【無名なブログ】DwJのDwJによるDwJの適当な世界【注意報2017】

世界的に有名なDWJや、拡張子のDWJや、ジャッキのDWJでもない、気がついたら色々被っているDWJの適当な世界です。

小説というより、小さなお話第十回「右手と左手。」

2008-03-16 14:53:54 | 小説と言うより、小さなお話
「右手と左手。」



ある日、右手と左手が喧嘩をした。

たいした事の無い、つまらないことが原因だったが、ともかくオレは仲裁に入ることにした。


右手が言うには、いつも左手は楽をしている。左手が言うには、いつも右手だけが働いて自分は暇だ。

と言う事だ。

オレはそれぞれの役割を果たすのが一番良いんじゃないかと言ったが、
左手は、自分は要らないじゃないのかと話を聞こうとしない。
右手も左手なんかいらないと言い始めた。




次の日、左手は言うことを聞かなくなっていた。ボイコット、ストライキと、何か言ってもそう答えるだけだった。
しかしそれに反発したのが左手の指達だった。

自分達は働きたい。左手がそう思うのは勝手だが、自分達は違うんだ、と。

しかし右手の指は反発した。自分達はいつも傷が絶えない。たまには楽をしたい。と。


さらに次の日、両手とも言うことを聞かなくなっていた。
口をつむいで黙ったまま、動こうとしなかった。

それだけでは済まず、両足も、いつも重いものを支えるのは嫌だと、
足の指、
足の裏、
くるぶし、
足首、
膝、
果ては股関節まで。

それを見て、手首や肘まで動かなくなる始末。

ほとんどの部分が動かなくなり、オレは肘をついて肩で動くことを余儀なくされた。

しかし、その肩さえも、なぜ自分だけこんなつらい目に合わなければならないのかと、動きを弱めていった。





さらに次の日、オレは病院にいた。

なんでも全身の関節が固まってしまう病気だとかで、治療を受けることになった。

彼らにしてみれば、強制的にストライキを中断され、働かせられるようなものだろう。
しかしそうしないとオレは生きられないのだ。


入院数日後、オレは歩くこともつかむこともできるようになっていた。
彼らはなにかと文句は言っていたものの、役割を果たすという大事なことを忘れていたことに、少々後悔しているらしく、
これからはお互いをサポートすることで、何とか決着がついた。


そう言えば、一人だけ反抗せず、おとなしくしていたやつがいた。

ほかの奴らは、役割を忘れない真面目なやつだと言ったが、そいつは言った。



生まれつきだから。と。






オレは今、腰痛に悩んでいる。

しかし、頼れる彼らのサポートで、結構いい感じだ。

あの反抗事件の後、後はお前次第だと言って、彼らはもう何も言わずに働いている。

動けなくなるその日まで。










・あとがき
子供の目線?大人の目線?子供の目線で考えると、なんだか楽しそうですが、そうも言ってられません。
親は「ヤバイ」と思ったそうで。
でも、実際関節だけでよかった。内臓までボイコットされたら・・・そう考えないのが子供の頭でしょう。
親指はお父さん、なんてね。

ちなみに腰は腰椎分裂症と言う、生まれつきのものです。調べてみてください。

マジで実話です。