戸山の日々

東京の大学に勤務する教授の日常を綴る
  うつりゆくよしなしごとを書きつくる
       ブログの文の狂ほしきかな

グスタフ君

2007-09-30 | Weblog
仕事をしながらテレビをつけたら、
流暢な日本語を喋る
スウェーデン人が登場してきた。
TBSの「夢の扉」という番組である。
認知症介護への取組みを紹介している。

どこかで見たことのある顔だなと観ていると、
グスタフ・ストランデル(33)と
キャプションが出てきた。
剣道着姿の写真も映った。
ありゃりゃ、
これは昔教えたグスタフ君じゃないか!

私は12年間、高校の国語教師をした。
8年間は専任の教諭職を勤めたが、
その勤務校に留学してきた生徒に、
教科主任の命令で日本語を教えたことがある。
陽気なオーストラリア人2名と、スウェーデン人1名。
そのスウェーデンからの留学生が、
グスタフ君だった。

北欧の人らしく背がものすごく高く、
なぜか詰襟の学生服を着ていた。
(番組ではその頃の写真も映っていた)
たしか彼はヨーロッパの剣道チャンピオンで、
「スウェーデンはかつて周囲の国を征服したんだ!
すごいでしょう」といつも自慢していた。

こちとら周辺諸国を侵略したので、
肩身の狭い国だから、
変な気がしたものである。
王様みたいな名前の、偉そうなヤツだった。

現在、スウェーデンの優れた福祉システムを、
日本で展開する仕事をしているらしい。
ふーん、有意義な仕事をしてるんだ!
こうした人物の形成に、
いくばくでも与れたことは、
教師として本当に嬉しいことである。

授業開始日

2007-09-29 | Weblog
今日が後期の授業開始日なんだけど、
私の場合は10月1日から講義が始まる。
しかし、H文学研究会の研究発表会と総会があるので、
大学へ行く。

教員ロビーでK先生とすれ違った。
論文を苦労して書き上げたことを
ブログに書いていらっしゃったので、
お声をかける。

K先生ご推奨のベラルーシ料理店
「ミンスクの台所」に、
そのうち行きましょうとお約束をした。

14:00から研究発表会。
本当は13:00から委員会があったのだが、
自分が委員であることをすっかり忘れていた。

大学院生の発表を3本聞く。
日記文学や物語についての内容で、
なかなか勉強になった。
遠路、東国原大学のY氏、
世田谷中央大学のW先生などがお見えであった。
私はO女子大のA氏の隣に座った。
最後の発表者はA氏のお弟子さんであった。

総会も滞りなく相済み、
「かわうち」で懇親会。
20人弱でどんちゃん騒ぎをする。
1升瓶が2本空いた。
大勢いると会費が安い!
ありがたいことだ。

超、忙し!

2007-09-27 | Weblog
9:00から修士課程入試の面接試験である。
大学にはぎりぎりに到着した。
J准教授と二人で該当受験生を面接する。

終わったのが11:30。
先日の軽井沢の学生指導出張と、
来月の学会出張願を書いて事務所に提出。
学会は松江なので、宿泊費はもらえない。
実家があるから、もらったら不正受給になる。
安来出身の職員の方に、その旨を説明しておく。

図書館に本を返し、
生協で修理に出していたICレコーダーを受け取る。
それから昼食は「すゞ金」へ。
食後、K先生の俳諧コレクションの展示を観に行く。
なぜか社会学の教授連が参観していた。
芭蕉や蕪村、一茶の自筆などを拝見した。
一茶自筆は私も持っているが、
こういう文字を俳味と言うんだろうか。

14:30から論文の審査会。
紛糾すると思いきや、すんなりと決着した。
皆、評価が厳しい。

早めに次の予定会場に移動する。
大学近くのホテル。
16:00から
インターネット授業支援システムの事例報告会で
プレゼンを頼まれている。
pptをチェック。

会場前をうろうろしていたら、
T副学長が通りがかられた。
ホテル内の診療所で
定期健康診断をお受けになったらしい。
これからS大賞発表の
記者会見に行くところだとか。
受賞者は村上春樹。
当然である(私はアンケートに村上春樹と書いた)。
でも、よくぞ受賞を承諾したものだ。

事例報告会は3人の教授が30分ずつ発表、
私は前座だ。
最後のK教授は、
web上のレビューシートを紹介されたが、
これは大変に有益なシステムだ。
18:00過ぎに終了し、懇親会に顔を出す。
ちょっと飲み食いして、別の会議へ。

18:00からの会議に遅参。
頭が切り替わらないが、
私が担当する案件について説明し、
さまざまな修正意見、指摘を受けた。
来週までに手直しをしてこなければならない。

会議は早め20:30に終了。
久しぶりのフル回転ですっかり疲れた。
ここのところ少し太り気味だ。
昼の「すゞ金」もいけなかったか。
両肘の具合が変である。
また滑膜嚢炎になったかもしれない。

