テキスト主体

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(当然、その他についても、語ったりする)

大阪市長選の結果を受けて

2014-03-24 23:57:10 | 日記
今更ながら、といいますか、大阪市長選では順当に橋下氏が再選を果たしました。
対抗陣営としては、〝不戦勝〟を狙った、対立候補無し、の図式でしたが、投票率こそ異例の低さでしたが、得票数は38万票に届こうとする数で、個人的には、対抗陣営側の〝不戦敗〟に近い結果ではなかったかと思います。
思うに、橋下氏以前の、大阪府、大阪市の施政は、まずいところ、辟易する対応ばかりが目立ち、糜爛した官僚組織の汚れっぷりをあからさまにされて、嫌気が射していたなかで、陰陽で云えば、陽の雰囲気のある橋下氏の政策に対する人気がいまだ衰えていないという証左ではなかったか、と思います。
確かに彼の言葉には、デマゴーグすれすれのものもありましたが、前を向く姿勢を見せ続ける政治家としては、非凡な方だと思います。
無理矢理、双眼鏡にからめた話をするなら、彼の決めた方針の一つに大阪南港野鳥園の予算削減というものがあり、バーダーや環境保護論者から、バカ扱いされてるのを、良く見受けます。確かに現在の南港野鳥園は、シギ・チドリ類の渡りの中継点として、広くその価値が認められており、それを経済的事由で損なうのは、愚策にも思えます。
以前にもココに書きましたが、野鳥園、インテックス大阪、ATC・WTC等が出来る前の南港は、いまの野鳥園など及びも付かない、野鳥、野生生物の一大繁殖エリアでした。
高層住宅のみが建設され、まだニュートラムすら満足に通っていない頃に南港に住んでいたのですが、鬱蒼とした雑草と人の背丈ほどの低木だらけの上記のエリアは、またとない湿地帯となって昆虫、カエル、ネズミ、果ては潮が被るところでは、数々の海生生物までがうじゃうじゃとおり、それを餌とする鳥類爬虫類小型ほ乳類まで、ここは本当に大阪市内かと疑うほどにひしめき、小型渡り鳥のコロニーをいくつも維持できるほどの規模でした。本来なら、そのまま、なにも開発していなければ、いまの野鳥園の比ではない自然環境であったことは間違い有りません。そういう状態から、まるで言い訳か、悪い言葉で言えばお為ごかしで造られたかのような印象を南港野鳥園に対しては持っており、そもそも人の経済生活圏で野鳥と共存しようという試みそのものにも疑念がないわけでもありません。また、大阪市という地方自治体が、財政的には、放漫な過去からの姿勢がたたり、末期的症状を呈しているのは否めません。このように、彼の打ち出す数々の方針は、暴論のように見えるものであっても、停滞したさまざまな問題に反論や議論を呼び起こします。
たとえ、財政的に苦しくても、あるいは、昔の自然の栄華の残滓に過ぎないようなものであっても、野鳥園は残すべきだとは思うのですが、なんとなく停滞したまま、存続するのではなく、現在とこれからにおけるその意義を充分に見極める必要は有るはずなのです。
問題提起のやり方が非常にあざとい橋下氏の政治手法は、反面教師にしたいほどえげつないやり方ですが、決して、後ろ向きではないところには共感を持っています。
コメント
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