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テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

時計仕掛けの虜囚

2013-04-25 22:34:33 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
知人から、宇宙戦艦ヤマト2199の録画を借りて、見ています。
そのなかで第9話、時計仕掛けの虜囚、が前作にないサブストーリーとして、賛否さまざまな評価をされているようです。
ガミラスのアンドロイド敵兵と、アナライザーはじめとするヤマト乗組員との関わりを、艦内ラジオの寓話とオーバーラップして語る、そんなお話ですが、各所にSF名作へのオマージュめいたキャッチが出ていて、流石はブッちゃん(総監督出渕 裕)などと思ったりもします。
ただ、ガミロイドと、人類、そしてAIとの共通性を前面に押し出すあまり、異質なものへの畏怖がほとんど感じられなかったのは少し残念。サイバーな描写やイベントも僅かにとどまり、逸脱を大きくしないように、という安全策めいた雰囲気もありましたので、個人的にはすこし不満気味です。
もともとガミラスそのものが、敵人類として描かれた作品なので致し方ないところではあるのですが、この宇宙戦艦ヤマト2199は意外なほど中高年のかたが視聴しておられるアニメらしいので、さらにさらにを期待したいのです。

進撃の巨人

2013-04-20 22:03:26 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
無数の人を喰う巨人から、壁の中に引きこもることで逃れている”人類”を描いたコミックがアニメ化して放送され出しました。
サメなどの補食動物を連想させるような、異常に歯の数が多い巨人をはじめ、街の建物やモブの顔の描き分け、オープニングの戦闘シーンなど、結構重厚で緻密に作られていて、迫力があります。ただ、原作のコミックは既に10巻を数え、巨人そのものでできた壁の秘密や、人類に紛れ込んだ巨人、教団の秘密や、主人公の父の遺した地下室の謎など、ミステリーがストーリーの柱になってプロットが複雑になってきていますが、初期の頃は、人物の行動倫理や設定にやや荒唐無稽な無理押しや青臭さがありました。アニメでもそのあたりを原作通りに踏襲しているようで、いっそのこと、エピソードのいくつかを省略改変したほうがいいのでは、などとも思います。というか、コミックにしろ、ラノベにしろ、原作が人気を博し、まだ完結しないのに、映画化、アニメ化する風潮は、実のところ、あまり好ましく思っていません。
以前紹介した、「岳」がそうでしたが、映像制作者たちがまともな脚本を作り出せないジレンマを、原作の雰囲気とテーマを借りるだけの映像化で解消するのは願い下げだと思うと同時に、原作の足りないところは映像化に際し変えてしまうのはアリだとも思っています。

個人的には同じ壁(=破れない結界)テーマの作品なら、狼の口~ヴォルフスムント~の方が、よっぽど映像化してほしいと思います。もちろんまだ未完の作品ですので、完結後、という前提ですが。

MANY WINTERS

2013-04-12 22:16:46 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
邦題を「今日は死ぬのにもってこいの日」という、恣意的なタイトルを付けられた本です。
タオス・プエブロ族の古老が語る、「死」が日常と自然の中に織り込まれることによって、却って、「生」の高らかで穏やかでしかもダイナミックなありようを浮き彫りにする、70年代からアメリカで始まったネイチャー指向の出版の一環だと思います。
アメリカでは1974、邦訳は1995で、私が買ったのは初版でしたから18年前になります。



「今日は死ぬのにもってこいの日だ。生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。すべての声が、わたしの中で合唱している。すべての美が、わたしの目の中で休もうとしてやって来た。あらゆる悪い考えは、わたしから立ち去っていった。今日は死ぬのにもってこいの日だ...」



「わたしの中には、遠く広く見るのだと教えてくれた鷲と一緒に、東へ向かって旅をする『少年』がいる。鷹は改まって、こう言った、君が住んでいる小さな世界などあんまり重要ではない、と思えてくるような『飛翔の時』というものが、この世にはある。君の目を天空に向けるべき時間があるのだ...」



書評から抜き出した、この本のなかでも特徴的な文章です。
タイトルや、上の文章だけから受けるイメージと違って、多くの厳しい冬から、当たり前のように自然は春へと孵化して立ち上がり、また冬へと向かうという、生き物の力強い営みを讃え、人間もまた自然の理にかなう生き方をする力強い生き物である普遍的な事実を書いた本でもあります。
スピリチュアル、ヒーリングといった概念でこの本を読むと、すこし解釈を誤るかもしれません。自然には当たり前の事実が満ちていて、当たり前でない数々の辛苦は、人間自らが産み落としているものでしかないという基本的なことの象徴を、構えずに自然体で捉えて語っている、そんな印象を持っています。
何かが、リセットされる、そんな風に言い換えても良いかもしれません。

