北海道北広島市にある札幌ゴルフ倶楽部輪厚で行われている「ANAオープン」2日目、初日に2オーバー91位タイと出遅れた石川遼は、ドライバーのヘッドが旧モデル、シャフトがトリプルX(より硬い)というスペックのものを急造、実戦投入し、巻き返しを図った。
だが、この日も出だしから暴れるドライバーを制御できない。1番で大きく右に曲げてボギーとするなど、2度3Wを使ったのを含めて、この日のフェアウェイキープはわずかに4回。2日間トータルで28分の6(21.4%)と出場選手中最下位の数値では好スコアは期待できない。
「フェアウェイキープできた数カ所はちゃんとゴルフができたけど、そうじゃないとゴルフをさせてもらえないことを痛感した」と深い洋芝のラフが待つ輪厚で、2日続けて「74」とスコアを落とした。
同組の諸藤将次、ノ・スンヨルに対抗心を燃やし、スイングスピードを上げ、シャフトも硬いものに替えたという捉え方もできるが、石川は「2人に影響されたというよりは自分自身の問題。逆にこういう状態で2人と回ったのが残念なので、またばっちり合っている時に回りたい」とその見方を否定する。そして、「ちょっとスイングで躊躇したショットがあった」と悔しそうに振り返った。
明日の誕生日を前に、想定外の予選落ちを喫した石川は「寂しい誕生日になりましたね」と肩を落とす。それでも、これまでの10代を振り返り、「結果だけ見れば順風満帆だけど、10代で残したのは結果じゃなくて練習。来年1年間はものすごく大きなターニングポイントになる予感がします。この1年のために、今までの10代があったと思えるような年にしたい」と、大きな期待を持って未来を見つめた。
その先に待つのは、もちろん「20歳でマスターズ制覇」の大目標だ。「20歳のマスターズに、まず立ちたい。そのためにまず、20歳の秋を頑張りたい」。ほろ苦い誕生日を糧に、石川は20代の第一歩を歩み始める。
(ゴルフダイジェスト・オンライン)