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南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

南野が選ぶ乱歩の最高傑作はこれだ!

2007-02-11 17:19:10 | 読書
 きのう、横溝正史と江戸川乱歩についてちょっと書かせてもらいましたが、きょうは乱歩についてもう少し語ってみたいと思います。
「魔術師」を最高に怖い話として紹介しましたが、南野の中で「魔術師」は乱歩の作品のナンバーワンじゃありません。ナンバーツーくらいです。
 ではナンバーワンはなにか?

 これはもう、「孤島の鬼」しかありません。

 きのう、ポプラのシリーズは後半部分で、子供向けにリライトした大人向けの小説ということは書かせてもらいましたが、「孤島の鬼」はそのシリーズに入っていませんでした。
 そりゃ、そうでしょうね。

 だってこんなの、小学生に読ませられるわけありませんから。

 江戸川乱歩の作品の中には「パノラマ島奇談」とか「大暗室」のように、アンチユートピアというか、歪んだユートピアが出てくる話もあるのですが、これはもうその代表格というか、「パノラマ島」が裸足で逃げ出す話です。

 この物語は、最初に主人公の恋人だか婚約者だかが密室で殺されます。
 さらにその捜査に当たった名探偵が、衆人環視の中、あっさり殺されてしまいます。
 なんか、これを聞いただけで、おもしろそうな感じですね。

 でもじつを言えば、そんなことはどうでもよく、主人公が島に渡ったあとが本番です。

 だいぶ前に読んだので、詳細はおぼえていませんが、主人公はある手記を見つけます。それを読んでいくのですが、書いているのはどうも少女のようなのですが、意味不明な点が多いのです。
 しかし、読み進めて行くにつれて、じょじょにそこに書いてあることの恐ろしさがわかってくるのです。

 いやあ、これにはぶっ飛びましたね。

 ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、これほど恐ろしく、おぞましい話は見たことも聞いたこともありませんよ。

 江戸川乱歩って、根が変態なんだろうなって思い知らされますよ。

 でも残念なことに、南野も根が変態なんで、こういう話が大好きなんです。

 まあ、俺も変態には自信がある。おぞましい話大好き。と思う方はぜひ一読を。




孤島の鬼

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はじめての文庫本

2007-02-10 15:46:24 | 読書
 きょうはちょっと南野がどんな本を読んできたかをすこしお話ししてみたいと思います。
 小学校のころは、普通の子供っぽくミステリーを読んでましたね(当時は推理小説というのが一般的でした)。
 それもごくオーソドックスなやつ。たとえばホームズルパン、それに少年探偵団とか。
 もちろん、ルパンやホームズは子供用にリライトしたやつ。江戸川乱歩のやつも怪人二十面相が出てくるやつです。
 まあ、他にも冒険小説やらSFやらもたくさん読んでるはずなんですが、よくおぼえていません(そういえば、ファーブル昆虫記やシートン動物記も好きだったかも)。
 なんにしろ、とにかく怪奇とか謎とかが大好きだったんです。
 でも六年生ころになってくると、ちょっともの足りなくなってきました。
 そんなころに手を出したのが、江戸川乱歩ものでも、少年探偵団ものではなく、大人物を子供向けにリライトしたものだったのです。
 当時はポプラ社から出ている江戸川乱歩のシリーズは後半が、二十面相のでない殺人を扱ったものだったのです(今はその後半部分は出されていないようです)。
 まあ、子供なんてものはすぐにおとなぶりたいものですから、南野も「少年探偵団なんて読むのはもう卒業。やっぱり推理小説は殺人だぜ」とか思ってました。
 いやあ、でもじっさい小学生には怖かったですよ、あのシリーズ。
 とくに「魔術師」なんてなんですか、あれ? あれほんとうに子供向けにリライトしたんですかね?
 だって、密室に現れる巨人やら、マジックショーに見せかけた美女公開解体、おまけに殺人の前に笛の音やら菊の花ですよ。(おぼろげな記憶で書いてるので、詳細は多少ちがうかもしれません)
 今、発刊されていないのもなんとなくわかりますよ。
 今考えると、犯人も動機もめちゃくちゃですが心に刻み込まれてしまいました。
 そんな南野が中学生になるころには、自然ともっとすごいものを求めるようになりました。
 そこで手を出したのが文庫本です。
 文庫本にはなにやらおとなの香りがしました。
 なにせ字がちっちゃくて、びっしり埋まってましたから。
 そこで最初に手を出したのは、乱歩じゃありませんでした。
 横溝正史です。

 それもよりによって「悪魔の寵児」だったのです。

 いやあ、これは中学一年生が読む本じゃなかったですね。
 だって、冒頭で雨の日に雨男が心中の予告状を配って歩くんですよ。不気味すぎです。
 おまけに殺したあと、死体を使って遊ぶというか、悪戯するというか……。

 もう「斧、琴、菊」なんて目じゃないですよ。

 おまけにサディストのばばあとゴリラみたいな大男がSMするとかもうめちゃくちゃですよ。(いや、これもおぼろげな記憶で書いているので、多少違う点もあるかも)

 まあ、本作は世間一般の評価では、「本陣殺人事件」や「獄門島」、「八墓村」等には遠く及ばないとされていますが、南野の心にはばっちり刻み込まれました。
 おかげで今上げた作品などをはじめとして横溝正史をかたっぱしから読みあさりましたね。

 それにしても今考えればこう思います。
 「悪魔の寵児」で横溝に嵌る中学一年生っていったいどんなやつだよ?



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