戸山の日々

東京の大学に勤務する教授の日常を綴る
  うつりゆくよしなしごとを書きつくる
       ブログの文の狂ほしきかな

年度末

2007-03-31 | Weblog
年度末、三月尽。
メールが山のようにくる。

大学院の修士演習の教室が
07年度は例年のように配当されておらず、
私の個人研究室で行うことになっていることに、
一昨日気づいて苦情を言った。

博士課程の研究指導を研究室で行い、
引き続いて修士の演習に行くのだが、
時間で入れ替えるというわけにはいかない。
研究指導に出た諸君には、
私が修士の演習に行った後も、
研究室に残って議論の続きをしてもらっている。

事務所は授業の実体を何も知らない。
それは仕方がないことだ。
担当科目一覧が来た時、
すぐ気づかなかった自分も悪い。

しかし、修士の演習には10名以上が参加するのに、
研究室はどんなにつめても7~8名しか入れない。
授業をするなと言われているのに等しい。
では、非常に辺鄙なところにある教室でもいいかと聞かれ、
修士演習の後にも学部の演習が入っているので辛いが、
仕方がないと返事をしていた。

事務所でなんとか調整してくれたとのメール。
ありがたいことである。
学部再編で授業が増え、教室が足りないそうだ。
面倒なことがどんどん増えていく。
私のような老人には、しんどいことこの上もない。

07年度は10:30から17:50まで
間断なく授業が4連続の曜日がある。
なぜそうなったかというと
学部再編で従来の授業時間が動いたり、
新設科目があったりしたからだ。
大学院の時間の前後に
学部の授業が配置されてしまったのだ。
私のせいではないし、調整不能である。

90分の授業を4連続というのは、
考えただけでもゾッとする。
せめて教室配当くらい、楽なところにしてもらっても
バチは当たらないだろう。

桜は満開である。
今夕は町内会のお花見だ。

古写本出現

2007-03-30 | Weblog
終日、研究室で注釈の輪読会。
Aさんが調査してきた写本が、
南北朝、あるいは鎌倉後期に遡るかという
抜群の古写本だったという報告を受ける。
デジタル画像も見せてもらう。
ほんとうに柄のよい本である。
完本としては最古写本に間違いない。
本文の素性も悪くないようで、
注釈の底本に使うかどうか検討した。
結論は来月の輪読会で決定することになる。

今日は3名が報告。
私も報告したが、
いろいろ不十分な点を指摘される。

11:00から18:00過ぎまで、
お弁当を出前してもらい、
ぶっ続けで輪読会を行った。
さすがに疲労した。

桜は一気に満開になった。
もうちらほら散り始めている。
はかないものである。

会議と研究会

2007-03-29 | Weblog
全学的なフォーラムの副座長に指名されたので、
13:30からその第1回の会議に出席する。
その前に、「たかはし」でお刺身定食を食べる。

フォーラムは副学長のT先生が担当理事で、
今後オンデマンド授業システムを、
どのように展開するかを中心に、
非常に短期間に結論を出さなければならない。
第一次のフォーラムが7年ほど前に行われ、
私も一時そのメンバーだったが、
その当時の雲を掴むような話と今日とでは
隔世の感がある。
ともあれ、副座長なんぞに指名されて迷惑だが、
これくらいは貢献してもよいだろう。
所属学部の現状について、報告を行った。

夕方から研究会だが、
それまでに時間があったので、
神楽坂へ行く。
娘のイタリア語の先生に、
お礼に漆器を差し上げたく思い、
「うす沢」と「うつわや釉」を物色。
後者で手ごろなものを見つけ、包んでもらう。

「うつわや釉」の女主人は、
大勢の客が苦手なのだそうで、
お店にどやどやと人が入ってくると、
いやそうな顔をする。
なんだか変わっている。

それから、ワイン店に立ち寄って、
卒業式の日に研究室であけた
ロゼ・ワインが非常に美味しかったので、
同じものを2本購入する。
お花見用である。
実に美味しかったよと店員氏に告げると、
本当ですか!と嬉しそうな顔で
顧客登録しておけば何をお買いになったか記録できますと言う。
名刺を渡して登録しておいてもらうことにする。
ここの店員さんは客あしらいが実に気持ちいい。

研究室で少し仕事をした後、
近くのS寺で開かれる研究会へ。
今日の参会者は7名。
平安時代のテキストを輪読しているが、
「千鳥」と「百千鳥」をめぐる問題だった。
高田馬場の揚子江で、遅い夕食。
五目焼そばにしたが、油っこくて失敗した。

