう》(あざなを叔至《しゅくし》)。
豫洲の汝南《じょなん》出身。


正史三国志においては、趙雲と並び称された人物として名が挙がるのみで、詳しい事績は全く不明。
そこで奇想三国志では「趙雲の副将」ということにした。
袁紹軍に参加していたが、官渡の戦いのどさくさに、趙雲より直々にスカウトされて、劉備の家臣となった。
以来、趙雲の陰にひっそりと存在し、その活動を支えている。
武芸の腕もたつが、事務能力も高い。
地味だが、オールマイティーな男である。
とぼけたところもあるが、人当たりは悪くない。


家にこわーいお嫁さんがいるが、この嫁と娘たちを守ることを陳到は第一義にしており、出世して妻を変えるとか、妾を増やす、なんてことは欠片も考えていない。
ちなみに、この、こわーいお嫁さんは、過去に書いた作品では「田豊の娘」で「袁譚の愛人」で、細作を使って袁譚のために働いている女性、という設定にしていた。
紆余曲折あり、この女性は陳到の妻になる。
その話をリメイクして発表しなおす予定だったのだが、孔明があまり絡まない話ということもあり、今回の「英華伝シリーズ」では発表予定はなくなってしまった。
短編の「陳叔至と臥龍先生の手記」にチラッと出てくる奥さんがそれである。
いつか現シリーズに登場するかもしれない。


陳到の年齢は、趙雲とほぼ同じ。
しかし家庭を持っているためか、たいへん所帯じみており、実年齢より老けて見える。


※ 容姿 ※
初対面で彼に会って、ていねいに挨拶をかわしたとする。
そして、次の日にちがう場所でまた会っても、たぶんもう、「叔至どのは、こんな顔だったかな?」と自信を無くしているはずである。
それほど、特長らしい特長の乏しい風貌をしている。
目だってナンボの武将のなかにあり、陳到だけは「趙雲の陰に隠れて、そこそこの武勲をたてて、一家が食えていればそれでいい」という男なので、自分を飾ることもしなければ、目立たせることもしない。
それを勘違いして、「あのひとはいつも飾らなくて立派だ」と褒めてくれる人もチラホラいる。
中肉中背で、細面。
みなと同じような髪形をしていて、似たような服を着て、似たような髭を生やし、似たような歩き方をして過ごしている。
もちろん、本人は目立たないよう、けんめいに世間に合わせているのであり、おかげで流行にくわしい。


※ 持ち物・服装 ※
身だしなみを整える櫛と、趙雲と同じく育ちの良さを見せて、手巾を忘れない。
袁紹のもとで細作として働いていたなごりで、兵卒たちからくまなく情報を集めるのを趣味としており(部隊内の人間関係のいざこざ、噂話、恋愛話、なんでも掌握しては、何に生かすでもなく楽しんでいる)、火の焚かれているところにひょっこりやってきては、妻お手製のもちを取り出して焼き、それと交換に情報を入手する。
うまいお手製のもちは、趙雲の部隊では、ひそかに「叔至のエサ」と呼ばれている。


※ 長所・短所 ※
趙雲が直々にスカウトした男だけあり、武芸の腕は天下一品。
おなじ武器で、同じ条件をそろえ、趙雲と差しで戦った場合、両者はほぼ互角になるだろう。
身のこなしがおそろしく早く、相手の動きをうまく利用して跳ね飛ばす戦法をとる。


しかし、これほどの腕前ながら、天下のために戦おうという気持ちはみじんもない。
もちろん、大っぴらにそうだとは言えないでいるが、かれの大切にしたいのはあくまで自分の一族のみで、極端な話、ほかは自分の一族の害にならないかぎり、どうでもいいのである。
利己的と言えば利己的だが、しかし、家族を大切にできない者に、天下万民を愛せるか、ということを考えると、なかなか陳到が人格者に見えてくる不思議。


※ 願いと夢 ※
妻がご機嫌で暮らしてくれること。
家に娘しかいないが、この娘たちがいい婿をとって家を盛り立ててくれること。
のちに娘は四人にまで増える。
長女の銀輪《ぎんりん》と、次女の頂華《ちょうか》が、今後活躍予定である。


