テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

休日の愉しみ―音楽鑑賞

2012-12-10 23:13:43 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
ステレオによる音楽鑑賞は、部屋にいながら、音源の録音場所、時間に移動する疑似体験だという考え方があります。
実際、ワンポイントステレオマイクや、バイノーラル録音された音源を、それぞれ良くセッティングされたスピーカー、位相のキッチリしたヘッドフォンで聴くと、歌劇などでも、歌手の移動する動きや、顔の向きまでわかるような音場感が味わます。オンマイクのボーカルで巨大な口が唄っている様な、あり得ない音像とは違います。
先の週末には、それよりもさらに古い技術、モノラル録音の音場感を感じ取れる音源を幾つか聴きました。トスカニーニやフルトヴェングラーのオケ、グールドのピアノです。モノラル録音でも、ホールの残響音や音域ごとの耳(マイク)への到達位相の僅かなズレなどで、オケの配置(奥行き)や、音像の位置(高さ)などは感じ取れます。以前聴いたことのあるオンキョーの広い試聴室では、モノラル録音のトスカニーニの「運命」が、疾走するスピード感が粒だつようなきらめきで再生されて驚いたコトがあります。自宅では音響的にはずっとデッド(反響音が少ない)ので、ライブ(反響音が豊か)な試聴室とは比べものになりませんが、それでもグールドのゴルトベルク変奏曲などは充分に音場感をもって再生されます。
むしろ、グールドの超絶な演奏の凄み、その奥深さが、ステレオ録音より分かり難いぶん、注力して聴くと、何度聞いても飽きが来ないようにすら感じました。
今回使用した再生システムはBOSEの音場型スピーカーなので余計にそう感じるのかもしれませんが、ごくフツーの小型ブックシェルフスピーカーでも、スピーカーを壁から離し、丁寧にセッティングしてあげれば、充分に楽しめると思います。折角、位相再現に極めて優れたデジタル音源が一般的なモノになった時代なのですから、再生楽器としてのスピーカーの活用、つまりは音場感のある音源の疑似立体再生に注目してもいいと思うのです。
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