前回、はじめて書いた小説の話をしたんですが、今回ははじめて投稿した小説について。
つまり、プロになることを意識して書いたはじめての小説です。
当時職を失って、時間だけはあったのと、なにか新しいことをやってみようという気持ちが小説を書くということを思い立たせたような気がします。
で、南野が選んだのはミステリーでした。
当時、もっとも読んでいた小説がミステリー。それもいわゆる新本格と呼ばれていたジャンルです。
文章力とかにはぜんぜん自信がありませんでしたが、本格ミステリーなら、おもしろいトリックさえ考えつけばなんとかなるんじゃないかと思えたんです。
そこで必死になってトリックを考え、プロットを練り、書き進めていけば、下手なりにけっこう書けました。なんだかんだいってたくさん本を読んでいたおかげだと思ってます。
もっともはじめにがちがちにトリックやプロットを固めて書いたと言うより、細かい部分は書きながら考えていったところがあります。
とにかく細かいことを考えすぎたり、悩んだりせずに、とにかく前に進もうという気だけはあったんだと思います。
なぜか思ったよりもスムーズに仕上がりました。たしか原稿用紙で400枚弱のものを二ヶ月くらいで書いたような気がします。
はっきりいって、自分のこと天才だと思いました。いや、冗談じゃなくて本気で。
南野はそれをさっそくメフィスト賞に送りました。
とうぜん受賞すると思ってました。
受賞したあと、どうしようかとか、二作目はこれを超えられるんだろうかとか、妄想出まくり状態。
まあ、なんていうか、気分はすでに人気作家ってやつですよ。
ワナビが作品を書き上げた直後というのは、だいたい2パターンらしいです。
パターンA、大傑作! 俺って天才。受賞まちがいなし!
パターンB、だめだ。ぜんぜんだめだ。でも、……もしかしたら奇跡が起こって……。
南野は子供のころはBに近かったんですが、いつの間にかAに昇格してました。
パターンAというのはある意味馬鹿まるだしですが、Bよりもはるかに幸せです。
おかげで、その作品を出した直後、ばりばりと二作目を書き出しました。
そしてやっぱり、俺って天才だぜと思いつつ、二作目も投稿。そのあとに一作目の結果が発表になります。
あれ? 落ちてるぜ、そんな馬鹿な。
下手に自信があっただけに、ここは死ぬほど落ち込むところ。
しかし脳天気な南野はこう思いました。
ま、いいか? どうせ本命は今送ってるやつだしな。
ある意味、馬鹿以外の何者でもありませんが、この思考を身につけることにより、長年の投稿生活に耐えることができました(悪くいえば抜け出せなくなった)。
ええっと、ボツになるたびに死ぬほど落ち込むワナビさん。それを克服するコツは簡単です。
発表前に次のを送れ。そしてそっちの方が傑作だと信じろ。
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つまり、プロになることを意識して書いたはじめての小説です。
当時職を失って、時間だけはあったのと、なにか新しいことをやってみようという気持ちが小説を書くということを思い立たせたような気がします。
で、南野が選んだのはミステリーでした。
当時、もっとも読んでいた小説がミステリー。それもいわゆる新本格と呼ばれていたジャンルです。
文章力とかにはぜんぜん自信がありませんでしたが、本格ミステリーなら、おもしろいトリックさえ考えつけばなんとかなるんじゃないかと思えたんです。
そこで必死になってトリックを考え、プロットを練り、書き進めていけば、下手なりにけっこう書けました。なんだかんだいってたくさん本を読んでいたおかげだと思ってます。
もっともはじめにがちがちにトリックやプロットを固めて書いたと言うより、細かい部分は書きながら考えていったところがあります。
とにかく細かいことを考えすぎたり、悩んだりせずに、とにかく前に進もうという気だけはあったんだと思います。
なぜか思ったよりもスムーズに仕上がりました。たしか原稿用紙で400枚弱のものを二ヶ月くらいで書いたような気がします。
はっきりいって、自分のこと天才だと思いました。いや、冗談じゃなくて本気で。
南野はそれをさっそくメフィスト賞に送りました。
とうぜん受賞すると思ってました。
受賞したあと、どうしようかとか、二作目はこれを超えられるんだろうかとか、妄想出まくり状態。
まあ、なんていうか、気分はすでに人気作家ってやつですよ。
ワナビが作品を書き上げた直後というのは、だいたい2パターンらしいです。
パターンA、大傑作! 俺って天才。受賞まちがいなし!
パターンB、だめだ。ぜんぜんだめだ。でも、……もしかしたら奇跡が起こって……。
南野は子供のころはBに近かったんですが、いつの間にかAに昇格してました。
パターンAというのはある意味馬鹿まるだしですが、Bよりもはるかに幸せです。
おかげで、その作品を出した直後、ばりばりと二作目を書き出しました。
そしてやっぱり、俺って天才だぜと思いつつ、二作目も投稿。そのあとに一作目の結果が発表になります。
あれ? 落ちてるぜ、そんな馬鹿な。
下手に自信があっただけに、ここは死ぬほど落ち込むところ。
しかし脳天気な南野はこう思いました。
ま、いいか? どうせ本命は今送ってるやつだしな。
ある意味、馬鹿以外の何者でもありませんが、この思考を身につけることにより、長年の投稿生活に耐えることができました(悪くいえば抜け出せなくなった)。
ええっと、ボツになるたびに死ぬほど落ち込むワナビさん。それを克服するコツは簡単です。
発表前に次のを送れ。そしてそっちの方が傑作だと信じろ。
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