グリバタケッケちゃん

2013-04-10 21:21:53 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
漫画、まことちゃんに登場する、奇怪なひよこのオモチャ。
グリグリとゼンマイを巻くと、バタバタと不器用に歩き、コケる。蹴っ飛ばすとクワッと目を剥き、吼える。しまいには、両足の間から、一対の中味(器官)が飛び出すといった、恐らくは現代の技術でも作り得ないような飛び抜けた機能を誇る。あまりに可愛くないので、空気の抜けたサッカーボールのように蹴られていたが、聖秀幼稚園に生息する獰猛なニワトリ、ろくちゃんに囲われて安住する。
もう、エピソードもうろ覚えですが、グリバタケッケという語感が良くて、ふと意識の隅に浮かんでくることのある、ぼやけることのないコトバなのです。

Mediterranean Sundance Friday Night in San Francisco (full)

2013-03-01 19:41:25 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
Mediterranean Sundance Friday Night in San Francisco (full)


何故かアコギづいてしまいまして、色々と聴いてるのですが、私の持ってるなかでは、もっとも熱いプレイがコレです。速弾きだけなら、イングヴェイにも更に凄いのもあるのですが、この演奏の迫力と魅力は、おそらくギター演奏というモノが始まって以来、最高、かつ唯一無二のものであるとすら感じています。

上の動画を見て聴いて、興味を持たれたむきは”Friday Night in San Francisco ”というCDを入手しましょう。シビレます。

Rodrigo y Gabriela ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ

2013-02-24 18:18:21 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
アイルランドで活躍するメヒコの男女アコギデュオです。
先週、FMラジオで彼らの演奏を聴き、その一時間後にはCDを注文してました。
もっとも好きなギタリストはライ・クーダーだと公言するワタクシですが、テクニック至上のイングヴェイ・マルムスティーンに傾倒し、コリエルやディメオラのレコードも幾つか持っていました。彼らにはラリー・コリエルやアル・ディメオラの、更に云えば、パコ・デ・ルシアの匂いを感じました。
日本語版タイトルが「激情ギターラ!」などと胡散臭いものになってますが、彼らのギターは迸るテクニックが心地よく、今年初頭に何度目かの来日公演をしたのも知らぬワタシが、2006年発売の上記のCDを、気に入った次第です。
確かに、上に挙げたビッグネームのギタリスト達に比べれば、音の粒立ちの艶やかさに足りないところはあるのですが、アコースティックギターのダイナミックレンジの広さ、楽器としての魅力を余すところ無く引き出していて、デジタル音に慣れた耳を潤いで満たしてくれます。
オマケのDVDは結構ライブ感があり、画質はお粗末ですが愉しめました。

キムボール・キニスン

2013-01-25 23:28:48 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
その昔のE・EスミスのスペオペSF、レンズマンシリーズの初期の主人公で、幼い私が活字メディアで初めて、”ヒーロー”として認識したのがこの人です。ヴェランシア人(竜)のレンズマン、ウォーゼル、巨躯のオランダ人バスカーク、その他数限りない登場人物、異星人が銀河パトロールとボスコニアンの戦いに参集し、グレーレンズマン(独立レンズマン)となったキムが、とあるパーティで、その地味なグレーの出で立ち故に、かえって注目と尊敬の眼差しを集めるあたりは、私に中二病の前駆症状をもよおさせるに充分でした。
もっとも同世代の子供達にとっては、そんな銀河パトロール隊のことなど全く知らない興味ない面白くないのは、当然なので、手首に着けたレンズに対する熱い思いを語り、闘うことは無かったのでした。ジュブナイル世代を過ぎた後は、なんかレンズマンシリーズの設定や物語全てに気恥ずかしさを感じ、その後アニメ化されたときでも、どちらかというと避けてました。思い出多い作品とキャラクターなのにも拘わらず、思いだす度、懐かしさより気恥ずかしさが先に立つのはこのヒトだけで、当時の私が如何に強く影響を受けていたかが知れるのです。