ここのところダイエットに油断が生じている。
気をつけなければいけない。

今日はバカに暖かく、
桜は一気に満開になった。
帰宅後、花見に行こうと荊妻を誘い、
ロゼ・ワイン片手に外に出たが、
自宅脇の公園は真っ暗で、断念する。

留守に市民活動家のT氏から電話があったというので、
こちらからお電話する。
活動団体間の
ちょっとした悶着?にかかわる一件に関することなのだが、
メールを送ったはずなのに意思疎通がうまくとれていない。
善処方を打ち合わせて、
すぐに当方の団体代表であるK先生にお電話する。
K先生はヴェネチア大学に1年間行っていて、
今日帰国されたばかりのはず。
疲れたようなお声が聞こえてきた。

明日は入籍記念日なのだが、
終日研究会があるため特別なことはできない。
そのことを不満そうに何度も言われた。
夫婦の危機なのかもしれません。

試験

2007-03-28 | Weblog
荊妻が名古屋から帰ってきた。
調査はうまくいったようだ。

麻布十番のお稽古事は
今日、試験が行なわれた。
試験官を仰せつかる。
上級1名、初級4名の受験者があり、
4名が合格、1名不合格。
合格者には適任証が渡される。

終了後、お祝い兼残念会。
N先生にお付き合いして
日本酒をかなりいただいたので、
酔ってしまった。
金陵の大吟醸。
車を運転するAさんは勿論だが、
皆さんはジンジャーエールを飲んでいらっしゃる。

無可書事

2007-03-27 | Weblog
荊妻は調査のため名古屋へ1泊で出かけていった。
少し片づけをしなければと思うが、
手がつかない。

ここのところ体調が思わしくなかった院生から
手紙をもらった。
いろいろあったようだが、
状況は安定したらしい。一安心する。

A先生からも手紙が来た。
N大学出身の院生について書いてある。
研究指導上の意見交換、というところだ。
お嬢様が本を出されたとか。
たしかお嬢様の名前は中勘助の命名と聞いた。
一、二度、車に乗せてもらったことがある。

娘がなかなか帰ってこない。
居眠りをしていたら風をひいた。

ガイダンス

2007-03-26 | Weblog
卒業式の翌日は、
専門課程の学生を集めてガイダンスである。
その前に、交替する新旧助手を交えての昼食会。
助手は2年任期の交代制である。
4月から着任する2人のうちの1人は、
私が研究指導のK君だが、
もう働かされている。
コース主任も交替で、今日から新主任が仕切っている。

ガイダンスは演習の登録手続きがメインなのだが、
教員が来年度の担当科目について話をする。
それが2時間もかかって、聞いているほうはうんざりだろう。
教員は放っておくといくらでもしゃべるからな。
私は担当科目が多くはないので、ごく短く済ませた(つもり)。

その後、来年度退職される
教育学部のK教授編集の書籍の編集会議。
執筆依頼の返事がほぼ出揃ったので、
さまざま細かな調整を行った。

O君にお祝いを送る。
神楽坂の「うつわや釉」で選んで、配送をお願いした。
O君は私が高校の教員をしていた時の担任の生徒だったが、
このたび博士号を授与され、また結婚したのである。
学位授与式の時におつれあいに紹介されたが、
学位と結婚のお祝いのしるしに、
ささやかな食器を贈ることにした。
やや小ぶりな鉢を選ぶ。
O君は考古学が専門だから、
土器ということで…

東京松屋本店で、老母に吉野葛のお菓子を贈る。
これは親孝行まで。

中野三敏先生の『写楽 江戸人としての実像』(中公新書)を一気に読んだ。
昨年、中野先生のご講演を拝聴したが、
その時の雅俗を軸にした江戸文化論も
コンパクトに収載されている。

浮世絵師東洲斎写楽は、
八丁堀地蔵橋に住んでいた阿波蜂須賀家の能楽師
斎藤十郎兵衛という
斎藤月岑著『増補・浮世絵類考』の記述が正しいことが、
『江戸方角分』の資料価値を解説しながら
明確に論証されている。

面白かったのは、
写楽こと斎藤家の隣が
村田春海の家であったという事実である。
その斎藤家から迎えた養子が、
村田家を継いでいたとは知らなかった。
うーん、江戸のことは
こんな細かいところまで分かるのか!