※ 好きなもの・嫌いなもの ※
好きなものは妻の手料理。
胃袋をがっちりつかまれているため、よそで食事をしても、「食べた気がしない」とこぼすほど。
なので、城下の酒場でみなと飲む、ということをめったにしない。


嫌いなものは出世争い。
事情を知らないものは、出世したくない陳到を馬鹿にしてくる。
本人としては素知らぬ顔をしているものの、やはり負の感情をぶつけられるのは面白くない様子。
とはいえ、上役の趙雲も、「趙雲にはずっとそばにいてほしい」という劉備のたっての願いから、戦場での活躍が限られているということもあり、おたがい出世コースから外れているということで、仲間がいてうれしいなと思っている。
(しかし、陳到はその後、出世せざるをえなくなっていく……)


※ 信条 ※
目立たず、好きなように、生き抜く。一族みんなで。


※ 謎 ※
史書では謎の人なので、好き勝手に設定してしまった。
ちなみに、筆者のイメージで近いのは、「必殺!シリーズ」の中村主水である。
というより、藤田まこと氏の飄々とした感じが出せていたらいいなと書いていて思う。


※ 家族、そしてこれから ※
のちに白耳兵なる集団を率いて活躍することになる。
入蜀してから、美少女に育ち、若者たちのあこがれの的となる娘たちに右往左往する父親として、これからも活躍する予定。
こうご期待!



★ 最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございます!(^^)!
ブログ村に投票してくださった方もありがとうございましたー、とっても励みになっております!!

さて、設定集ですが、これからもコツコツ更新しようと思っています。
ただ、昨年に発表した「劉備」「関羽&張飛」は原稿がイマイチのため、こちらも差し替えをかんがえています。
この三兄弟、イメージはがっちり決まっているのですが、それを文章化すると、一般的なイメージを詰め込んだだけのつまらない読み物になってしまうから不思議!
なんとか面白い読み物に仕上げたいと思っています。
苦戦しているので、その前に三兄弟の記事をいったん削除して、「胡済」や「麋竺」を更新するかもしれません。
そのさいは、また連絡いたしますねー!(^^)!

ではでは、また次回をおたのしみにー(*^▽^*)

奇想三国志 英華伝 設定集 趙雲(子龍)

2024年03月07日 10時17分21秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集
来歴はみなさまご存じのとおり。
「奇想三国志 英華伝」では、十代で公孫瓚に仕えたことにしている。
年齢は、だいたい孔明より五歳くらい年上。


※ 容姿 ※
男らしく凛々しい容姿にめぐまれている。
体格はいかにもしなやかそうで、角ばったところはすくない。
張郃などは官渡で見た趙雲の後ろ姿を何年もおぼえていたほどで、背中で語れるタイプらしい。
背丈は八尺(約180cmくらい)で、孔明とほとんど同じくらい。
つねにあたりを警戒する癖がついているせいか、表情は険しいことが多いが、親しい者……とくに孔明にはさまざまな顔を見せているようす。


ふだんは無口。なので逆に口をひらくと人が耳を傾けてくれる。
核心をついたことを口にすることが多いが、声が若いのと、もともとの誠実な口調ゆえに、あまり相手に威圧感を与えずにすんでいる。
めったなことでは自分から冗談を言わないが、ユーモアを解さないというわけではない。


※ 持ち物・服装 ※
武器の手入れをするための、獣の皮と脂はつねに持ち歩いている。
手巾(ハンカチ)もつねに持参し、手と顔を清潔にするように気を付けてもいる。
劉備の主騎は汚いと侮られることがないように、というのもあるが、育ちの良さが出ているのかもしれない。


服装にはあまり気を使わない。
劉備からはしょっちゅう布の下賜があるし、孔明も「もっと身なりを変えたほうが映える」と言われている。
しかし着飾る気になれないでいる。
身なりをきちんとしたほうが背筋も伸びるし、劉備や孔明を引き立たせられるとわかっているが、あまり着飾ると、いざというとき動きが悪くなるのではと危惧しているのである。


髪型はふつうの兵卒とおなじく、あまり凝っていない結い方の髪型をしている。
これまた手入れが楽だからで、服に合わせて髪型を変えることすらある孔明とは対照的である。
朝に髪をととのえるのは、従者の張著の仕事になっている。




