コカ・コーラ東海クラシック第1日(29日・愛知県三好=7310ヤード、パー72)ホストプロの石川遼(20)は4バーディー、3ボギーの71で回り、首位と3打差の21位とまずまずのスタート。前半18番(パー4)で池の石垣でボールが跳ね上がるミラクルからパーをセーブし、後半に盛り返した。片岡大育(22)、池田勇太(25)ら6人が4アンダーで首位に並んだ。
ギャラリーが息をのんだ瞬間、ボールはポ~ンと跳ね上がった。インスタートの18番。池ポチャを回避する“石垣ショット”で生き残った石川が、2年ぶりVを狙える位置に踏みとどまった。
「大ラッキー。『よかった』といえる内容じゃないので、当たり前のようにプレーしたけど。前半で大会を台無しにせずに済みました」
“奇跡”はグリーン右手前の池を越える2打目で起きた。右ラフからエッジまで155ヤード。短めの9Iで打ったが、計算していたほどボールは上がらず、ショートした。ボールは池の石垣に直撃。上空に舞い上がり、グリーン右奧のラフまで飛んだ。そこから難なく“寄せワン”でパーセーブだ。
幸運で大ピンチを脱出して何とか前半を1オーバーで終えると、ハーフターン前の約40分の待ち時間も味方した。
「スルーだったら大変なことになっていた。自分にカツを入れた」
2週間前から悩む1Wが大乱調。前半だけで3度も左右の林へ入れた。「やる気と根気、信念がゆがんでいるから」と自己を叱責。ロッカーではシャドースイングで集中力を高め、後半は3番(パー4)で1・5メートルにつけるなど3バーディー(1ボギー)だ。
ショートホール以外の14ホールで1打目をフェアウエーに運んだのは3番だけ。フェアウエーキープ率はプロ転向後最低タイの7・14%、全体の105位。1Wは不発でもミラクルと粘りで首位と3打差。21位発進でも決して出遅れ感はない。
「内容より結果の方が断然よくてラッキー。週末は名古屋のファンにゴルフで熱くなってもらいたい」。近郊で開催中の女子メジャーは初日のギャラリー数3619人。“宿敵”を上回る4405人が集まった大会をもっと盛り上げる。
(SANSPO.COM)