戸山の日々

東京の大学に勤務する教授の日常を綴る
  うつりゆくよしなしごとを書きつくる
       ブログの文の狂ほしきかな

大晦日

2007-12-31 | Weblog
大晦日は蕎麦!というわけで、
吹雪の中を
「殿町一色庵」に出かけたがお休みだった。
残念、無念。
土用丑の日に営業しない鰻屋のようだな。
(「すゞ金」は営業しないけど)
仕方ないので実家で釜揚げを食べる。

妹が、実家に預けてある着物の中から、
娘の気に入ったのがあれば持っていきなさいと
言ってくれたので、
衣装箪笥の上から桐箱を下ろて物色する。

日本橋でOLをしていた頃、妹は、
毎年初出勤は着物を着て行ったので、
結構よいものがある。
娘は着物を着つけないから、
地味だの何だの言うが、
要するに帯とどう組み合わせるかだ。

衣装箪笥の一方は亡父のものが詰まっていた。
ネクタイもいっぱいある。
2、3本もらって行こうかな。

選んだ着物を梱包して
宅配便を出しにいく。
その足で、亡父の実家の横屋に挨拶に行った。
宮司は初詣の準備で忙しそう。
大刀自がなくなったので、
神奈川から従姉が帰って手伝っていた。

いったん帰宅し、娘と墓参りに行く。
谷の奥の窮まるところ(入沢康夫)にある菩提寺だ。
小僧さんに海苔と卵をお渡しする。
鐘楼の掃除をしていらっしゃった。
除夜の鐘の準備かな。
風が強くてなかなか線香に火がつかない。

お参りを済ませ、
お寺のすぐ下にある伯母(母の姉)の家に挨拶に寄った。
玄関に雪達磨が作ってある。
案の定、東京から従弟が一家で帰省していた。
長男は小学5年生で、長女は今度幼稚園とのこと。
女の児は小さくてかわいいね。

従弟はイラストレーターで、
結構活躍している。
最近の仕事では、
青山学院大学文学部のパンフレットを
デザインしたのだそうだ。
お忙しくてなによりである。
そういえば娘も、
このあいだ学園祭のポスターコンテストで優勝したから、
血筋?なのかもしれません。

講義要項!

2007-12-31 | Weblog
松江のネットカフェでメールチェック。
実家ではインターネットが使えない。
在外研究でフィレンツェにいるM教授から
メールが来ていた。
3月にご帰国だが、私はNYに行っている。
4月になったら一席設けましょうとお返事した。

K教授のブログを覗いたら、
年内に講義要項を入力するため奮闘中とある。
そうだ、講義要項を書かなくちゃ!

1月2日に東京に戻ってからでいいか。
来年度はやたら科目数が多い。
月曜なんか4コマも入っている。
「基本形」というのがあるので仕方がない。


【本日の一首】金葉和歌集(源国信)
何事を待つとはなしに明け暮れて今年も今日になりにけるかな

松江に帰る

2007-12-30 | Weblog
夕方の飛行機で帰省するので、
それまでに仕事を片付けなければならない。
Eさんの英文推薦書を作成する。
それをインターネットでアップロードすると、
先方アメリカの大学で受理される仕組みになっている。
いやはや、簡便な世の中になったものだ。

推薦書のコピーを、
T主任とC大学のH先生宛に投函。
推薦者がもう一人必要となり、
お願いすることになったJ准教授からメールが来た。
恥ずかしいのだが、私の書いた英作文を
ご参考までにお送りする。

高校教科書の指導書の校閲もなんとかし終えて、
返送は荊妻に頼む。
もう14:00過ぎとなった。

16:55羽田発の便だから、
そろそろ支度しないと…
荷物を持って娘と空港に向かう。
今回の帰省は父娘二人ということになった。
姑と荊妻は、今夜はホテルに泊まるんだそうだ。

午前中は、もしかしたら飛行機
飛ばないんじゃないかと心配したが、
ほぼ定刻に離陸、出雲空港に着陸した。
ひえ~、寒い。
風も強く、雪が混じっている。
それでも、無事に帰れてよかった。
ほぼ2ヶ月ぶりの松江である。
明日は蕎麦を食べに行こう。