ポップな自堕落

2013-01-12 23:56:18 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
うーさーのその日暮らしという、コミック、アニメがあります。
謎の肉食ウサギ型多弁生物のアレな日常を描いた作品です。
タイツとニーソとストッキングとナマ足、どれを選ぶか夢で悩んでいるような邪悪な欲求に身を焦がす破綻っぷりですが、立場も実力も弱そうなので、不思議と憎めません。上記のマスト4アイテムの取捨選択に対して、カルビとロースとハラミとごはんを比喩とするあたりも、ユング的なリビドーを彷彿とさせます。”りん”と”れん”という女の子のキャラクター含め、ファンシーな文具キャラにもなりそうなロリポップさなのですが、キレンジャーのカレー好きがネタにされてるようなオッサン臭さ、三度の飯より二度寝が好きという三年寝太郎っぽさ、成り上がりを夢見てばかり居る小物臭、混沌としています。
また、期間限定でニコニコ動画にアニメ全12話が無料公開(単品は有料だった)されています。



うーさーなぞなぞの一つですが、ネタばらしをすると、ケータイのカナ入力の順なのです。こういう感覚と、そこはかとないバタ臭さ、ポップなルックスのバランスが、心地よいのです。

アニメ、物語シリーズ(西尾維新)

2013-01-03 22:45:29 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
以前、西尾維新≒新井素子という趣旨で記事を書いたことがありますが、この三が日、暇にあかして、年末に放送していた猫物語まで、化物語、偽物語、とアニメ化三作を鑑賞しました。今さら感あふれるのは承知ですが、続けて見る事で、話の脈絡も分かりやすいですし、アニメ化過程での三作の違いも分かりました。ただ、やはり、八九寺真宵(小学生)、千石撫子(中二)、阿良々木月火(中二)、火憐(中三、歯磨きシーン)、そしてブラック羽川(猫耳銀髪下着姿)のキャラが動いているさまは、規制すれすれというか、放送していいんかい?と思うくらいにヤバくて、原作に通暁していないと、正視できないとすら思えるものでした。先日の記事ではないですが、完全に露出オーバーで、眩しい、見ててソワソワする情景で、そのような好みをお持ちの方で、見てないよ~という場合には、一見をお勧めします。

原作の過剰な掛け合い雑談は適度に間引かれていますので、ある意味、見やすいかとも思いますが、私は戦場ヶ原ひたぎ嬢(高三、ツンツン微かにデレ)推しなので、化物語以降、出番の少ないのが少々残念。また本来なら劇場版の傷物語が完成、公開されているはずでしたが、猫物語が先になったのは、ちょっと違和感があるとはいえ、却って羽川翼嬢(高三、ブラック羽川の母体)推しの方には、蕩れ(萌えの強意表現)要素が増したかもしれません。また先に述べた見やすさというのは、西尾維新の作品の特徴を削いでいるきらいはあります。

追記
アニメ 物語シリーズセカンドシーズンの追記欄に、2013 7月8月のY新聞のショート書き下ろしがあります。写真をクリックして下さい

休日の愉しみ―音楽鑑賞

2012-12-10 23:13:43 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
ステレオによる音楽鑑賞は、部屋にいながら、音源の録音場所、時間に移動する疑似体験だという考え方があります。
実際、ワンポイントステレオマイクや、バイノーラル録音された音源を、それぞれ良くセッティングされたスピーカー、位相のキッチリしたヘッドフォンで聴くと、歌劇などでも、歌手の移動する動きや、顔の向きまでわかるような音場感が味わます。オンマイクのボーカルで巨大な口が唄っている様な、あり得ない音像とは違います。
先の週末には、それよりもさらに古い技術、モノラル録音の音場感を感じ取れる音源を幾つか聴きました。トスカニーニやフルトヴェングラーのオケ、グールドのピアノです。モノラル録音でも、ホールの残響音や音域ごとの耳(マイク)への到達位相の僅かなズレなどで、オケの配置(奥行き)や、音像の位置(高さ)などは感じ取れます。以前聴いたことのあるオンキョーの広い試聴室では、モノラル録音のトスカニーニの「運命」が、疾走するスピード感が粒だつようなきらめきで再生されて驚いたコトがあります。自宅では音響的にはずっとデッド(反響音が少ない)ので、ライブ(反響音が豊か)な試聴室とは比べものになりませんが、それでもグールドのゴルトベルク変奏曲などは充分に音場感をもって再生されます。
むしろ、グールドの超絶な演奏の凄み、その奥深さが、ステレオ録音より分かり難いぶん、注力して聴くと、何度聞いても飽きが来ないようにすら感じました。
今回使用した再生システムはBOSEの音場型スピーカーなので余計にそう感じるのかもしれませんが、ごくフツーの小型ブックシェルフスピーカーでも、スピーカーを壁から離し、丁寧にセッティングしてあげれば、充分に楽しめると思います。折角、位相再現に極めて優れたデジタル音源が一般的なモノになった時代なのですから、再生楽器としてのスピーカーの活用、つまりは音場感のある音源の疑似立体再生に注目してもいいと思うのです。

