
今季の日本女子ゴルフツアーが、5日からのダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)=6439ヤード、パー72=で幕を開ける。米ツアーで開幕2連勝を果たした宮里藍(24)=サントリー=が2日、会場入り。発表された1日付の最新世界ランキングで前週の4位から自己最高位の3位に浮上、06年3月の不動裕理に並ぶ日本人最高タイをマークした。史上初の日米開幕戦Vを飾れば2位浮上は確実で、世界の頂点も見えてくる。
米女子ツアー44年ぶりの開幕2連勝が、藍を世界3位に押し上げた。自己最高位であり、06年3月の不動裕理に並ぶ日本人最高位。「すごくいい目安になる。でも、あくまでこれまでやってきたことに対してついてきた結果」と、浮かれることなく冷静に受け止めた。
1日付世界ランキングは2位の申智愛に0・01ポイント(P)差。前週のHSBC女子チャンピオンズの優勝で1・13Pが上積みされたことを考えると、申も出場する今大会で藍が優勝すれば逆転は間違いなく、日本人史上最高の2位に浮上する。
女子の世界ランクが制定されたのは06年2月。6位ランクインからスタートしたが米国へ渡ってからのスランプにより、08年には自己ワーストの42位にまで落ちた。それだけに「一時苦しいときもあって、それを越えて8位になれた昨年のトップ10入りが一番うれしかった」と振り返り、毎週発表される数字が、自信を取り戻す助けになったことを明かした。
この日、空港で100人のファンに出迎えられて沖縄入り。コースでは選手、関係者からの握手攻めに笑顔で応えたが「自分の中では気持ちが切り替わっている」。開幕戦での優勝を予言していた父・優さんが練習を見守り「今週は重圧のなか自分のプレーができるかどうか。それ次第ですね」と期待を込めた。
東中学3年だった2000年にツアー初出場を果たし、04年に女子プロ最年少記録の18歳8か月で優勝した大会に「特別な思いはある。久々のダイキンなので楽しみ」と、3年ぶり出場となる凱旋試合に自然と自分への期待も高まる。「沖縄に帰ってくると気持ちが休まる。たくさん応援を受けると思うので、ベストを尽くしたい」。地元の声援と勢いを味方に日米開幕Vで2位に浮上すれば、あとは世界のトップを目指すだけだ。
◆マナービデオで感動プレー約束 〇…藍は練習後、コース内で日本女子ツアーが製作する観客のマナー向上ビデオの撮影を行った。携帯電話の使用などを控えるよう促すもので、2009年の賞金女王・横峯さくら、上田桃子らとともに参加。各選手が一言、コメントを収録した。藍は「女性らしく華やかで感動を与えるプレーを約束します」と、カメラに笑顔を向けた。
◆女子世界ランキング 米国、欧州、日本、豪州、韓国ツアーで2年間の試合が対象となり、総獲得ポイント(P)を出場試合数で割った平均Pで争う。最新の成績を反映させるため、直近13週の試合にはボーナスPが付く。試合ごとの優勝Pなどは公表されていないが、藍は前週の優勝で63.27Pを獲得し、平均Pは1.13も上昇。世界ランク上位者が多く出場する大会ほどPは大きくなる。
(スポーツ報知)