【本日の一首】古今和歌集(読み人知らず)
偽りの無き世なりせばいかばかり人の言の葉うれしからまし

娘の誕生日

2007-12-29 | Weblog
娘の誕生日なので、
皆で食事をすることになった。
ところが心当たりのレストランはどこも
予約がいっぱいか、年内の営業は終わりと言われる。
仕方ないので荊妻に、
大学でいつも使っているという
「パリの朝市」の池袋店を予約してもらう。

姑は朝から墓参りに出かけた。
荊妻と娘は、誕生日のプレゼントを選びに、
出かけて行った。

歳末も押し詰まって娘は生まれたわけだが、
それはたいへんな親孝行である。
当初25日が出産予定日で、
クリスマスと一石二鳥だったのだが、
初産で遅れてはらはらした。
で、生まれて3日経ったら年が変わって、
すぐに数え年2歳になっちゃった。
しかし、3日間でも生きていると、
その年に扶養家族がいたことになるから、
税金が控除されて6万円くらい還付された。
いやはや親孝行だ。
それで古筆切を買ったもんね。

連続テレビ小説「ちりとてちん」の喜代美は、
大晦日の紅白歌合戦で
五木ひろしが歌っている時に生まれたという設定だから、
こちらのほうが究極の親孝行だと思うが…

夕方になった。雨が降りそうだ。
少し早めに池袋に向かう。
電車はガラガラ。年の暮れだな。

東武百貨店6階のスワロフスキーの前で落ち合い、
「サライの店」をちょっと覗く。
おお、「おかや木芸」の黒柿のぐい呑みが出ているぞ。
それから10階の「日本の職人100人展」を覗いた。
馬毛のストラップが気に入ったけど、
リザベーションの時間になったので「パリの朝市」に移動。

ディナーのBコースにした。
ワインはロゼにする。
プレゼントは小指にはめる指輪と、
イニシャルのペンダントにしたのだそうだ。
見せてもらう。
若い人は小さなものがいいらしい。
よかった、よかった、よかったな。(のいるこいる風)


【本日の一首】志濃夫廼舎歌集(橘曙覧)
楽しみは妻子(めこ)睦まじくうち集ひ頭(かしら)並べて物を食ふ時 

病院の下見

2007-12-28 | Weblog
自宅から20kmほど離れた病院まで、
家族の者を車で送った。
家族が1月8日に入院し
10日にちょっとした手術を受ける予定なので、
その道筋の下見のために、
検査を受けるのを送って行ったのである。

途中からは全く初めて走るルートだったが、
割と単純なので心配ないなと思いきや、
病院の直前で道に迷い右往左往。
住宅地に入り込んで冷汗をかく。
帰りに入り方を確認したので、
もう大丈夫だ。

片道45分ほどかかる。
1月8日は会議が目白押しだが、
午前からお昼にかけての2つの会議は
欠席の届を出してある。
しかし、うまく行けば間に合うかも。
車は病院に放っておいて、
電車で大学へ行くかな。

すき焼き

2007-12-27 | Weblog
門松を立てるよう荊妻に命じられた。
私の田舎では、
29日は「苦締め」、
31日は「一夜締め」といって、
この2日に正月飾りは行わない。
だいたい28日か30日くらいに飾るものだが、
時間のあるうちに飾ってしまうにしくはない。
門松を間違って2対買っちゃったというので、
仕事部屋の入口にも立てにいく。
近所でウチが一番早い。

関東では室内にお飾りはあまりしないようだ。
出雲地方では床の間はもちろん、
すべての部屋、風呂やトイレ、納屋、
はては玄関脇の水道栓にまで輪締めを取り付ける。
車にもお飾りをぶら下げるのだが…

午後、会議のため大学に行く。
2時間強の会議があって、
続きは1月7日の午前中に行うことになった。
正月休みがまた1日短縮した。

生協の店長さんに頼まれていた
来年度新入生向けパンフレットに載せる文章、
去年の原稿に手を入れて送信し、
そのまま生協店舗に出向いて、
今送りましたとT店長に確認してもらう。
なんと協力的な教員なんだろう、私って。