※ 長所と短所 ※


武将らしからぬ穏やかで誠実な性格。
めったなことで動揺しない。
ただし、何をするかわからないところのある孔明には感情を揺さぶられ続けている。
言われたこと以上のことを言われなくてもできる優秀さを持つ。
読み書きも人一倍できるし、暗誦などもお手の物だが、細かい事務仕事は苦手。
ただのイエスマンではないところも劉備の信頼を勝ち得ているところ。
言う時は、しっかり言う。


人の好いところもあり、ガツガツした出世欲もないところから、真逆のタイプからは侮られやすいという気の毒な短所がある。
後輩が自分より出世しようと気にしないのが趙雲である。
自分がだれよりも孔明や劉備と絆を築いているという自負があるためである。


※ 願いと夢 ※


願いは劉備による天下統一。
趙雲は口にしたことはないが、皇室による漢王朝復興にはじつは希望を持っていない。
あくまで天下の中心にいるべきは劉備だと思っている。
なので、劉備とその一家を必死で守ろうとしている。
劉備の補佐としてもっともふさわしいのは孔明だと信じており、さまざまな困難がのちのち生じてくるが、まったくブレずに二人の架け橋となっていく。


個人的な夢は、劉備の天下統一のメドがついたら、田舎にひっこんでのん気に暮らすこと。


※ 好きなもの・嫌いなもの ※


馬の世話、武器の手入れなど、手や体を動かす作業が好き。
頭を空っぽにして作業に熱中していると、いい考えが浮かんできやすいから。
孔明の影響で、少年時代に読んだ書物を読み返してもいる。
読書も好きなので、苦ではない。
さまざまな経験を経たあとだからこそわかる言葉もある様子。
わからないところは孔明に講義してもらっている。


嫌いなものが少ない得なタイプだが、あえていえば、ずるい人間が好きではない。
人を平気でだまして何とも思わない策士は苦手で、その点、策士と自称しつつ、陰湿な策謀とは無縁の孔明とは気が合っている。
あとは、男女ともに感情的になりすぎるタイプも苦手。
父の本妻がまさにヒステリックなタイプで、家の中をひっかきまわしていた。
そのトラウマがあるため、という設定。


※ 信条 ※


けしておのれの本心に背くことはしないのが信条。
私利私欲に走らず、おのれの心の声に耳を傾け、誠実に生きている。




※ 謎 ※


なぜ結婚しないのか?
答えはあきらかで、劉備とその一家の世話で忙しく、自分の家庭を持っている暇がないため。
まだ若いから、自分には早いと思っていたのもある。
気づけば三十路も半ば……
しかし、天下の情勢が情勢なだけに、焦りはない様子。


どんな女性となら所帯を持つ気になれるのか?
それは本人だけが知りうる秘密であり、孔明も知らない。


※ 家族とこれから ※


常山真定の趙家の末っ子として、責任感の強い長兄に厳しく育てられた。
その長兄はすでに逝去している。
次兄は「子龍」の字をさずけてくれたものの、行方知れず。
他の兄弟たちとはあまり仲が良くないため、ほとんど音信不通。
幼馴染みに夏侯蘭がいる。


赤壁の戦いを経て、天下へ勇躍する劉備と共に、趙雲の環境も激変していく。
男女ともにさまざまな人物が趙雲の前にあらわれるが、孔明との厚い友情は変わらずつづいていく。



▲ あらたに「趙雲」を差し替えました。
見やすくなったなあと思っていただけたなら幸いです!
次回は誰にしようかな?
どうぞ次回もみてやってくださいませ(^^♪


奇想三国志 英華伝 設定集 諸葛亮(孔明)

2023年12月11日 20時21分05秒 | 奇想三国志 英華伝 設定集

徐州の瑯琊《ろうや》出身。
物語スタート時点で28歳。


「奇想三国志 英華伝」は西暦208年からはじまるので、肩書は軍師である。
とはいえ、軍事関係の仕事ばかりやっているのではなく、かなり細かい事務仕事も一手に引き受けているようす。
なぜか?
仕事が好き、自分を追い込むのが好きだからである。