帰宅したら岡山のA先生が、
マスカットを送ってくださっていた。
ありがたいことである。
お礼状や返事を
書かなければならないものが溜まっている。

手紙といえば、最近、
筒井紘一先生の奥様から戴いたお手紙は
何度見ても惚れ惚れする。
巻紙に美しい筆跡で墨書されたもので、
披いた途端に背筋がゾクッとする。
こうした嗜みを、
娘にも身につけさせたいものである。

軽井沢

2007-09-25 | Weblog
もう公式には夏休みは終わったのだが、
24日~25日の1泊2日で、
学部コースの合宿のため
軽井沢の大学セミナーハウスに行く。
2年生が中心に企画され、教員の参加者は5名。
他に助手が2人ついて行った。

学生の報告をたっぷり聞く。
夜は23:00過ぎまで懇親会。
未成年者も混じっているので、
アルコールは控えめにする。

2日目は追分で
堀辰雄記念館などを参観し、
そのあと旧軽を少し散策する。
昼食はロータリーの「川上庵」
蕎麦をたぐった。
N教授にご馳走していただきました。

お土産には「ブランジェ浅野屋」で
パンとワインを買った。

論文、論文

2007-09-23 | Weblog
荊妻は学会のため名古屋へ日帰りで出掛けた。

娘は本郷でアルバイトだとか。
土日祝日は割りがよいのだそうだ。
「藤むら」で羊羹買ってきてよと言ったが、
「何それ?」とあしらわれた。
ものを知らぬヤツぢゃ。
まあ、予約してないとダメなんだが…

10月に松江で行なう学会発表の資料を投函する。
26日必着なので、大丈夫であろう。
結論部分がまだうまくまとめられていないので、
尻切れトンボの資料となったが、まあいいか。

夏休みの課題レポートの提出締切りが
25日に迫ったので、
受講者に一斉メールを流す。
まだ三分の一くらいしか提出されていない。
このレポートが出ていないと、
秋学期の授業ができないのである。
少し「脅し文句」を書き加える。

院生の論文を添削する。
それから紀要投稿論文の審査要旨を書き、
博士請求論文の下読みを少しやった。
そうしたらF先生からメール、
新たに博論の審査委員に加わって欲しいとの依頼だ。
T先生が急逝されたためのピンチヒッターらしい。
教授が一人必要とのこと。権威主義的だな。
この秋はこれで、5本の審査論文を抱えることになる。
まだ増えるかもしれない。
昨今はどれだけ課程博士を出したかが評価されるので、
これはこれで結構なことではあるが。

仕事をしながら、
自民党総裁選挙の生中継を
ついつい見てしまった。

夕食は私が作る。
御飯を二合炊き、
カレー、インゲンの炒め物、
トマトと玉葱のサラダ、
蛸の刺身、玉子焼きを並べて、
デザートに桃を一つ剥く。
姑が豚肉を焼いてくれた。
3人にちょうどぴったりの分量である。
最近は量の見計らいが絶妙になってきた、
と自画自賛しておく。

明日はコースの合宿で、
軽井沢へ行く。

教授会は長丁場

2007-09-21 | Weblog
しかし、久しぶりに教授会なんぞに出ると、
うんざりするね。
思わぬところで紛糾して、
いつものように長丁場となった。

人事関係の報告を聞いていると、
今現在、私自身が人事審査されたら、
到底この大学に採用されるとは思われない。
いっそ専任も全員任期制にして、
定期的に厳しく審査したらいいと思う。
もしかしたら、遠からずそうなるのかもしれない。
どんな優れた人物も、壊れることがあるんだし。

某委員長として
報告しなければならない事項があるので、
ずっと我慢して座っていたが、
憤慨すべき事があったので、
変なところで発言してしまった。
事前に副委員長に話したら、
やっぱり首を傾げたので、
あえて発言することにした。
でも、「事と次第によっては委員長辞めてやる!」
などと叫んだのは、少々フライングだったかな。

当局者は困惑顔で、
学部長もフガフガ抽象的な答えに終始した。
まったく分かっちゃいないことが、よく分かった。
私も傀儡ではないことが、
当局者にはよく分かったことと思う…

こういうことも、何とも後味の悪いものである。

山忠

2007-09-19 | Weblog
荊妻は附属高校で授業だとか。
大学の教員を呼んで来て、
模擬講義を受けさせるという趣向だろう。
荊妻も高校の教員免許は持っているが…

夕方、麻布十番へ。
駅構内で「しきなみ短歌会」のS先生ほかにお会いした。
一緒に稽古場へ赴く。

「春秋の宴」披講歌の練習の後、
「君が代」の稽古をみっちりと行なった。
A師匠作成の譜を用い、
一段と分かりやすい講習だった。
なるほど、一般向けワークショップでは、
五線譜を使うほうが理解してもらいやすいだろう。

先月、長女を出産したHさんに託った、
母子の写真を皆さんにご披露する。
Hさんもお稽古事のメンバーなのだが、
しばらくは育児に専念ということになるだろう。
A師匠は百日祝いの歌会をやる、
とのたまっている。