時間が少しできたので、
帰りがけに「にほんばし島根館」を覗いてみた。
恵曇のめざしがあった!
恵曇は「えとも」と読みます。
松江に海産物を供給する漁港ですな。
恵雲から行商のおばさんが魚を売りに来たものだ。
海産物をあれこれ購入する。
赤貝もゲット。

今夜は「すき焼き」だ。
一番いい日本酒も開けちゃおう。
その前に家で着る冬物衣料が心もとなくなったので、
荊妻と車でユニクロへ行く。
下着と室内着を購入した。

「すき焼き」はどこでも男が宰領するものだが、
ウチのやり方でいいでしょうと、
姑と荊妻がさっさとやり始める。
ウチのやり方とは、
亡き舅の方法ということだ。

エリンギを入れ、
葱と大量のしらたきを入れ、
その上に牛肉を載せて、
結構たくさんの砂糖(今日は羅漢菓の砂糖を使用)と
すき焼きのたれをぶっ掛ける。

炒りつけた赤貝で一杯やりながら
待つことしばし。
肉の色がいい具合に変わってきた。
娘がどんどん食べて行く。
幸福とは、かかる図をいふのであらう。

一噌幸弘笛づくし

2007-12-26 | Weblog
京王古書市から帰ってきて、
古記録研究会のメーリングリストに
早速明月記複製巻の報告を流したら、
ほどなく史編のO氏から、
その複製を戸山大学図書館で買えない?
とメールが来た。
だって非売品って言ってましたぜ、
カマかけたけど売りそうになかった、と返信する。
O氏もかつてその複製を一見したよしだが、
いろいろ微妙な問題があるらしい。

そういえばMさんは今日、
図書館の面接だったな。
うまくいくといいけど…

夜は国立能楽堂へ、
「一噌幸弘笛づくし」の第二夜を聴きに行く。
娘が行きたいというので、
珍しく父娘で。

う~ん、開場と同時に食堂に入り、
ハイネケン飲んだのがまずかった。
どんどん眠くなる。

「一噌幸政三回忌追悼演奏会」と銘打ち、
遺影が置かれていた。
野村萬蔵、宝生閑など、結構な演者。
メインは能管と篠笛による
ヴィヴァルディ協奏曲「四季」である。
超絶的なテクニックだが、
どうなんだろうなあ、
いささか無理があるような気が…

最後に披露された「蟹の笛」という、
幸弘作曲の「父に捧げる協奏曲」は、
よかったと思う。
まあ、最後は和やかな「コンサート」でした。

どこかで御飯を食べていくことにする。
千駄ヶ谷のあたりはよく分からないので、
新宿か四谷だな。
お前、四谷で女子大生やってるんだから、
どこかに案内しろよと娘に命じて
四谷に行くことに。
ところが、はかばかしからず、
仕方ないので「蕎麦善」の戸を引いた。
ラストオーダーまであと20分。
やれやれ。

夜の「蕎麦善」は完全に飲み屋と化している。
紫煙は朦々とあがり、
おじさんたちが声高に談笑。
それでも蕎麦好きの娘は喜んでいる。
一度来たかったらしい。

娘に梅酒と、私は燗酒を1本。
娘は「天せいろ」、私は「穴子天せいろ」にしたので、
肴は軽く蕎麦味噌と、「めのは」を注文。
「めのは」は炭火の熾った小型七輪?とともに供されたが、
手の込んだ趣向である。

出雲地方には「焙炉」という専用の器具がある。
ちょっと炭火に直では強すぎるかも。
一番簡単なやり方は、
ボール紙製の菓子箱に「めのは」を折り入れてゴムバンドで留め、
炬燵の中に放り込んでおくとよい。
パリパリで香ばしくなる。
神田の出雲蕎麦が閉店したので、
東京で「めのは」を出す店は貴重である。

店員さんに「めのは」の産地を聞く。
片句ですか? 
いいえ、大社から取り寄せます、とのこと。
すると宇龍漁港産の「めのは」か?
なにしろ和布刈神事が行われる場所だ。
「蕎麦善」のご主人は、
相当こだわりをお持ちのようだ。

京王古書市

2007-12-26 | Weblog
今日から新宿の京王百貨店で
古書市が開かれる。
荊妻と出かけた。

初日の午前中で、会場は大混雑。
井上宗雄先生ご夫妻がいらっしゃり、
最敬礼する。
その他にはKO大学のSさんほか、
お馴染みの顔ぶれをお見かけした。

会場でかつてE…院が作成したという
明月記建暦元年十月巻の複製を見せてもらった。
原寸原装原色の精巧な複製である。
こんなの見たことない、
東大の史料編纂所にも所蔵されていないんじゃないかな。
しかし非売品なのだそうだ。
残念!