物語がスタートした時点で拠点としている新野城《しんやじょう》は、けして人材不足というわけではない。
ただ、仕事を古いやり方で回していたため、効率が悪く、担当者も適材適所ではなかった。
そこをまず改めたのが孔明の前任者の徐庶であり、徐庶の意向を引き継いで孔明がさらに新野城にあたらしい空気を入れた……という設定。


隆中《りゅうちゅう》の田舎にひっこんでいた孔明が、すぐに実務を回せたのはなぜか?
その答えはすこしだけ「地這う龍」で明かされる。
種明かしをすると、孔明は人から頼まれたり、自分から首を突っ込んだりして、劉巴《りゅうは》やほかの荊州人士たちとともに土地のもめ事を解決したことが何度もあったからである。
そのとき、かなり際どい手法をとったので、本人はそれを隠している。
だが、助けてもらった人々は「臥龍先生の功績」をおぼえていて、のちのち助けてくれることになる。


孔明は赤壁の戦いを経て入蜀ののち、「軍師将軍」となる。
これも名前だけのところがあり、じっさいに戦となると動いたのは法正のほう。
法正の死後でも補給線の確保を担当し、前線には出なかったのは周知の事実。
孔明が戦場の先頭にたつのは、劉備の死後のことである。


「奇想三国志 英華伝」で、五丈原までのストーリーを描くかどうかは、いまのところ不明。
ネタはあるのだが……


※ 過去の設定 ※


父を病気で亡くしたのと、徐州の虐殺が起こり、故郷を離れざるを得なくなったのがほぼ同時。
諸葛家に遺された三人の娘と三人の息子、そして末弟・均の生母で孔明の義理の母の避難先をめぐり、話し合いは紛糾した。
というのも、出戻りの大姉が義母をきらっており、たがいに同道することを拒んだためである。
このとき一家離散手前までいくが、叔父の玄の采配でなんとかそれは食い止められた。
長男の子瑜《しゆ》は、義母と赤ん坊だった末妹を連れて江東へ行き、
孔明と均、大姉と小姉は叔父の玄とともに玄の赴任先である揚州へ行った。


いろんな先生が、子瑜が義母を連れて行き、孔明たちが叔父に引き取られたことについて、なんだかちぐはぐじゃないかと、さまざまな説をだしている。
「奇想三国志 英華伝」では、なるべく素直に解釈して、子瑜が親孝行のため、そして妹を生き延びさせるため、義母を連れて行った、と設定した。
史実では子瑜が幼い弟妹も連れて行ったとは一言も書いていないので、思った以上の複雑な背景があるのかもしれないが……弟妹が成長しなかった、という可能性もあるし、そこはわからない。


諸葛玄のところに子供たちが大勢引き取られたのは、玄のところに子供がなく、さらにはそれなりの経済力もあったためだろうと考えた。
史実の孔明の真面目で誠実な性格、ひねくれたところが少ないことなどから、幼少期に愛情を受けて育った人物だろうということは想像がついた。
よって、叔父の玄も、姪と甥をかわいがる、好人物だったのではないか……
その叔父が非業の死を遂げたことは、孔明にとってたいへんな衝撃だったはずで、「臥龍的陣」で描いた、孔明が人に触れられることを恐れる癖というのは、このトラウマによると設定した。


叔父の玄を亡くしたあとは、大姉たちと協力して暮らした。
暮らしぶりはそれほど苦しくなかった(玄の財産があったため)という設定にしてある。
孔明も後ろ盾をなくして苦労しただろうが、だからといって、苦しい生活から這い上がって名声を得た、というのは、ピンと来なかったため。
兄の子瑜も手紙を寄越したり、本人も荊州に顔をだしたりしてくれて、まめに連絡を取っている。
子瑜は、孫権に仕えて、さらにしばらくするまでは、かなり生活が苦しかったはずで、おそらく孔明たちの援助はできなかっただろう。


司馬徽《しばき》の私塾に通うようになってから、崔州平、徐庶、馬良らと親交を結ぶ。
とくによく徐庶になつき、その友情は、魏と蜀とで別れ別れになったあともつづいた。
龐統とは、小姉が龐家に嫁いだことから姻戚にあたるのだが、あまりそりがあわず、仲が良くないという設定。
龐統は「地這う龍」で名のみが登場し、「赤壁編」から本格的に登場する。