終了後、O社長、ムーミン大学のOさんNさん、
久しぶりに顔を出した待兼大学の院生M君、
さらにはM君の後輩も合流して「山忠」に入る。

Nさん今日は黒づくめの格好をしている。
「にしおかすみこ」
出身高校の後輩なんだそうだ。
それならいっそ鞭を持って歩きなはれ。

大学院の入試日

2007-09-17 | Weblog
今日は修士課程の入学試験日である。
専門試験の内閲と採点のため、
大学へ行く。

所属キャンパス近くの
銀行のところで、背後から、
教務主任をしているU教授に声を掛けられた。
U教授は荊妻の先輩である。

話しながらたこやき屋の前に来た時、
我が大学のS学長が
一人ふらふらしていらっしゃった。
暑いですね、お仕事ですか?と声をかける。
何かのイベントに呼ばれているらしい。
今日は何だね?
大学院の入試なんですよ。
がんばってくれたまえ…

S学長は、
自民党の総裁選挙に立候補している
福田康夫にどことなく似ている、
と思えなくもない。
福田康夫から水気を抜いて、
皺くちゃにしたみたいなお顔である。
言ってることがなんだかよく分からないのが難点だ。
ちゃんと原稿を書いてしゃべればいいのに。
案外せっかちなのかもしれません。

試験の内閲をしながら、
同僚教員と世間話に花が咲く。
K教授は最近中国へ集中講義に行かれたが、
先方のM教授が失脚したというニュースをうかがった。

M教授には、昨年訪中の際にもお世話になった。
でも、考えてみると、あの時も失脚寸前だったのかも…
その前に私自身が集中講義に行った際には、
ご本を戴いたり、何度もお食事したり、
また講演の原稿を中国語に訳していただいたりした。
戸山大学を訪問されたこともある。

ある事にからみ、辞職を強要されたのだそうだ。
中国というところは
「政治的」駆け引きがなかなか激しいようである。
あな、おそろし。

そんなことを言えば、
「政治的」にたけている人は近くにもいる。
そういう人に、
のんきな我々は出し抜かれるばかりだ。
おだてられ梯子を登って外されたり、
何度も当て馬にされてきた。
もういい加減、
そうした事態から脱却しなければならない。
そのためには、
我々も「政治的」になるべきなのか?
いやはや、まだまだ危機感が足りないのでしょうね。

入試に関することがらは、
差しさわりがあるの、勿論記しませぬ。

そんなに遅くにはならなかったので、
神楽坂でコーヒーとチーズを買って帰る。
「緑の豆」では、久しぶりですねと声をかけられた。
「アルパージュ」では、ポイントが溜まったので、
イチジクの干したのをサービスにいただいた。

久しぶりに研究会

2007-09-14 | Weblog
大学へ行く。
午前中、2時間ほど打合せに出席。
大学院のあるプログラムに関する準備会合である。
教務主任からいろいろ手厳しい指摘もあった。
どうも我々は、のんびりしすぎているようだ。
危機感がまだ足りないのであろう。

13:00からは注釈の研究会。
久しぶりの開催である。
原稿チェックを進めたが、
問題点がたくさん出てくる。
しかし、難しいから注釈する意味があるのだ。

18:00近くになって、
私は次の会合に出るため退出した。
同僚教授と「反省会」。
3時間ほど蕎麦屋で話をして帰宅した。
少し飲みすぎた。
地下鉄の駅を2つ乗り越してしまった。

高校の時のクラスメイトと
ディズニーランドに遊びに行った娘は、
私よりも帰宅が遅かった。

娘の前期成績が届いたという。
荊妻の話ではかなりよかったらしい。
真面目にやっているなら文句はない。

岡山おまけの一日

2007-09-13 | Weblog
集中講義は昨日で終わったのだが、
もう1泊した。
A先生のお宅へご挨拶に参上し、
虫明に連れて行っていただくことになっている。

延泊分はもちろん私費払いにしてもらう。
9:30にチェックアウトすると、
Kさんが車で迎えにきてくださった。
Kさんの運転でA先生邸に向かう。
昨日、交通事故に遭ったそうだ。
その翌日なので、申し訳ない。

A先生のお宅を尋ねたのは何年ぶりだろう。
しばらくして私の研究室の院生Eさんも来た。
Eさんの実家はこの近くで、
修士課程まで岡山の大学で学んでいたのである。

しばらく、研究上の話をして、
Kさんの運転で4人牛窓へ向かう。
牛窓へは去年、
同じくKさんのご案内で訪ねている。
ヨットハーバーの先、
海端の「唐子」というお店で、
昼食をいただく。

その後、虫明に移動し、
扇浜や裳掛岩などを案内していただいた。
要するに、狭衣物語の舞台である。
狭衣はフィクションなのに、
いろいろ遺跡があるというのは面白い。

16:00過ぎに岡山駅で降ろしていただき、
新幹線で帰京した。21:00頃に帰宅する。
あーあ、岡山でも全然仕事ができなかった!