荊妻は版本を少し買っていた。
私は安い短冊1、2枚にとどめる。
高田早苗と柳原白蓮。

お片づけ

2007-12-26 | Weblog
真夜中にごそごそ仕事部屋の掃除をした。
ゴミ袋1杯分の塵を排出。
身の回りが少し整理できたかな。

仕事部屋は、フロアの上に置き畳を敷き、
座り込んでPCをいじるようにしてある。
ブックトラックが1台あるが、
周囲には大型辞典や基本図書が、
所狭しと置いてある。
無名抄に記すところの、
若草の宮内卿詠歌の図さながらである。

まずもって手放せないのは、
『和歌大辞典』と『歌ことば歌枕大辞典』。
前者は私が巻頭項目「相生の言葉」の
記名執筆者なのである!
(巻頭と巻軸は偉いのだ。勅撰和歌集を見よ)
まあ、偶然そうなっただけなのだけれど…
あの項目を書くために慶應義塾大学図書館に本を見に行った。
原稿料250円で、交通費にたしか240円使った記憶がある。
差し引き10円の原稿だ。

まあ、それでも縁は異なもの…で、
宮部義正・万女夫妻の短冊を入手して珍蔵している。
夫婦とも達者な定家流だ。

閑話休題。
『日本国語大辞典』はオンラインで使えるようになった。
『新編国歌大観』だとか『角川古語大辞典』だとか、
CD-ROMデータベースに必須のアイテムもあるが、
書籍のかたちの基本資料として頻用するのは、
国史大系の『尊卑分脈』と『公卿補任』にとどめをさす。

大学院の修士課程に進学するのと同時に、
私は高等学校の非常勤講師になった。
週16コマの授業をして、
それに東京都の超過勤務の補助金がついて、
月9万円ちょっとになった。
そのうちの5万ほどを毎月書籍購入費に充てたが、
最初に買ったのが『尊卑分脈』で、
翌月に買ったのが『公卿補任』だった。
(>確かにそうだったんですよ。ねこさん)

爾来30年、
国史大系は丈夫な製本なのでビクともしない。
たのもしや『尊卑分脈』

宮崎地鶏の炭火焼

2007-12-25 | Weblog
注釈の初校の付き合わせを行うため、
11:00に大学へ行く。
都合のつく輪読会のメンバー6名が集合し、
まず未検討のまま入稿した原稿をチェック、
その後、各自が入れてきた朱を集約する。

研究室のドアを宮崎大学教授のY氏が開けた。
今日はY氏の博論公開審査が行われるのだ。
お土産に宮崎地鶏の炭火焼をいただいた。
以前にも貰ったが、
それは偽物だったのだそうだ。
そういえば今年は偽装が流行ったなあ。

13:00から注釈の仕事を中抜けして
公開審査会に出る。
副査を担当させられている。
本当に本当の私の専門分野ではないので、
高度に専門的かつ細かな質問はできないのだが、
まあ、大所高所?から疑問点を質した。
1時間ちょっと質疑を行い、
それからJ准教授の研究室で審査委員会。
審査報告書に署名捺印し、
自分の研究室に戻る。
ふう、あとは年明けの博論審査3本だ。

校正の集約は佳境?に入っていた。
担当部分を出版社に戻す校正紙に転記する。
整理して、作業は16:00過ぎに終わった。

時間ができたので、
穴八幡で一陽来復の御守を2つ購入。
冬至の日は滅茶苦茶混んでいたが、
今日はがらがらだった。
ご利益に差異があるのだろうか?
帰りがけに神楽坂で、
ワインとコロッケとフォカッチャを買う。