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<S-038>トールボーイ型SP製作 (ネットワーク編)

2013年05月03日 05時34分53秒 | オーディオ
今回は、<S-038>のネットワーク調整についてです。

2wayのネットワーク調整は、人それぞれ方法があると思いますが、
周波数を測定できる装置があれば、格段に楽になります。

まず、ウーハー側から見ていきましょう。
作製した箱に入れた状態で、ネットワークレスで鳴らしたときの周波数特性(軸上10cm)です。



3kHzのところで、一段下がりながらも、
10kHzのところにピークがある特性だと分かります。

この10kHzのピークは、ネットワークで上手く切りたいものです。

とりあえず、0.5mHのコイルを直列に接続してみました。





計算上は、1.5kHz付近から-6dB/octとなるはずですが、
実際は、そんなにバッサリとは切れてくれません。

懸念される10kHz付近のピークは依然として顕在ですが、
全体として右肩下がりとなり、200Hz~3kHzがフラットとなったので、
とりあえず、コイル容量は0.5mHでOKとします。

-12dB/octのネットワークを組む事も考えたのですが、
複雑なネットワークは成功経験がなく(というかトライしたことないw)、あまり深追いしないことにします。


さて、ツイーター(Tw)側の裸特性はこちら。



ウーハー側が3kHzで落ちているので、その辺にTwの下限をもっていきたいものです。

用意したアッテネーター(4Ω)が箱に入らず、
急遽、箱の上に設置しての試聴です。
(写真で箱に入っているTwは未接続です)


まずは、10μFを直列でつないでみました。
TwのDCRは4.8Ωなので、計算上は4kHz付近からのローカットとなります。
この状態でのTwの特性。



幸運にも、ちょうど3kHzあたりで-6dBとなってくれました。
これならウーハーとのマッチングも良さそうです。



Twに10μF、ウーハーに0.5mHの状態で、音だし。
アッテネーターを適当に調整して、周波数特性を測定(軸上50cm)。



特性は比較的キレイなのですが、音がどうにもいただけません。
高域は金属楽器が安っぽくシャラシャラ鳴りってしまいます。高域を下げようとして、アッテネーターを絞れば音のツヤまで消えてしまいます。


そこで、Twのコンデンサを10μF→22μFへ交換。
Tw単体での特性は、こんな感じに変化します。

<10μF、4kHzクロス>(上記図と同じ)



<22μF、2kHzクロス>



Tw下限のギリギリまで使う感じになりますが、私が6畳間で聞く音量であれば問題ないでしょう。発表会などでの広い会場では不安ですが(汗

さて、Tw(22μF)、ウーハー(0.5mH)の状態でのf特はこんな感じ。



特性上は、かなりのハイ上がりですが、聴感上は全く問題なし。
高域楽器が十分な質感と存在感を持ち、過不足のない低音が得られました。



こうして、一通りの測定を行ったところで、「位相」のことを忘れていたのに気づきました。
「正相」で測定・試聴をやっていたようで、正しくは「逆相」とすべきでした。

まあ、今回はTwも仮設置だったので、組み込み後に再度確認すればよいのですが、
ネットワーク調整の不慣れさが露見してしまった形となりましたorz


さて、次回はいよいよ完成&試聴編です!

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