テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

ラーメンにまつわる莫迦な男のおはなし

2012-09-28 23:06:27 | 日記
以前、このブログでアヤシゲなインスタントラーメンを食した経過を記事にしたことがありましたが、”もやしもん”ちう、菌漫画の登場人物、お金持ち子女、長谷川遥嬢は成人するまでに一度もインスタントラーメンを食べたことがなかったようです。

で今回は、同じようにラーメンと疎遠だった裕福なおうちの女の子と、非道く莫迦な男のお話。

高校で同級生になった、お金持ち用私立学校から来たお嬢さん、素直で明るく色白で可愛く、帰宅方向が途中まで一緒ということもあり、仲良くなりました。お庭にご祖父の胸像があるような大層なお金持ちのお家で、下町育ちのワタシなどとは縁遠い人だったハズなんですが、ある日、帰りが遅めになった折り、二人でなにか食べて帰ろうということに。

で、ご要望を伺うと「ラーメンが食べたい」と。いささか腑に落ちない感じをまといながらも、中華料理やさんにいって、拉麺を所望する。まぁ、そこそこにオイシイお店で、寒い時節でしたが、暖まって帰る途中、電車で隣に座ってお話ししました。
彼女曰く、「おいしかったけど、中華そばっていうのかな、あれは」と。
タブン、ワタシは意味不明オーラを発していたとは思うのですが、よくよく聞いてみると、お店でラーメンを食べたのは初めてらしい、付け加えて、実はラーメンそのものも人生で2回目だったとのこと。何年も前、お兄さんのボーイスカウトのキャンプにオミソでついて行って、そこで食べたインスタントラーメンが最初のラーメン体験で、その後は縁がなかったらしい。
和そばや、おうどんは何遍も食べたことがあり、中華そばという語彙は知っていて、彼女のアタマの中では、中華風味の和そば様の麺が「中華そば」であって、「ラーメン」は縮れたくにゃくにゃの麺が特徴で、ちぢれ故にラーメンと云うんだと思っていたらしい。
その勘違いを説明する課程で、彼女とはより打ち解け、天然な素直さに惹かれ、その後もイロイロとあって、彼女には、それまで知らなかったいろんな経験をしてもらうようなおつきあいになったのですが、とある誕生日に、家族と食事に行くので是非一緒にと誘われ、ご母堂のドレス姿に、自分の立ち位置と行く末のヤバさを自覚した若いワタシは、しばらくして、恐らく彼女にとっては最初で最後であろう切ない仕打ちをしてしまい、今でも、様々な意味合いで、莫迦だったなぁと、ほのかな哀惜のような気持ちを持っています。
コメント
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