長じて天下を治める宰相になりたいと夢見るようになる孔明。
管仲《かんちゅう》、楽毅《がくき》に憧れており、よき主君と縁があれば、仕官しておもいきりおのれの力を揮いたいとも思っていた様子。


「奇想三国志 英華伝」の最初が、なぜ「三顧の礼」ではないかというと、単に趙雲が三顧の礼のエピソードに絡まないからである。


※ その強み、特長 ※


真面目で努力家。
卓越した観察眼と記憶力を持つ。
天才にまちがいはないが、その最たる特長は「努力を怠らない」というところ。
最善を目指し、ともかく努力、努力、努力、である。
その結果、世人の予想を上回るものをだす。


誠実で、負けん気が強く、プライドも高い。
相反して、内省的な面もあり、努力して、実行して、反省して、をえんえんと繰り返して飽きない。
怠惰とは無縁の人物で、「ちょっと休め」と周りが助言するほど。


好奇心が強いため、いつまでも若々しい。
目力もあるため、美麗な風貌をしているものの、人によっては「怖い」と表現されることも。
真面目と言っても堅苦しいだけではなく、ユーモアも解する。


欠点は、細かい所にも目が行ってしまうところ。
責任感が強すぎて、なんでも背負いこんでしまうところ。
ギリギリまで我慢する面もあり、周りのサポートが欠かせない。


※ 未来 ※


入蜀をしたあと、孔明はさらなる仲間たちとの縁に恵まれる。
かれらの物語も用意してあるので、今後の展開に乞うご期待!


※ 日常と趣味 ※


龍が跳ねたような勇壮な文字を書く。
その文字で綴る手紙はどこへ行っても好評。
オフの日は、ゆったりしているかとおもいきや、手紙を書いたり、薬を作ったり、屋敷内の家僕の相談に乗ったりと、こまごまと忙しくしている。
趣味は機織《はたお》りなどの没頭できる作業。
機織りは小姉が冗談で教えてくれたもの。
夢中に作業できる仕事なので、没入してしまった様子。
ただし、機織りは女の手仕事と思われてる当時では、それができる、ということは、ごくごく身近な人々しか知らない。


あまりアウトドアは好まない。
身体が丈夫ではないのに加え、潔癖症なところがあるため。
しかし誘われたなら出かける。
とはいえ、出かけてもなお、民の生活を視察したり、市場の様子を観察したり、役人がきちんと勤めを果たしているかチェックしてしまう。
休むのが下手らしい。
本人は、気を抜けるところは抜いている、と主張しているが、周りから見ると、やはり「ちょっと休め」といったところだったりする。


※ その他、家族など ※


妻は黄月英。
彼女については物語中でくわしく描かれるので、ここでは割愛。


大姉はたいそうな美女であったが、気がきつかった。
最初の夫は徐州の虐殺の際に、曹操の兵によって殺されてしまっている。
弟たちを守らねばという使命感に燃え、一家をまとめようとするが、おっとりぼんやりの義母と険悪の仲になってしまい、子瑜と玄があいだにはいって、なんとか収まった。
叔父の玄が亡くなった後は、孔明や均を成人させ、さらには妹を龐家に嫁がせたが、自身ははやり病であっけなく逝ってしまった。


のんびりマイペースな小姉は、龐家の山民に嫁ぎ、しあわせに暮らしている。


末弟の均は、兄の言いつけで隆中の家を、妻の林氏とともに守っていたが、曹操が侵攻してくるのと同時に家を捨て、身を隠した。
のちに孔明を支えて蜀の長水校尉となるが、具体的な功績は史実ではいっさい伝わっていない。
「奇想三国志 英華伝」では、皆が忘れたころに、ふらりと孔明の職場にあらわれる、謎の弟君として登場予定。
ちなみに、風貌は全く似ていない。


養子の諸葛喬(子瑜の次男)については、かれを主人公にした番外編の執筆を予定している。
そこでくわしく描く予定なので、これも割愛させていただく。



※最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございます(^^♪
孔明は主役だけあり、まだいろいろと設定があります。
話が進んできたら、また追加で発表するかもしれません。
そのときは、どうぞ読んでやってくださいませね。

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