CD 声でわかる山野の鳥

2012-12-08 23:39:02 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
鳥の本の記事のなかで、最後に買った新 山野の鳥に対応する、鳥の声のサウンドCDです。
色々と野鳥の鳴き声の図鑑めいたものはでていますが、このCDは、コーラス編、ナレーション編、コーラス編の解説、山野の鳥の声編、クイズで復習編初級、上級と言う内容で、ごく初心者の方にも美しい鳥の声を聴きながら、声による鳥の同定の端緒になる内容で、優れた商品だと思います。
特に収録されている鳥たちのこえが、非常に注意深く典型的な声であるような音源が厳選されていて、企画だけ立ち上げてあとはやっつけ仕事である、同種のCD、DVDに比べ、良く練り上げられた内容になっています。
野鳥の生態、暮らしぶりを覗き見、高らかな歌唱に聞き耳を立てるというのは、ある意味、助平な趣味なのかもしれませんが、家の近くであれ、自然の中であれ、どこにいてもすっと入っていける、安らぎと静かな興奮をもたらす趣味なので、このCD、小さな新山野の鳥の本ともども、お勧めです。
もっとも、やっていることは覗き、横耳行為ですから、謙虚に自分以外のモノ、環境の邪魔をしないという自制は必要です。

未来からのホットライン

2012-11-28 23:36:00 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
どこぞの仮面政党の話ではなく、故J.Pホーガンのタイムマシン物のハードSFの作品名です。
ホーガンの作品は、文庫で出版される度に読み続け、かなり好きで、理論詰めで迫ってくるサイエンスフィクションのセンスオブワンダーは凄く評価できるのですが、翻訳者に恵まれず、IR(赤外線)探査を「情報検索~」と訳したり、フェンシング用語のTouche! をそのまま「一本まいった」と訳したり、原文を見なくとも、明らかに誤訳であったり、貧弱な訳であったりが散見するので、いまいちリズムに乗りがたいところもありました。それでも作品中で組み立てられた空想科学理論は、ストーリーをグイグイと引っ張って、面白く読ませます。この作品中に、核融合発電の実用化実験が描かれていて、実はその方式には地球そのものを食い尽くす微小なマイクロブラックホールを生成するという驚天動地の欠陥があり、その過ちが、タイムマシン(未来からのホットライン)にて解決されるという結末です。
まあ、実際には、核融合発電は未だ実用化の端緒にすら達していなくて、上記のような心配は杞憂にもならないくらいなのですが、その以前の原子力発電については、深刻な憂いが世に満ちているようです。
ワタシは原水禁、原水協はじめとする反原発団体は、原子力村に寄生して利権を貪る団体だと考えています。中には真面目に安全を求めて行動しているひともいるのは知ってますが、エゴにまみれたコアがあるのも事実です。
本来なら、既存の技術で、安全な原子炉を作るのは可能です。ただ、コストという視点からは、既存の化石燃料がずっと安上がりなのも間違いないところです。
閑話休題、未来からのホットライン、で想起される未来、をごく真面目に考えてみます。つまり、何を未来に残すのか、何がその価値をもつのかです。有り体に言うと、歴史の審判に耐え、後世まで変わらぬ価値を持って継がれていくものは何かということです。おそらくそれは金銭や、証券、株券ではなく、実体のある富や、成果や技能、制度、作品、社会環境などであり、あるいは文化や知見そのものであるかもしれません。そのような、自分で思い描くことの出来る理想的な未来は、何を欲しがっているのか、という考え方は、インターネット含む等質な情報過多からくる近視眼的な物の見方とは違う性向を必要とします。ヒトの物の考え方として、情報過多のうつつにかまけすぎて、先のことを考える余裕が無くなっていると思うのです。以前から、何かの折りに頭に浮かぶのですが、思いっきりうつつを抜かして、”目指せ、三年寝太郎!”です。

鳥の本

2012-11-23 22:56:39 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
ニコンのスピノザ10x25を買ってから、バードウォッチングめいたこともするようになりました。そのうち、持ち歩ける図鑑が欲しくて、色々と調べた末、高野伸二さんのイラストによる野鳥本のなかでも廉価な左の本を買いました。

野鳥を同定する場合、写真撮影のようにじっくりと細部を詳細に亘って観察できることは少なくて、多くの場合、刹那に見たその印象を照らし合わせるような場合が多いので、野鳥観察に慣れた人による詳細図画のほうが判りやすいと教わり、鳥見の聖人、故高野伸二さんの本を選んだのでした。