『江戸方角分』ではないが、
作者部類の研究に手こずっているS君に、
この本を読むことを
早速勧めてあげることにしよう。

卒業式

2007-03-25 | Weblog
今日は戸山大学の卒業式である。
本チャンの式自体に一般教員はお呼びも掛からないが、
所属のコースの学位授与には立ち会うのが礼儀である。
大学院と学部と、同じ教室で行われた。

久しぶりに副学長のT先生にお目にかかった。
入院されたということだったが、
すっかりご本復の様子だった。
また入院したい、と仰っていた。
骨休めになったんだろう。
次の学長に、ぜひなっていただきたい先生である。

学位授与の後、学部卒業生諸君と記念撮影。
その後、もう一つの学部のレセプションを覗く。
グラミネという卒業記念誌に載せる
特集インタビューを受けたが、
その記念誌をもらってくる。
なかなかよくまとめられていた。

16:00から構内で謝恩会。
この謝恩会は私が学部を卒業した1979年に復活され、
それ以来、形を変えながら連綿と続いている。

1979年の謝恩会は銀座のホテルでやった。
私も幹事の一人だったが、
Kか私かどちらかが代表挨拶をせよということになって、
容姿の優れているKが挨拶し
私は裏方で会計の責任者を勤めた。
その年、大学院に進んだのはKと私の二人だけで、
今はKも同じ大学の教授になっている。

近年は参加者が少ないが、
卒業生と教員が名残をおしむ機会である。
1979年の会費は8000円だったが
今年は3500円とのこと。
デリバリーを頼み、
簡素ながら心のこもった集いである。
料理・飲み物ずいぶん余ってしまった。
余った料理は折につめて卒業生が持って帰るのも面白い。
花束を頂戴した。

謝恩会の合間に、研究室に挨拶にきた
大学院の修了のOさんとお話しする。
来年度から助手になるK君なども呼んで、
まずはロゼ・ワインを開けて祝杯をあげる。

謝恩会が終わった後、
U教授の研究室で、K教授と3人で少し飲む。
3人はいずれも助手経験者だが、
わがコースの行末について
いささか深刻な意見交換を行った。
ぼんやりしてはいられない状況が起こりつつあるのだ。

戴いた花束と、
K君にもらった中国茶も持って帰宅する。
K君はまた中国奥地へ行ってきたらしい。
行動的な人である。

カレー

2007-03-24 | Weblog
今日も家中出かけてしまったので、
夕食当番。

お昼ごろから水に漬けておいたひよこ豆で
久しぶりにカレーを作ってみる。
玉葱を刻み、合挽きミンチとかしわを少し入れて
味は甘めに仕上げる。
御飯はマンナン光50%にして炊いた。

18:30に娘から迎えに来いと連絡あり。
車でバイト先近くまで行き、ピックアップ。
バイトはマンションのモデルルームの受付だが、
今日はお客が多かったそうだ。
ライバル会社の客引きも横行したとかで、
腹を立てている。
バイト先にそんなに忠誠心を持つことはないと思うのだが、
それだけ一生懸命にやっているということなのだろう。
娘は経営とか人事管理に関心があるようで、
そういった方面のよい勉強になっている。

皆が揃ったので19:00に夕食。
カレーは好評で、荊妻が皆平らげてしまった。
料理は心持ち少なめに作って、
足りない分は野菜で補うのが
ダイエットの要諦である、と思う。

女性陣はフィギュアスケートをご観戦だが、
関心がないので早めに寝る。
起き出したら、ミキティが優勝、
真央ちゃんは2位だそうだ。

不二家

2007-03-23 | Weblog
不二家の一部店舗が
洋菓子の販売を再開したとのニュース。
神楽坂店のペコちゃん焼は
少し前に再開していたが、
今日は工場製洋菓子の
販売再開ということのようだ。

最寄駅前の不二家も営業していた。
ケーキが売られている。
徹底的な衛生管理がなされた
ということだろう。

しかし、衛生管理を徹底した不二家洋菓子は、
はたして昔どおりの味なんだろうか?
などと意地悪な感想を抱いたりする。

利殖

2007-03-22 | Weblog
郵便貯金の金利が上がってきたので、
定額貯金を書き換えに行く。

少しだけまとまった金額を、
郵貯と外貨建ての投資信託にしておいたのだが、
その差は歴然。
桁が二つ違っている。
資産管理には疎いのだが、
あまりぼんやりしてもいられないか。

別に投資信託を2つ申し込む。
荊妻に促されるまま、電話をかけた。
お金のことはまったくわからない。
もしも荊妻に先立たれたらどうしよう。
早く死ぬにしくはない。

地価が上昇しているという。
不動産関係のバイトをしている娘は
ニュースを見ながら、
マンション市場について解説を始めた。
耳学問はおそろしい。