実は、真ん中の日本野鳥の会のフィールドガイドが欲しかったのですが、結構高価(3K以上)な割りに、どの本屋にもくたびれた現物しかなかったので、躊躇していたのです。

最初の本は、図版ももとより、巻末の解説が鳥の習性、代表的な種の見分け方などを平易に説明してあり、その内容を熟読するだけでも、いっぱしの鳥屋めいた気分になれたものでした、その後、大阪の難波にジュンク堂がオープンしたときまっさらのフィールドガイド日本の野鳥を見つけ、買い求めました。
現在はそのジュンク堂も千日前店と名前を変え、NMB48のメッカとなってますが、当時(1996)は、キタ(梅田、大阪駅地区)中心だった、大阪の書店群に対抗し、ミナミにも本格的な大型書店の出店として話題になっただけあり、豊富な品揃えが魅力でした。
右の本は、最近、双眼鏡をいくつか買い足し始めてから買った小さなブックレットで、ポケットやカバンの片隅で待機しているEDC本です。

全ての本には、クリヤファイルを切り貼りして、セミハードカバーを被せています。



で、ず~っと疑問というか、明らかにおかしいと思っていて、10年くらい前に疑問が解消というかそのわけを知ったのですが、

上のページのように、コマドリの学名がErithacus akahige で、アカヒゲの学名が、Erithacus komadori であるということ。
最初は誤植に違いないと思っていたのですが、どうも個体標本についたラベルの取り違えで、このように登録されてしまい、変更できないまま流布され、固まったという事情らしいのです。かのオランダ経由で江戸時代にやってきたドイツ人医師シーボルトが日本で採集し、標本として送り、新しく固有名が登録された様々の生物の一員だったらしく、その事実を知って以来、コマドリを見る度、シーボルトのヒゲを想起するようになりました。

ぬう、やるなお主

2012-11-13 23:57:19 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
と、ワタシの中のかつてのAFVモデラー、PANZER定期購読者としての気概に、ガンッと被弾させるのが、ガルパンの配役であります。
配役といっても、CVのつくニンゲンではなく、

WW2主体の戦車達のこと。
IVD、38(t)、八九、M3リー、MkVIIチャーチル、マチルダ、M4達、唯一最新のヒトマル式。
M4では、ファイアフライやM4A6などにもこだわり、迅速軽快すぎ、快適そうな戦闘シーンはあるものの、設定はけっこうツボです。
ただ、初回冒頭でチャーチルとマチルダが疾走するのは、ソコは違うだろ!、なぜクロムウェルとクルセーダーにしないか!?とツッコミをいれてしまいましたが。
同様の仮装戦記?だったストパンと違い、メカに拘泥できるのはなかなかによいので、今後は是非ともハノマークやケッテンクラートなど、脇役の登場も期待したいのです。




ちなみに、ケッテンクラートの製造メーカーがNSUです。

映画 Winter's Tale

2012-10-08 21:10:21 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
以前、小説を紹介する記事で映画版のお話しをしましたが、”Winter's Tale"にコリン・ファレル、ジェシカ・B・フィンドレイ、ウィリアム・ハートらに続き、イケメン・ゲイのマット・ボマー、ルーシー・グリフィス、そして調べたら米寿になるエバ・マリー・セイントらが出演することになったようです。「北北西に進路を取れ」で印象的な悪美女、イーブ・ケンドルを演じたエバは、撮影時には89歳、恐らく映画公開時は90歳になるはずで、作品への興味とは別に、話題になるかも知れません。
かのアキバ・ゴールズマンのイレコミぶりがわかるのですが、往々にしてお話しにのめり込みすぎた大作映画は撮影時に迷走し、結局妥協の産物になるってことはありがちで、幾多の秀逸な原作が駄作映画にされてきました(デューン/砂の惑星など)。ハリウッドの横暴と勝手に呼んでますが、同時に、原作の世界をずっと越えて、異なった価値観をも呈示してくれるような映画もいくつか記憶にあり(フィールド・オブ・ドリームスなど)、功罪相半ばでもあります。

なにぶん、上下巻の長編小説であり、しかも登場人物のジャンルも、病弱薄命美少女、天翔ける白馬、盗賊、気のふれた主人公、予言と建設を行う聖者、などなど多岐に富み、イベントも盛り沢山、飛び交う価値観の中にある正義への渇望をぶれなく描いた作品なので、興行映画にまとめるのは困難だと思いますが、ゴールズマンの腕に期待したいところです。